第17話
「ホントに?」
わらにもすがる思いで、ナカマくんに聞き返すとナカマくんはニヤッと笑いながら「ああ。ホントホント。セキネさん、確か美化委員だったと思うから、美化活動に参加すれば話しかけられるタイミングも見つかるかもしれないぞ。」と答えた。
「美化活動って、俺みたいな美化委員じゃない人も参加できるの?」
「大丈夫だったはずだ。毎週土曜日の午後に学校の敷地内や校外の清掃活動を美化委員の人がやっているんだけど、清掃活動に参加してくれる有志を募っていたはずだから、明日飛び込みで参加することもできるはずだけど、どうする?」
「もちろん参加するよ!教えてくれてありがとう!」
俺は絶望の闇の中に一筋の光が差し込んできたように感じた。
明日!明日こそはセキネさんに話しかけるぞ!と意気込んでいると、ナカマくんが「一応掲示板で美化委員の掲示物を確認しておいた方がいいぞ。」とアドバイスしてくれたので「分かった。そうするよ。」と返事をした。ちょうどその時、昼休みが終わるチャイムも鳴り、ナカマくんは自分の席に戻っていった。
それからは早く土曜日の午後にならないか、うずうずしながら過ごしていた。
午後の授業が終わり、放課後になるとセキネさんはいつも通りアオヤマさんたちと一緒に下校していった。今までなら俺はそれをむずがゆい思いで見ていたが、今日は違った。なぜなら明日の美化活動でセキネさんと話す機会があるかもしれないからだ。まだ可能性があるという予想でしかないのだが、この時の俺は話すことが出来ると思い込んでいて舞い上がっていた。
ナカマくんに言われた通り、掲示板の美化委員の掲示物を見に行って美化活動には飛び込みでも参加できることを確認すると、喜びで足取りも軽く自宅へ帰り、次の日を楽しみにし過ぎて夜はなかなか眠れなかった。
遠足や運動会や修学旅行の前日でもそんなことはなかったので自分でも少し驚いていた。
明日セキネさんと何を話そう?美化活動中に漫画やアニメの話は良くないかな?まずは清掃のやり方を聞いた方がいいかな?もしかしたらセキネさんの方から話しかけてくれるかもしれない。その時は落ち着いて話すようにしよう!と次の日のことを考えているうちにいつの間にか眠ってしまっていた。




