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徹夜明け

作者: d2y
掲載日:2016/11/06

拙筆です。

 眠い。まさか本当に徹夜するとは思わなかった。


 食事をとって自分の部屋に戻り、ちょこっとブラウジングしてから本を読んで寝る。そうして普通に過ごすつもりだったが、気づいたら午前6時だ。ブラウザで動画を見ていたらなんとなくゲームがしたくなり、1年位放置していたデータを進め、ゲームが下手になっていることに気が付き、なんとかうまくなろうと数時間。そしたらまだ本を読んでいないことを思い出し、本棚から適当に本を取り出す。はじめの何冊かはどうにも読み進め難く数ページでチェンジ、そんなことを繰り返して朝になってしまった。


 しかたない。今から寝てもどうにもならない。今寝たところで快適に睡眠できるものか。きっと学校に遅刻しめんどくさい説教を延々と聞くは目になるだろう。それも右から左へ聞き流すだけならともかく、なにか気になることがあったら言い返すような思考回路がすでに出来上がってしまって、疲れるだけの説教だ。理由はわかりきっている。そんな説教無駄なものだろう。


 それでも眠いものは眠い。とりあえず椅子から立ち上がり、部屋を出て、顔を洗う。この時期は少し水が冷たい。冷たい水をバシャバシャ顔に当て、なんとか眠気を覚まそうと試みる。そうやってしばらくバシャバシャやってみたが、覚めない。ただ冷たいような痛いような感覚が顔にあるばかりである。


 顔だけ洗っても眠気は覚めない。とりあえず服を着替え、散歩に出ることにした。


 玄関のドアを閉め、外を見てみるとまだオレンジがかっている。オレンジと青が混ざって、清々しいような体のそこから浄化されるような朝である。車は少しずつ増えてきている。この辺だと通勤ラッシュは激しくないが、それでも朝は車が増える。人も増える。向こうの歩道には犬と飼い主が散歩をしている。犬は飼い主に従って歩いている。家の周りは小さな店が少しあるほどで、かるく家の周りを回って戻ってきた。思った以上に寒い。寒いのでなおさら眠くなる。これはダメだ。


 家に戻り、朝食を取ることにしよう。朝食といってもパンに味噌汁にサラダという奇怪な組み合わせだが、まあ食べられないこともない。台所で素材を取り出し、簡単に作る。作るというほどもないほど簡単だ。出来上がった朝食を食べると、少し気力が湧いてきたような気がする。でも体は重い。


 家にいても寝てしまいそうなのでさっさと学校へ行くこととした。鞄に必要なものを詰め、ペンの様子を確認し、趣味で使っている安価な万年筆のインクを補充する。インクが2日に一度きれるほど重宝している。身を整え、靴を履き、ドアを開ける。外へ足を踏み出し、時計を覗くと、7時になっていた。


 学校へ電車で向かう。食事で少し気力がわいたが、眠いものは眠い。乗り込んだ電車でうとうとする。仕方ないと思い、少し寝ることとした。5分位は寝られるだろう。目を閉じてみた。中々眠れない。眠いのだが、眠れない。体は重いが、眠れない。とにかく眠れないのだ。そうしていると駅についてしまった。


 時計を見ると、遅刻ではない。むしろ余裕がある。これなら授業が始まるまで寝ていられるかもしれない。とにかく教室へ急ぐ。教室では10人程度の生徒が会話していたり読書したり、てんでばらばらなようす。これなら自然に寝ていられる。睡魔よさよなら……と思った瞬間、

「なぁ、課題やった?」

なんて声がかかってくる。やるわけ無いだろう。ゲームと本で徹夜だぞ。

「ああ、ごめんやってないわ」

「あ、そうなの。眠そうだけどなんかあったの?」

「ちょっと昨日事情で徹夜しちゃってさ……」

という会話が続いていく。眠いとわかっているなら寝させてくれ、というこえが聞こえた気がしたが、幸い舌までは動かなかった。


 そうこうしていると先生が入ってきて、授業を始めるという。しまった、仮眠が取れない。いや、授業で居眠りすればいいのだが、私にそこまでの度胸はない。何とかして過ごすしかないか。

「今日はこんなことについて授業を行う……」

ああ、授業が始まってしまった。さよなら愛しの睡眠。眠気は強まる一方である。

「これは……でこっちは……で……」

うーん、この先生の顔なかなか面白いな。ちょっと描いてみるかと思ってノートの端っこに描いてみる。明らかにバランスの偏った馬の面した人が出来上がっていく。これは面白い。


 描き続けていたら馬が動いたような気がして、少し目を凝らしてみるが動いていない。気のせいかと思って描き続けたら馬が動いた。動いたと思って凝視したら何も変化はない。どうしたのかと思って瞬きすると、あたりはきりで包まれていた。その霧の中で馬が言葉を話している。何を話しているのか聞いてみるが、よくわからない。よくわからないのだが、明らかに言葉である。その言葉を理解できないうちに気づいたら馬と走り回っている。走り回って疲れて倒れて、ふとまぶたが閉じた。


 「おい、起きろ、礼をして授業終わりだぞ」

気づいたら友人に急かされている。さっきまであった霧はなく、馬はノートの端っこにバランスを崩しているだけである。

「ありがとう、どうも寝ていたみたいだ」

授業が終わった。

読んでいただき、ありがとうございました。

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