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第6話 進化とワンチャン

 進化ができる!!!

 俺はワクワクしながらステータスの≪進化可能≫という項目に注目した。



 ≪進化可能≫

 ・現在の進化可能先は 1つ です。

 『魔シバイヌ』



 おっふ・・・ッ!?

 思わず、おっふとか言っちゃったよ。もっとこうさー、ウルフ!ケルベロス!フェンリル!みたいな、いかにも魔物みたいなのが出るかと思ったら、まさかの地球産っぽいやつぅ・・・。まぁ贅沢は言うまいよ、進化ができると分かったんだ、どんどんと進化を重ねていけば、いずれはなんかすごい感じになれるだろう。

 気持ちを切り替えて進化だっ!えいっ!

 カッと体が光り体が作り替わっていく。


「ごぶ?おお、いきなりせいちょうしたごぶ?」


 そんなごぶ助の気の抜ける声と共に進化完了!進化していきなり姿が変わったはずなのに緩い反応だな!?・・・まぁいい、とりあえずステータスチェックだ!『ステータスオープン』


 名前:

 種族:魔シバイヌ

 年齢:0

 レベル:1

 str:11(5↑)

 vit:7(4↑)

 agi:15(6↑)

 dex:7(3↑)

 int:3(2↑)

 luk:10

 スキル:雄たけび ≪進化特典・選択≫

 ユニークスキル:ワンチャン 

 称号:元最弱犬 転生者


 とても・・・すごいです・・・。いやまじで。一気に強くなったな!これは俺の時代が来たのでは!?さらに進化した特典でスキルがもらえるだと!?時代きまくりだろ!栄光の俺ロード爆誕だ!

 そんな感じで浮かれまくって意味不明なことを言いながら、スキルを選択する。


 ≪進化特典・選択≫

 ・3つ のスキルの中から一つ選択して取得できます。

『鑑定』『火魔法』『突っ込み』


 ほほう、この中から1つ選ぶとな?っていうか最後の『突っ込み』ってなんやねん!こんな感じで突っ込むんかいな!まぁ『鑑定』か『火魔法』の2択だな!『火魔法』はファンタジーに転生したからには使ってみたいものの、周囲が森だからな。さすがに森の中で使って火事になってもやばいから今回は見送りかなー。となると『鑑定』かな!ポチっとな~♪取れたかな~っと、ステータスを確認だ。

 おー、取れてる取れてるぅ!どーれ、ごぶ助でも鑑定してやろう!そいやっ!


 名前:

 種族:ゴブリン

 年齢:3

 レベル:3

 str:42

 vit:35

 agi:41

 dex:33

 int:11

 luk:32

 スキル:パワーアタック

 ユニークスキル: 

 称号:


 なんか・・・すんませんした。自分調子乗ってました。ただの雑魚犬でしたわ。自分の弱さを見て、浮かれていた気分が一気にしゅーんとしたわ。


「ごぶごぶ?さんぽのつづきいくごぶ」


 のほほ~ん、と芋虫を回収して歩き出したごぶ助の後を、俺はとぼとぼとついて行った・・・。

 そしてごぶ助の後をついて行き家に帰り着いた。その間にどうにか気分は落ち着いてきた。


「ごぶごぶ、いってくるごぶ」


「わん!」

(いってら~)


 散歩が終わってごぶ助は食料採取に、俺は留守番と別れる。ごぶ助が出かけて一人になった家で俺は再度ステータスを呼び出す。


 名前:

 種族:魔シバイヌ

 年齢:0

 レベル:1

 str:11

 vit:7

 agi:15

 dex:7

 int:3

 luk:10

 スキル:雄たけび 鑑定

 ユニークスキル:ワンチャン 

 称号:元最弱犬 転生者


 やはり弱い・・・。ではなく、鑑定!そう鑑定だ!もしかしたらスキルの効果なども鑑定で詳しく見れるかもしれない、それを試そうと思ってステータスを開いたのだ。とりあえず新しく覚えたスキルに試してみよう。



『スキル:雄たけび

 ・雄たけびをあげ心を奮い立たせる(Lv1)』



 お!やっぱり効果がみれるらしいな!だが、いまいちわからんな。ただ気合を入れるだけなのか?続いて鑑定も見てみよう。



『スキル:鑑定

 ・対象の情報を確認することができる(Lv1)』



 そのまんまだな。いや待てよ、鑑定にもレベルが出てるってことは、レベルを上げればもっと詳しい情報が見れるようになるとか、そんな感じなのかな。とりあえずそれは置いといて次はユニークスキルだ。



『ユニークスキル:ワンチャン

 ・使用すると1度だけ好機を引き寄せる(1回/1日)』



 これは推察した通りの能力っぽいな。1日1回だが良いことを引き寄せてくれるみたいだ。ユニークスキルと呼ばれるには微妙なのかもしれないが、中々いいんじゃないだろうか。称号も見れるのかな?どれどれ・・・。



『称号:元最弱犬

 ・世界の中でも最弱クラスの存在だった証。

 称号:転生者

 ・異なる世界の記憶を保持したまま生まれたもの。』



 そのまんまの説明だな。なにか能力でもプラスされるのかと思ったのだが、鑑定のレベルが低くて見れないだけでなにかあるのか・・・?

 ステータスの鑑定をしているとごぶ助一家が続々と帰ってきたので、返ってきた一家にも鑑定を発動させてステータスをチェックしてみる。そんな事をしていたら一家全員がそろったところでご飯の時間になり食事が始まる。食事をしながらごぶ助一家が雑談を始めた。


「ごぶぶ、うるふおおきくなったごぶぶ。そろそろさいしゅ、いっしょにいったらごぶぶ?」とパパゴブ


「ご~ぶ、そうねご~ぶ。つれてってやんなさいご~ぶ」とママゴブ


「ごぶ、あしたからつれてくごぶ」と我が相棒のごぶ助


「おおきくなってもやっぱりよわそうごぶー」と弟ゴブ


 弟ゴブめうっさいわっ!でも確かにまだまだ弱いんだよなぁ・・・。ごぶ助一家が帰ってきた時にステータスをチェックしていたんだが、全員ごぶ助のステータスくらいはあって俺よりかは全然強かったんだよな。へこむわぁ・・・。

 それにしてもこのごぶ助一家のゆるさよ。進化して明らかに姿が変わっているのに、おおきくなったなーくらいにしか感じていないっぽい。俺がゴブリンの判別をそこまでわかっていない様に、ゴブリンからは大きいウルフか小さいウルフくらいにしかわからなかったりするのかな。

 まぁそれはいいか、とりあえず置いといてっと・・・。


「ごぶごぶ、あしたからがんばるごぶ」


 そう言って俺を撫でるごぶ助を横目に見ながら考える。明日から散歩の後に食料採取か。基本的にはキノコとったり木の実拾ったりなのかな?そんな事を考えながら食事を終わらせて眠りにつく。

 そして採取デビューする日の朝が始まった。


「ごぶごぶ、ごはんたべたらさいしゅいくごぶ」


 そんなごぶ助の言葉を聞きつつ、ご飯をもぐもぐ食べる。ごぶ助パパとママはいつも通り、すでにご飯を食べて採取に出掛けていた。

 ごぶ助の場合はいつもだと最初に俺と散歩をして、それから俺と別れて採取に出掛けていたのだが、今日からは最初から採取に出掛けるみたいだった。俺がまだ小さくて体力をつけるために散歩に連れていかれていたんだが、今日からは俺もついていけると判断されていよいよ採取デビューだ。

 少し緊張するなぁ・・・、がんばるぞおー!


「いってらっしゃいごぶー」


「ごぶ、いってくるごぶ」


 ごぶ助より後に出掛ける弟ゴブに見送られて俺たちは出発する。そしてそのまま森へ入り採取開始だ!


「ごぶごぶ、たべものたべもの、ごぶごぶ」


 ごぶ助と共に食べれそうなものを探して取っていく。いつも行かないところまで行ったりするので、いきなり他の魔物とかが出てきて襲われるんじゃないかとおっかなびっくりごぶ助の後に続いて行く。


 ・

 ・

 ・


 そんな風に森へ入り採取を続けて数日が経ち俺は思ったね。最初にあんなに緊張して森の中を探索しなければよかったと!いつも行く散歩の延長上だったわ。

 まぁそれもそうかと今思うと納得だ。ごぶ助は俺よりは強いとはいっても所詮ただのゴブリンだもの。いつも肉を狩って来てくれているゴブリンライダーさん達みたいに大きな獲物を狩ったりするわけじゃないもんな。


「ごぶ、いもむしごぶ」


 戦うとしてもいつもの芋虫くらいである。ちなみに大きい芋虫を鑑定してみたが、vitが少し高いくらいで後は低かったので、今の俺なら倒せると思ってやったら倒せた。俺も成長したなというのがわかってうれしくなったね。

 それで芋虫で思い出したがユニークスキルを使うの忘れてたな。この数日はいつ危険が襲ってくるんだ!とビクビクしていたらすっかり忘れていたんだよな・・・。芋虫を倒せるようになったとはいえ、まだまだ俺は弱い。だから強くなるためにも、忘れずに使っていかなきゃなーとワンチャンの発動を念じる。


「ごぶ、あっちのほうにいくごぶ」


 芋虫を回収してごぶ助が歩きだした。スキルは発動させた、何が出てくるかなー。


「ごぶ?あなごぶ、はいるごぶ」


 歩いて行った先にはこんもりと土が地面に盛られて洞窟みたいになった穴があった。その穴は地面の下に続いているみたいで、ごぶ助は入って行ってしまう。

 おいおい何がいるかもわからないのに危険じゃないのか!?と俺は驚いたが、もしかしてこれがワンチャン効果によるもので、中にいい感じに倒せる獲物でもいるのでは?と思って先に行ってしまったごぶ助の後を追い洞窟に入ろうとした。

 すると・・・


「ごぶううう!?」



 ごぶ助の叫び声が聞こえた・・・。



お読みいただきありがとうございます。「面白い」「続きが読みたい」と思いましたら、下にある☆をつけていただきブックマークをよろしくお願いします。


2021/12/1 セリフの言い回しや行間を修正

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