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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
96/521

ニャ~・・・96

「何か質問はありますか?」


「はい」


「グランカさんですね、質問をどうぞ」


「言葉の勉強をしていますが、他の国にも通じますか?」


僕の横の席にいる質問少女のグランカさんは良い質問をした、ローラさんの話では色々な国がると聞いた事がある。ローラさんは行った事のある五ヶ国の話をしてくれた、それなら言葉も色々あるのかも知れない。


「そうね、何処の国に行っても通じる。それは凄い昔の事ですが、それぞれの国には独自の言葉がありました、でも、文字がありませんでした。最初にしたのが意思の疎通です、お互いが何を話しているのか知るところから始まり、お互いの言葉が分かる様になりましたが、国の数が多かったらしいです。ある特定の人しか他の国の言葉が分からないのは、争いや誤解を生むと当時の国王様達が考えて、この国で使われている言葉を全ての国の研究者が集まり考えたそうです。その後、文字も考えられました。グランカさんの質問の答えは通じる、それに文字も何処の国でも一緒なんです」


「なるほど、なるほど・・・・・・勉強して良かった」


隣の席のグランカさんが何回も頷いている。確か勉強は嫌いだけど勉強が出来る・・・・・・普通はいないよな、よっぽど親が勉強しなさいと家庭教師を付けたりしない限り成績は上がらないだろう。良いとこのお嬢さんみたいだから、両親の方針が厳しいんだろう。


でも、質問が好きだから、ある意味、自然に勉強しているような感じか。


「他に質問は有りませんか、なければ次に進みます」


「はい、質問です」


「・・・・・・グランカさん、質問をどうぞ」


「聞いた話では、家の中に家が在る変な話を聞いたんですか、何処にありますか?」


「家の中に家ですか・・・・・・お部屋ではなく家があるんですか?」


・・・・・・我が家の事かな、そうだろうな。


この街にデパートが在って、おもちゃ売り場におもちゃの家があればあるんだろう。


「ニャ~≪レイちゃんの家にあります、楽しいんだよ、積み木もあるよ≫」


「そうです、その変な家に行ってみたいので教えて下さい」


確かに変だけど、デパートのおもちゃ売り場に在ったんだよ、今はミヤちゃんの家にも在るけど。


「ニャ~≪お土産を持って来て、美味しいお菓子が良いよ≫」


モモは誰かが来ると何か持って来てくれると思っているんだな、親戚の叔母さんが来ると何か持って来てくれると子供が思うあれだな。でも、モモが食べれる可能性が少ない事を気が付いていないんだな。


「ごめんなさいね、先生は知らないのよ。もし、何処にあるのか分かったらお教えしますね、それでいいですか?」


「・・・・・・絶対ですよ、期待してます」


「さあ、次の話に行きますね・・・・・・」


マイヤ先生は質問コーナーを止めてしまった、質問をするのが一人の生徒だけだからだ。でも、いい質問をするよな・・・・・・質問か、ああ・・・・・・思い出した、イブリンさんに聞きたかったのは光の魔法の事だ。


メグちゃんは光の魔法の属性の適性があったけど使えない、なので、三人の魔法の先生に質問したんだ。攻撃魔法と生活魔法の呪文しか知らない、光の魔法の回復魔法の事は何も分からないと。それでも、この世界には光の魔法の回復魔法を使える人は何にもいるそうだ。


『すまん、知らないのじゃ、知り合いに回復魔法を使える者がいなかったのじゃ』


『レイちゃんごめんなさいね、光の魔法の事は、ルミエール(光)しか知らないのよ、それも、ロイ先生から聞いただけなのよ、見た事がないのよ』


『すいません、レイちゃん、私は攻撃魔法の呪文をよく知らないんです、授業で見聞きした魔法の事しか知らないんです』


先生達の話を聞いた時に、ああ、自分の使える魔法以外は基本しか勉強していないんだと納得した。魔法使い同士の繋がりもないようなので、他の魔法の情報が少ないんだと思う。僕の様に何でも知ろうとする人は・・・・・・隣の席にいた。


授業を真面目に聞いているグランカさんは、時折頷いている。質問する事が増えたのか、何か分かったのか、質問する事で勉強になっているのに気が付いていない。何かに興味を持つ事がこんなに大事だと思わなかったな。


授業が終わって廊下に出ると、奥の部屋に入る人影が見えた。今出て来た教室を振り返ると、グランカさんがいた、僕が見たのは男の子のような髪型だった、髪の色はグランカさんと同じ金色。


あの教室を利用している子供達は金持ちの家の子だな・・・・・・何でグランカさんは僕達と同じ授業に出るようにしたんだ・・・・・・気になるけど、僕は質問をしない、会話は禁止だ。


「ニャ~≪でも、猫探偵はあの部屋に盗み・・・・・・情報収集に行こう≫」


誰にも気に留められない様に廊下の左側を素早く移動だ、授業が終わって次の授業の為に移動している皆の横を素早く、誰にも見られずに。


「レイちゃん、こんにちは、何処に行くんですか?」


「ニャ~≪秘密です≫」


「ニャ~≪レイちゃん、次の授業はどうするの?≫」


そうか、モモも一緒にいたんだよな。


「ニャ~≪あのドアの前でのんびりしよう、人が来ないし涼しいよ≫」


「ニャ~≪は~い、涼しくてのんびり大好き≫」


「レイちゃんも猫ですね、のんびりと過ごしたいんですね、先生ものんびりしたいのですが、校庭で授業です。良かったら授業に出て下さいね」


「ニャ~≪は~い。ライラ先生は急いでね、皆が待っているよ≫」





「ニャ~≪暑いな≫」


道行く人は暑さが気にならないのか、暑そうなそぶりがない。お店のドアの横で動かない招き猫をしている僕は、人間観察だ。


道行く人のほとんどが、お買い物をしにどこかのお店に向かっている、仕事の人は商品の配達なのか何かを運んでいる様だ。馬車の人も荷物を運んでいるのかな、こうしてのんびりと街の様子を観察すると本当に娯楽施設がない事がとても残念だ。


現代日本の僕が行く娯楽施設は、遊園地、プール、本屋さんだ、ゲーセンはお金が無駄だからいかない・・・・・・あれ、そんなに行く所がない。もしお金が有ったとしたら、炭火焼の焼肉屋さんに行きたいな、知らないお肉が沢山有りそうだな。


「ニャ~≪産まれて来てから、この世界の人達はどんな楽しみをしているんだろう≫」


趣味、それは誰かが提供してくれなければ思い付かない世界かも、ジャンはボウリングを止めてしまった、今は積み木が大好きで、毎日、積み木を積み上げている。


「レイちゃん、こんにちは、暖かいわね」


「ニャ~≪こんにちは。僕はもっと暑いです≫」


僕に挨拶をしてくれる人は、お店の常連さんか、マッサージのお客さんだ。


「今日もふかふかね」


この女性はマッサージの常連さん、大きい猫も小さい猫も撫でるのが好きな人だ、犬は少し苦手だと言っていた。


まあ。小さい猫は僕の事だけどね。


「ニャ~≪気持ちいいです、触り心地は最高ですよね≫」


「ふふ、ありがとう、最高の触り心地よ」


嬉しいな、風呂好きな僕はキレイにするのが好きで、毎日でもお風呂に入りたい、この世界では贅沢だけど。


「レイちゃん、ほら、差し入れだよ」


今の人はおじいさんと二人暮らしの男性で、マッサージのお客さんだ、動物が好きで食べ物を持ち歩いている、動物に遭遇するとあげるらしい。


僕はそんなにお腹は減っていないし、食べ物には釣られないのだ。


「ニャ~≪ご馳走様、串焼きだ。お肉を串から外すのは大変だ≫」


いい人だ、あの人は動物の好物が分かっている様だ、それに冷めているのがとても嬉しい。


「ニャ~≪美味しいな・・・・・・道行く人に食べ物を貰ったのは初めてだ≫」


・・・・・・美味しいな、この串焼きは東側の露店だな、西側の方が少し美味しいのだ、塩が違うはず。


「ニャ~≪レイちゃん、遊びに来たよ≫」


「ニャ~≪モモ、お昼は食べたのか?≫」


「ニャ~≪串焼きだ、私も食べる≫」


食べるのが好きなモモにもあげよう、串焼きには3個のお肉が付いていた、僕は1個目をやっと食べる事が出来たけど、野性味のあるモモは簡単に串に付いているお肉を食べた。あの戦いぶりだと2個目も簡単に食べてしまうだろう。


地面でゴロゴロと転がりながら串からお肉を引っこ抜いたモモ、凄いな。あの戦いぶりがウサギのぬいぐるみをダメにしたんだな。


どうして猫は動かないぬいぐるみと戦えるのだろう、動いている物に敏感に反応するのが猫だけど、ぬいぐるみは動かないのに何でだろうな。


「ニャ~≪レイちゃん、ご馳走様、お腹空いて来た≫」


お腹空いて来たは僕の質問の答えなのだろうか。お腹の空いたモモは、家の玄関横の石を押して中に入るんだな、その後はリビングの暖炉の前にある僕のお昼を食べて・・・・・・おもちゃの家の中で積み木をするんだな。アカリちゃんはミヤちゃん達と遊びに行っている筈だから、一人で家から来たんだな。


アカリちゃんの家にも出入りできる様にサキさんが頼んでくれたようだ、穴の大きさは・・・・・・僕の壁の穴よりも大きい。成長する事はいい事だ。





「レイ、何しているの?」


そうか、のんびりしていたら寝てしまったんだな。


「ニャ~≪帰るのを待っていたんだよ≫」


招き猫はのんびりとしていた。知り合いが店の前を通ると、足物を撫でてあげていた。


「レイちゃん、お手」


「ニャ~≪はい、お手です≫」


「もう、外にいるから話さないのね、部屋に行くわよ」


「ニャ~≪は~い≫」


「は~い」


ミヤちゃん達はいるけど、アカリちゃんはいないんだな。





「光の魔法ニャン、沢山有ったニャン」


「私の光の魔法が・・・・・・沢山あるんだ」


「そうか、早く知らせたくて、外で待っていたのね」


「はいニャン」


ベッドの上に座った僕は大きく頷いた、待っていたけど急いではいなかった。


リビングでウロチョロするイブリンさんに回復魔法の事を聞いたら『私も光の魔法が得意だったのよ』との事で、知っている全ての光の魔法を教えてくれた。


イレーヌさんの後を追いかけて大変だった。でも、僕の練習にもなると頑張って呪文を覚えた。


「レイちゃん、教えて」


やる気のメグちゃんだな、いつになく気合が入っている・・・・・・お菓子は食べているけど。


「ニャ~≪メグちゃん、頑張って。お菓子が美味しいよ・・・≫」


ミヤちゃん達が買って来たお菓子を頬張りながら応援の言葉を言った後は・・・・・・お菓子に夢中になっているモモ。


いつもの事なので気にしないで、イブリンさんから聞いた光の魔法の呪文を言おう。


「ブレシュール・・・傷ニャン、シカトリス・・・傷跡ニャン、ドゥルール・・・痛みニャン、フォッス・ダン・・・入れ歯『レイ、沢山あり過ぎ、メグには覚えられない、私もだけど、板に書こう。メグ、準備』・・・・・・はいニャン」


「そうだ、覚えられないよ、板とペンを」


そうだな、僕も覚えるのが大変だったよ、何回も聞くから『もう、猫ちゃんなんだから』と動物には無理なのねと言われた。歌う様に呪文を何回も言って貰って、やっと覚えた。


「ニャ~≪おやすみなさい≫」


自由だ、モモは凄く自由だ。これが本当の猫の姿なんだな、体の成長で抜かれて、猫としての振る舞いもモモの方が上だ。比べなくていいぐらいに駄目駄目ぶりだな僕は。


「いいよ、レイちゃん、のんびりと話してみようね」


「はいニャン」


ベッドの上に戻って来たメグちゃんは準備が出来た様だ、光の魔法の呪文を忘れる前に言おう。




≪回復の魔法・・・・・・ブレシュール(傷)・シカトリス(傷跡)・ドゥルール(痛み)・フォッス・ダン(入れ歯)・リューム(風邪)・アンフェクシオン(感染)・ドマージュ(怪我)・プワゾン(毒)  ・フィエーヴル(熱)・ポワゾンモルテル(猛毒)・コリール(目薬)・ソワン(治療)・ルセルティフィキャ(診断書)≫




「回復ニャン、沢山あるニャン、呪文ニャン、最後にソワン(治療)を付けるニャン」


「よく分からないから、ニャン無しで話して」


「そうだよ、ニャンニャンは今は禁止」


確かに呪文の唱え方を教えないと駄目だ、回復魔法は二つの魔法の組み合わせだ。


「呪文を二つ繋げるニャン・・・今の無しニャン。傷の呪文の後にソワン(治療)を唱えると傷の回復になるんだよ、ブレシュール・ソワンが傷の回復、プワゾン・ソワンが毒の回復」


「症状に回復の呪文を繋げればいいのね、メグ、良かったわね」


「良くないよ、沢山あり過ぎて覚えられないよ、どれから練習すればいいの?」


「全部よ」「全部ニャン」


もう、ニャンを付けた方がいいんだよね、普通に話し過ぎると話し方が元に戻らなくなりそうだ。


「ええ~、全部なの・・・オーとかフーは短いのになぁ~」


「早速、明日の朝から練習よ、レイも来なさいよ。メグが忘れたら教えるのよ」


「はいニャン」


そうだな、せっかくイブリンさんから聞いたんだから、僕も練習をしてみよう。



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