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第47話

 セキネさんと少し話しただけなのに、落ち込んでいた状態から急に上機嫌になったことを不思議に思ったのか、ナカマくんが「どうしたんだ?根倉?そんなに喜ぶようなことをセキネさんに言われたのか?」と、俺が上機嫌になっている理由を尋ねてきた。


俺は一応周りの人に聞こえないように小声で「実はセキネさんにお茶に誘われたんだ。」と返答した。

ナカマくんは一瞬驚いた表情をしたが、すぐに笑顔になって「良かったじゃん!根倉!セキネさんから誘ってきたってことは、セキネさんも根倉と少なからず仲良くなりたいと思っているってことだからな。」と一緒に喜んでくれた。


「ナカマくんもやっぱりそう思うよね?いやぁ、美化活動に参加して2回目でこんなにうまく行くなんて思わなかったよ。これもナカマくんのおかげだよ!ありがとう!」


俺が今までのお礼を言った。


「え?俺今日何もしてないけど。」


ナカマくんは俺のお礼の意味を理解してなかったみたいだったので、「今日だけってことじゃないよ。ナカマくんが美化活動のことを教えてくれなかったら、いまだに遠くからセキネさんに話しかけるタイミングを窺っているだけだったと思うし、セキネさんと同じ班になれたのもナカマくんがセキネさんに提案してくれたからだし、それに今日もアオヤマさんをセキネさんから遠ざけようと頑張ってくれていたでしょ。だからやっぱり今日セキネさんにお茶に誘われたのもナカマくんのおかげだよ!ありがとう!」と、俺がお礼を言った経緯を説明して、再度お礼を言った。


ナカマくんは照れくさそうに「俺はたいしたことしてないよ。根倉が頑張ったからだよ。」と謙遜していたが急に真剣な表情になって「でも気を付けなければいけないこともあるぞ。」と注意を促してきた。


「え?何に?」


「もしかしたらセキネさんのお茶の誘いには、もれなくアオヤマさんが付いてくるかもしれないってこと。セキネさんがアオヤマさんも一緒だとは言ってなかったか?」


「ううん。言ってなかったけど、その可能性はあるね。どうしよう?」


「う~ん。その時は根倉には悪いけど俺も付いて行こうと思うんだけどいいかな?」


「全然問題ないよ。むしろこっちから頼みたいぐらいだよ。」


「それじゃあ、アオヤマさんの動向に合わせて、俺たちも行動しよう。」


「うん。了解。」


ナカマくんとあれこれ話しているうちに学校に着いていた。

美化委員の人にゴミ袋とトングを渡して俺とナカマくんは教室に向かった。

教室に入るとアオヤマさんがすでにいて、カバンに教科書を詰めていた。

俺とナカマくんも帰る準備をしながら、アオヤマさんの動きを注視していた。

するとアオヤマさんはカバンに荷物を詰め終えるとセキネさんが来る前に教室を出ようとした。


「お疲れ様。アオヤマさん。もう帰るの?」


ナカマくんが本当に帰るのか確かめるためにそれとなく尋ねてくれた。


「お疲れ~。ナカマ。根暗。今日はちょっと用事があるからもう帰らなくちゃいけないんだ。ホントはアカリと一緒に帰りたいんだけどね。」


「そうなんだ。それは残念だね。引きとめちゃってごめんね。お疲れ様でした。」


「お疲れ様~。」


アオヤマさんは本当に帰ったみたいだった。


「良かったな!根倉!これでセキネさんと2人でお茶できるな!」


「う、うん。でもやっぱり2人だと緊張するからナカマくんも一緒に来てくれない?」


「わるい。根倉。実は俺も用事があってすぐ帰らなきゃいけないんだ。本当にごめん。それじゃお疲れ様~。」


「え?え?そんなことさっき言ってなかったじゃん。」


「それじゃ、また来週な。根倉。」


怖気付いた発言をする俺を教室に残してナカマくんも帰ってしまった。

俺は1人教室に残されて呆然としていた。

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