初授業は障壁割り
久しぶりの二日連続投稿!
モチベが上がっております。
さて、カレーなんて作るのは久しぶりだな。
「じゃあシュウ、料理頼むぞ」
「ああ、任せろ。美味しいカレーを作ってやる」
「期待して待ってるぜ!」
まずはニンジンジャガイモの皮剥きと芽取りをし、一口大に切り揃えていく。
そして牛肉の余分な部分を切り取る。
次にそれらと切った玉ねぎを順に炒める。玉ねぎがしなしなしてきたら、水を加えて煮込む。
更にルウを加えて再び煮込む。
最後に、先に作っておいた白米にルウを掛けて完成!
上に述べた手順でカレーを作ってみた。
もう夕飯にちょうど良い時間なので、すぐに頂く。
「おおっ、出来たのか!美味そーだな!」
「食べたら感想を頼む。味付けを変える参考にする。」
「分かった。じゃあ食おうぜ!」
「「いただきます」」
俺は一口だけ口に運ぶ。
うん。普通に美味い。どうやら腕は落ちてないらしい。
さて、エリクの反応は…
「ん!!美味ぇぞ!シュウ、料理上手いな!」
「それは良かった。ちょっとだがおかわりもあるからな。」
「ムグムグ…おかわりだ!」
「はは、食べるの速いな。ほら。」
「ありがとな。ムグムグ…」
大盛況みたいでよかった。
明日からの料理にも腕が鳴るな。
「んじゃ、先に風呂行っていいぞ。料理してくれてるしな」
「ありがとう。じゃ先に貰うぞ。」
俺は風呂でサッパリしてからそれぞれ眠りについた。
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翌朝、俺は簡単なトーストを焼いてエリクと食べた。
「朝食は毎日とるのがいい。体の調子に関わるからな。」
「分かった。トーストなら俺も出来るから、たまにするぜ」
「それは助かる。じゃ交代制にするか。朝食だけな。」
「でも夕飯はシュウに任せるからな!」
俺達は寮を出て、学術棟の教室へ向かう。
教室に入ると既に、リュナとアッシュは席にいた。
「シュウ。おはよう」
「おはよう。シュウ君そっちは昨日の人?」
「お、俺はエリクだ。よろしくな。」
「私はリュナ。よろしくね。」
「僕、アッシュ。よろしく。」
自己紹介をしたタイミングでうちの担任が入ってきた。
「全員座れ。初めての寮暮らしは仲良く過ごせたかな?では今日の予定だが、今日は障壁割りの授業をする。そこで担当の先生の指示に従え。では全員、グラウンドへ移動だ。」
学院長の指示に従って出る。すると、あのオズポーンとか言った貴族が話しかけてきた。
「おい、平民、この授業で貴族と平民の差を明確に示してやるよ。精々頑張るんだな。」
「そりゃすごいな。お前も頑張れよっ」
「そうやって調子に乗れるは今のうちだからな。」
彼はそういった後、鼻で笑って去っていった。
「本当っに何なのあいつ!許せないわ!」
「まぁリュナの気持ちも分かるが落ち着け。要するに、俺があいつに勝てばいいんだろ?」
「じゃあ、絶対勝ってね。あいつは許せないわ。」
「分かったよ。」
「おーい君たち、こっちだ。」
そう言って手招きしている教師がいる。緑髪に尖った耳、エルフか。いや、人里に出てきているからハーフか。
「では自己紹介をします。私は、ハーフエルフのカティノ、と申します。私が魔術科を担当しています。皆さん、よろしくお願いしますね。」
やっぱりハーフエルフだったか。
「では今日は障壁割りをします:やり方は簡単です。今から私がこんな風に100枚の魔法障壁を張ります。それを、一回の魔法で何枚割れるかを挑戦してもらいます。」
「では早速行きましょう。誰から行きますか?」
「俺がやる。」
そう言って出てきたのはオズポーンだ。ていうかこれ名字なんだよね。
「おい、さっきの平民、貴族の実力を見せてやる。しっかりと見ておくんだな!」
はいはい、見ますよ。
「炎よ!集いて我が敵を焼き尽くす槍となれ!『フレイムランス』!」
彼の右手から放たれた炎の槍は、多くの障壁を貫通していた。
おおーという声が湧く。
結構割ったんじゃないだろうか。
いやそれよりも詠唱?恥ずかしくないの?文脈やばいよ?
「ロード君の今の得点は、64枚!初めての授業では上出来ですね。」
「どうだ、これが俺の実力だ!貴様のような平民には真似出来ないだろう?」
何だあの会心のドヤ顔!恥ずかしいあの詠唱をしながらあのドヤ顔?あいつのメンタルやばいよ!
「どうした?俺の実力に声も出ないか?次はお前の番だぞ」
「シュウ、あんな奴に負けないでね!」
「うん、シュウ、頑張って。」
「シュウ、負けんじゃねぇぞ!」
リュナたちも応援してくれる。期待大だな。
「先生、次、俺がやります。」
「あなたがシュウ君ね?100枚分を超える威力を出さないでね。この障壁、そんなに強くないの。」
言われて障壁を見る。確かに、数重視で強度はそんなに無さそうだ。
「じゃ行くぞ。『フレイムランス』」
蒼い炎の槍が一直線に飛ぶ。その槍は100枚目を割り切った時に消えた。まぁ俺が解除しただけだが。
「蒼い炎?しかも無詠唱?学院長が100枚割りは余裕だろうから手加減させてくれ言われていたが、ここまでなんて。」
生徒からも「蒼い炎とか見たことないぞ」とか「今、無詠唱だったよね」とか聞こえる。やらかした?俺。
「取り敢えずシュウ君の記録は100枚ね。じゃあ次、誰が行くかしら?」
「おい、貴様、どういう小細工を使った!平民が貴族を超えるなどあり得ん!!」
「ロード君、シュウ君は正々堂々と魔法を使いましたよ。」
「いや、ありえない、おい平民、俺と勝負だ!一対一で勝負しろ!」
人の魔法も見抜けないなんてな。さてどうするか。
「先生、そう言ってますがどうしましょう?」
「シュウ君が良ければ戦ってもらって良い?幸い時間はあるし、それで勝てば証明できるでしょう。」
「じゃあ受けますよ。」
そうして俺達はグラウンドの中心で対峙した。
「平民が!叩き潰してやる!」
「ではよーい、初め!」
「荒れ狂う水よ…」
「『アイスバレット』」
ロードが立ち止まって詠唱を始めたので妨害してやった。
「くっ、ふざけるな…」
「『ガスト』」
上昇気流で奴の体を持ち上げる。
「『フレアミリオン』」
持ち上げた奴の周りに幾つもの蒼い炎弾を浮かべた。
「くそが、ふざけるなぁ!」
「ば、馬鹿!炎弾に触れるな!」
慌てて魔法を解除する。
「地を創りし土よ!彼の者を押し潰せ!『アースバッシュ』!」
両サイドから土壁が俺を押し潰さんと迫ってくる。
俺は両手を左右に向け、
「『アイススフィア』」
氷塊を飛ばして土壁を砕いた。
「くっ、なんなんだ貴様は…」
「平民だが、努力で実力を手に入れた学院生徒だ。」
「ふざけるなよ!お前ら!」
「シュウ、危ない!」
ハッとして振り返ると、ロードの取り巻きたちが魔法をこちらに打ってきていた。
「『クリスタルウォール』」
しかしその魔法は出現した氷の壁に防がれた。
「ちょっとあなた達!どうして勝負に横槍を入れたのですか!」
「……」
「黙ってないで答えたらどうですか!」
しかし彼らは黙っている。
「シュウ、大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫だ。それよりロード、分かったか。才能があっても努力しなければすぐに限界がくるぞ。」
「あ、あぁ、俺が負けた?ああもう、分からないな。」
彼はそう言い残して取り巻き達と去っていった、
「では授業を再開します。次は誰がしますか?」
…この人は意外と大物なのかもしれない。
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作者は狂喜乱舞します。