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2話 ニート、スキルを獲得する

2


「こちらが探索者IDカードになります。再発行にはお金が必要なので気をつけてくださいね」


 感じのいい受け付けに渡されたカードには、俺の顔写真と名前、あと番号が割り振られていた。

 異界に適応した俺は、これからは探索者として活動する事になる。

 ちなみにこれは強制で、2ヶ月以内にどこかの異界へ入らなかった場合は、あれされるらしい。

 ぼかして伝えられたが、あれとはつまりあれである。

 勿論これは俺たちだけの特別待遇だ。

 通常であればそんな義務はない。

 ただし、死と隣り合わせの適応を乗り越えた褒美は一応あるようだった。


「訓練場へようこそ」


 カードを受け取った俺はその足で同じ建物の中にある訓練場に来ていた。

 かなり広い体育館のようなこの場所には何人もの人がおり、間違いなくこの中にいるのは全員探索者だ。

 ふと、壁際に並べられた武器を吟味する人に目がいく。


 異界化迷宮覚醒ツアーに参加させられた人の数は27人。

 結果、生き残ったのは俺を含む6人だった。

 あまりにも非人道的過ぎる所業に寒気がするが、今の時代ニートに生きる価値はないので同情の声は少ない。

 というかこれ自体は極秘なのでないらしい。

 俺たちも他人に話せば待っているのは死だけなので喋らない。


 ともかく、武器を選んでいたのはその生き残りの一人だった。


 訓練場の係員との話もそこそこに、俺も武器を選びに行く。

 彼女も、後ろから近づいた俺に気づいた。


「……」


 目が合う。

 だが会話はない。

 なぜなら俺たちはニート。

 会話能力に難のあるタイプのニートだからだ。


 俺は軽く頭を下げ、陳列された武器を見る。

 短剣に西洋剣、ククリ刀や刀、セスタスという拳に付けるグローブのようなものもある。

 中には、馬鹿でかい剣もあった。

 鉄塊かよ。


 悩むが、武器なんて持ったことないので悩んでる振りでもある。

 異界化迷宮なんてものがある現代だが、それに触れてこなかった俺に武器を見定める経験なんてあるわけもない。

 とりあえず長剣を取ってみる。


 腕にかかるずしりとした重み。

 刃は怪我防止か潰されているようだ。

 とりあえず正面に構えてみる。


 【長剣スキルを獲得しました】

 【長剣スキル:lv1】


 目の前に文字が浮かび上がってきた。

 驚きはあるが、探索者になったあとの説明会で聞いた通りだ。

 探索者は異界のルールに適応した存在なので、地球ではありえない事が起きる、と。

 その中の一つがこれ。

 適性があれば技能(スキル)を獲得出来るのだという。

 スキルは熟練度を高める事で向上し、更に異なるスキルへと枝分かれする。

 どうやら俺には長剣の適性があったらしい。

 持つまで分からない辺り不便だと思った。


 誰もいない場所まで移動し、剣を構える。

 探索者になった事で劇的に身体能力が上がったらしいが、長剣の重みを感じるので元がどれほど低かったのか絶望した。


 とりあえず振ってみる。

 風を切って振られた剣を、床に当てる前に止めようとしてバランスを崩した。

 少しばかり重すぎる武器かもしれない。


 【長剣スキルがレベルアップしました】

 【長剣スキル:lv2】


 レベルが上がった。

 思ったより簡単に上がるんだな。


 もう一度振ってみる。

 不思議なことに、同じ力で振ったというのに今度は先程よりも更に素早く、ピタっと止まった。

 これがレベルアップの恩恵かと感動する。

 確かにこんなにすぐに上がって実感するのなら、銃火器よりも採用されるのが分かる。

 というか銃火器の場合は適性がなければ探索者の強さが適応されないんだったか。


 この日は何度か振った所で満足して帰った。

 そういえばさっきの人は短剣を二本持ってたが双剣なんてのもあるんだな。


 【長剣スキルがレベルアップしました】

 【長剣スキル:lv7】








 短剣、弓、大剣、小銃、セスタス、ククリ。

 陳列されてる武器を翌日片っ端から使ってみる。

 結果、小銃と短剣に適性がありスキルを獲得出来た。

 小銃は探索者用の特別な品であり、シンプルなデザインながら悪くない見た目をしている。

 ただ重いし取り回しも難しい。

 片手では扱えず、装弾数は12発で弾丸は特別製で高価。

 とても使えるものではなかった。

 ちょっと使った程度ではレベルも上がらず、スキルによって上がりやすいとかもあるみたいだ。

 

 短剣は軽く素早い動きが可能で、取り回しも効きやすい。

 ただし見た目通りのリーチなのでかなり接近しないといけないのが難点だ。

 後俺は双剣は出来なかった。


 結局長剣になりそうだ。

 そんな感じで1日を費やしていた。

 ニートだった頃は外に出る事を拒否していたが、連日外に出ている自分に驚く。


 あと昨日の彼女が他の探索者に絡まれていたが頑張れ、とサムズアップを送っておいた。

 

 

 

 

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