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第260話 進化先にワンチャン

 名前:一狼

 種族:人面犬

 年齢:1

 レベル:30(2↑) ≪進化可能≫

 str:1514(38↑)

 vit:1318(36↑)

 agi:1664(44↑)

 dex:1894(76↑)

 int:2164(82↑)

 luk:1042(24↑)

 スキル:雄たけび 咬みつき ひっかき 鑑定 氷魔法 念話 守護の壁 火魔法 集中 調理 統率 教練 黒風 魔導の心得 索敵 隠蔽 シェイプシフト 話術 騎乗(被) 色香 合魔 ぺろぺろ

 ユニークスキル:ワンチャン 神つっこみ レモンの入れもん

 称号:元最弱犬 転生者 ダンジョン1階層突破 特殊進化体 群れの長 軟派者・改 スケベーヌ



「来たっ!来た来た来たぁぁぁっ!」


 俺はステータスに表示された≪進化可能≫の文字を見てテンションが振り切れていた。


「もしかしたら30レベルで・・・とか思ってたけど、マジで30でキタァァァア!っしゃらしゃらしゃらぁぁ!!」


「ごぶ?」


「む?あぁ、進化できるのじゃな」


「ごぶごぶ。成程ごぶ。で、次は何になるごぶ?ゴブリン犬ごぶ?」


「かもしれぬの」


「ネエYO!・・・いや、無いよね?マジで。心配になって来たんだが・・・」


 余りの嬉しさに狂喜乱舞していたのだが、ごぶ助とニアに怖い事を言われてしまい一気にテンションがダウンした。

 しかも冷静になった途端、『ごぶ助達の言葉、フラグじゃね?』との怖い考えが頭に浮かび、先程とは一転、今度は戦々恐々と言った心持ちになってしまった。


「マジでゴブリン犬は勘弁してください・・・フリじゃないですから・・・マジで勘弁・・・」


 だから俺は神に祈った・・・祈ったが・・・



 ≪進化可能≫

 ・現在の進化可能先は 1つ です。

 『ゴブリン犬』



 「神は死んだ。いや、神などいない!」


 見事に裏切られた。というより、『ゴブリン犬?ん~・・・面白いから採用!』とクソな援護射撃をキめられた様だった。


「ごぶ?」


「む?どうしたのじゃ?」


「いや・・・うん。まぁあれよ・・・」


「「???」」


 そんなクソな援護射撃に、俺のマインドはブレイクしてしまったので・・・


「・・・おうちかえりゅ」


 お家へ帰って不貞寝する事にした。


 ・

 ・

 ・


 そして翌日、レモン空間に作ってある自宅にて、俺は違う神へと祈っていた。


「やはりエペシュは女神。おぎゃぁ・・・」


 そう、女神エペシュへとだ。

 何故祈っているか・・・それは決して、昨晩不貞寝している時にオギャらせてもらい、癒されたから・・・だけでは勿論ない。


「アナタ様は俺の心は癒されただけでなく、更に新たな選択肢もお授けになられた・・・まさに女神だ・・・」


 なんと、進化の選択肢を増やしてくれたからだ。


「いや、それはお主のユニークスキルのお陰じゃろ」


 ・・・いやまぁ、うん。ニアの言う通り、実はユニークスキル『ワンチャン』を使ったら増えただけなのだが。


「いやいや、あれだけの選択肢が増えたのはきっとエペシュのお陰だ!そうに違いない!という事でエペシュは女神でファイナルアンサー」


 しかし1つだった進化先が4つにまで増えていたので、これはきっと女神エペシュの思し召しだと俺は信じた。信じるのだ!


「ふむ。まぁそれは良いのじゃ。それより進化するならば進化してみるのじゃ。妾は昨日からワクワクしておるのじゃぞ?」


「ごぶ。我も期待してるごぶ」


「・・・おう」


 とまぁ、茶番をしていたらさっさと進化して見ろと言われたので、話を進める事にしよう。


「どれ・・・んじゃもう一度・・・」


 俺はステータスを呼び出し、≪進化可能≫の項目を選んだ。


 するとそこには・・・



 ≪進化可能≫

 ・現在の進化可能先は 4つ です。

 『ゴブリン犬』『ケルペロス』『メカキャリードッグ』『ウルフオリジン』



 この様に、昨日確認した『ゴブリン犬』の他に3つの選択肢が増えていた。増えていたが・・・


「つか出たよケルベロス。こんなん出たら一択だろ?」


 俺の心は2つ目の選択肢へとロックオンされていた。字面からするに、増えていた他の2つも確かに悪くはなさそうなのだが・・・『ケルベロス』、コイツは強すぎた。


「地獄の番犬。3つ首の犬。ギリシャ神話最強の怪物の息子とも言われる怪物。こんなの選ばなきゃ嘘だろ」


 元日本人の俺でも知っている相当に有名な神話の怪物だ、魅かれないわけがない。

 という事で、俺は大して悩むことなく()()を選ぼうとしたのだが・・・直前で気づいた。


「んん?いや、待てよ?」


 選択肢に出ていたのは『ケル()ロス』ではなく『ケル()ロス』だったのだ。


「あ~、俺のスキルに『ぺろぺろ』があるから『ケル()ロス』ね。成程成程。・・・ってあほかぁぁァ!」


 ついついノリツッコミしてしまったが、こんな引っ掛け問題を重要な選択肢に混ぜて来るなと俺は怒った。


「本当に選んだらどうすrんじゃあの神メ!いや、神が選んだものじゃないのかもしれないがよ!それでもなんだよくぁwせdrftgyふじこlp」


 余りにも頭にキ過ぎてバグっていると、ごぶ助に背中をポンポンと叩かれて慰められた。


「くぁwせdrftgyふじこlp!・・・ふぅ・・・ふぅ・・・」


 それにより、俺は何とか落ち着きを・・・


「ごぶ。ペロペロス、似合ってるごぶ相棒」


「・・・おいごぶ助、おれぁ切れちまったヨ。体育館の裏にいこうゼ?」


「ごぶ!?」


 ・・・取り戻しかけたのだが、ごぶ助の言葉に完全にプッツンきちまったので、ごぶ助を体育館裏へと連れて行こうとした。


「落ち着くのじゃ」


「あだっ!」


 が、ニアに頭をぺちっと叩かれたので、ごぶ助を体育館裏へと連行する事は叶わなかった。


「すません・・・。まぁ、思ってたやつが違ったからちょっと考えさせてくれ。お茶とおやつ出しとくからさ」


「ごぶ」


「うむ」


 俺は進化の事をゆっくりと考えたかったので、お茶とお菓子を出して2人へと真っておくように言った。2人としても早く進化した姿を見たいとは言っていたが焦らす気は無かったみたいなので、2人は大人しく頷き、おやつをパクつき始めた。


「うし、んじゃあ考えるか。ん~・・・まぁパチモンだった『ケル()ロス』と『ゴブリン犬』は省いてっと・・・後は『メカキャリードッグ』と『ウルフオリジン』か」


 進化先の種族については『鑑定』で情報を知る事が出来ないので、完全に字面だけでの想像となるのだが・・・『メカキャリードッグ』の方は騎獣としての力を高めた種族に思えた。


「最近ゴブリンライダー状態で戦っているからだろうな。・・・まぁアリっちゃアリかな?」


 ごぶ助とはこれからもずっと一緒に戦う中なので、それを強化するならば選択肢には十分入りそうな種族だ。・・・そして何より()()だ。アリだろう?

 一方、『ウルフオリジン』だが・・・


「ごぶ助のゴブリンオリジンはゴブリンの成り立ちを聞いたから『そりゃ強いわな』って思うけど、ウルフの原種はウルフだろ?そこまで強いとは思えないんだが・・・?いやしかし・・・ん~・・・」


 こちらは未知数の為、何とも言えず唸ってしまった。

 しかしこちらは『メカキャリードッグ』と違い普通の・・・今までこの世界に居たかもしれない種族なので、もしかしたらニアが知っているかと思い、聞いてみる事にした。


「なぁニア?」


「むぐむぐ・・・なんじゃ?」


「『ウルフオリジン』って種族知ってる?」


「ふむ・・・?ちと待つのじゃ。思い出してみようぞ」


 聞いてみると知っていそう・・・しかも答えてくれそうな感じだったので、俺は出していたお茶とおやつを食べながら待つ事にした。


「お、これ美味いな。ごぶ蔵が入れてたやつを適当に出したけど、当たりじゃん」


「ごぶ。ごぶ蔵の作る物は全部当たりごぶ」


「それは確かに。・・・むぐむぐ・・・」


「・・・ふむ、妾の記憶にはない様じゃな」


「む・・・そうか。解った。ありがとな」


「うむ」


 しかしニアからは残念な返答が帰って来た。少し期待していただけもあって、これには肩透かしを食らった気分だ。


「あ~・・・それなら、『メカキャリードッグ』は?知ってるか?」


 それならばと、ついでにもう一方の方も聞いてみてやったのだが・・・


「む?ああ、○イドというやつかの?」


「多分違うと思う」


 まぁ結果はご覧の通りだった。というか、誰が話したんだゾ○ド。

 とまぁ懐かしい機械獣の事はさておき、情報が無いなら無いなりに、先の2つの種族の事を考えてみよう。


「ん~・・・一か八かの方より、確実な騎乗能力アップの方にするべきか?それに『メカ』ってついてるから、ワンチャンビームとか撃てるようになるかもだしな。いや・・・下手したら波動砲とかいけるかも?でも『オリジン』の方はワンチャンゴブリンみたいにえげつなく強くなる可能性も・・・」


 事が事だけに、俺は考え抜く。


「ん~・・・ん~・・・あ、ごぶ助はどう思う?やっぱ騎乗能力を上げた方がいいか?それともごぶ助と同じ、『オリジン』ってついたやつがいいか?」


 が、いくら考えたところで『こっちだ!』と気持ちが傾かなかった為、ごぶ助にも意見を聞いてみる事にしたのだが・・・


「ごぶ。オリジンの方ごぶ」


「へぇ?なんでだ?」


「ごぶ!お揃いごぶ!」


 超単純な答えが返って来た。

 だがしかし、これはこれでアリなのかもしれない。


「迷ったのなら直感もありか。そうだな、明らか様に地雷でもなさそうだし、『オリジン』の方を選んでみるか」


「ごぶ!」


「んじゃ、ポチっとな」


 人によっては『それでいいのか!?』となりそうだが・・・()()()()()()()

 なんせごぶ助は文字通り俺が生まれた時からの付き合いで、()()だ。よしんば微妙な結果になったとしても、ごぶ助が勧めてくれたのならば後悔はない。


(いやまぁ、流石に『ゴブリン犬で』とか言われたらアレだったけどな?・・・うっ!)



 なんて、イマイチ締まらない事を考えながら俺は・・・『ウルフオリジン』へと進化を果たした。



 作者より:読んでいただきありがとうございます。誤字報告上げてくれている方、感謝です!

「面白かった」「続きが読みたい」「ゴブリン犬。それはそれで気になる」等思ったら☆で評価やブックマーク、イイネをして応援してください。

 ☆をもらえて、この小説が人気になると、一狼が 次はゴブリン犬に進化・・・


 こちらもよろしくお願いします↓恋愛ではなくファンタジー作品となっております。

『悪役令嬢は嫌なので、魔王になろうと思います。』 https://ncode.syosetu.com/n2129hm/

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