表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/15

アーク視点2

 俺たちは、ゴブリンキングから離れ、町の近くまで戻ってきた。


「ちっ! まさかこの俺が退くことになるなんて!!」


「今まで、こんなことなかったのになぁ」


「そうねぇ、初めて逃げてきたわねぇ」


「それはヨルンのおかげ」


「あぁ!! ヨルンのおかげだと!?」


「そうヨルンのおかげ」


「そんなことはねぇ!! あいつは無能だ!!」


 ナイが変なことを言いやがる! ヨルンのおかげだと! そんなことあるわけねぇ!


「ねぇ、アーク。ヨルンが外の冒険者たちになんて呼ばれてるか知ってる?」



「知らねぇよ! だがどうせ無能とかだろ! あいつはBランクパーティーにはふさわしくねぇからなぁ!」


「ううん、違うよ。『支配者ヨルン』そう呼ばれている」


「支配者だと! どういうことだ!」


「魔物のことを知り尽くし、魔物の弱点をついたり、一緒に戦っている人に的確な指示を出す。そうすることで戦闘を支配するもの。私たちと、一緒に戦ったことのある冒険者たちがみんな、ヨルンのことをそう言う」


「なっ!?」


 あいつが支配者だと、そんなはずがねぇ!

 あいつは戦えもしないのに、口出ししてくるウザい奴だろ! 


「やっぱりヨルンを追い出したのは、失敗だったんだよ。ヨルンをパーティーに入れてやろうぜ。そうすればまた荷物持ちをやらせられるし」


「そうねぇ、ただの荷物持ちだと思ってたけど、意外と役にたってたのねぇ」


 やっと追い出せたのにヨルンをパーティーに入れるだと! ふざけるな!


「ヨルンなんかいらねぇよ!」


「でもよぉ、ヨルンはいたほうが便利だぜ」


「そうよぉ、荷物持ちとか雑用とかもやらせられるしぃ」


「うるせぇ!! パーティーのリーダーである俺がいらねぇって言ったらいらねぇんだよ!」


「わ、わかったよ」


「わかったわぁ……」


「ちっ! 一度町まで戻るぞ」


「町に戻ってどうするの?」


「ポーションを買いまくる」


「ま、まさか倒しきるまで、戦うわけじゃないわよねぇ」


「そうだ。ゴブリンキングを殺しきるまで、ポーションで回復しながら戦うぞ」

 

「う、嘘だろ!? そんなの無理に決まってんだろ!!」


「そ、そうよぉ!! そんなの無理だわぁ!」


「もしかしたら、私たちが死ぬかもしれない。だから、大人しくギルドに、勝ってなかったことを報告するべき」


「うるせぇ! ギルドに報告したら、パーティーの名に傷がつくだろ!」


 俺たちは一度も依頼を失敗したことがねぇんだよ!

 だからギルドに報告はしねぇ! 

 俺たちでゴブリンキングを倒し、依頼を成功させてやる!

 

 

 お読みいただきありがとうございます。

 もし面白いと思った方はブックマーク登録と評価ポイントをよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ