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プロローグ

 俺の名前は中山健吾、年は二十三歳だ。

 いきなりだが俺は死んだ。


 俺はいつも通り、残業をした後、普通に帰り道を歩いていると、車に引かれた。


 それが俺の死因だ。 


 俺は、なんの取り柄もない男だった。小学生の時から友達はあまりおらず、勉強も苦手で、運動も出来ず。加えて顔も悪かった。

 そのまま、中学、高校と、友達は少なく、彼女もいなかった。

 高校卒業後は、家の近くの小さな会社に就職をした。

 その会社がブラック企業で当たり前のように残業があった。

 毎日、毎日、残業でつらかった。それでもずるずると何年も働き、やっとやめようと決心がついたところで、信号無視の車に引かれた。いきなりのことで迫りくる、車に避けることが出来なかった。


 じゃあなぜ、死んだはずの俺が、こう考えごとが出来るかというと、生まれ変わったからだ。


 その世界は魔法とスキルがあり、異世界転生という奴だ。



ーーーーーーーーー


 俺の名前はヨルン、十八歳だ。

 前世は中山健吾という名前で車に引かれて死に異世界転生をした。


 転生したばかりの頃は驚きの連発だった。目を開けると知らない場所だし、自分は赤ちゃんになっているし、魔法やスキルがある世界だしとたくさんの驚きがあった。


 そんな俺だが今ピンチが迫っている。

 それは、


「ヨルン! お前にはパーティーをやめてもらう!」


 パーティーを追放させられそうになっている。


「どうしてだ。アーク!」


 俺をパーティーから追放させようとしているのは幼なじみのアークだ。

 俺とアークは【モルタット村で生まれた。その村はすごい田舎で何もなく、それが嫌で俺たちは二人は村を飛び出し、冒険者になった。 

 冒険者になった俺たちは『夜明け』というパーティーを作り、アークをリーダーとし頑張ってきた。

 俺たちが村を飛び出したのは十五歳の時でそれから三年間一緒に頑張ってきた。

 俺とアークしかいなかった、パーティーは今や五人に増えパーティーランクはBランクで上からS、A、B、C、D、E、Fとランクがある中で三番目だ。


「どうしてだと! それはなオマエにスキルがないからだ!」 


 そう、俺にはスキルがなかった。この世界は魔法とスキルがある世界で、誰でも努力をすれば何かしらのスキルを得ることが出来る。

 例えば、努力して剣を振っていれば『剣術』スキルが手に入るし、努力して弓を引いていれば『弓術』スキルが手に入る。

 だが、俺は手に入れることが出来なかった。この世界に転生してから、何かしらのスキルを手に入れようといろいろなことをしてきた。

 剣を振ったし、弓も引いた。槍も突いたし体術もやった。

 でもなんのスキルも得ることが出来なかった。


「そうだな……」 


「あぁ! そうだ! それにお前は魔法の才能もないじゃねぇか!」


 俺は諦めるしかなかった。この世界ではスキルと魔法は重要だ。

 俺は魔法の才能もない。魔法を使うには、まず属性の適性が必要だ。

 魔法の属性は炎・水・雷・土・氷・光・闇・無・時空とあり、無属性の適性は誰もが持っているが、それ以外は違う。

 平均的に魔法属性は無を除いて一つは誰しも持っている。

 だが俺には無、以外の属性がなかったのだ。

 だから俺は魔法の才能もなければスキルの才能もない。


 だから諦めてパーティーを抜けるしかないんだ。

 



 


 

 読んでいただきありがとうございます。 


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