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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
95/527

ニャ~・・・95

「凄く寒いんですか?」


「寒いわよ、氷の国と言われているの、口を布で覆うのよ、寒い空気が口から入ると良くないらしいの。まつ毛にある水分が凍って重たくなったのよ、レイちゃんだと凍ってしまうかも、それほど寒い所なのよ」


「ニャ~≪僕に縁のない国だな≫」


丁寧に下から上にマッサージを施術しよう。


岸壁に来た大きな船にはローラさんが乗っていた、港でよく会うのはローラさんがお仕事から帰って来るのが朝方だからだ、夜の間は沖合に停泊していて、日が昇ると港を目指す。お昼近くまで朝練をしている僕達は出会う確率が高い様だ。


めぐり逢えばマッサージをお願いするローラさんとお屋敷に一緒に僕達は来た。


ミヤちゃん達はお菓子を出して貰い、暖炉近くにあるソファで、ローランさんと会話しながら頂いている。


今回のお仕事の場所は凄~く遠い北の寒い国らしい。


「ローラさん、美味しいお菓子は売っていましたか?」


「リンゴのパイが美味しいわよ、甘くて暖かいのよね。説明できないけどとても美味しいお菓子よ」


「うう~・・・食べたい、この街には売ってないよ」


「甘くて暖かい・・・・・・想像できない」


アップルパイの事だな、食べた事がないけど・・・・・・アメリカのドラマには出て来るんだよな。


「レイちゃん、そこ強くね」


「はいニャン」


腰の辺りだ、船の旅は疲れるんだろうな、船内はどうなっているんだ、イメージが湧かない、見た事ないもんな。


「リンゴのパイ以外には美味しいお菓子はなかったんですか?」


「そうね・・・・・・普通に食べている、暖かい薄いパンの様な食べ物が美味しかったわね、名前は・・・・・・ごめん、聞いていないわね、薄い生地の2枚重ねでね、食感がフワフワで美味しかったわ」


「いい国だね、お姉ちゃん、今から行こう、この街にはもう新しいお菓子はないよ」


「そうね、行きたいけど、遠そうよ。ローラさん、私達が歩いて行ったら何日位掛かります?」


そうか、食べに行きたいのか、グルメツアーなんだな、でも、船で行かないと行けなそうだけど、どうなんだ。


「行くのは無理よ、船で行かないと駄目だし、港町から馬車で内陸まで行かないと食べれそうもないのよ」


「行けないのか、新しいお菓子が食べれると思ったのに」


「残念、いつか行けるといいな」


「ニャ~≪お菓子ツアー、行けるといいね≫」


そろそろ最後だ、トントンマッサージをして全体を施術だ。





「皆さん、基本の魔法の呪文は覚えましたか、前回の授業の復習をしたいと思います。無心の状態になったら呪文を唱えます。火の魔法はフーです、皆さんも声を出して言ってみましょう・・・フー」


「「「フー」」」


「ニャ~≪フー、言えたよ≫」


ここにいる生徒さんは30人位だ、その生徒さんがメイガン先生の後から呪文を復唱している。本当に学校に通ってくる子供達が増えた。


この中には、今まで通って来ていた生徒さんがいないのかも、僕の知っている人達は誰もいない。


「さあ、どんどん声に出していくわよ・・・・・・オー、水の魔法です・・・・・・ヴォン、風の魔法・・・・・・ソル、土の魔法です・・・・・・トネール、雷の魔法です」


「「「トネール」」」


久しぶりに出た座学の授業は、呪文を覚える授業だった。実技の練習の時の為に色々な種類を覚えるようにしたんだな。


この後も呪文と魔法を練習する時の注意をメイガン先生は話してくれた、何回も聞いているけど、使える様になった時に思い出して事故が起きないようにしましょうと締めくくって授業が終わった。


「ニャ~≪レイちゃん、次は何の授業に出るの≫」


「ニャ~≪モモは何の授業に出たいんだ?≫」


先生達から授業を聞く猫がいるけど悪さはしない様にと注意されているようなので、悪戯をされたりしないですんでいる。


最初の頃は、授業を聞く猫学生の僕達にみんなが驚いていたけど、今では静かに聞いている猫がいる位に思われているのかも、それぐらい気にしているそぶりが無い。


数日後に『ごめんなさい、教室の授業では呪文の練習は出来なくなりました。絶対に教室では唱えない様に』


何かあったのが分かるな、それでも、誰かは使える様になったんだ。




「ねえ、ねえ、授業は面白かった?」


「ニャ~≪何で君がここにいるんだ≫」


「ニャ~≪何もくれないお姉ちゃんだ≫」


猫学生の僕達がベントン先生の雪が降った時の対処法の授業を受け終わってのんびりしていると、前の方の席に座っていた女子学生が猫学生の席の前に座ってこちらを向いて質問して来た。


あの個人授業の教室で勉強をしている筈の女の子が目の前にいる。


僕は質問された答えを返事をする代わりに頷いた、猫学生は学校ではなるべく話さない様にする事にしたのだ。これ以上の人に話せる猫だと広めるといい事が・・・・・・悪い事になりそうだからだ。


「私も面白いと思ったんだよ、振った雪の上を歩くとギュギュと音が鳴るでしょう、大好きなの・・・・・・でも柔らかい雪は危険なんだって、どこまで潜るか分からないからだって、潜ってみたいよね」


「ニャ~≪面白いけど、僕の重さだと潜らないな≫」


「ニャ~≪レイちゃん、私も雪が見たいよ≫」


「ニャ~≪見せてあげたいけど、この街だとそんなに積もらないんだよ、モモが産まれた村なら沢山積もるんだよ≫」


「ここで質問です、何で私はみんなと同じ様に授業を受けているんでしょうか?」


何でだろうな、この子を見るようになったのはいつ頃かな、僕が学生になる前からもいたとするとだいぶ前から通っていたんだよな、みんなと同じように授業を受ける・・・・・・受ける、受けれるぐらいに勉強が分かる様になった、ああ、正解だなこれが。


「ニャ~≪バカがなおったんだね≫」


「不正解です、私は勉強は出来ます、嫌いなだけです」


僕の不敵な笑みで僕の答えが分かったんだな、レイモンド君にも同じ笑みを向けたけど・・・『可愛いな』で、終わってしまった。


勉強が出来るなら何で通っているんだろう、そうか、質問を皆にする為だ、変わった趣味の持ち主なんだなこの子は。


「グランカさん、授業ですよ、奥の教室に来て下さい」


「は~い、じゃあね、レイちゃん」


マイヤ先生と個人授業か・・・・・・僕の名前知っていたな。個人授業ではどんな事を習っているのかな。


「ニャ~≪レイちゃん、お腹空いた家に帰ろうよ≫」


猫のモモは僕よりも猫らしいな、モモを見習おう、そうしないと人間臭い猫になってしまう、可愛い猫が僕は大好きだ。


「ニャ~≪よし、何が食べたいんだ、フワフワのパンか、それともカステラか、どちらなんだ≫」


僕の家の干し肉はモモの家のよりも美味しい、フワフワのパンなら焼きたてがあるアカリちゃんの家だ。


「ニャ~≪美味しいお肉の家に行きたい≫」


キャシーさんの家の事だな、僕が行くと喜んでくれるけど、お言葉に甘えすぎて度々遊びに行っているんだよな、ふみふみとなでなでは喜ばれるんだけど、代価としてはお肉の方がだんぜん高価なんだよね。


まあでも、久しぶりに行くか、喜ぶからいいよな。





≪あの~、まだ思い出せませんか?≫


≪もう少しです、エルフの里のシルフィの家は木の上でオシャレな家だったわね。お茶を飲みながら魔法の事を教わったのよね・・・・・》


「レイちゃんは何をしているのかしら?」


イレーヌさんは夕食の用意をしているので、台所とリビングのダイニングテーブルを行ったり来たりしている。今置かれたのはイノシシのシチューで、デーブルの中央に置かれていた食器を皆の座る前に配っている。


「首の運動ニャン、楽しいニャン」


「そうなの、もう直ぐ夕食の準備が終わりますよ」


僕に話し掛けながらも夕食の準備をしているイレーヌさんは台所に向かった。イレーヌさんが台所に向かえばイブリンさんも追いかけて行く。


イレーヌさんがパンの載ったお皿をテーブルに置く時も後ろにはイブリンさんが空中を移動していた、大好きなイブリンさんを見ている。


僕は双子ちゃんのベッドの上でイブリンさんに視線を向けているので、イレーヌさんからすると自分の事を見ている様に僕の顔が動く、だから、何か用があるのかと思ったんだな。


僕が魔法を使える方法、使えない理由、何か知っていたのに忘れてしまったイブリンさんに、思い出して貰っているのだが、僕は首の運動をしている感じだ。


魔法が使える方法だといいな、それが分かれば一生懸命練習をしよう。


≪思い出せないのよね≫


≪思い出してよ、イブリンさんだけが頼りなんです≫


あれ・・・・・・何か大事な事を忘れている、いや、何か思い付いた事があった筈だ。何か魔法の事だったような、思い出せない。


イブリンさんが頑張ってくれているんだ、僕も思い出す努力をしよう。


「わぁ~、温かい料理だ、美味しそう」


「流石だね、おばあちゃんは」


ミヤちゃん達が帰って来た、今日もお菓子ツアーだな。


「レイ、他の皆は?」


「お店ニャン、まだ来てないニャン」


「どうしたんだろう、いつもなら終わってここに居るのに、もしかして美味しいお菓子を隠れて食べているのかも、見て来る」


「私も見て来る」


お菓子な二人が、お菓子が有ると思ってお店に向かったな、メグちゃんの発想は凄い。


ああ、思い出せないよ、何だったけかな、魔法の事・・・・・・? 大事な事だと思うんだけど。


≪駄目です、思い出せませんでした、また今度考えましょう≫


そうか、イブリンさんも思い出せなかったのか、僕もよく考えよう、凄く気になる。


「レイちゃん、お菓子は無かったけど積み木が沢山売れたよ」


「積み木が売れたの何個だと思う、20個よ、母さんと父さんが馬車に運んであげていたのよ」


そうか、閉店間際の大量買いか。おじいちゃんの中華屋さんでもあったらしい、サッカー観戦の後にご来店で、料理とお酒が沢山出たと言っていた、そんな事もたまにあると喜んでいた。





≪思い出したわよ、美味しいお茶だった。とても爽やかな味わいで、口の中に神秘的な花と果実の香りの甘い香りが口の中に広がるの、ああ、もう一度飲みたい、名前はマルコポーロよ、美味しいお菓子ととても合いそうよ≫


凄く美味しそうな・・・・・・紅茶の話だ、僕が飲んだ事のない高級な紅茶。魔法の話はこの後だよな。


≪それで、魔法の事は思い出してくれましたか?≫


≪はい、イレーヌの瞳を見ていたら思い出したわ。エルフのシルフィは『魔法には呪文があるわよね、その呪文は使う者達の言葉、語源とでも言えばいいのかしら、人間なら人間の言葉で唱えないと魔法は発動されないのよ、人間の火魔法がフーだったわね、エルフの火魔法はフォイアーよ。人間の水魔法はオーでエルフの水魔法はヴァッサー、種族の違いで呪文が変わるのよ、もし、イノシシが魔法を使えたならイノシシ語の呪文がある筈なのよ、貴方は・・・・・・人間よね。人間の魔法の呪文なら私は分かるのよ、何か知りたい事はあるかしら』と色々教えてくれたのよ・・・・・・何のお話を聞きたかったのかしら、レイちゃん、質問は何だったの?≫


今までの話を総合すると、美味しいお茶はマルコポーロで、エルフならエルフ語の呪文を唱える、人間なら古代語? 異国の言葉? ・・・・・・語源は忘れたけどオーとかフーが人間が魔法を使う時の呪文だ、イノシシならイノシシ語、僕なら猫語が魔法の呪文だ、やった、猫語の魔法の呪文・・・・・誰が知っているのかな、猫の魔法使いかな・・・・・・・。


≪レイちゃん、聞いていますか?≫


≪ありがとうございました、少しだけ謎が解けました≫


≪そうなの?≫


僕がどうしたらいいのか考えていたら、イブリンさんは消えていた。シンシアさんの部屋にはマヤちゃんとメイちゃんしかいない、イレーヌさんは自分の部屋に戻ったんだな。


「あら、母さんは部屋に戻ったのね、レイちゃんいいところにいたわ、マッサージをしてね」


「バブー、アウー、マアー」


メイちゃんを抱き上げたシンシアさん。双子ちゃんの面倒は大変だろう、疲れているシンシアさんから、マッサージをお願いされた。


「はいニャン」


少し謎が解けた、シンシアさんにマッサージをしよう。どちらが先に寝るか勝負だ。


「僕にしてくれよ、レイちゃん」


「アウウ、パブウ、マウウ」


ハリーさんもマヤちゃんを抱き上げた、泣いたのであやしてあげるんだな。ハリーさんにも頼まれたけど、シンシアさんとの戦いで疲れる予定なので、お願いを聞いてあげれない。


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