繰り返された略奪・強奪・暴行・殺戮・虐殺
酷いものだった。
店や家からは様々な物が奪われていった。
テレビに冷蔵庫に洗濯機。
電球から電線。
価値があるものは全て奪われていた。
とある店に設置されていた監視カメラはその様子をとらえていた。
店に殺到してくるロシー連邦兵。
それらは店にあるものを奪っていく。
ショーケースは破壊され、並んでいた陳列品はことごとく奪われた。
当然、レジも破壊され、現金が奪われていく。
人も無事では済まない。
ロシー連邦の占領下に入る事を拒絶した市長などの首長は殺された。
首長だけではない、市議会員などの自治体議員も。
役所や警察の者達も。
民間人だって例外ではない。
侵略者を拒絶した全てが殺された。
いや、抵抗したものだけではない。
無抵抗の者だって例外ではなかった。
男も女も、子供も老人も。
理由無く殺される者達もいた。
むしろ、そちらの方が目立った。
道を歩いていただけで、車で移動していただけで。
それだけで銃で撃たれる。
装甲車の機関砲で撃ち抜かれもした。
女であれば強姦された。
小さな女の子から老婆まで。
犯され、嬲られ、そして殺された。
それを助けようとした者もいた。
容赦なく殺された。
傍若無人。
そうとしか言えない惨状がそこにあった。
「こんな連中、生かしておけない」
徹底抗戦の気運はさらに高まった。
大人しく占領されても殺される。
ならば、平穏を取り戻すために戦うしかない。
再び気兼ねなく生きていく為に。
簡単にはいかない。
ロシー連邦も国内から増援を送り込んできている。
最新兵器は尽きたのか、旧型の戦車や装甲車などが中心であるが。
それでも、多大な殺傷力はある。
旧型兵器であっても、人を簡単に殺す能力はあるのだから。
それでもウーク共和国は引き下がらない。
譲歩は悲劇を増大させる。
徹底抗戦。
これだけが、尊厳も生命も財産も、生きるための全てを守る方法だった。
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