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危機迫る戦い

よろしくです。

ご一読を、ご一読を〜!!

 僕らは近くの崖からゴブリン達の集落を見下ろしていた。


「ここでいいよ。ここからは魔法で戦うけど気をつけて。」


 この高所から魔法で狙撃するのだ。


「周りは岩場なんで、炎系統、使ってもいいですか?」


「どうぞ。でもあまり威力が高いと森まで燃えるので、そこだけ注意してください。」


「じゃあ行きます。【アースウォール】」


 まずはゴブリンの集落を土壁で囲う。これで逃げられない。

 ゴブリン達は戸惑い、やがて崖上の僕を見つけた。


 でも、彼らはどうしようも無い。


「【ライトニング】」


 小さな雨雲を作りそこから一筋の雷を落とす。


 すると大半のゴブリンは魔石となった。だが、生き残る者も数匹いた。ハイゴブリンとゴブリンロードだ。ハイゴブリンは少し遠くにいただけだが、ゴブリンロードは普通に受けてから耐えた。

 ゴブリンロードは土壁を殴り穴を開け、そこから皆で逃げ出した。上手いこと遮蔽物に隠れるので魔法の狙いが付けられない。


「うーん、逃げちゃった。」


 僕は土壁を解除し、師匠へ向き直る。


「師匠、数匹逃してしまいました。どうしますか?」


「無理に追いかけずにまた戻ってきたところを狙いましょう。」



 取り敢えずそこで腰を落ち着け、しばらく休憩を取った。


 ある時日も落ちはじめた頃、崖へと登る影があった。


「うん?師匠、向こうから何か来てませんか?」


 それは…先程逃げた筈の、ゴブリンロードやハイゴブリン達だった。


「ゴブリン達が来ている。ここは崖だから逃げられない。じゃあ、シュウはどうする?」


「戦って、勝つ。ですよね。」


 ゴブリンは合わせて5匹。1匹ずつ対処すれば問題無い。


 僕は右手に剣を握り、左手をゴブリン達に向けて第一声を発した。


「【フレイムランス】!」


 その一言が戦闘開始の合図だった。



 青く燃え盛る槍を二本飛ばす。1匹は直撃して倒したが、もう一匹は武器で受け流され、火傷を負わすに終わった。


 そうだ、こちらが崖上であることを活かさなければ。


「【アクアウェーブ】」


 小さな波を発生させる魔法で、地面を水で流していく。その水は重力に従い下のゴブリン達に襲いかかる。


 ゴブリン達はそのまま崖外に落ちる者、転がって木や石にぶつかって気絶する者、剣や槍を地面に刺して流れに耐える者、様々だった。


 そして流れに耐えたゴブリン達との戦闘が始まる。

 相手は4匹。ここは崖である為、囲まれることは無い。


「【アイスバレット】」


 氷弾を放つ魔法を連射して牽制しながら斬りつける。


 初めての近接戦闘である。

 ゴブリン達はロードを中心に連携を取る。なのでそのロードを主に牽制しつつ戦う。


 1匹に対して剣を振るえば、他のゴブリンが槍を突き出してくる。そのまま下がっても、別の奴が横槍を入れてくる。それらは躱しているつもりだが、かすり傷が増えてきている。

 しかもローテーションして交代しながら攻撃が来るので、こちらの体力ばかりが減る一方。

 なので仕掛けることにした。


 正面の奴を狙う振りをして、横槍を入れてきた奴の剣を受け、カウンターを返す。そのゴブリンは右手を斬られたので剣を落として蹲った。

 1匹減って楽になるかと思ったがゴブリンロードが思ったよりも強く、戦いはまだまだ続きそうである。


「クソッ!」


 しかし連携が上手い。カウンターを注意してか、少し離れてリーチの長い槍で攻撃してくる。ロードは剣持ちだが、なかなかの腕前を誇っている。


 どう打開しようかと考えていると、長く戦っていた疲れか、足がもたれてバランスを崩してしまった。


 その隙をゴブリン達が見逃す筈もなく。


 剣が振り上げられる。


 ゴブリンロードの剣が迫る。


「シュウ、伏せて!」


 そうだ、師匠がいた!言われた通り頭を下げて伏せる。


「桜花一閃」


 師匠の右手から居合切りが放たれる。その速さたるや、その手がブレて見えるほどだ。

 そんな速さの居合切りを食らったゴブリンロードは魔石に変わった。


「【エアスラッシュ】」


 手数に優れた風属性中級魔法だ。連射力は攻撃魔法の中でもトップクラス。牽制に向いた技だが、風刃はそれでもハイゴブリンの肩を切り裂く。


 紅蓮の血が舞うが、師匠はそれを意にも介さずゴブリンの首を刎ねる。

 

 残る2匹のハイゴブリンも師匠が一太刀のもとに切り伏せた。


「シュウ、大丈夫だった?」


「はい、おかげ様で。」


 そうだ、僕はまた守られてしまった。初めて会った時から何も変わってないんだ、と実感した。


「…師匠、どうしたら、そこまで強くなれますか?」


「努力、だよ。私は生まれた時から、天才だ、と家族や周りの人達に期待されていてね。

 …まぁそんな重圧だらけの生活に嫌気が差して家出してきたんだけどね。

 でも、そのおかげでこんな力を手に入れた。その点では感謝しているつもりだよ。」


「だったら、僕、努力します!僕を鍛えて下さい!」


 日本式で頭を下げてお願いする。


「ふふ、弟子入りを頼んだのはこちらだというのに。いいよ、頼まれた。厳しく行くから、頑張って付いてこい!」


「ありがとうございます!」



 そして師匠はプライベートモードに戻って一言。



「ふふふ、最後の台詞、言ってみたかったんだ〜。」



 締まらない門出である。



 何はともあれ、ここから僕の修行生活は本格的に幕を開けた。

そして、次話の13話からは言葉の使い回しとかが変わるかもしれません。


ブックマークとかその他諸々よろしくお願いします。

作者は狂喜乱舞します。

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