第53話
「え~と、その…。」
セキネさんには聞こえてなかったのかな?
あれだけ大声でしゃべっていたことが聞こえてないなんてことあるのか?
セキネさんは全部知ってて、知らないふりをしているんじゃないのか?
俺がセキネさんにこの状況をどう説明すればいいのか分からず言葉を発せずにいると、「アカリ~。聞いてよ!根暗くんたら、ひどいこと言うんだよ~。」と先にルリさんがセキネさんに話しかけてしまった。
「どんなこと言われたの?」
そうルリさんに聞き返したセキネさんの口調は冷たい印象を受けた。
「私たちとアカリが友だちじゃないって言うんだよ~。ひどいと思わない?」
「ひどいと思わないよ。だって事実だもん。」
「え?」
「理解できなかったのかな?私とルリさんたちは友だちじゃないって言ったの。ううん。友だちじゃなくなったっていうのが正確な表現かな。中学の時はよく分かってなかったけど、ルリさんたちの私への接し方と高校でできた新しい友だちの私への接し方を比べると分かったんだ。ルリさんたちは私のつまずく姿とかを見て面白がっているだけだったんだなって。今日の会話に出てきた私の話題でもすっごくそれを感じた。だから、中学まではルリさんたちと友だちだったけど、今は友だちだとは思えない。」
「……。」
セキネさんが自分の意見を言い終えてもルリさんたちは何も言い返さなかった。
言い終えたセキネさんはスッキリした表情で「それじゃあ私たちは帰るね。行こう!根倉くん!」と俺に言ってきた。
「は、はい!」
俺は返事をして席を立つときに席に置いてあった伝票を手に取り会計をしてからファミレスを後にした。俺とセキネさんがファミレスを出るまでルリさんたちは何も言ってこなかった。
ルリさんたちが意外と打たれ弱い人たちで良かった。と俺は思っていた。




