カイトの街
4話目。モチベーションのためにもブックマークとその他諸々をよろしくお願いします!
二時間近く歩いて着いた。
「わぁ、フィロの街よりも凄く活発ですね。」
周囲を見渡せば、市場で野菜を販売している人、魚を競りに掛けている人、串焼き肉を売る屋台の人。様々なところから色んな声が聞こえてくる。しかもその種類も様々、髪の色はカラフルだし、獣人みたいな人もいる。ケモミミ!ケモミミのある世界か!よっしゃぁ!
「フィロの街には行ったんだね。この街は貿易を盛んにしているから、活発なのは当たり前なんだよ」
カイトの街は、フィロの街よりも異世界、と言った感じの家が並んでいる。異世界ものの定番と言っても過言ではないような『普通』の家なのだ。というかフィロの街が白すぎたのだ。日本でも違和感あるわ!
「おう、カナデさん。そっちの坊主は誰なんだい?」
串焼きを売っていた屋台のおっちゃんが話しかけてきた。おー、こりゃまたワイルドなおっちゃんだなぁ。
「この子はシュウくんと言って、今日から私の弟子になった人です。よろしくお願いしますね。」
「なるほどな。カナデも前からかわいい教え子が欲しい、って言ってたからな。腕前もあるから、いい師匠になりそうだな。よし、これ持ってけ。弟子取り祝いの品だ」
そう言っておっちゃんは自分の屋台の串焼きを一本ずつ差し出してきた。
いや待て。かわいいって何?
「ありがとう、ギルさん。」
わお、名前までワイルド。そんなおっちゃんに礼を言って立ち去る。……ねぇ、かわいいって何だったの?
歩いている途中、どの宿にしようか通りを見渡していると、師匠が衝撃的な事を言い出した。
「そういえば言い忘れていたけど、これから私の家に泊まり込みで修行を課すからね!」
って、
「ええええええええ!!!」
人の往来があるというのに、思わず叫んでしまった。これはお恥ずかしいところを……。ではなく、何故そうなった。
自分で言うのもなんだが、僕はまだ強く信頼できる証拠が無い。それこそ恩があることぐらいしか。
「……それは大丈夫なんですか?」
「私は家族とかと一緒じゃなくて一人暮らしだから、大丈夫だよ!」
待て待て。それは何が大丈夫なのか、師匠。余計にダメな気がする。
師匠は無防備というか何というか、少し抜けてるところがあるよね。見目麗しい女性なのだから、そういうところはしっかりと考えて欲しい。口には出さないが。だって、指摘したら追い出されるかもだし?うん。
「ここが私の家だよ。住み込みで働いて貰うから、覚悟してね。」
カナデ師匠の家は周りの家に比べて大きな、むしろ大きすぎる、二階建ての屋敷だった。……この家に、一人暮らし?冗談きついよ。それと働いて貰う?この広さで?掃除とか大変でしょ?想像すると仕事量やばそう。
マジ?
「し、師匠、掃除とかってどうするんですか?」
「あ、そうだね、じゃあ掃除もお願いしよっかな」
無駄な地雷を踏みましたとさ。とほほ……。
「 ここが君の部屋だよ。基本的に何しても何置いても良いよ。ただし、今置いてある備品を出したりする時は一度私に言いに来てね」
「はい、わかりました」
部屋は綺麗なままで、掃除が行き届いてるな、と感じる。全部屋この調子じゃ、掃除は骨が折れそうだ。
部屋にある備品は、簡素な机と椅子が2セット、木製のベッドと、静かな感じのランプが幾つか。どうやって付けるんだろ、これ。
「ありがとうございます。ありがたく使わせてもらいます。」
「うん。今日はもう遅いけど、明日からは早速修行を始めるからね!」
よし、強くなるためだ。ここは腹を括ってやる!そしていつか、あのムカつく王に一泡吹かせてやるんだ!
そんな風に決意を固めて、あとは他の部屋について一通り説明を受け、食事をとってしてから、この日は眠りに着くことにした。今日はもう疲れたよ。歩き回ったし、ドラゴンには追われるし。布団に入った途端、もの凄い眠気に襲われた。ベッドに倒れ込む。
おやすみ。
ブックマークとその他諸々をよろしくお願いします。
作者は狂気乱舞します。