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第9話 おにくとわんちゃん

 家の隙間から入ってきた光が顔に当たり、朝になったかーと起きだす。


「ごぶ、おはようごぶ」


「わん!」


 先に起きていたごぶ助が挨拶してきたので、こちらも一鳴きして返す。


「ごぶごぶ、ごはんたべてたべものさがしにいくごぶ」


 ごぶ助がそう言ってきたのでとりあえずご飯を食べだす。食べ終わったところで出かける準備をして家の出口へ向かう。まぁ準備といってもごぶ助が籠を背負うだけなんだが。


「いってらっしゃいごぶー、きょうもおにくとってきてごぶー」


「ごぶごぶ、いってくるごぶ、まかせろごぶ」


「わんわん!」


 弟ゴブの挨拶に見送られて出発した。お肉取って来てという弟ゴブの言葉に、俺とごぶ助の二人はまかせろと返事を返した。

 今日はどうやってダンジョンに誘導しようかと思っていたんだがナイスアシストだ弟ゴブよ。


「ごぶ、きょうもおにくとるごぶ」


「わん!わんわん!」

(おう、今日も頑張ろうぜ!)


 二人でそんな風に言ってダンジョンの方へ向かった。そして森の中を歩き、程なくしてダンジョンの入口にたどり着く。さあ入ろうかという時にごぶ助は背負った籠から何かを取り出した。


「ごぶごぶ」

(ごぶ助 は ごぶ助カリバー を 装備 した)


 持ってきたのかそれ。本当に気に入ったんだな、そこまで気に入ってくれたなら俺のスキルも本望だろうよ。さあさ、いざ行こうぜ。

 ごぶ助カリバーを装備したごぶ助と共にダンジョンへ降りていき、探索を開始する。ごぶ助はおにくおにくと呟きながらキョロキョロとウサギを探している。なのでスライムが出てきても気づかずにスルーしていった。

 おいおい、お肉に目がくらみすぎだろうごぶ助。とりあえずこのスルーされたスライムは俺が倒しておくか。

 そう言ってスライムを倒したら体が熱くなり、レベルが上がったみたいだった。


 名前:

 種族:魔シバイヌ

 年齢:0

 レベル:3(2↑)

 str:16(5↑)

 vit:8(1↑)

 agi:22(7↑)

 dex:8(1↑)

 int:5(2↑)

 luk:12(2↑)

 スキル:雄たけび 鑑定

 ユニークスキル:ワンチャン 

 称号:元最弱犬 転生者


 現在のステータスはこれだ。レベルが3なのは、実は進化した後に大きい芋虫を倒していたら上がっていたのである。

 ステータスを確認しおわったので、スライムから出た魔石を咥えてごぶ助の元へ持っていく。ごぶ助に魔石を押し付けると、きょとんとしてそれを受け取った。さてはこいつ俺がスライム倒したのも気づいてないな?そう思ったので、再びスライムが出た時にスライムがいるぞ気を付けろと吠えてやった。ようやくそれでスライムにも目が行ったのか、スライムを倒しだした。

 スライムくらいしか見ないからと言っても、一応気を付けろよごぶ助。ダンジョンなんだから何があるかわからないんだぞ。まあお肉お肉、と浮かれていたのも少しおさまったから取りあえずよしとしよう。

 それから俺たちは見つけたスライムとウサギを狩っていった。


「ごぶごぶ、おにくおにくごぶ」


 ごぶ助はウサギを見つけると、おにくおにくと言いながら棒で戦っていた。力加減を覚えたのか、最初みたいにバラバラにすることなく倒していた。

 俺の方はスライムを余裕で倒し、ウサギの方は余裕とまではいかないが危なげなく倒していた。


「きゅ!」


「わんわん!わん!」

(お前の突進にもなれたぜ、そらとどめ!)


 相変わらずしてくる突進に慣れてきて、それをひらりとかわして逆に攻撃を仕掛けてとどめを刺す。俺がウサギを倒すときはそんな感じで倒した。

 そうして二人であわせてウサギを5匹ほど倒したところで帰ることにした。ダンジョンの中にいると薄暗くて、時間がよくわからないがおそらく日が落ちかけているだろうと思ったからだ。外に出るとやっぱり日が落ちかけていた。


「ごぶごぶ、くらくなりかけごぶ、はやくかえるごぶ」


 完全に暗くなる前に帰るべく、帰りは採取せずにまっすぐ帰った。家に帰り着くと、すでに俺とごぶ助以外は帰ってきていたので、ごぶ助は取ってきたウサギのお肉を取り出して火にかける。


「ごぶぶ、きょうもおにくごぶぶ。うまそうごぶぶ」


「ご~ぶ、ほんとうご~ぶ」


「わーい、おにくおにくごぶー」


「ごぶごぶ」


 今日もお肉をとってきたとごぶ助一家は喜び、ごぶ助はどや顔だった。まあ連日肉が食べれるんだものな。いつもだと大体が芋虫とキノコや木の実だったり食べられる草も少々。お肉はたまにしか回ってこない。それが連日食べられるとなったらうれしいし、取ってきた方はどや顔するわな。


「ごぶぶ、やけたごぶぶ、たべるごぶぶ」


「「「いただきますごぶ」」」


「わん!」

(いただきます!)


 ごぶ助パパの合図とともに焼けたお肉に全員がかぶりつく。やっぱり肉はうまいな。食べながら見回すと、全員うまそうにお肉にかぶりついていた。そうして全員がお肉を堪能し終え、全員満足した顔で眠りについた。

 このぶんなら明日からもダンジョンに通うかな。そうなるといいな。俺もそんな風に思い眠りについた。


 ・

 ・

 ・


 そんな風に思っていたら、うまい事連日ダンジョンに通うようになった。せっかくダンジョンで戦うんだから、もうちょっと数を倒せないかなーって思っていたのだが、俺は気づいてしまった。そうだ俺って犬じゃん、この凄くなった嗅覚で探せるんじゃ?そう思い試してみるといい感じに討伐数が増えた。

 そうなると、ごぶ助一家だけで食べきれるお肉の量じゃなくなり、村の方へ余っウサギ肉をまわしていった。そうすると、ごぶ助は村のみんなから褒められてやる気を出し、俺も褒められてさらにやる気をだした。そうするとさらに討伐数が加速していき、レベルも上がりまくった。

 冬が近づいてきたのか、森も寒くなり始めたころになると、ダンジョンに通いウサギとスライムを狩りまくった俺のレベルがカンストした。


 名前:

 種族:魔シバイヌ

 年齢:0

 レベル:10(7↑) ≪進化可能≫

 str:31(15↑)

 vit:16(8↑)

 agi:38(16↑)

 dex:17(9↑)

 int:13(8↑)

 luk:17(7↑)

 スキル:雄たけび 咬みつき ひっかき 鑑定

 ユニークスキル:ワンチャン 

 称号:元最弱犬 転生者


 大分強くなったな。しかしダンジョン様様だ、けっこう早いペースでレベル上げれたからな。ついでにお肉もいっぱい取れて一石二鳥だったな。っと今はもっと重要な事がある。そう、再び進化できるようになったみたいだ!

 次は何に進化できるんだろう!次こそウルフみたいな、THE魔物になれるのかな。



 そんな期待で胸をドキドキさせながら≪進化可能≫の項目に注目した。




お読みいただきありがとうございます。「面白い」「続きが読みたい」と思いましたら、下にある☆をつけていただきブックマークをよろしくお願いします。


2021/12/1 セリフの言い回しや行間を修正

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