第27話
俺たちが通う高校から最寄りの駅までは歩いて15分から20分ぐらいかかった。
駅まで歩いている間はナカマくんが言った通りに今日の美化活動の反省や今後の対策について話し合った。と言っても美化活動自体の反省ではなく、美化活動中にセキネさんと話して仲良くなるという目的に対しての反省と対策について話し合った。
「さっきセキネさんと話せたか聞いた時は『ダメだった。』って言ってたけど、全く話せなかったのか?俺が体操着について聞いてみたらって根倉に言ったはずだけど、それも聞けなかったのか?」
「ナカマくんのアドバイス通りに『何で制服じゃなくて体操着を着ているの?』とはセキネさんに聞いたけど、その後何を話すか考えていなくて、ちょっと考えている間にアオヤマさんがセキネさんと話し始めたからセキネさんに話しかけるタイミングを逸してしまったんだ。」
「そうか。それなら今度はセキネさんに振る話題を考えるのとアオヤマさんをどうにかしてセキネさんと離れさせておく方法を考えなくちゃいけないな。まあ、アオヤマさんは俺が話しかけてちょっとの間、遠くに連れて行くことはできなくもないかな。一番の問題は根倉がセキネさんに振る話題だよ。根倉、何かセキネさんと共通の話題とかないのか?」
「…その、あるにはあるよ。」
「え?マジ?じゃあ何で話しかけなかったんだよ?って言いたいけど、根倉はコミュ障っぽいから、話しかける時に緊張でもしたんだろうな。それをいまさら責めてもしょうがないから話を進めよう。どんな話題なんだ?」
「セキネさんはブラッ〇ジャックを読んでいるみたいだからブラッ〇ジャックなら共通の話題だよ。俺も読んだことあるし。」
「そうか。そういえばセキネさんとアオヤマさんが根倉の名前がブラッ〇ジャックと一緒だって言ってたっけ。よし!それじゃあ根倉、今度の美化活動までにブラッ〇ジャックでセキネさんに振れる話題を最低3つか4つは考えておけよ。1つや2つだと心もとないからな。」
「分かった。考えておくよ。」
「これで今度の美化活動でセキネさんに話しかけるための対策が少しはできたから、ちょっと違う話をしてもいいかな?根倉?」
ナカマくんがさっきまでのにこやかな表情から少し気まずそうな表情に変えて、話題を変えていいか聞いてきたので、俺は何を言ってくるんだろう?と少し不安になったが、すぐに「大丈夫だよ。」と返答した。
俺の返事を聞いたナカマくんは気まずそうな表情を変えずに「その…なんだ…セキネさんって何で今日体操着を着てたの?」と尋ねてきた。
俺はナカマくんの質問を聞いて拍子抜けしてしまった。ナカマくんの表情からもっと重大な話題を振ってくるのかな?と思っていたからだ。
ナカマくんの話題がたいしたことなかったことに対する安堵とナカマくんもセキネさんが体操着を着ていたことがそんなに気になっているということを知れた面白さから俺は「フッ。」と笑ってしまった。




