第30話
次の日の月曜日、学校に登校すると教室ではテスト勉強をしている人がいた。
テスト勉強していない人もいたが俺はクラスの人の学力がどれほどのものかまだ把握していないのでテスト勉強をしない理由が余裕からなのか諦めからなのかは分からなかった。
まあ、他の人のことを気にする余裕が俺にはあまりないから、すぐに自分の席に座って明日受ける数Ⅱのテスト勉強をし始めた。
勉強を始めるとすぐに「よぉ!おはよう。根倉。」とナカマくんが話しかけてきた。
「おはよう。ナカマくん。」と挨拶を返すと、ナカマくんは「なんだテスト勉強してるのか?今更焦ってもしょうがないぜ。」と言いながら、空いていた俺の前の席に座った。
ナカマくんの行動を見て、これは長めの会話をしようとしているのかな?と思った。
普段だったらすごく嬉しいのだが、申し訳ないが今はちょっと迷惑に感じてしまった。
だけれども陰キャな俺に話しかけてくれるだけでなく、俺がセキネさんに話しかけられず悩んでいたことにも気づいてくれて一緒に美化活動にまで参加してくれる奇特な人との関係を失ってはいけない!と思い直し、「う、うん。そうなんだけど、実は本腰入れてテスト勉強を始めたの先週の土曜日にナカマくんと別れてからなんだ。」とできるだけ明るい声で答えた。
「ハハハ。やっぱりそうだったか!忘れているんじゃないかと思って一応言っといて良かったよ。」
「あはは。ホントに助かったよ。ところでナカマくんは本当に勉強しなくて大丈夫?」
「あー大丈夫。大丈夫。別に学年1位取りたいわけでもないから。」
「あはは。その口ぶりだと1位取る気になれば取れるみたいだけど…。」
「まあ、取れなくはないかな…頑張れば。1年の時の最後の定期試験では6位だったし。」
「え!ホントに?」
ナカマくんはさらっと言ったが俺は驚きの声を上げた。
驚くのは失礼かもしれないがナカマくんがそんなに頭が良かったとは知らなかったからだ。
「ナカマくんすごいね!うちの高校ってここら辺じゃ結構偏差値高い方だよね?」
「うん。でも学年1位の奴はほぼ満点に近かったし、30点ぐらい離されていたから1位取りたかったら死に物狂いで頑張らないといけないけどな。」
「ううん。それでもすごいよ。俺も頑張らないと。」
中間テストでナカマくんに呆れられないような点数を取りたいと思うと同時に、ナカマくんはテストの成績が悪くても呆れる人じゃないかとも思った。




