チートスキル『時空間の王』の練習
俺は、結局朝まで起きることが出来ず、夜ごはんを無駄にしてしまった。
「全く、起こしに行ったのに起きなかったんだから、よっぽど疲れてたんだねぇ! 夜ごはん食べてないからお腹空いてるでしょ! しょうがないから今回だけ特別だよ!」
「ありがとうございます」
宿のおばさんは夜ごはんを食べていない俺を、可哀想だと思ったのか、特別に朝ご飯を作ってくれた。
「どうだい! 美味しいかい!」
「美味しいです!」
「ハハッ! それはよかった! それにそんな笑顔で食べてくれると嬉しいね!」
俺は、朝ご飯が美味しくて、すぐに食べ終わった。
「ありがとうございました! すごく美味しくてすぐに食べ終わってしまいました!」
「ハハッ! それはよかったよ!」
「あと! もう一泊したいです!」
「はいよ、ありがとうね! 今度は夜ごはんを、食べてくれよ!」
「はい!」
俺は、宿を出て、冒険者ギルドへ行くために歩き出す。
宿のおばさん、いい人だったなぁ。特別に朝ご飯を作ってくれたし。なんて俺は思っていると、ギルドに着いた。
ガチャ!
と俺は、ギルドの扉を開けて、中に入り、依頼ボードに向かう。
「おいお前、ヨルンじゃねぇか!」
と一人の男が俺に話しかけてきた。
「久しぶりだなぁ! ヨルン!」
「うん! 久しぶり、ダミ!」
この男の名前はダミといい、Bランク冒険者パーティー『炎の牙』のリーダーだ。
ダミとは、合同でのパーティー依頼で知り合い、一緒に戦ったのだ。
パーティー依頼とは、パーティー専用の依頼のことだ。
「なんで、お前はここにいるんだ? 隣町の【ヨーラ】にいるはずだろ? 何かの依頼か?」
「ううん。パーティーから追い出されてね。それでこっちに来たんだ」
「お前が追い出された! マジかよ! おい、よかったら俺のパーティーに入らねぇか?」
「ごめんね。少しソロでいたいんだ」
「分かったよ。もし入りたいと思ったらいつでも言ってくれよ!」
「うん、ありがとう!」
俺は、受ける依頼を決め、依頼の紙を剥がしギルドの受付に持っていき、渡した。
「はい、〈Eランク依頼 ゴブリン討伐〉ですね」
「はい」
俺は、今日も〈Eランク依頼 ゴブリン討伐〉を受けることにした。
ゴブリンを五体倒せばいい依頼だ。
俺は、ギルドを出て、町の外へ行くと、転移でゴブリンがいる、【ディオールの森】へ向かった。
「【転移】!」
転移で、【ディオールの森】に来た後、時空間魔法【空間把握】でゴブリンを探す。
いたっ!
「【転移】!」
ゴブリンの近くに転移をした。
今日は、昨日見たいに背中に転移をして倒すのではなく、少しスキル『時空間の王』の練習をしながら倒したい。
「ギギャギャ!」
「【加速】!」
ゴブリンが、俺に向かって走って来たから、俺は時空間魔法【加速】で避ける。
時空間魔法は時間と空間を操ることが出来るのだ。
今まで使った、転移や空間把握は、空間を操る魔法で、加速は時間を操る魔法だ。
「【減速】!」
俺は、ゴブリンを避けた後、ゴブリンに対して時空間魔法【減速】を使った。
【減速】は、相手の動きを遅く出来る魔法で、とても強いが、相手が少し魔力を込めると、解除されてしまうのだ。
「はぁ! 【空間切断】!」
俺は最後に時空間魔法【空間切断】でゴブリンにとどめを刺した。
時空間魔法【空間切断】は、自分の武器で空間を切り裂く魔法だ。
だから俺の場合はナイフで空間を切り裂いているし、もし武器がなければ手刀で切れる。
空間を切り裂いているから、相手に武器が当たれば、なんの抵抗もなく斬ることが出来る。
だから、この魔法はすごく攻撃力の高い魔法で、強いのだ。
スパン! と俺はゴブリンの首を切り落とした。
やっぱり、【空間切断】はすごい。すごく簡単にゴブリンの首を切り落とせたのだから。
俺は、二体目のゴブリンを【空間把握】で探し、見つけると、近くに転移をした。
「ギャギャ!」
「【強制転移】!」
俺は、ゴブリンが俺に向かって走り出す前に時空間魔法【強制転移】を使った。
【強制転移】は、相手を強制的に転移をさせる魔法だが、転移できる距離は短いため遠くに転移をすることは、できない。
俺は、ゴブリンを空に転移し、3m位の高さから落とす。
「ギャ!」
「【空間圧縮】!」
ゴブリンを時空間魔法【空間圧縮】で倒す。
【空間圧縮】は、空間を圧縮することで相手を潰して、倒す魔法だ。
だが、膨大な魔力を流せば、解除できてしまうので、強い相手には、あまり使えないかもしれない。
グチャッ!
とゴブリンが潰れる音がする。
うん。グロいな。
俺は後、三体ゴブリンを倒し、ギルドへ戻った。
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