第22話
「それじゃあ、私が燃えるゴミ、ヒナが燃えないゴミ、根倉くんがペットボトル、ナカマくんが空き缶っていう分担でいいかな?根倉くんたちは初めてだから分かりやすいペットボトルと空き缶がいいと思うからさ。」
セキネさんが集めるゴミの担当を割り振ってくれた。
「私はいいよ!」「俺も!」
アオヤマさんとナカマくんが賛同したので俺も「僕も大丈夫です。」と答えた。
するとナカマくんがジトーッとした目で俺のことを見てきたので「え?どうしたの?」と尋ねた。
ナカマくんはジトーッとした目のまま「根倉、俺と話すときは一人称「俺」なのに、セキネさんたちの前では「僕」って言うんだな?教師の前じゃないんだから「俺」でもいいと思うぞ。」と答えた。
俺は男子の前では「俺」、女子の前では「僕」と使い分けているわけではなかったのだが、ナカマくんとセキネさんでは初めて話した時の状況がかなり違ったので、特に緊張しなかったナカマくんの前では「俺」、緊張したセキネさんの前では「僕」という一人称を使ってからずっとそうしていた。
ナカマくんに指摘されて同じ場にいる人の中で人によって一人称を使い分けて話したりしたらそれは気分が良くないかもしれない。と思い「ごめん。特に意味はなかったんだけどセキネさんと初めて話した時は緊張していて「僕」って言っちゃったから、ずっと「僕」を使っていただけっていうか…とにかく使い分けようと思っていたわけではないんだ。」と正直に弁解した。
するとナカマくんはジトーッとした目をやめてニコッと笑いながら「いや、別に怒ってるわけじゃないんだ。ただおなじクラスメートなのに一人称を使い分ける必要性はないかな?と思ってさ。セキネさんたちも根倉が一人称を「俺」って言っても気にしないよな?」と言ってくれた。
「うん。私は気にしないよ。ね!ヒナ!」「うん。ていうか使い分けている方が気になるかな。」
とセキネさんとアオヤマさんが言ってくれたので、俺は「分かった。これからは「俺」って言うよ。」と返答した。
「じゃあそろそろゴミ拾い始めようか?」
とセキネさんが仕切りなおしてくれた。
俺たち4人は学校周りのゴミ拾いをすることになった。と言っても、この学校に通う生徒や周りに住んでいる人たちのマナーがちゃんとしているからなのか?美化委員がゴミ拾いしている成果なのか?思ったほどゴミは落ちていなかった。それでもペットボトルや空き缶は落ちていたので、落ちているペットボトルを拾って自分のゴミ袋に入れ、落ちている空き缶は拾ってナカマくんのゴミ袋に入れた。
時々セキネさんやアオヤマさんが「根倉くん!ペットボトル落ちてた~。」と言って持ってきたペットボトルをゴミ袋に入れた。しかし30分もゴミ拾いをしていると自分たちに割り当てられた範囲のゴミは大分拾い終わってしまった。
どうしよう?このままじゃほとんどセキネさんと話さずに美化活動が終わってしまう!
俺はかなり焦り始めた。




