ニャ~・・・94
幸せの火が付いていないな、暑い時期だから仕方ないけど、付いているだけで幸せの気分にしてくれるんだよな。そうだ、暖炉前から無くなったのは布団だ、それ以外にも棒倒しが無くなっていた。
「アウー、アブー」
「バブバブ」
メイちゃん達はウサギのぬいぐるみをかじったりしてご機嫌だ。
「お皿を片して仕事に行かないと、ナタリー達のお昼が遅くなるわね」
ミヤちゃん達はお昼が終わると木箱に積み木を詰める作業をするのに倉庫に向かった。売れ行きは順調だ、もしかしたら凄い金額を稼いでいるかも知れないな。売り上げは全てミヤちゃんが管理している、シンシアさんがミヤちゃん達が頑張っているんだからと自分達でしないさいと、お金の管理を任せている。
手がキレイになった、細切れのお肉では食べる時に手を使わないけど、キレイにしとかないとお部屋の中が汚れる、自分で汚しても掃除は出来ないから気お付けている。
何て家族思いの猫なんだろうな僕は。
「レイちゃん、洗い物するからマヤ達を見ていてね」
「はいニャン」
僕に出来るのは見守る事と遊んであげる事・・・・・・後は、沢山話し掛ける事だ。
「お乳おいちいでちゅニャン、沢山飲んだニャン、おしめは大丈夫ニャン、アブブニャン」
「バブー、バブー」
「遊んで方しいニャン、今行くニャン」
ほら、なでなでたぞ、ほっぺたがぷにぷにだ。
「シンシア~、ただいま。お義母さんが来たぞ」
下の階からハリーさんの声が聞こえた、お母さんが来のか。凄く遠いいのに何しにだろう。
「ニャ~≪いないぞ、ライナーさんは何処に?≫」
イレーヌさんに挨拶をして、1階に下りてくるとリードさん達が仕入れた洋服を倉庫に入れていた。
お母さんと叫んだハリーさん、でも、お義母さんだった。
ハリーさんが2階から下りてくると直ぐに荷物を運び始めた、家の外の馬車の荷台を見てもライナーさんはいない。
「ニャ~≪待ちきれなくて、お風呂か≫」
お風呂の前にドアに耳を付けて物音を確認、誰かがいる様な感じがしない。何処にいるんだ、そうか、自分でお湯を沸かしているのか。
ライナーさんは何処にもいなかった。イレーヌさんは一人で来たんだな。
「双子だったのね、まあ可愛い、シンシアの小さい時によく似ているわね」
「そうかしら、ミヤに一番似ていると思うのよね」
何を言っているんだ、僕から見たらクローン人間一家だよ。髪の色も顔も瓜二つで違いは活発な顔立ちか、おっとりしていかの違いしかない。
「母さん、お父さんはどうしているの?」
「あの人は畑の収穫で忙しくて来れないそうなのよ、シンシアが心配だから直ぐに来ようとお思ったのよ。何で、家の中に家が在るのは、何でなのかしら」
疑問に思った時の仕草だ、おもちゃの家の外には沢山の洋服が見える、窓から外の様子? を見て微笑んでいるイレーヌさんは、本当にお婆さんなんだろうか、顔立ちが若作りの家系なのかも。授業参観で『まあ、お若いのね』と話しているのを聞いた事がある、同じ年齢でも全然、同じ歳に見えない。
シンシアさんの家系は・・・・・・姉妹に見えるんだよな。
「マブウー」
「パアウー」
「あら、変わった泣き声ね、なんて言っているのかしら」
「レイちゃんが教えてくれているの、ママとパパを」
「まあ、ジャンの時と同じなのね、おばあちゃんと呼べれるのが早そうね」
「お釣りです、ありがとうございました」
ここからだと見えないけど、お客さんが洋服を購入してお釣りを貰ったんだな。
「お母さん、ここにいて、仕事に戻るから」
「はい、頑張ってくださいね」
仕事に戻るにはおもちゃの家の小さいドアから出るだけ、便利だ。
「ぷにぷにですね」
「おばあちゃん、杖が光ったんだよ」
「まあ、どんな風なの」
「今、見せるね」
夕食後にお風呂に入ると、イレーヌさんはミヤちゃんの部屋に遊びに来た。
前回来た時に杖を二人に託してくれたので、その後の報告を今している、僕には報告する事が無い。
机の上に置いてある杖をメグちゃんが取りに行った。
「私からやるね・・・ルミエール」
メグちゃんが光の魔法を唱えるとクリスタルの部分が光った、薄い黄色、白色とも言える。
「まあ、ガラスの部分が光るのね、白色ね」
「次は私がします・・・フー」
もう二人は、杖を光らせるのが当たり前になったな。
「ミヤちゃんは赤色なのね、メグちゃんが光の魔法で、ミヤちゃんが火の魔法、使えるのかしら?」
「それが、まだなんだよ」
「今は使える様に頑張っているところなの、直ぐに出来る様にならないかもしれないけど、頑張るんだ」
「私も頑張る」
「お姉ちゃん、寝に来たよ」
ジャンは僕達の部屋に寝に来た、その後ろにシンシアさんがいる。
「お母さん、そろそろ寝たら、疲れているでしょう」
「そうね、皆、おやすみなさい、ジャン、良い子ね」
「おやすみ、おばあちゃん」
「おばあちゃん、おやすみ」
「明日も遊ぼうね、おやすみ」
「ニャ~≪おやすみなさい≫」
「お母さん、お休み」
イレーヌさんは、ジャンの頭を撫でると自分の部屋に向かった。
ジャンは、ベッドに走り込むと飛び乗った。
暖炉の前で毛づくろいをしている、人間ポイ動作をする事が多いので、足の裏を舐めたり手を舐めたりしてキレイにしている、お風呂好きの僕はキレイだけど、食後にペロペロしている。猫の仕草が未だに自然に出来ない僕。頑張ればいいのか難しい問題だ。
ハリーさん達はお店でお仕事、双子ちゃんは今頃おもちゃの家でお昼寝中、イレーヌさんは洗濯をしてくれているので、屋上にいるのかな。
「レイ、遊んで来るけど、一緒に行く?」
「レイちゃんが寛いでいる、行くのかな?」
嫌な雰囲気だ、いつものお菓子ツアーに出かけそうな雰囲気をかもし出しているミヤちゃん達、僕は決まっている。
「行かないニャン、美味しいお菓子ニャン、食べて来るニャン」
「では、行って来ます」
「うん、行って来るよ」
「行ってらニャン」
二人に付いて行ってもバッグの中にいるか、食べている横で待っているか・・・・・・どちらにしても暇だ。それなら家ののんびりしていた方がいい。
吾輩は猫である、寝るぞ。
≪まあ、ここにも小さいイレーヌがいるのね≫
何か聞こえるな、眠くて頭が重いよ。
≪男のイレーヌもいるのね≫
お・・・と・・こ・の・・・イレーヌ・・さん・・・・どこに居るんだろう。
≪まあ、赤ちゃんのイレーヌね、思い出すわ≫
赤ちゃんのイレーヌさん・・・・・・赤ちゃん、双子の赤ちゃん。
眠い僕が目を開けると真っ暗な僕の部屋、隣に寝ているのはジャン。暑いのだろう、大の字になってねている。
ミヤちゃんとメグちゃんはベッドの端っこで寝ているな。何だけ・・・・・・双子の赤ちゃんは、シンシアさんの部屋だ、メイちゃんとマヤちゃん、あれ・・・・・・何だったけ?。
「マブー」
「マウー」
寝ぼけていた僕は、目を擦りながら、ベッドの上を移動して床に下りた。楽しそうな双子ちゃんの声が聞こえるので見に行こう、まだ誰も起きていない時間だな。
・・・・・・透き通る人影、キレイな人、イブリンさんだ、一気に目が覚めたよ。淡い光をまとったイブリンさん、いつもの様に向こう側が見える。
≪ふふふ、赤ちゃんのイレーヌ、とても可愛いわね、それも二人もいる≫
ええと、どうすれば意思が通じるんだ・・・・・・そうか、伝えたい事をイメージだったな。
≪あの~、どうしてここにいるんですか?≫
≪子猫のレイちゃんね、イレーヌと遊びに来たのよ、可愛いわね≫
不思議な光景だ。天井近くにいたイブリンさんがスーとマヤちゃんの顔の近くに移動した、どうやらイレーヌさんを見る時の様に嬉しそうな笑顔で顔を揺らしながらマヤちゃんを眺めている、頷いたイブリンさんはメイちゃんにも近づいて微笑む。
僕の事を猫だと覚えていてくれたんだな、確か・・・・・・杖の使い方を呟いて教えてくれたんだ。
イレーヌさんのいるところにイブリンさんありだな。
≪その、杖の事を教えてくれありがとうございました、ミヤちゃん達の魔法の属性が分かりました≫
≪光らせる事が出来たのね、使える日が早く来るといいわね≫
もしかして、魔法の事なら何でも知っているのかも知れないな・・・・・・杖が光らないと使えないのか聞いてみよう。
≪教えて下さい、杖が光らないと魔法は使えませんか? 一生懸命練習したら、光らない人でも使える様になる事はありますか?≫
僕が杖の事を質問したら、浮いているイブリンさんはスーと下りて来て床に立った? そして、考え込む様に額に手を添えて目を瞑った。
どの位の時間が経ったのか分からないけど、静寂な時間が凄く長く感じた。答えはまだで、イブリンさんが考えてくれているのがよく分かる、声に出していないけど口が動いている、考えをまとめる様に呟いている様に見える。
≪そうね、光らないと魔法は使えないわね、でも、私も最初は光らなかったのよね。使える様になった時には杖は光ってくれた≫
おお、聞きたかった答えが聞けた、今は光らなくても使える様になる可能性はあるんだ。ああ~、良かった。
≪僕も頑張れば使える様になりますか?≫
≪・・・難しい質問ね。そうね、エルフのシルフィが何か言っていたわね、思い出せない、少し時間を頂戴、思い出すのに時間が掛かりそうね。杖を見付けてくれたお礼にその答えをよく考えるわね≫
考えてくれるんだ、いい人だったんだな、驚かすのが趣味なのかと勘違いをしていたよ、考えて・・・・・・あれ何処に行ったんだ、目の前にいたのに消えた。幽霊だからいいのか。
「ママ、バブー」
今、ママと言ったような。
「ママ、アウー、バブー」
言った、言ったよ。
「ママニャン、言えるニャン?」
「ママ、バブブ」
「ママ、アアウー」
「ニャ~≪言えてる、イブリンさんのお陰なのかな≫」
僕の質問にも答えてくれたし、もしかしてら、僕が使える様になるヒントが貰えるかも・・・・・・エルフとか言っていたよな、異世界だからエルフがいてもおかしくないのかな、でも、見かけた事がないよな。
どうなんだ、そんなにいないのかな、誰かに聞いてみよう、イレーヌさんがいいか物知りかもしれないな。
嬉しいな、使える様になるかな、よし、双子ちゃんと寝よう、ママと言えたご褒美になでなでをしてあげよう。
僕はベッドに飛び込んだ。嬉しくて噛まれてもなでなでを続けた、尻尾を強く握られても我慢した、今は幸せなので何でも許せそうだ。
「とりゃ~」
「えい」
「ニャンパラリン・・・トネール(雷)、ニャンパラリン・・・トネール(雷)、ニャンパラリン・・・トネール(雷)」
夏になった様でとても暑い。
ミヤちゃん達は剣の稽古をしている、ミヤちゃんの手に握られているのはレイモンド君から借りた剣、対するメグちゃんの持っているのは杖は、イレーヌさんから貰った杖。
本気の雄たけびを出しているけど、二人の練習は剣の攻撃を杖で防ぐ事だ、速さよりも安全第一なので練武の様な感じかな。
きらめく海は、とても涼しい。何年も続けてきている練習だけど、少し疑問に思う事がある。何で僕は海に飛び込んでいるんだろうと、最初はニャンパラリンで落ちる速度を遅くする為に安全な海を利用してだった。ニャンパラリンを完全に自分の物に出来てからどれくらい経ったのだろう? ついか、魔法を唱えた時の決めポーズを取る事に夢中で3回転して海に飛び込む事に意味が無くなっているのに気が付かなかった。
「ニャ~≪でも、いいのだ、暑いし、泳ぎたい、それに3回転も楽しい、夏限定の練習方法だ≫」
日頃、効率よくと考えがちだけど、僕には向いていない様だ。頑張っても魔法はまだ使えない、頑張るけど少しペースを落とそう、猫だからのんびりも大事だ。
「お姉ちゃん、今度は横から攻撃してね」
「了解、とりゃ~」
「えい」
暑いのによく頑張るよ、熱中症になるほど暑くないのかな。温度計も体温計もないから、夏の温度と体温にどの位の差があるのか分からないな。
あんなに元気に動き回れるんだから暑さ対策は必要ないのかな。
階段下の踊り場に着いたぞ、ここでブクブクさんに会う事はなさそうだな、上れないんだからここには来ないな。砂浜での目撃情報がないから、今頃は・・・・・・住処で寛ぎ中だな。
「今度はメグが攻撃して来て」
「は~い・・・えい、えい・・・や~」
二人は頑張っているな、なかなかやる姉妹は体力がだいぶ付いて来たようだったな、ここに着いた時の走り込みでは、疲れた様子がなかった、僕も朝練で疲れなくなった。
「ニャンパラリン・・・トネール(雷)、ニャンパラリン・・・トネール(雷)、ニャンパラリン・・・トネール(雷)」
気持ちいい、夏は海で泳ぐのが幸せだ。そうだ、ジョンさん達も泳ぐと言っていたけどいつ頃泳いでいるのかな、大きい猫が泳ぐのを見たいな。
「ニャ~≪凄く速いのだろうか、犬の犬かきも見たいな≫」
船がこっちに来る、堤防の所で減速して、旋回してこの岸壁に到着だ、本日の練習は終わったな。




