第23話
そんな時にナカマくんがささやくような声で「根倉。根倉。」と話しかけてきた。
「どうしたの?」と尋ねると「これ。」と言ってコンビニのおにぎりの包装フィルムを見せてきた。
「ああ、それなら燃えるゴミでいいと思うよ。」と答えると、ナカマくんはちょっと呆れている感じの表情をすると少しだけ語気を強めて「バカかお前は!根倉がセキネさんのゴミ袋に入れて来いってことだよ!そのくらい察しろよ!」と俺に言ってきた。
「あ!そういうことか!ありがとう。ナカマくん。」
「ああ。感謝しろよ。セキネさんやアオヤマさんがテキパキと燃えるごみを集めているから燃えるゴミを確保するのが大変だったんだからな。根倉もペットボトルや空き缶に目が行きすぎだよ。セキネさんと話したいなら燃えるゴミを拾わないと。」
「ごめん。気が付かなかった…。」
「まあいいよ。こんな時のために俺は参加したんだからな。言ったろ?アシストするって。」
「あ!」
美化活動が始まる前に言ったことを有言実行したナカマくんがカッコよかった。
それにひきかえ俺はセキネさんに言われた通りペットボトルを拾うことに集中しすぎて本来の目的を忘れてしまうなんてバカすぎるだろ!
まあ、美化活動に参加したのならそっちの方が正しいのかもしれない。
不純な動機で参加している方が悪いんだし。
少し自分を正当化させて気を取り直していると、ナカマくんが「ほら!これ持ってセキネさんに話しかけて来いよ!話すことが思いつかなかったら『何で体操着を着てるの?』とか聞けばいいよ。」とアドバイスをくれた。
「分かった。」
そう言って俺はナカマくんからおにぎりの包装フィルムを受け取るとセキネさんの方へ向かった。
俺は向かっている間に、ナカマくんもセキネさんが体操着を着ていること気になっていたんだな。と考えていた。




