第37話
「……という質問をしてみようと思うんだけど、どうかな?」
次の日、俺は最近当たり前のようになった朝のホームルーム前のナカマくんとの会話で、昨日思いついた質問の可否をナカマくんに聞いていた。
「うん。いいと思う。確かにちょっと不思議だったしな。」
「そうだよね。この質問いいと思うよね。」
ナカマくんのお墨付きをもらって俺は自分が考えた話題に自信を持った。
「根倉はどう予想している?美化委員の活動だけあった理由?」
ナカマくんが俺の意見にすごく興味があるかのように楽しそうに質問してきた。
「え?俺は美化活動の時間が短かったから大丈夫だったのかな?って考えた。俺たちがゴミ拾いしたの40分くらいだったじゃん?」
「やっぱりそう予想するよな。あとはゴミ拾いしたのが学校の敷地内と校舎の周りだったからかな?」
「それもあると思う。」
「まあ、美化委員のセキネさんに質問すればきっと分かるよな。理由が分かったら俺にも教えてくれよ!」
「分かった。絶対教えるよ。」
「頼むぞ。そろそろホームルームの時間だな。俺は自分の席に戻るよ。」
「ちょっと待って!」
ナカマくんが席に戻ろうとするのを俺は呼び止めた。
「どうした?根倉?」
俺に呼びとめられた理由をナカマくんは尋ねてきた。
俺は「これ約束していた漫画。」と言ってカバンから漫画を3冊取り出した。
「もう持ってきてくれたのか。ありがとう。根倉。ちょっと待っててくれ。」
ナカマくんは漫画を受け取らずに一度自分の席に戻り、カバンから何かを取り出して戻ってきた。
「はい。これ!返そう返そうとは思っていたんだけどなかなか持ってこなくてごめん!」
と言って、ナカマくんは以前貸した小説を俺に返してきた。
「ありがとう。ナカマくんって律義なんだね。」
「借りた物を返さずにまた何かを借りるのは借りる相手に対して失礼だと思うからさ。律義とかそんな大層なものじゃないよ。それじゃあ、漫画借りてくな。ありがとう。」
漫画を受け取ってナカマくんが自分の席に戻って行った後に担任の先生が教室に入ってきてホームルームが始まった。そのまま何事もなく午後の授業まで終わった。俺がセキネさんに話しかけることもセキネさんに話しかけられることも当然だがなかった。
帰りのホームルームも終わりあとは下校するだけとなった。
俺は明日の美化活動でセキネさんに話しかける作戦を話し合うためにナカマくんが一緒に駅まで帰ってくれると思っていたが、ナカマくんはクラスの友達と一緒に下校してしまった。
別に約束していたわけでもないし、ナカマくんにも友達付き合いがあるのは分かっているのだけれど、少し、いやかなり寂しい気持ちになりながら1人で下校した。




