ステータス確認しよう?
5話め。
シュウの容姿変更が入りました。(5/9)
翌朝。
自分の部屋とはいえ、まだ見慣れない。知らない天じょ…いややめておこう。
「まぁゆっくり慣れていけばいいか」
そう思いベッドから身を起こし、支度をする。
着替えを済ませてリビングへと向かう。ちなみに、自分の部屋は二階の階段横。階段を挟んで反対側が師匠の部屋だ。一階に台所や洗面所、風呂場などの生活に必要な部屋は全て一階にまとめてある。
「師匠はまだ起きてないのか」
だったら、僕は家事代行の仕事として、朝食の準備でもしますかね。自炊も久しぶりだなぁ。こっちくる前は修学旅行中だったし。よくよく考えたらたったの1週間振りだったわ。いや、それ以下か。
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トーストに牛乳、小さなサラダと言うスタンダードな内容の朝食にしてみた。てか勝手に食材使って良かったのかな。
しかし、それを食べるには、一つ問題があった。
「それにしても師匠はまだかなぁ」
そう、師匠がまだリビングに来ないのだ。
「うーん、呼びにいくしかないか」
師匠の部屋の前に来た。コンコンと二度、扉をノックする。
「師匠ー?起きてますかー?」
「あと…あと5分だけ……」
眠たげな師匠の声。というか、師匠は朝に弱いタイプか。人格次第で変わりそう。野営とかなら寝起きもぱっちりしてそう。
「師匠ー!それは絶対起きない奴ですよ。二度寝のループに入っちゃいますよ」
「うぅー、分かったよー。ちょっと待ってて……」
てか師匠、今までよく一人暮らしが成立してたよね、って切実に思った瞬間だった。
リビングで待つこと数分。師匠はやってきた。……髪をピョンピョンさせたまま。……寝癖師匠って別次元の生き物だよね………。
俺が師匠に萌えを感じていると、思ったよりシャキッとした声で謝罪してきた。
「弟子くん、待たせたね。…いやー本当にごめんね?」
僕が抗議の視線を送ると、師匠は舌をぺろっとだして謝罪してきた。これが美少女のテヘペロ…破壊力ヤバいな。
尊死、するのか、俺……
しかも少し天然も入ってるだろ?マジかこの人。
「弟子くん、朝ごはんも用意してくれてたの?何だか本当に申し訳ないなあ。ありがとね」
「もう良いですから食べましょうよ。味の感想も下さい。あと、好みも。食事の内容を調整しますから」
「わかった。それは食べながらにしよう。では、
「「いただきます」」
食べ物に感謝してからいただく。こういうのって大事だと思うタイプの人間なんだよね、自分。てかこっちにもいただきますの文化が?
「うん。美味しい。弟子くんは料理が上手みたいだね」
「まぁ、前までよく自炊してましたからね」
こっちに来る前は一人暮らししてたからなぁ。健康を心がけてたら、朝の健康的である、この手の簡単な料理はお手の物なのです。
「へぇ、そうだったんだ。ところで、今日は君のステータスを確認しにいくよ。それ次第で修行の方も変わってくるからね」
「どうやってステータスを見るんですか?」
「冒険者ギルドに登録する時に、カードに血を垂らして、そこに表示されるのがステータスだよ。でも、君の姿じゃ少し目立つかな……」
確かに、僕はこの世界では珍しいとされている、黒髪黒目だからね。勇者と似てる、とか言われたら面倒そうだ。
僕たちは朝食を食べ終えた後、師匠が目立たないように少しばかり外見を変えてくれるとのことで洗面所へ向かう。
師匠、液体で髪を染めさせる気じゃないよね……
「弟子くん、今から私が魔法で、君の髪と目の色を変える。最初の方は違和感があるかもしれないけど、しばらく我慢してね。いくよ。『変幻自在』」
鏡に映る僕の髪。見慣れた黒髪がみるみる白く染まっていく。師匠とお揃いで、少しばかり恥ずかしい。
目は黒から赤に変わっていく。その深い赤色に吸い込まれてしまいそうだ。なんとも不思議な魅力を感じさせる。って自分の目に何を言ってるんだろう。
うん、凄い違和感!
「うん、格好いいじゃん!やっぱり素材がいいのかな?」
「そんな事言われたことないですよ」
「弟子くん照れてるのかー?このこのっ、」
「うわっ、師匠やめてくださいよ、」
師匠に小突かれつつ、改めて鏡を見る。
そうして、僕は白髪赤目のなんだか厨二病みたいな見た目へと生まれ変わった。厨二病ってこっちの世界にもあるのかな……
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見た目に関する違和感を既に割り切った後、街へ出て、冒険者ギルドへ向かった。
「この二つの剣と盾が交わったような看板があるのがギルドの建物だよ」
ギルドの建物は石レンガで作られているらしく、大層立派な見た目をしている。これで各街に置かれる支部だって言うのだから驚きだ。
中に入ると、ギルドには酒場も併設されていて、そこで飲んでいる冒険者らしき人が何人もいた。
「お、カナデさんじゃなねぇか。その連れは誰だい?」
「何?もしかして彼氏さん?お若いねぇ」
わお、早速絡まれた。カナデ師匠は有名人っぽいな。まぁあんだけ強くてかわいいってなったら名が知れない理由が無い。
「この子はシュウ。私の弟子。彼氏とかじゃ無いから!そういう邪推をするのはやめてね!」
邪推て。まぁ勘違いされたのは間違いない。
「じゃあ弟子くん。こんな奴らは置いていて、ステータス確認しよう?」
何故疑問形なんだ。そして絶妙に毒舌な師匠だった。
師匠に導かれ、受付らしき場所へ向かう。受付は女性で、普通の人間みたいだ。ケモミミとか無いし。
「こんにちは、カナデさん。ご用件は何でしょうか?」
「こんにちは。この子の冒険者登録をお願いします」
「承りました。では用紙の記入をお願いします。名前と性別、簡単な容姿の特徴以外は記入無しでも良いですよ」
名前は…シュウ。性別は男、身長は180はいってなかったような……。体重は最近測ってないし覚えてないから50キロぐらいでいいや。
出身地は…… まぁ書かなくてもいいだろう。
簡単な容姿……さっきの髪と目の特徴でも書いとくか。
よし。
「ご記入はお済みですか?でしたらこのカードに血を一滴お願いします」
針で指先を刺し、血を垂らした。
カードは淡く輝いて、光が収まったそこには…
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名前:シュウ
職業:平民(未設定)
職業適性:魔法剣士
攻撃力:E
守備力:F
魔力:D
魔法防御力:F
俊敏:E
幸運:S
スキル:未習得
※こういったステータスの描写は全くでてこないかもしれな
いので特に気にしないことをお勧めします。
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…ふむ。低い。何とか俊敏だけ高い。幸運はお化けみたいな数字だ……なんだよSって。
「うん。これは…」 「ヤバいですね」
「一般人の平均ステータスは、大体オールEだよ?鍛えたりしている人ならDとかもありえる。でも、いくら非力
「職業適性が一応上級よりなのは救いでしょうね」
「えっと、師匠、これから修行はどうしましょう?」
「一度帰ってから伝えようかな。ちょっと考えさせてね」
僕たちは職員さんに挨拶をして冒険者ギルドを出た。
「弟子くんは確か短剣、持ってたよね。それに魔力、込められる?」
「まだやったことないです。ちょっと試してみます」
腰に刺した貰い物の短剣を抜き、魔力?を通そうと力を込める。感覚はそれっぽいものがある。もう少し……
「…出来た。」
短剣は薄紫色のオーラを纏っている。
「おお。ステータスは低いけど、才能は凄いみたいだね。帰ったら早速修行スタートだよ!」
どうやら方針が決まったらしい。それじゃ、
「はい、師匠!」
修行に向けて気合を入れないとね。さぁ、どんな修行が待っているのか。それはもう、今から楽しみだ。
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作者は狂喜乱舞します。