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第1話 宝くじでワンチャン

 とあるマンションの一室、一人の男がビール片手にペット関連の本を見ながら呟いていた。


「はぁ~、やっぱ犬はかわいいなぁ~・・・でもなぁ、このマンションだと飼えないから引っ越し・・・いや、金がなぁ」


 男の名前は犬飼一郎、極々普通のサラリーマンである。大卒で会社に入社してまだ1年目であるために給料もまだそこまで多くもらえていない、なので呟きの通り貯金があまり無く、犬が好きで飼いたいと思っていたのだが飼えないのである。


「ワンチャン買った宝くじでも当たってないかな、ワン(犬)ちゃんだけに・・・」


 そんなクソくだらないことを呟き、ワンチャンこいワンチャンこいと念じながら買ってあった宝くじの番号を確認しだす。


「えーっと、1組の・・・え!?嘘だろ、待て待てもう一度よく確認を・・・」


 男は、嘘だろ嘘だろとぶつぶつ言いだし穴が開くほど宝くじと当選番号を確認しだす。


「あたってるううううう、1千まああああんン!!」


 男はガッツポーズしながら雄たけびをあげ立ち上がる。


「うおおおおお!1千万もあれば引っ越しして犬が飼える!やったぁああ!どんな犬を飼おうかなー。大型犬がほしいけどさすがに一人暮らしだと飼うの大変だろうから小型犬かなぁ・・・いやいやしかし(ブツブツ 」


 男は大分興奮して部屋をウロウロと歩き回りながら独り言を呟く。

 男は酒を大量に飲んでいた。なのでウロウロと歩き回っているうちにドンドンと酒が回り、足元がふらつき呂律もおかしくなっていった。


「えへへ・・・犬ぅ飼ぅ・・犬飼うぅう・・・犬飼だけに犬飼うぅ、にゃまえにゃんにしおぉ・・・ちゅうがらはひひきかっへちゅうけんはちこうとか・・・だはは!」


 そうしてフラフラと部屋を歩き回っていると更に酒が回り、意識と足元がおぼつかなくなってバランスを崩して転んでしまう。そしてこの時ついてないことに、床に置きっぱなしにしておいた宝くじを踏んで転んでしまう。


「ぬはぁ!」


 この時素面であったならば、手を使い受け身をって大事にいたらなかったであろう。しかし男は大分酔っていたため受け身をとれず、さらに何を思ったのか踏んで舞い上がった宝くじに手を伸ばし取ろうとする。


「おれのわんちゃんちけっとぉ~~!つかんだぁぁ~!」


 ガシッ!と宝くじをつかんだはいいもののその体勢がまずかった。両手で天をつかむように仰向けの体制で倒れこむ。さらに追い打ちをかけるように倒れこんだ場所がまずかった。ビールやつまみが置いてあったローテーブルに向って倒れこんだのだ。


「ワムゥッ!」


 そんな奇声と共にローテーブルに後頭部を強打、ビールやつまみを巻き込みながら倒れる。


「あぁ・・・おれの・・・ワンチャンわんちゃんライフ・・・」


 そう言いながら男は意識が遠のいていった。

お読みいただきありがとうございます。「面白い」「続きが読みたい」と思いましたら、下にある☆をつけていただきブックマークをよろしくお願いします。


2021/12/1 セリフの言い回しや行間を修正

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― 新着の感想 ―
[一言] 犬が好きなことがすごい伝わってきた(笑)
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