第1話
名前負けという言葉を知っているだろうか?
初めて聞くという人のために、その意味を説明すると、「名前が不相応に立派すぎること。名に実が伴わず、かえって劣って見えること。」(広辞苑より)という意味です。
例を挙げるとすると、国民的アニメ「ちび○子ちゃん」の主人公「○子」の姉の名前は「さき子」というらしい。「○子」の家の名字は「さくら」なので、姉のフルネームは「さくらさき子」となる。なぜこれが名前負けの例になるかというと、受験に合格したことの比喩として使われている言葉に「サクラサク」という言葉があり、もしも「○子」の姉が受験に失敗したとすると、「サクラサク」という言葉が名前に含まれているにも関わらず、実際は受験に失敗している。これは「さくらさき子」という名前は、名前負けしていると言っても過言ではないからです。実際、アニメでは本人がそのことを気にする話があったらしい。
なぜこんな話をしたかというと、俺自身も名前負けしているからです。
俺の名前は「ネクラクロオ」、「ネクラクロオ」です。
「ネクラクロオ」という名前で名前負け?と不思議に思う人もいるだろうが、生来それほど明るい性格でもなく、わざわざしたくない遊びを友達と遊ぶよりは、一人で本を読んでいるほうが好きなので、周りの人からは暗いやつだと思われることが多かったと思う。実際、周りの人に「ネクラ」と呼ばれる時は、本来は違うのだが「根暗」という言葉のアクセントで呼ばれていた。小学生の時など覚えたての言葉を使いたかったからなのか、からかわれて「陰キャ」と呼ばれていた時もあった。
そうなると、「やはりそれのどこが名前負けだ?どちらかというと名は体を表すではないのか?」と思われる人もいるだろう。だが、それほど明るくないというだけで、周りにいる人が話の合う人だったら結構明るく話したりする。「根暗」と言われるほど性根は暗くないと思う。過去には「ネクラクロオ」という名前が嫌で、極端に明るく振舞っていた時もあった。しかし人付き合いをあまりしてこなかった弊害か、空回りすることが多く、自分が明るく振舞ってもいいことがないと思うようになり、いつの間にか止めてしまった。
つまり、俺は名前の持つ圧力と戦うことを止めた。名前に不戦敗している状態なのです。
これも一応名前負けだと俺は思っている。




