アーク視点3
「はぁはぁ、もう少しだ！ お前らあと少しでゴブリンキングに勝てるぞ！」
「あ、ああ」
「そうねぇ」
「疲れた」
俺たちは、もうすぐゴブリンキングを倒せる！！
ゴブリンキングはもうボロボロだ！！
「ギャャャ！」
とゴブリンキングが殴りかかってくる。
ボロボロのくせに速えっ！！
「ぐほっ！！」
「アーク！！」
クソっ！！ 痛ぇ！！ ポーション！！
俺は、急いでポーションを飲み、ゴブリンキングに斬りかかる。
「はぁ！！」
「やぁ！！」
するとダルケも俺に合わせて槍を振っている。
「ギャャャ！！」
俺の剣と、ダルケの槍は、ゴブリンキングに傷をつけた。
よしっ！！ このまま行けば勝てるぞ！！
「フレイムボール！」
ナイが、【ファイヤーボール】よりも威力の強い、【フレイムボール】を撃った。
「ギャャャ！！」
「よくやったナイ！！ はぁ！！」
俺は、痛がっているゴブリンキングを思いっきり、
切ってやった！！
ザクッと！！ と音がなり、ゴブリンキングの体に縦に大きな傷を作ることができた！
あと、もう少しだ！ やっぱりヨルンなんていらなかったんだ！
「ギャャャャ！！！」
とゴブリンキングが大きな声を出すとゴブリンたちが大量に出てきやがった。
ちっ！！ 何体居やがるんだ！！
「もう！！ 次から次にでてくるわねぇ！！」
とアイカがそう言いながら矢を放つ。
「ちっ！！ もうゴブリンキングはボロボロだ！！ だから俺とナイでやる！！ アイカとダルケはゴブリンどもをやれ！！」
「わかった！！」
「わかったわぁ」
「もう、魔力が尽きる」
「マジックポーションを飲め！！」
俺は、ゴブリンキングに斬りかかった！
「はぁ！！」
「ギャャャャ！」
「ぐほっ！！」
俺は、ゴブリンキングに殴り飛ばされる。
なんでボロボロなのにこんなに強ぇんだよ！！
この俺がこんなに殴られるなんて！！
後、何回ポーションを飲めば倒せるんだ！！
「【フレイムボール】！」
「ギャャャャ！！」
「【フレイムランス】！」
「ギャャャャ！」
とナイが連続で攻撃をする。
「ギャャャャャャ！」
だがまだゴブリンキングを倒せねぇ。
「おい！！ ゴブリンなんかにどんだけ時間使ってんだよ！！」
「数が多いんだ！！」
「うるせぇぇ！！ そんな雑魚、数が多くてもすぐに倒せよ！！」
「わ、わかったよ」
「ギャャャャ！！」
とゴブリンキングが俺に向かって走って来やがる！
ちっ！！ 殴って来やがった！！ 避けられねぇ！！
「ガハッ！！」
思いっきり、殴り飛ばされた。
「アーク！！」
「ガッ！！！」
「ナイ！！」
ダルケとアイカの大きな声が聞こえた。
俺は、立ち上がりナイのほうを見るとナイも殴り飛ばされていた。
「ちっ！！」
俺は、急いでポーションを飲み、ゴブリンキングに斬りかかる。
ゴブリンキングは、ナイのほうに体が向いているため、俺は背中に斬りかかる。
「はぁ！！」
ザクッ！！
「ギャャャャ！！」
とゴブリンキングが叫びながら、腕を振り回した。
「ぐっ！！」
振り回した腕が俺に当たる。
痛ぇ！！
俺は、立ち上がり、またポーションを飲む。
「ちっ！！ なんで死なねぇんだ！！ ゴブリンキング！！」
もうボロボロのはずなのに死なねぇんだよ！！
「アーク！！ ゴブリンを倒し終わったぞ！！」
「遅ぇんだよ！！」
「ご、ごめん！！」
「まぁいい、早くこのゴブリンキング、殺して町に戻るぞ」
「ああ！！」
「えぇ！！」
「う、うん」
ダルケとアイカ、そしてポーションを飲んで回復したナイが俺の言葉に返事をする。
「はぁ！！」
「はっ！！」
俺とダルケがゴブリンキングに攻撃をする。
「ギャャャャ！！」
「えい！！」
俺とダルケの攻撃で傷を負い痛がっているところにアイカが矢を放つ。
「ギャャャャャャャ！！」
それが目に突き刺さり、ゴブリンキングはさらに深手を負う。
「【フレイムランス】！」
そして最後にナイが魔法を撃ちゴブリンキングが、
「ギャャャャャャャャ！」
と鳴き死んだ。
「はぁはぁ、やっと死んだか」
「ああ」
「私たち勝ったのねぇ」
「うん、勝った」
と話していると近くでいきなり、
「ギャャャ」
と声がした。
俺は、声がいたほうを見ると驚いた。
「な、なんでゴブリンエンペラーが居やがるんだよ……」
「う、嘘だろ……」
「む、無理よぉ……。ゴブリンエンペラーなんてぇ……」
「じ、時空間魔法を使えるの……。このゴブリンエンペラー……」
「時空間魔法だと！！」
「う、うん。いきなり現れたから多分」
とナイが言いやがる！！
なんでそんな貴重な属性を持ってるんだよ！！
こんなの勝てるわけねぇだろうが！！
「おいっ！！ 逃げるぞ！！」
と俺たちは、ゴブリンエンペラーから走って逃げた。
ゴブリンエンペラーは俺たちに興味がないのか追いかけてこなかった。
俺たちは、町の近くまで逃げてきた。
「ギルドに報告しなきゃ」
「報告はしねぇよ」
「な、なんでだよ。アーク」
「報告したら、俺たちがゴブリンエンペラーと戦わされるだろ。俺たちよりもランクが高いのがいねぇんだから」
「じゃ、じゃあどうするんだよ」
「一度町に戻って、荷物を持ったら少し遠い町に行くぞ」
「に、逃げるの？」
「ああ。どうせ戦っても勝てねぇしな」
「わ、わかった。それがいいな。戦ったら死ぬだろうし」
「そ、そうねぇ。町の人には悪いけどぉ、自分の命が一番大事よねぇ」
「私は逃げたくない」
「ど、どうしてよナイ！！ 逃げなきゃ死ぬかもしれないのよぉ！！」
「で、でも逃げたら、町の人たちが」
「町の人の命よりも自分の命のほうが大切でしょ！！」
「そうだぜ、ナイ。町の奴らを守って死ぬなんて俺は、嫌だぜ」
「それに死んじゃったらぁ、あなたの大好きな魔法も、もう使えないのよぉ」
「わ、わかった。じゃあ報告だけでもしたい。ギルドも戦いたくないって言ったら無理に戦わせないだろうし」
「それは駄目だ！！ 戦いたくないなんて言ったらパーティーの名に傷が付くだろ！！ 俺たちはゴブリンエンペラーを見てないことにして、ゴブリンキングの報酬をもらい荷物を持って町を出るんだ！！ いいな！！」
「で、でも！」
「いいな！！」
「わ、わかった」
「行くぞ！」
俺たちはゴブリンキングの報酬をもらい町を出た。
悪く思うなよ町の奴ら。
俺は、まだ死にたくねぇから戦わねぇし、パーティーの名に、逃げたっていう傷を付けたくねぇから報告もしねぇ！
それにお前らの命なんかどうでもいいからなぁ！
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