表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/54

第21話

 どうしよう?本当のことは言えないし、かと言って適当なことを言っても納得してくれなさそうだし、ここは美化活動について感じていることを誠実に答えよう!


「そ、そんなことないよ!週末が近くなると学校周りにゴミが落ちているのを感じるけど、月曜日に登校すると落ちているゴミが減っているなと感じていて、それが土曜日に行われている美化活動のおかげだということを知って興味を持ったんだ。そして有志を募っているということも知って、土曜日の午後なら俺も参加できるなと思って今日初めて参加したんだ。」


一応嘘は交えずに美化活動について思っていることを答えた。


「…根暗、あんた…。」


アオヤマさんが少し苛立っているような表情を変えずに話し始めたので、ダメかな?と感じたがパッと笑顔になり「そう!ゴミが落ちていないのは私たちが拾っているから!私たちの活動の成果、ちゃんと見てるじゃない!」とポンポンと俺の肩を叩きながら言った。


「もう!ヒナ!余計なこと聞いちゃだめだよ!根倉くんたちはちゃんとした理由だと思っていたけど、どんな理由で参加したって、ちゃんとゴミ拾いしてくれればいいんだから!」とセキネさんが遅めの助け舟を出してくれた。


「それもそうね。」


アオヤマさんはセキネさんの言葉に納得したようだった。俺はそれを見て、胸をなでおろした。

ナカマくんの方を見るとナカマくんもホッとしているようだった。


しかしナカマくんは俺よりもコミュニケーション能力が高いからなのか、先を見通す能力が高いからなのか、セキネさんたちに「なぁ、セキネさんたちは俺たちとクラスメートだからお願いするんだけど、一緒の班になってくれないかな?ほら、知り合いの方が俺たちは質問しやすいし。ってメリットは俺たちにしかないんだけど…。」と提案してくれた。


するとセキネさんが「私はいいよ。ヒナはどう?」と、アオヤマさんの意見を聞いた。

俺が(たぶんナカマくんも)ドキドキしながらアオヤマさんの返答を待っているとアオヤマさんは特に悩むところも見せずに「私もいいよ。」と答えた。


アオヤマさんの返答を聞いて俺がまた胸をなでおろしているとアオヤマさんが俺に向かって「さっきはごめん。アカリの言う通り参加理由なんてどうでもよかったよね。あ!私はアオヤマヒナ。よろしく。」と、自己紹介してくれたので俺も「根倉黒男です。よろしくお願いします。」と、自己紹介した。


自己紹介してからハッと気付いたがアオヤマさんがフルネームで自己紹介したので、俺もついフルネームで自己紹介してしまった。黒男という名前は言いたくなかったな。と考えていると、アオヤマさんは「根暗クロオね。…クロオ?クロオってもしかして黒い男って書く?」と俺に尋ねてきた。


なんかセキネさんとも同じことがあったな。と思いながら「はい。そうです。」と答えると、アオヤマさんは笑いながら「それってブラッ〇ジャックと同じ名前ね。知ってる?手塚治虫のブラッ〇ジャック?」と聞いてきた。


「知ってるも何も、全巻読んでます。しかも親はブラッ〇ジャックからとって名前を付けたって言ってます。」


「やっぱりそうなんだ!覚えやすくていい名前ね。」


「ヒナもやっぱり気付いたね。根倉くんの名前がブラッ〇ジャックと同じだってことに。」


「そりゃ気付くよ!アカリに面白いって勧められて全巻読んだからね。」


「それもそっか。」


セキネさんとアオヤマさんが俺の名前を話題にして笑っているところを見ていたらナカマくんが「根倉~。」と恨めしそうに話しかけてきました。


「どうしたの?ナカマくん?」


「俺の方がアオヤマさんより根倉と付き合い長いのに根倉の名前教えてもらってないぞ。」


「あ!」


そう言えばナカマくんに名前を聞かれたときは名字しか言ってないことに今気が付いた。

だけどももう1つ、あることを思い出した。


「でも、ナカマくん。俺もナカマくんの名前教えてもらってないよ。」


「え?そうだっけ?」「そうだよ。」


「じゃあ、改めて俺はナカマヒカル。よろしく。」「根倉黒男です。よろしくお願いします。」


俺とナカマくんは自己紹介をやり直した。その時感じたのがそれほど他の人に自分の黒男という名前を知られても嫌に感じなかった。たぶん俺自身、黒男という名前をそんなに嫌に感じなくなったからだろう。だから今までは気を付けて言わないようにしていたけど、アオヤマさんに自己紹介した時につい名前を言ってしまったのだろう。


それもセキネさんと出会えたおかげだ。そう思うとまた一段とセキネさんと仲良くなりたいと思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ