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水流士-因子を解く-  作者: 小野里
- ネグレクト編 -

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第33話:皇の後処理



「さて、渦見さんも帰った事ですし。」


  藤宮は背伸びをし終わったことを嬉しく思っていた。



「うーん。」



 璻は何か腑に落ちないことがあった



「なにか引っかかる事ありました?」


藤宮は不思議そうに璻に問いかける。



「いや…あのハンカチ、藤宮さんの物なのにさも私の物みたいになってますけど…」


藤宮は軽く笑うとあんまり気にしていないように言葉を返した。


「あーそうですね。」


あのハンカチ自体、渦見がここに来る前になぜか藤宮に渡された事を思い出した。藤宮はなぜかポケットからハンカチを差し出し璻に渡した。



「俺のハンカチ、璻さん貸すのでポケットに持っといてもらえますか?多分今日使う人がいるので渡してあげてください」


 璻は藤宮が言っていることの意味がわからなかった。不思議そうにする璻は藤宮に問いかけた。


「はぁ…なんでわかるんですか?」


藤宮は淡々と応えた。


「そんな気がするんですよ」


そういうと璻は渋々藤宮からハンカチを受け取っていた。


 …本当になぜわかったんだろうか?…


今となってようやく辻褄合ったことを考えると璻は全て藤宮の計算なんじゃないかとも思った。


「藤宮さん元々こうなるってわかってたんですか?」



 藤宮はフッと笑うと璻の問いかけに応えた。


「なんとなくハンカチいるなって思っただけです。それにあの時ハンカチなかったら渦見さんはまた来るなんて言わないですよ。」



 …この腹黒男、どこまで策士なんだ。渦見さんがまた来るように返さないといけない状況をわざと作ったのか……


 璻は少し顔を引き攣らせながら藤宮に話しかける


「私は藤宮さんがそこまで読んでいる事が怖いです」


藤宮はその言葉に褒められていないように感じ反論をする。


「才能と言ってくださいよ。そこは。」


 …さすがというか何というか、あの場合、絶対に藤宮さんから渡されたら次来る気も失せていたんだろうな……


璻はそこも見込んだ上でカウンセリングする藤宮に対し生まれ持った才能なんだなと感じた。

璻は藤宮を称賛しつつ話を返した。



「いや〜超感覚って恐ろしい才能ですよ。本当」


藤宮はいかにも嬉しそうに言葉を返した。


「褒めて頂き光栄です。俺ちょっと鳥籠持ってきますね。」


 そういうと藤宮は施術台まで戻り置いていた鳥籠を持つと璻がいる入り口まで戻った。


「さて、皇を呼びますか……」


 璻はその言葉を待っていたのか思わず藤宮に話かけた


「ああ、皇さんならここにいますよ」


 そういうと書類をしまってある右の部屋のドアを開けた。


「いずみん、呼んだ?」


藤宮は引き攣った表情をした。


「ヒィッ……」


 驚いた藤宮は声にならない声が口から出てしまった。心臓が止まりそうになる。そんな表情も皇は楽しみながら飄々と藤宮に笑顔で話しかける


「そんな驚かなくても良くない?」


藤宮は呆れながら言葉を返した。


「なんでいるんだよ…」


皇は呆れると藤宮に言葉を返す。


「今呼んだじゃんか?覚えてねぇの?」


 藤宮は思わずツッコミをいれそうになっていた。



 …いやっっつそうじゃねぇぇぇぇぇーよ‼︎…



藤宮は一旦冷静になり皇に言葉を返す。


「呼んだけど、呼んでねぇーよ。そういうことじゃねぇだろ」


皇は惚けながら会話をいかにも楽しんでいた。



「いずみん言っている事矛盾してるから。オラ良くわからねーぞ」



 …なんなんだコイツ。疲れているのか余計腹が立つ…


藤宮は璻を見て文句を言った。



「璻さんなんでコイツいるって早く言わなかったんですか」


璻は思わず言葉が漏れ出る。


「コイツって…」


 皇が少し落ち込む様子を見せると璻は必死に皇のフォローをする


「いやぁ。あの〜藤宮さんが鳥籠を取りに行っている間にすぐ皇さんが尋ねて来られまして。」


 ドアの前になぜか立つと皇はこそこそと璻に話しかけた。


「龍後さん、いずみん、いるー?」


皇の問いかけに璻は応えドアを開けた


「あちらにいらっしゃいますけど」


皇はドッキリをかけるようにうまく隠れられる場所を探した。


「ああーじゃぁ俺こっちの部屋に隠れてるから、丁度いい時出してね」


璻はやる気のない返事を皇に返した。


「はぁ…」


その説明をざっとすると藤宮は呆れた顔を璻と皇に見せた。


「という事で丁度いい時に出しました。」


 皇は璻に手を見せるとなぜかハイタッチをした。


「イェーイ。大成功だね⭐︎」


 璻は皇に対して言質を取った。


「後で叱られたら絶対フォローしてくださいね。」


璻の不安に皇は一瞬どうでもいい言い訳をする。


「大丈夫。そんなつまらない事で怒る器の小さい男じゃないよ。心配しないで」


藤宮はなぜか皇にツッコミを入れる。


「おい。それ以上おちょくるな」


 はぁっーっと藤宮はため息が出た。

 皇はご丁寧に藤宮に質問をした


「で。藤宮泉くん、俺に何かご用意でしょうか?」


 藤宮は真剣に皇を見つめた。全て見透かしたような表情に藤宮はイラついていた。


 …こうなると全部わかった上でこの案件を俺らに投げている…


藤宮は皇に文句を言った。


「くっ…俺はお前のそういう所が心底気に食わねぇーよっ!最初からこれが関わっているって言えよ」


 そういうと鳥籠を皇に見せた。皇は鳥籠を見せると悲しげな表情をした。


「確信がなかった。だからお前にお願いをしたんですよ」


皇の言葉が許せなかったのか藤宮は怒り狂ったように鳥籠を皇の胸に押し付けた。


「まだこんなもんがこの世の中にあるのかよっ!こんな悪趣味な物まだある事自体吐き気がする」


 皇も藤宮もこれが何でできているのかを知っているようだった。藤宮の鳥籠を皇は真剣に受け取っていた。


「そうでしょうね。だからこれを捕まえてくれてくれたおかげで、証拠になります。今からペテンティアに文句を言いに行きます」


 ポケットにある扇子を取り出すと広げて閉じるを繰り返す。真剣な表情で皇は藤宮に意見をする


「石屋の窓口は俺の業務だ。お前がむやみやたらに怒る事ではない」


 藤宮は少し落ち込んだ様子に見えた。


「皇、お前あのペテンティアに行くのか。」


皇は静かに頷くと一瞬笑顔を見せる


「あぁ。CEOに会う約束を取り付けている。ついでにクニトコタチのガイアから伝言があるからな。釘を刺しに行ってくるよ。」


藤宮は心配そうに皇に言葉をかけた。


「釘ってお前…」


 藤宮には皇が少し怒っているように見える。それもそのはず、この蛇は人間の死体を捧げた儀式でしか出てこない。その捧げられた人間は誰だったのか。どういう人間だったのか藤宮も皇も璻すら知る由も無いことだ。


「あっ。もう時間だ…泉、後で報告書を送ってくれ。喜三郎さんに送る分と俺に送る分と頼むよ」



 そういうと皇は扇子を広げ顔を隠した。藤宮は皇に対し返事を返す。


「わかった。」


 もう皇が帰ってこないようなそんな無意味な心配をしてしまう藤宮の表情を読み取ったのか皇はポンと藤宮の肩に手を置いた。


「そんな顔するなよ。帰ってくるから泉、さすがに奴らはルール違反だ。」


藤宮は悲しそうに一言呟いた。


「ああ。」


 皇は藤宮の肩に置いた手を外すと璻の顔をまじまじ見つめ頭を下げた。



「今回は本当にありがとうございました。彼らは尻尾を掴ませてくれないので、龍後さんあなたが彼を変えたおかげです」


 皇がここまで深く頭を下げるなんて予想外な出来事に璻は驚く。


「いえ、私のできる事をやっただけですよ。私よくわからないですけど、皇さんも皇さんの責任を果たすんですよね。」


 皇は真剣な表情で璻に答えた。


「はい。」


 璻は表情を変えずに皇に助言を返す。


「なら今出来る事をやればいいと思いますよ。それがあなたの仕事なら。」



 皇はその言葉を言われて誰かを似ていると頭の中で想像した。髪が長く、優しい顔でなぜか喋ると偉そうな口ぶりになるが母のように暖かい助言をする。



「ふっっはははぁっ。あなたはガイアと同じ事を言うんですね。なんかガイアに言われているようですよ」


璻は聞きなれない言葉を頭の中でループさせる。だが何回も考えたが全然知らない。


 …ガイア誰だそりゃ…


 璻は気の抜けた返事を皇に返した



「はぁ……」


皇は藤宮を見るとお礼を言った。


「泉、ありがとう。鳥籠もらっていくから。また頼むことがあるかもしれません。そんときはまたお願いしますよ」


 そういうと皇は手を振りオフィスから出て行った。璻は藤宮の顔を見ると疑問を藤宮にぶつけた。


「皇さん、ペテンティアに向かうって行ってましたけど、ペテンティアってどこですか?」


 藤宮はその質問に開いた口が塞がらない。


「まさか璻さん、ペテンティア知らないんですか?」


璻は頷きながら応えた。


「はい。」


 藤宮は呆れながら璻に丁寧に説明した。


「ペテンティアは全世界の記録と自動政府を導入した石屋の一味です。」


璻は藤宮に問いかける。


「えっ…石屋って敵なんじゃないですか?」


璻の問いかけに藤宮は本当に璻が知らないことがわかると簡単に説明を始めた。


「敵という認識は少し違いますね。今彼らはあくまで悪役とヒーローを両方やっている側です。全ての石屋が敵ではありません。それに俺らは基本中立で善悪ない組織です。善悪側に立たないただ中立に立ち続けるそれが隠者のモットーです。」



 璻はそんな大事な話を聞いていないと少し藤宮に呆れてしまった。


 …ええっ…何その企業理念みたいなやつ。それ結構大事じゃね?なんで最初に入った時言わなかったんだろう…


 璻は藤宮に対して文句を言った。


「藤宮さん、私それ初めて聞きましたよ…あのっ…そういう大事な事は早く言ってくださいよ。」


藤宮はとぼけながら話を返した。


「あれ。そうでしたっけ…それは、のちのち説明しますよ」


璻はなんとなく藤宮がそういう説明をさけているように見えた。


 …なんでいつも避けるだろうか、面倒なんだろうか……


とぼけるのも飽きたのか藤宮は石屋に対して説明を始める。


「話逸れましたが石屋は元々王族が分かれてできた連中です。ですが2023年から内部分裂し、ある勢力が王族を少しずつ暗殺し始めたことがきっかけで立場が逆転し統制が取れるように仕向けてきました。今のペテンティアのCEOはその一族から生まれた会社です」


璻はその言葉を聞き皇を心配した。


「でもそこに乗り込むに行くって……皇さん大丈夫なんでしょうか?」


藤宮は淡々と説明をする。


「隠者と石屋には明確にルールがあるので殺されたりははしないです。ペテンティアCEOの彼女はそういうタイプではないですし」


藤宮の言い草だとまるで知っているような感覚がした。

璻は結局のところどうなのかを藤宮に聞いた。


「もともとご存知なんですか?」


藤宮は静かに頷く


「一度だけお会いした事があります。彼女の出生は特殊で世界初ゲノム編集をした人工ベイビーの1人です。効率の悪い無駄な争いは好みません」


現実離れした話に璻は驚いて声を出す。


「えっ……」


 璻はその話を聞いて固まってしまった。



そう人口が少ない今巷では人工的に作る赤子が流行っている。ゲノム編集された赤子は遺伝病も少なく顔の形や身長など大金を払うと親の望む理想的な赤子が出来る。だがその赤子は唯一欠点がある、顔が綺麗に作られているのでモデルのような赤子しか出来ない事。ゲノム編集された赤子は成長したのち周りにいる人間全員が整った顔立ちをなのでオリジナルを求めたくなった今現在。整った顔立ちが嫌になりブサイク整形に走る人もいる。



 なんともまぁ。無意味というか因果応報というか呆れる出来事だなと璻はそのニュースを聞いて興味なさそうにしていた。それに繋がるとは思いもしなかった。


璻は藤宮に質問をする


「ペテンティアのCEOは争いをしないゲノム編集された人なのですね。」


藤宮は冷静に応えた。



「簡単に言えばそうですね」


 璻はまた藤宮に質問をする


「皇さんは石屋の窓口って言ってましたが……」


藤宮は璻の言葉に応えると説明を始めた。


「ああー皇は隠者の組織のトップでもあり後処理班でもあります。石屋とバランスを取り今の地球の均衡を保つのも皇の仕事の一つです。石屋の窓口も仕事なんですよ。よくあれで毎回暗殺されずに帰ってきてる事自体不思議なんですがね……」


藤宮の言葉から璻はとりあえず皇が重要なことをしていると言うのがわかったがイマイチ想像できない。


「よくわかっていませんけど、そんな事もしているんですね…」


 …案外皇さん責任は誰より大きいかもしれない…


藤宮は璻に声をかける。


「そんな事より璻さん、片付けましょうか?」


璻は返事を藤宮に返した。


「はい」


藤宮は次の業務指示についても説明をした。


「そのあと報告書も一緒にやりますから」


 ええっ…と言葉を漏らすといかにも仕事をやりたくないという顔を藤宮に見せた。


「今日は片付けたら終わりじゃないんですかっ?」


いやそうにする璻に対して藤宮は呆れながら話をする。


「何ふざけた事言ってるんですか?皇に仕事頼まれましたよね?まだ終わりませんよ」


璻は諦めたのかボソッと返事を藤宮に返した。



「はっ…はい」



 璻はソファに向かうと渦見が飲んだコップを片付け始めた。


「あっ、藤宮さん。テーブル拭くので書類持ってください。」


 そういうと追加調査書類を藤宮に渡した。


「ありがとうございます」



 藤宮はペラペラと書類をめくりながら窓をみた。皇が無事に帰って来る事を願いながら璻と一緒に片付けを始める。




 ───その頃の皇はというと─────



「どうぞ、皇様。中でCEOがお待ちです」


 皇は扇子を開いたり閉じたりを繰り返していた。

 部屋に通されると中には綺麗な女性が社長椅子に座っていた。何歳かわかない見た目、これでも70年は生きている。陶器のように美しく肌、シワやシミがなく整った顔立ち、素晴らしいプロポーションまるで全て作られた人形のように見える。


皇はいやそうに挨拶をした。


「お久しぶりです。ペテンティアCEOのサラ様。」


ペテンティアCEOのサラは皇とは対照的に嬉しそうに言葉を返した。


「あら、お久しぶり。皇さん。わざわざ足を運んでなんのご用でしょうか?」


皇は鳥籠を見せながら説明をする。


「こちらをお届けに参りました」


 そういうとスタスタと皇が近づき、サラが座っている机の上に鳥籠に入った蛇を見せた


「あら、そんな物まだあったんですね。ある程度、暗殺してこちらで潰しておいたんですけど。」


ペテンティアCEOのサラの白々しい言い訳に皇は呆れながら話を進める。


「ええ。まだありましたよ。こちらに。我々の依頼主の中に入り込んで好き勝手にしておりました。これをやった人物と宗教をそちらで調べて頂きたいです。そちらの管轄ですよね。あとそいつらのデータの共有と処分をお願いしたく」


ペテンティアCEOのサラは感情もなくただ淡々と話をする。


「そうですか。もう同族殺しはしたくありませんが、こちらお引き受けいたしましょう。」


皇はそれと重要なことを伝えにきていた。


「それとクニトコタチのガイアから伝言です。『出過ぎた真似をするな。お前たちの時代はとうに疾うに過ぎておる』だそうです」


 サラの顔が一気に青ざめる


「あら、そうですか。肝に銘じておきますとお伝えなさってください。」


 皇はポケットに扇子をしまうと軽く会釈をする


「では私はこれで失礼します」


皇は頭を下げて部屋を出ようとした。


「皇さん。」


サラは皇を呼び止めると皇は思わず返事をする


「はい。」


サラは楽しそうに皇と会話をし始めた。


「以前、皇さんの遺伝子を提供しませんか?という打診をいたしましたが、お答えを頂けますか?あなたのような優秀な遺伝子、そうそういらっしゃらないので」


 皇は呆れた表情を見せる。


 …このクソババァはまだそんな寝言を言っているのか…


皇は扇子を開き言葉を返す。


「お断りしたはずです。あなた方はそうやって子供を通して実験し繰り返し行ってきた。お忘れではないですよね。」


サラは淡々と冷静に言葉を返した


「忘れておりませんよ。もちろん。そうですか。こちらとしても非常に残念です。」



 皇はまるで穢らわしいものを見るかのようにサラを見た。嫌味を言うように言葉を吐き捨てる


「ドーパミン中毒、アドレナリン中毒にさせ人間を堕落させたあなた方に差し上げる事は何一つありません。」


 サラは座っている椅子から立ち上がり、ゆっくり皇に歩きながら近づく。


「日本人を戦後ドーパミン中毒、アドレナリン中毒にした事まだ怒っているんでしょうか?あはははは〜それとも」



 そういうと皇の耳元までサラは顔を近づける。サラの胸が腕に当たる。むせ返るような薔薇の匂いにクラクラする。普通の男性ならこういう女性に口説かれてはたまらないだろう。しかしなぜかサラが言葉を吐くたびに利益、損得、実験のための性欲、そんな言葉が皇の頭を駆け巡る。



 …ああっ金と性欲と利益の匂いしかしねぇな。このクソババァはよう。吐き気がする…



「我々大陸が日本に攻めてきた事もあなたはまだ怒っているのですね?あれは日本の土地を買えるようにした以前いた政治家に文句を言ってはいかがでしょうか?我々は夷狄排除思想いてきはいじょしそうに乗っ取り、平和的に攻め込んだだけですよ。でも、20年以上前の出来事に対して根に持つ男性は女性にすぐ嫌われちゃいますよ?」


 皇はその言葉にイラっと来たのかサラに向かって文句を言う


「はぁっー離れてもらえますか?時間の無駄で効率が悪い。そして何より鬱陶しい。」


 サラは皇から身体を離すとなんの悪びれる様子もなく話しかけた。


「あら、お気に召しませんでしたか?私の身体。」



 皇はサラに触れられた箇所を手で払うと扇子を大きく広げ直すと皇は顔を扇子で隠す。


「あなた方は拝金思想の間違いですよね。私たちはあなた方の味方でも敵にもなるつもりはありません。ただ、これ以上地球を汚され生物が住めなくなる事はガイアの意思に反します。あなた方の遠い祖先はそれで何回別の星を破壊したんでしょうね?それをお忘れなく」


 サラは驚いた表情を見せると皇に言葉を返した。


「あら、そんなことまでご存知なんですね。でも皇さんは何言われても感情的にならず淡々としててつまらないの。でもそういう所が素敵ですよ」


サラの言葉が気に食わなかったのか皇は真剣に言い返した。


「作られたゲノムに俺は1ミリも興味がありません。お話は以上ですね。失礼致します。」


サラは手を振りながら皇を見送った。


「またいつでもいらしてくださいね。皇さんならいつでもお待ちしておりますので」


 皇が部屋から出ると秘書の方が話しかける


「ウチのCEOが無礼を働いたようで申し訳ありません」


皇は一切気にしていない様子で会話を返した。


「いえ、元々この世に石屋がいるという事自体気づかなかった。我々にも責任があります…それに女だろうが男だろうがあなた方だろうが俺はガイアのルールから反する物は容赦はしませんから」



 秘書が何を言っているのかわからない様子で返事をした。


「はぁ。」


 オフィスの出入り口まで秘書の方がついて来ていたがエレベーターに乗り込む前に皇は秘書に話しかけた。


「ここで結構です。ではこちらで失礼致します。」


皇は歩きながらお礼を言った


「そうですか。本日はありがとうございました」


 秘書の方が深々と頭を下げた。エレベーターが閉まると同時に気が抜けたのか皇は壁に寄りかかった。



 …あぁー今日は特段に疲れた。あのクソババァふざけた事抜かしやがって。あの部屋、何台もの量子測定器があった。あれも観察してデータを収集するつもりなのが見える。したたかなクソババァだ…


 エレベーターが開き、スタスタと歩いてオフィスを出た。

 皇は一仕事終えたのか大きく呟いた。


「あー終わった。さて。また報告しに行きますか…」


 …もう二度とペテンティアのCEOに会いに行くのはごめんだ…


皇は嬉しそうにしながら藤宮を思い出していた。


「その前にっといずみんに連絡しときますか。飲みに連れてってもらおう」


 内心終わったことにホッとしながら、隠者の組織に皇は向かった。


 

。:*:★。:*:★━━━補足ポイント━━━━━★:*:。★:*:。


・全世界の記録と自動政府

政府に人はもうらないという話になり、世界の記録から自動政府を考案、これが全世界に広がり世界政府となった。

だが、大事なことを決めるときは自動政府ではなくその国に住んでいる議員で決めることにこの小説ではなっている。


・ゲノム編集された赤子とブサイク整形


ゲノム編集すると綺麗な顔立ちの赤子が増えます。そうすると皆同じ顔になるため、ゲノム編集された赤子は育った時にオリジナルを求めたくなり、ブサイク整形に憧れるようになります。最初からゲノム編集するなと璻は思っていますが、綺麗な赤子が欲しい親の方々はブサイク整形する子供に絶望をします。



・日本人を戦後ドーパミン中毒、アドレナリン中毒

戦後、メディアで感情を揺さぶり、食事でドーパミン中毒にさせニュースで怒りや絶望を煽ることによってアドレナリン中毒させ広げる政策は石屋が一枚絡んでいた。


・ペテンティアCEO


ペテンティアCEOは世界中の記録と自動政府する会社。業績はすこぶるいい。

サラは人工子宮で育てられたゲノム編集ベイビーだが、どうすれば人間を殺さず痛ぶれるのかを常日頃から考えることが好き。そういうところは石屋のゲノムを強く継いでいる。

 

。:*:★。:*:★━━━━━━━━━━━━━━★:*:。★:*:。

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