第29話
美化活動に参加した次の日の日曜日、俺は自室で今までセキネさんに話しかけることばかり考えていて、本腰を入れていなかったテスト勉強をしていた。
火曜日から木曜日にかけての3日間で3科目ずつ、合計9科目のテストを受けるわけだが、俺はそれほど慌ててはいなかった。
なぜなら普段授業を受けていて理解できない所が特にないからだ。
とは言っても授業で1回習ったらそれで全部覚えられるとか教科書を読めば全部理解できるというほど頭が良いわけではない。
分からない所は復習するし、授業で明日は先生に当てられると分かっている時は予習もちゃんとやっている結果が出ているだけだ。
遺伝による学力への影響は7割くらいだと聞いたことがある。祖父も父も医者の俺は遺伝という点では恵まれているかもしれない。けれども10割ではないのだから俺の努力によるものもあると信じたい。
自分の部屋だと集中できないから図書館などの自宅の外で勉強する人もいると聞いたことがあるが、俺にはちょっと理解できない。図書館は静かだが人の目が気になって俺には集中出来そうにないからだ。
ジロジロ人がしていることを見ている人ばかりではないとは理解しているのだが、人の目がある外よりも人の目がない自分の部屋の方が集中できるという俺の感覚の問題になる。
自室だと勉強の邪魔になる誘惑が多いから自宅の外で勉強しているという人もいるだろうが、俺の場合、図書館の方が自室よりも誘惑が多いのでやっぱり自室で勉強するのが一番いいと思ってしまう。
まず午前中に数学・理科の科目のテスト範囲を復習して、お昼ご飯を食べてから国語・英語・地歴公民の科目のテスト範囲を復習した。時間が足りないのでテスト範囲を完璧に復習できたとは言わないが平均点以上は取れるだろうと感じた。あとはテストの前日に次の日のテストの科目の復習をすればいいだろう。
時計を見ると夜10時半を過ぎていた。
記憶を固定化するには睡眠が必要だというのも聞いたことがあるので早めに寝ることにした。
ベッドに横になってウトウトしている時にセキネさんに話しかける話題を考えていなかったことを思い出した。
まあ、中間テストと違って5日以上有余があるし、最悪金曜日に考えればいいかと考えて俺はそのまま眠ってしまった。




