鬼社長、娘との再会
私の仕事人間ぶりに寂しい思いをした娘の恵が産んだ愛しい孫は、キラキラとした目で光と海音と遊んでいた。
孫娘の雪は海音の膝に座って「結婚して?」とせがんで海音は優しく微笑んでいた。光は孫息子の春とテレビゲームに興じ、何度も負けて本気で悔しがっていた。
「ヒカルは弱いな~」
「樹くん、もう一回!もう一回バトろう。僕ね、さっきよりはコツ掴んだ気がする」
雪が私のところにトコトコと歩いてきた初対面だから緊張する。
「ばあば、ばあば、はじめまして」
「はじめまして、雪ちゃん」
「ばあば、ママね、いっつもばあばの話してるの。ばあばの悪口いっぱいと、会いたいってちょっとだけ」
「雪!」
怒る恵に構わず孫娘は続ける。
「ばあば、ぜんぜん、あかおにじゃない」
「え?」
「ママが言ってたあかおにじゃない。ばあば、かわいいよ、かみ短くて格好いい」
「ありがとう」
力なく微笑むと、雪は海音に抱きついた。
「かいとは、かみ短いじょしと、長いじょし、どっちすき?」
「今の雪ちゃんが可愛いよ」
優しく微笑む海音の奥では、光が悔しがっていた。
「負けたー!また負けた!春、強すぎでしょ!」
「ヒカルのまけー!」




