精霊の授業と模擬戦
※投稿遅れました!ごめんなさい。
作者はルビの使い方を覚えました。
なので、精霊の種類にはルビ振りがしてあります。
半竜化状態のリュナに雷が落ちた。
「え?大丈夫か、リュナ!」
「うん、大丈夫だよ。ちょっと見てて。」
リュナを見ると、彼女は全身に雷を纏っていた。
なるほど。自分に帯電させて能力を向上させるのか。
確実に先程よりも動きが速くなっている。
「行くよ、ヨル!」
リュナが爪で斬りつければ、ヨルの鱗が少しずつ削れていく。
「まだまだ!吹けよ魔力の風『ブラスト』!」
ブラストは本来、突風を吹かせて相手を吹っ飛ばす技だが、自身の翼に当てる事で加速を促しているのか!
ちなみに詠唱短縮されている。
更に速度の上がった斬撃がヨルを襲う。
今更だが、ヨル、なんか小さくないか?
「ふむ、リュナよ。この短時間で我の鱗をここまで削れるようになるとは。十分じゃ。ひとまず合格としよう。」
「ありがとうございました!」
リュナが攻撃の手を止めて竜化を解く。
「では我は傷を癒せばならぬし帰る。ではまたな。」
ヨルが消える。
「じゃあ、私も帰るとしますか。シュウの伸び代もすごいから、これからにも期待してるからね!じゃあね。」
「あぁ、ありがとう。またな。」
挨拶をして、ヴァルも消える。
「シュウ、特訓、どうだった?」
「結果は上々、ってとこだな。リュナの方は?」
「私はねぇー…」
俺たちは雑談を交わしながら帰路についた。
---------
数日が経ち、精霊の授業の当日の朝。
外の鳥の鳴き声で目を覚ます。おしゃれだな。
顔を洗って目を覚ましたら、起きてきたエリクと朝食を食べる。
「今日は精霊の授業だろ?シュウの精霊はどんなだ?」
「いや、授業まで秘密だ。だから、エリクのも授業で見せてくれよ。」
「分かった。でも、そんなに期待しないでくれよ?」
支度を終え、教室へ。
既にそこにはリュナとアッシュの姿が。相変わらず早いよな、あいつら。
「リュナ、アッシュ、おはよう。」
「シュウもエリクもおはよう。」
「あ、リュナおはよう。」
「エリク、僕は?」
「すまん、アッシュもおはよう。」
朝の挨拶だけでこんなに使うとは…(作者)
アッシュは相変わらずリュナばっかり話しかける。アッシュが不憫だ。
いつもどおり学院長が入って来て、ホームルームを始める。
「さて、分かっていると思うが、今日から精霊に関する授業が始まっていく。午前は座学だが、午後からはグラウンドで各精霊との授業だ。ほどよい緊張をもって挑め。自分の精霊を操りきれないと危ないからな。では、今日も頑張ってくれたまえ。」
そう言って学院長は出て行く。本当に嵐みたいな人だな。
座学なんて眠くてやる気が出ないが、精霊の事は気になるし、ちょっと真面目にやるか。
---------
ゆっくりと目を開ける。顔を起こして時計を見ると、昼食の時間がちょうど始まった所だった。
「シュウ起きた?あんなに意気込んでたのに、最後の方は寝てたでしょ。ちゃんと聞いてた?」
「あぁ、後半は精霊関係じゃなくて歴史だったしな。」
ちなみに俺は、座学も歴史じゃなければしっかり聞いている。師匠が歴史好きでよく話していたので、重要な人物などはバッチリ頭に入っている。
この学校は実力主義なので、小テストなどで点数を取れれば大丈夫なのだ。…注意はされるが。
「午後からは精霊と一緒に授業だからね。ヨルは小さくならないと驚かれるよね。」
「確かに、あのサイズの竜が出てきたらビビるよな。」
「じゃあ、ご飯食べて、授業行こう。」
二人で昼食の時間を過ごした。
そして午後ー
---------
早速、精霊の授業が始まろうとしている。
「精霊の授業を担当する、レベスだ。よろしく頼む。では早速だが、各自自分の精霊を召喚してくれ。」
レベス先生は爽やかイケメンお兄さんだった。ちょっと苦手なタイプだ。
また、あの青髪の少女を思い浮かべて魔力を込める。
「お、今日も召喚してくれたね。いつもより早くない?」
「いや、今日は学院の授業で呼んだ。すまんが協力してくれ。あまり周りにちょっかいを出さない様にしてくれよ。」
「了解した!」
ちなみにヴァルは現在全身鎧を着ている。全身鎧から少女の声が聞こえるのだから、違和感が凄まじい。
「我に何用だ。早くも特訓をする気になったか?」
「いや、授業があるんだよ。一緒に聞いててくれる?」
「なるほど、ではもう少し縮んだ方が良さそうだな。」
「うん、あと、他人にあんまり突っかからないでね!」
全員が一斉に召喚したからか、ちょっと狭くないか?
「おっと、少し手狭になったか。全員、俺の声が聞こえる程度で離れてくれ!」
これで少し余裕が出来た。先生ナイス。
「皆、なかなか良い精霊達じゃないか、 獄炎狼に毒蛇、暴風烏までいるじゃないか!今年の対抗戦は貰ったな!」
「なぁリュナ、対抗戦って何だ?」
「知らないの?魔法剣術対抗戦って言って毎年、夏休みの前に、この魔法学院と、北の方にある剣術学院で選手を出して戦う大会よ。出られるのは一年生だけ。言い換えると、新入生の自慢大会ね。」
「そういうのがあるのか。分かった。ありがとな。」
なるほどな。日本で言う新人戦みたいなものか。
「じゃあ、獄炎狼の君と、毒蛇の君で模擬戦をしてくれるかい?」
「あ、毒蛇ってヨルの事だったか。リュナ、頑張れよ。」
「うん、頑張る。応援してね?」
「「よろしくお願いします」」
相手は、推薦組にいた、礼儀正しそうな男子生徒だった。
「敵の無力化もしくは寸止めが勝利条件です。」
「では模擬戦、始めっ!」
「ヨル、鱗を飛ばして妨害して!私はアレを使うよ。」
「うむ、了解したぞ。」
リュナが詠唱を始める。雷魔法だな。
ヨルは、自分の鱗を相手の進行方向に飛ばして妨害している。というかヨル、鱗扱えたんだな。
鱗を越え、獄炎狼がリュナに飛びかかる。しかしその攻撃は、肥大化したヨルの尻尾に弾かれた。
「魔力よ集いて、敵を焼き尽くせし炎となれ、『ファイアボール』!」
火球がリュナへ飛ぶが、リュナは魔法を完成させた。
「雷よ!その怒りを以て敵を滅せ!『サンダーボルト』!」
落雷の魔法が相手から少しズレた位置に落ちた。
長文詠唱によって高まった威力は、人を倒すには十分だった。
模擬戦なので、本当に当てたりしないが、これで…
「これで私の勝ちですよね、ありがとうございました。」
「我がいたから当然だな。」
「あなた、強いですね。私の負けです。ありがとうございました。」
「ガウ、ガウー。」
双方、握手を交わして模擬戦終了。
おー!と歓声が上がる。
「なかなか良い戦いでした。獄炎狼側に少し連携が足りませんでしたね。では次は…騎士の君と、堅牢亀の君で模擬戦を頼むよ。」
あ、俺か。ヴァルは騎士と見なされたらしい。
対戦相手は…アッシュじゃねぇか。あいつの精霊、亀だったのかよ。
そして、その亀はかなり大きくて、あいつの腰上ぐらいの高さがある。でかい。
「シュウは騎士か。よろしくね。」
「アッシュのは亀だったんだな。」
「うん、黙っててごめんね?」
「「よろしくお願いします」」
「では模擬戦、始めっ!」
「『ブースト』」
アッシュが亀に身体強化を掛けた。亀がメインファイターか。
亀の割に速い動きで突進をしてくる。
「ヴァル、アッシュを抑えててくれ、亀は俺が相手する」
ヴァルは無言で頷いてくれた。一応騎士として扱われているからな。
「シュー!」
威嚇しつつ睨んでくる。でかいから、少し迫力を感じる。
「シュア!」
またもや突進がくる。横っ飛びに躱して魔法を放つ。
「『バースト』」
亀の背中に小規模な爆発を起こして意識を逸らした隙に…
「『フリーズ』」
いつもより強めのフリーズを放つ。亀の手足を凍らせ、無力化する。ヴァルの方を見ると、ヴァルがアッシュを組み伏せていた。
「どちらも無力化したぞ。俺の勝ちだ。」
歓声が上がる。
「シュウ、あの騎士どんな身体能力をしてるんだ?気付いたら組み伏せられていたよ。」
「まぁ、あいつはちょっと特別だから。ていうかお前召喚したの見てただろ。」
「あの青髪の子?全く違って見える。あの子が鎧を着ただけだったのか。」
いや、気付けよ。精霊の契約は一人一回だろ。
「取り敢えず、もう少し模擬戦をしよう。時間が余れば、精霊との親交を深める時間にしよう。」
その後はみんなの模擬戦を見学していた。ソフィアの精霊は雪原狐で、氷魔法を使っていた。
エリクの精霊は砂塵馬で、砂嵐を操っていた。どちらも魔法を扱える個体で、なかなか優秀だ。
速い動きで撹乱されつつ魔法を連射なんて、たまったもんじゃない。
明日からは、精霊祭に向けての特訓の授業だ。
そういえば、精霊祭って何をするんだろうな。
そんな事を考えつつ、俺は寮へ歩みを進めるのだった。
最近思うのですが、「イベント毎の内容薄くね。」と。
これからはもう少し、細かい表現を入れたり、描写を増やして、もう少し濃い目の内容をお届けできたら、と思います。
こんな作者を、どうか温かい目で見ていて下さい。
ブックマークや評価、よろしくお願いします。
作者は狂喜乱舞します。