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推薦試験

何か前回の奴をミスってました。

ここで修正。

 俺達は王都に入り、現在学園の門の前だ。


「遠くから見た時よりデカく感じるな。」


「ラノアの学園は凄いんだからね。何せ今年で創立70年なんだ。」


 とても70年そこにあったとは思えない美しさに感動した。

 おぉ、魔法とはこんな素晴らしいものだったか。


 俺が軽く悟りを開きかけているのを置いて、師匠は学院に足を踏み入れる。


 学院は、ちょうど長方形の形の建物が二つ並び、それを二階の渡り廊下で繋いだ形になっている。

 また、渡り廊下の下をくぐって奥へ進むと、第一第二実技棟と、広いグラウンドがある。

 そして職員室は本棟の一階の左右にそれぞれ設置されている。


 校長室だけは一つの建物としており、そこに客間や応接室などがある。


 ちなみに、校門から本棟の昇降口までの直線的な道の左右は花壇で彩られており、季節によってその姿を変えるそう。

 園芸部が良い仕事をしている。


 本棟の前で受付があっているので、師匠と別れ、受付へ。


「こんにちは。入学試験希望の方ですか?」

「いえ、推薦状を頂いて来ましたシュウです。」

「あ、シュウ様でしたか。学園長から話は聞いております。あちらの第一実技棟に行ってください。」

「分かりました。ありがとうございます。」


 渡り廊下をくぐり、第一実技棟へ向かう。推薦試験と一般試験の会場は第一と第二の実技棟で分かれているらしい。


 第一実技棟にはすでに8人の推薦試験のメンバーがいた。


 俺は彼らを見極める。


 …まぁ大体魔法は中級といったところか。一人だけ上級を三属性扱えるやつはいるな。貴族か?


 そう思案に耽っていると急に後ろに衝撃が来た。


「まだ試験始まってないですよね!間に合って良かったぁ。

 あ、あの!大丈夫でしたか?ぶつかりましたよね?」

「あぁ、大丈夫だ。止まってた俺も悪かった。すまない。」


 ぶつかって来たのは控えめに言って美少女だった。腰まで伸びた艶やかな赤髪で、元気そうな印象を受ける子だ。


 彼女は遅刻したと思って焦っていたようだ。


「はい、皆さんは推薦状を貰った方々でよろしいですね?」


 奥の扉を開けて、厳しそうな女性の教師が出てきた。


「「はい」」


「では10人全員揃いましたので、推薦試験を始めます。では、そちらから一人ずつこの水晶に触れていって下さい。皆さんの適性と魔力量を見ます。」


 並んで順番を待つ。その間に、先程の子が話しかけて来た。


「ねぇ君、誰からの推薦を貰ったの?」

「ん?俺は、ここの学院長から貰ったぞ。」

「えー!凄いね。私はあの大魔導士のマーリンから貰ったのよ!」


 彼女は少し控えめな胸を張って言った。


「私はリュナ!よろしく!試験、一緒に合格しよっ!」

「俺はシュウだ。お互いに頑張ろう。よろしく。」


 俺たちは互いに自己紹介をして試験に向かった。


 取り敢えず知り合いが出来て良かった。



「では次の方どうぞ。」


 呼ばれたので試験官の前に行く。


「まず、この水晶に触れて下さい。貴方の魔力量を調べます。」


 水晶に手を触れる。


 すると水晶は綺麗な紫色に光った。


「紫!?なるほど、貴方は学院長の推薦でしたよね?」

「はい、そうですが…」

「この光は下から緑黄赤青紫白の六段階で光ります。白は歴戦の英雄レベルですが、紫でも宮廷魔術師並みです。」


 なるほど、毎日魔力が枯渇するギリギリまで練習した結果だろうか。


「では、シュウ様はあちらで実技試験をお受けください。」


 グラウンドへ向かう。

 そこには一足先に来ていたリュナがいた。


「あ、シュウくん。聞いてよ!私ねー、水晶で紫判定だったんだよ!凄いでしょ!」

「それは凄いな。だが、俺も同じく紫判定だ。」

「えー!貴方って実は、大貴族の出だったりする?」

「いや、俺は平民だ。」

「なのに紫判定なの?凄いね!」


 リュナさん、感嘆符を使い潰さないでください。


 そんな風にリュナと話していると、後ろから声をかけられた。


「おい、貴様、平民の出で紫判定だと?ふざけるな。何か小細工を使ったのだろう?」


 出た、テンプレ感漂う平民見下し系貴族の坊ちゃん。


 金髪碧眼の嫌ーな目つきのいかにもな貴族がいた。


「そんな事はない。ただ、ひたすらに努力を重ねてきただけだ。」

「そうだよ、初対面で失礼だよ!」


 リュナも反論してくれた。確かにいきなりそれは失礼だろ。


「失礼?いやいや、貴族が平民に礼儀を尽くす必要はあるまい?せいぜい実技試験で落ちるがいいさ、平民!」


 彼は最後まで嫌味な態度でグラウンドを出て行った。


「もうっ、何なのあの貴族。平民をいきなり馬鹿にして。許せないよ!」

「落ち着けリュナ。ここで怒ればあいつの思うつぼだぞ。」

「そうね。落ち着きましょう。」


 ああいう血筋や才能が一番だと思っている奴は苦手だ。


 努力する者を嫌い、貶す。そんな奴らだからだ。


「あの人をあまり大声で批判するのはよくないですよ。あの人はオズポーン公爵家の息子です。公爵家に知れたら処刑ものですよ。」


 そう忠告してくれたのは長めの紺髪の男子だった。


「ありがとう。批判は口にださない様にしよう。失礼だけど君は?」

「僕はアッシュ。一応貴族だけど男爵家の四男だからほぼ平民みたいなものだから、普通に接してくれると助かる。」

「アッシュ、よろしく。貴族なのに平民を見下ししないんだな。」

「うん。もともと僕は差別は嫌いだし、立場もほぼ平民だしね。」


 確かにアッシュは差別とかしなそうな気がする。リュナはもちろん、俺も差別は嫌いだ。

 是非入学できた時は同クラスになりたいものだ。

 

「実技試験、次の方どうぞ。」


「あ、僕みたいだね。行ってくるよ。次は入学式で!」

「じゃあまた。」


 彼はもう入学する気らしい。まぁ俺も落ちる気はないが。


「アッシュ、綺麗な心の貴族だったね。」

「あぁ。素直に尊敬する。」


 俺たちは雑談をそて実技試験を待った。


「次の方…最後の二人ですね。リュナ様はあちら、シュウ様はこちらへ。」


「じゃ、シュウ、入学式で。」

「あぁ、また会おう。」


 挨拶を交わして実技試験を受けに行く。


「では、自分の得意な魔法をあの的にぶつけてください。ただし貴方は全力を出さないで下さいね。」

 

 10メートルほど離れたあの的に魔法を撃つらしい。


 …さて。どの魔法を撃つか。いつもので行くか。全力で行くとヤバそうだし。


「『フレイムランス』」


 蒼い炎を宿した槍が的へ一直線に飛ぶ。


 ドガーーーン!!


 その槍は的はおろか、奥の壁や地面をも巻き込んだ。


「あ、やらかした」


 指定された物以外も壊してしまったのだ。本格的にやばいかもしれない。


「む、無詠唱?そ、それより貴方、全力は出すなと言ったでしょう?」

「…いえ、全力じゃ無いですよ?万全を期すならもう少し上の魔法を使います」

「あれで、全力じゃない?なるほど、学園長の言っていた事は本当でしたか。」


 言っていた事とは何だろうか。気になるがそれよりも。


「あの、壁とか直した方が良いですか?」


「直せるのならお願いします。」


「土はあまり得意じゃないので時間かかりますが。」


 俺は修理に取り掛かる。どうしてか俺は風と土があまり上手じゃない。もう少し修行が必要か。


「よし終わった。


 10分ほどかけて修繕を完了し、家に帰る。合格発表は明日貼り出されるらしい。


 ちなみに俺の受験番号は3141だ。


 実技試験で壊し過ぎたせいで落ちたりしないかだけが心配だ。


 俺はとってもらった王都の宿で一晩を明かした。


 



 

少しでもおもしろいと感じて頂けたら、

ブックマークとかその他諸々よろしくお願いします。

作者は狂喜乱舞します。

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