表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ヤカンの話と絨毯の話、どっちが聞きたい?(写真多用)

作者: コロン

★素人の説明ですので模様の意味に間違いがあるかもしれません。どうか軽い気持ちでお読みください。




しいなここみさまの「フェイバリット企画」参加作品です。


 



 好きという事は、物でも人でも「知りたい」と思う事ではないだろうか。



 何かをきっかけでその存在を知る。なんとなく気になったので調べてみる。そのエピソードや背景が良かったのでさらに知りたくて色々調べる。集める。聞く。見る。


 その気持ちは「好き」と言っていいと思う。



 コロンの好きはたくさんある。

 子どもの頃から何故か好きだったガラス窓のねじ込み式の鍵。お風呂場の漆喰。造り付けの箪笥など。大人になった今でも木で出来た玄関扉の彫刻や、扉についたライオンのドアノッカーなどにコロンの小さな胸を踊らせている。


 一見ばらばらに見える「好き」ですが、ひとつだけ共通しているところがあります。

 それは「人の作意や、心を感じる」事です。


「何か考えて作ったんだろうな」や「何故こうした?」などストーリーを感じる物が好きなのです。


 ガラス戸のねじ込み式の鍵は、昔の人がつっかえ棒から考えたのかな?とか、漆喰は水に強いからお風呂場だよね。ここに物入れがあれば便利だと思って作られた箪笥。玄関は家の顔だから素敵な物を。ドアノッカーはかっこいいから。などなど。そこから作意や心を感じる事が出来る物たち。


 他にも経年劣化し角が丸くなった木の物や、擦り切れ始めた雑巾でも愛おしさを感じます。赤ちゃんの頃から使っているくたくたの毛布や、ずっと一緒だったぬいぐるみなど。その向こう側の景色が見えるものが好き。



 そんなコロン。たくさんある好きなものの中から、とっておきを紹介しようと思います。


 愛用の「職人が打ち出した銅の薬缶」も捨てがたいのですが「薬缶への愛を語られてもねえ」って声が聞こえましたので(チッ)、ニーズはほぼ「薬缶」と変わらない「絨毯」を紹介しようと思います。




 絨毯。ラグですかね。今は汚れに強くへたりにくいポリピロピレン製が主流ですが、コロンの好きな絨毯はウールの厚手の手織りの物。

 夏に素足で歩くとひんやり冷たい。冬は暖かい不思議な絨毯。

 梅雨の頃は「家ん中に羊隠れてる?」みたいな匂いがするのがネック。



 絨毯の呼び名はだいたい産地の名前です。ペルシャや、アフガン、カシャーン、イスファハンなどなど。それと織っている部族の名前。バクティアリ、ベルベルなどがあげられます。

 産地や部族によって色合いや、模様のパターンが違うのも特徴。

 そして絨毯の模様にはきちんと意味があります。


 人の手で織られているだけで好きなのに、織られる模様に意味があるとなれば好きのコンボ。見ているだけでテンションが上がります。



「ヘイヘーイ!みんなも絨毯のテンション上げてこーぜーい!」



 …。



 あれ?



(★ここで紹介する模様が必ずもその意味とは限りません。絨毯が作られた地域や、部族、種類で少しずつ意味が違ったりします。ご理解のほどよろしくお願いします。)





 この写真の中央にある、お花みたいな模様は何だと思いますか?


  挿絵(By みてみん)


 これはね「狼の足跡」と呼ばれるものです。

 《きゃーーー❤︎狼の足跡!可愛いっ!ファンタスティック!きゃー❤︎きゃー!素敵〜!》

 狼は家畜を奪い、生活を脅かす悪魔のような存在です。魔の象徴なのです。なので魔除けの意味があります。日本の菅原道真を神様とした由来と同じですね。


 魔除けを願い、狼の足跡の模様を織る。


 凄くワクワクしますね!

 きゃっきゃっ♡きゃっきゃっ




 ん?…あれ?どした?





 では次の模様。

  挿絵(By みてみん)


 これ。日本と同じ意味にびっくり。わかりますか?「魂」です。意味は長寿。魂の形が日本と共通なのに驚きました。

 つまり魂の形はこれでほぼ間違いないと思います。たぶん。





挿絵(By みてみん)


「ギザギザ」は結界や魔除け。ギザギザの囲いの中に鳥がいて、入り口みたいなところには狼の足跡。それだけで絨毯に込められた願いを読み解く事ができます。

 日々のお祈りにも使う絨毯。

「結界の中でお祈り」なんて、異世界っぽいですよね。コロンの左眼の傷が疼きます。





挿絵(By みてみん)


 水の神の使いとされる「鳥」は、雨を知らせる吉兆のシンボルです。

 このアホっぽく愛くるしい鳥。ちょっと抜けてるところがあって神さまを困らせるキャラですね。きっと。





挿絵(By みてみん)


 四角は、窓や井戸。「窓」は幸運を呼び込むため。「井戸」は水。生命の源です。



 絨毯の模様を読み解くと、健康、繁栄、財力などの願いが盛りだくさんに込められているのがわかります。

 うんうん。コロンも鳥ちゃんと一緒に結界の中でひたすら財力をお願いしたい。




 さて、ここまではウールの絨毯でしたが、ウールでない綿の絨毯も紹介します。


 これはキリム。

 遊牧民がテントの中で使うような、生活に繋がる敷物です。

 キリムの模様は幾何学模様が多く、素人のコロンには区別が出来ないのですが「サソリ」や「狼の口」「雷」「ドラゴン」などなどさまざまな模様があります。


  挿絵(By みてみん)


 これは…なんだろね?サソリかな?サソリの尻尾かな。狼の口…

 ドラゴンはトゲトゲがもっと激しい感じだから…

 水と空気の支配者とされる「ドラゴン」であれば意味は豊穣、豊かさになります。「サソリ」は狼と同じく危険な存在。なので逆に命を守るという意味だそう。



 

 次はモロッコのベルベル人の村で織られるボ・シャルウィット。シャルウィットとはベルベル語で「端切れ」の意味です。


 端切れを織り込んだシャギーな絨毯。コロンの持っているやつは、模様なんてお構いなしで手当たり次第織り込んでった感じ。途中気まぐれに余計な事を試してみたくなったのか、統一感のないラグに仕上がっています。


  挿絵(By みてみん)



 端切れ?「コレ…誰か着てたん?破けたTシャツ?まさかお前んちのとーちゃんのパンツとか…紛れてないよね?」と疑わしい作り。シマシマの端切れが極めて怪しい。







 手元にある絨毯は全て、ネットで海外のお店に注文。

 グチャグチャっと、てっけとーに畳まれた状態で届きました。広げてみると「ん?これ今さっきまで誰かの家で使ってたんじゃないの?」と思わせるほど、砂や小枝?草?も一緒に届きました。土足文化だもんね。


 叩いたり、掃除機をかけたり、草や小枝を取ったり、お天気の日に干したり。

 実はそういう手間も好きだったりします。




 とまあマイ・フェイバリット。絨毯への愛を語ってみました。



 さて、ここからは本題の薬缶の話。








 それはまた今度。

お読み下さりありがとうございました。



『フェイバリット企画』〜 あなたの好きなものを聞かせて 〜


期間は3月1日〜3月31日まで!


・あなたの好きものに対する気持ちを語ったエッセイを募集いたします

・『好きなものについて』というよりは『それを好きなあなたの気持ちについて』語ってください

・他人の好きなものは私にとってどうでもいいものですが、他人の好きなものに対する気持ちには共感したりするかもしれません


・お一人様一作品のみ

・3,000文字以内

・旧作OK

・ジャンルは『エッセイ』限定

・R15可、R18不可

・タグに『フェイバリット企画』(『』は取ってください)とつけてご投稿くだされば参加したものとなります

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
工芸品、私も見るの大好きです。 金物屋さんとか雑貨屋さん、ずうっと見ていられます。 画像の絨毯どれも趣があり、とても素敵です。 ランダムに編まれているラグも、色の取り合わせがとても良いですね。 何…
実は私、コロンさんの『ぼやぼやしてると置いてくぜい!』と言いつつ、待っててくれそうなツンデレっぽいところに癒されてます。 愛あるぶっきらぼう、みたいなとこ。 薬缶も楽しみ。
鳥さん、かわいい……(*´ω`*) 絨毯の模様にこんなに色々な意味があったとは! とても面白かったです。 絨毯それぞれに良さがありますよねv 薬缶トークも気になる……!(`・ω・´) コロンさん、あり…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ