第31話
俺がテスト勉強することを忘れてナカマくんと話をしていると、教室のドアが開く音がした。
そして「おはよ~う。」と挨拶をしながらセキネさんが教室に入ってきた。
俺がここ2週間、セキネさんのことを観察して分かったことがある。セキネさんは2回に1回ぐらいの確率で教室に入ってくるときにつまずいていた。今日はつまずかずに教室に入れたようなので俺が心の中でホッとしていると、セキネさんが俺の席に近づいてきた。
いつもだったらアオヤマさんのところへ行くのに何でだろう?と考えていると、セキネさんが俺の席まで来て「根倉くん、ナカマくん、おはよう!土曜日はありがとう!」と言った。
俺は、土曜日?土曜日にお礼言われるようなことしたっけ?え~と、そっか!美化活動に参加したことか!と、セキネさんに話しかけられて緊張したためと頭の中がほとんど中間テストに埋め尽くされていたため、すぐには土曜日と美化活動が結びつかなかった。
そんな俺のことを察してか、ナカマくんが「おはよう。セキネさん。お礼を言うのはこっちの方だよ。土曜日は色々と教えてくれてありがとう。な!根倉!」と返事をしてくれた。
「う、うん。そうそう。ありがとう。セキネさん。」
「俺たち、また美化活動に参加しようと思っているから、その時はよろしく。」
「え!また参加してくれるの?参加してくれる人が多い方が早く終わるから、参加してくれるのはありがたいよ。分かった!その時は任せて!」
「アカリ~、おはよう!」
俺とナカマくんとセキネさんが話しているとなかなか自分のところにセキネさんが来ないことにしびれを切らしたのかアオヤマさんも俺たちが話しているところにやって来た。
「おはよう!ヒナ。今、土曜日のお礼を2人に言ってたところなんだ。」
「ああ、そういうことね。ありがとね。2人とも。良かったらまた参加してくれると嬉しいんだけど。」
「2人ともまた参加してくれるってさ。」
「そうなの?2人ともありがとう。」
アオヤマさんがそう言ったところで、教室のドアが開いて担任教諭が教室に入ってきた。
「そろそろホームルーム始めるぞ~。自分の席に着け~。」と、担任教諭が言うとナカマくん、セキネさん、アオヤマさんは自分の席に戻って行った。
俺は会話らしい会話をしたわけではないがセキネさんから話しかけられただけで、美化活動に参加して良かったと感じていた。




