ニャ~・・・90
「何であんたたちがいるのよ」
「それは、キャシーにレイちゃんは何処に居るのかと聞いたら森に薬の材料を取りに行っていると聞いたからだ」
僕? 何で僕を探しているのかな。
「僕も久しぶりに会いたいと思って付いて来たんだ」
前回と同じ依頼を受けて来たので、薬の材料を取っていると・・・・・鍛冶屋さんのレイモンド君とパン屋さんのルーカス君が現れた。
後から現れたレイモンド君は僕をルーカス君はモモを抱いて撫でると幸せそうな笑顔をしていた、満足したのか、その後はミヤちゃん達の手伝いをしてくれている。
口は悪い時があるんだけど、行動が伴わない二人。
「キャシーは元気にしてたかな?」
「ああ、元気にしていたな、イノシシをさばいていたよ」
「キャシーは凄いよね、僕には出来ないよ」
キャシーさんはあの美貌なのにエプロンに血を付けてイノシシをさばいているんだな、アメリカのスプラッター映画の主役の美少女? だな、みんな殺されるんだよな。助かる人がいる場合といない場合があるけど殺人鬼が主役で良いだろう、他の人達は・・・・・・間抜けに見えるんだよね。
すると、主人公のキャシーさんも殺されてしまうのか、やはり主役が殺人鬼で決定でいいだろう、外国映画なら。
「そうだ、焼き肉を持たされたぞ、レイちゃん」
「嬉しいニャン、ありがとうニャン」
「・・・・・本当だったんだ、レイちゃんが話すのは」
そうか、だんだん隠すのが面倒になってきたな、誰が僕が話す事を知っているのか、覚えておけないぞ。
「そうか、あんたたちは初めてよね、いいでしょう、会話の出来る猫なのよ」
「うん、マッサージも出来るんだよ」
「そうよね、レイちゃんは色々な事が出来るのよね」
皆は会話をしながらもどんどん薬の材料を取っている。モモと僕は木の上でのんびりと毛づくろいをして皆の作業が終わるのを待っている。
「ニャ~≪レイちゃん、背中かいて≫」
「ニャ~≪ここか、モモ≫」
もしかしたら、猫さん達はモモの様に『痒い、かいて』と頼んでいる時があるのかも、そんな気がしてきたな、モモにかいてと頼まれる事が多いから。
「ニャ~≪うん、気持ちいい≫」
「ニャ~≪アカリちゃんに大好きと言ったのか?≫」
「ニャ~≪忘れてた、後で言うね、喜んでくれるよね≫」
「ニャ~≪喜んでモモの好きなお菓子をくれるよ≫」
「ニャ~≪美味しいお菓子だよね≫」
そうか、今日のお昼は美味しい焼き肉だな、今度、お礼に行かないとな。お昼はまだかな。
「東側にも武器屋はあるよな」
「あるよ、でも、この街の武器屋さんで一番いい武器を販売しているのは、残念だけどレイモンドの家ね」
「そうだろ・・・・・・何で残念なんだよ」
「おじさんはやる男だけどレイモンドがねえ」
「そうだよ、レイモンドが居るからねえ」
「僕もレイモンドがいるせいで・・・・・・痛いよ」
「確かに俺がいるお陰でいい武器が出来ているが、俺が武器を打つ様になった時は、この国の最高の剣が出来る、出来る筈だ・・・・・・まだ、1回しか剣を作った事がないけどな」
最高の剣か、その剣は誰が使うんだ、勇者でもいるのかな、それとも、やけに強い武人・・・・・・宮本武蔵? 石川五右衛門? 佐々木小次郎? まあ、いいかな、僕とは無縁だ。
「ニャ~≪モモ、美味しいな、キャシーさんの焼肉は≫」
「ニャ~≪そうだね、美味しいよね≫」
僕とモモは食べるのに忙しい、何気に優しいレイモンド君は葉っぱのお皿の上の焼肉が無くなると載せてくれる、ルーカス君がモモ担当の様だ。ミヤちゃん達もいるけど、僕達のお代わりを載せてくれるのはレイモンド君達だ。
「皆は休み間に冒険依頼を何回も受けてるんだってね、討伐の依頼も受けているの?」
「まだだよ、お姉ちゃんもアカリちゃんも武器を持っていないもん、私もだけど」
「それで、ジャックラビットを捕まえたり、薬の材料の依頼をを受けているのか、まあ、この辺には危ない魔物は少ないから、依頼を受けるなら遠くに行かないと駄目だからな」
「そうなんだ、遠くとは何処よ?」
「この森の西に在る山の近くだな、正確には街道から南西の方向だな」
街道を西に行ってから南西に在る山か、ここから見えないから遠いんだろうな。
「モモ、野菜も食べるのよ」
「ニャ~≪食べるよ、こ・れ・が・また・美味しいんだよね≫
モモが食べているのはレタスみたいな葉っぱだな・・・・・・その辺の草とは味が違うよな? 後ろに生えているのを食べてみるかな・・・・・・苦い、イメージの葉っぱの味と苦みだ。動物のウサギとかはこの辺に生えている雑草を食べているんだな、好き嫌いもあるんだろうな。
「なあ、剣が必要なら俺が打ったのを貸そうか、親父から買ったら返してくれればいいから」
「あんたいいやっだったのね、レイを撫でていいわよ。剣を貸して、大事に使うから」
ミヤちゃんは食事中の僕をレイモンド君に突き出した、剣を借りる気満々のミヤちゃんは嬉しそうだ。
「そうか、学校が始まったら持って行くよ。これで撫で放題だな、それに2本目も打たしてくれる約束をしてあるんだよな」
「僕もパンを焼く練習をしているよ、まだ、捏ねるのが下手だけどね」
「そうなんだ、私はまだ捏ねた事ないよ。お父さんが、今はいい大きくなってからでいいって言ってくれてるんだよ」
「アカリちゃんのパンが食べれるのは・・・・・・ず~と先だね」
「そうよ、ず~と先よ」
「ニャ~≪アカリちゃんのパンは優しい味だね、いつ食べれるのかな≫」
解放された、焼き肉の続きを食べよう。皆には夢だ有るようだ、ミヤちゃんは冒険者になりたいんだろう、メグちゃんはそんなお姉ちゃんに付いて行く、アカリちゃんはパン屋さんを継ぐけどそれはだいぶ先でのんびりと作り方を覚えて行くのだろう、レイモンド君は最高の剣を作りたいんだな、ルーカス君はパン屋さんだ、アカリちゃんと同じ様だけど年上の様だからパン作りをお父さんから教わっている様だ。
いいな、夢か・・・・・・一度も考えた事がないな、今は猫だからミヤちゃん達と楽しく過ごす、でも、何か楽しい夢はないかな。
「レイ、泣いているの?」
「泣いてないニャン、楽しいニャン、美味しい焼き肉ニャン、沢山食べるニャン」
「沢山食べろ、キャシーが遊びに来てと言っていたぞ」
「はいニャン、沢山食べるニャン、遊びに行くニャン」
美味しい焼き肉を食べて、頑張るニャン、もう直ぐ学校が・・・・・・ジャンの誕生日がもう直ぐだ、忘れていたニャン、トントンマッサージでもしてあげるかな。
「みんな、材料を集めるわよ、そこの二人も手伝う様に」
食事休憩が終わった、ミヤちゃんの号令でその場から立ち上がり、それぞれの場所に移動だ。
「「は~い」」
「おう」
「仕方がないよね」
「ニャ~≪ごちそうさま、あそこが暖かそう、あそこで寝る≫」
モモが本能のままに日当たりのいい場所に向かって行った、僕も行こう、のんびりとした陽気のなか寝よう、何か大事な事を忘れている様な気がするけど、いつか思い出すだろうな。
一時間目にマイヤ先生の授業を受けたら、今までの授業と少し変わっていた。
壁には僕の考えた事に更にマイヤ先生と・・・・・・お姉さん先生、名前を忘れてしまった、カイヤさんだったかな、似ている名前だったんだよな、二人で考えたんだろうな。こういうのは教育委員会とかが考えるんだろうな、そうして、分かり易い教科書が出来上がるんだ。
マイヤ先生の授業は前よりも分かりやすくなった、楽しい授業も大事だけど、先ずは難しいと飽きるからわかりやすいのが大事だな。
「レイちゃん、お姉ちゃんがありがとうて言っていたよ。後、ランクさんも早く魔法の授業がしたい、楽しみだって」
「良かったニャン、魔法を覚えるニャン」
「もう、隠さなくていいのね、秘密にするのかと思っていたのよ。今度、串焼きを奢るからね、勉強を頑張ってね」
「はいニャン」
授業が終わって廊下を歩いていたら声を掛けられた。串焼きかヨダレが出そうだな、一応拭いとこうを・・・・・・どこに向かっていたんだ僕は、次の授業は魔法の授業だ、校庭に集合だ。
ミヤちゃんとライラ先生が抱き合っている、その道に進んだのか、先生の頭をミヤちゃんが撫でている? あれ、普通は逆だよね。
二人の横にメグちゃんとアカリちゃんもいる。我が妹は・・・・・・校庭の隅の暖かそうなところで寝ているのか・・・・・・動きがあるからまだ起きているようだ。あれ、モモはもう人間の言葉を覚えたから授業に出なくてもいいんだよな・・・・・・そうか、アカリちゃんと一緒に居たいからか。
「私も食べたいです、焼き菓子に大人の味が付いたのが」
「でも、大人の味がないんです」
「先生、ごめんね、今度は先生のいる時に作ります」
「その、とても美味しかったので、楽しみにしていればいいと思います」
「そうね、楽しみは取っておく方がいいのよね・・・・・・みんな、授業を始めます、攻撃魔法を練習したい生徒さんはメイガン先生の所に集まって下さい、私の所には生活魔法と補助魔法です。どちらでも練習は一緒ですが、分からない事を聞く為に私かメイガン先生のどちらかに集まる様に」
なるほど、質問する時の為にどちらかに行けばいいのか・・・・・・僕はどちらに行こういかな、やはり魔法は攻撃魔法がいいな、メイガン先生の方にしよう。
「さあ、魔法を沢山唱えましょう、呪文が分からなかった聞いて下さいね」
よし、あの的に狙いを付けて。
「ニャンパラリン、・・・グラソン、氷出ないニャン、ニャンパラリン、・・・ルミエール、光出ないニャン、ニャンパラリン、・・・ソル、土出ないニャン」
「・・・オー、・・・ヴォン、・・・フー」
水、火、風の魔法を唱えた様だ・・・レイモンド君とルーカス君の二人が、その隣は・・・・・校舎裏で僕に干し肉をくれたモデルさんの様にお洒落な洋服を常に着ている、イザベラさんだ。
僕に干し肉をくれている時に洋服の話をするんだよな、僕の洋服は面白いと言っていたな。
「・・・オー、・・・フ、・・・ヴォン」
「・・・オー、・・・フ、・・・ヴォン」
「・・・オー」
魔法を使える様になったアカリちゃんは、水魔法だけを練習しているんだな。使えない僕達は色々な種類の魔法を唱えて使える様になるしかないんだな。
「アカリの魔法、少し大きくなったね」
「そうかな、なっていたら嬉しいな」
「ニャ~≪アカリちゃん、頑張れ≫」
モモはアカリちゃんの練習を見ているのか、珍しいな。
・・・・・・・今何か思い出した・・・・・・ああ、イブリンさんから聞いた事だ。
確か、杖を持って魔法を唱えると効果が上がるんだ、それに杖を持つと、持った人の魔法属性の適性が分かると教えて貰った・・・・・・囁かれたんだ。凄く大事な事なのに忘れていたよ。
おそらく、遊びに行った時にミヤちゃん達の話を聞いていたイブリンさんが、杖を使うと便利だよと教えてくれたんだろう。
それなのに、眠くて囁かれたのをよく覚えていなかったんだな、眠気が無ければ次の日にミヤちゃんに報告していた筈だよ。
最近、何か忘れている様な気がしていたんだ、それも、大事な何かを。
家に着いたよ、皆よく頑張ったな。
「ただいま」
「ただいま」
「ニャン」
「ニャ~≪ただいま≫」
「こんにちは」
「こんいちは」
「こんにちは、皆、学校から早く帰って来たのね」
「うん、急ぐから」
「お邪魔します」
2時間目の授業が終わると直ぐにミヤちゃんに杖の事を話した。驚く真実に学校を早退、自由参加なので早退なのかいまいちよく分からないが、皆で我が家を目指し走った。アカリちゃんとリロイ君も一緒だ。
2階の通路から3階の階段の所でシンシアさんに遭遇して挨拶を交わすが、急いで杖のある部屋に急いで向かう。
「急ごう」
「うん」
目的の場所、僕達の部屋がすぐそこに。
「杖はどこに?」
「ベッドの下だよ、大事にしまっておいたんだよ・・・・・・ほら、これだよ」
先頭で部屋に着いたミヤちゃんはメグちゃんに杖の場所を聞いた、杖の持ち主はメグちゃんみたいな感じなのだ。
「光ってないわね」
「お姉ちゃんも持ってみて」
「光らないね」
あれ、杖が光らないぞ、イブリンさんは光ると言って・・・・・・囁いていたのにな。
「アカリ、持ってみて」
「はい」
「光らないよ、どうして」
「僕にも・・・・・・光らないよ」
「分からないニャン、持つと光るニャン、イブリンさんニャン」
誰が持っても杖が光らないので、皆の視線が僕に向けられた。僕は言われた通りの事を伝えただけで、本当に光るのか、やり方が有るのか・・・・・・魔法を使ってみるのがいいかも。
「杖持つニャン、魔法使うニャン、杖光るニャン」
「そうね、使ってみるのもいいかも・・・・・・安全なのは、お風呂の水樽よね、2階だ」
「そうだね、水を貯めて貰おう、アカリちゃんは駄目だよ。攻撃魔法科も知れないからね」
「僕の出番だね、行こう」
「一応、この大樽にしよう、もし効果が上がっていたら大変な事になるから」
「そうね、よろしく」
3階から降りて来た僕達は空の大樽を囲う様に立っている。どうなるか見たい僕はミヤちゃんに、モモもアカリちゃんに大樽の口の部分が見える様に抱かれている。
「・・・オー」
クリスタルの部分が光った、凄いぞ。
「おお・・・・・光っているよ杖が」
「凄い、青色になっている」
「本当に光ったね」
「魔法の効果が上がっているよ、いつもなら半分も貯まらないのに杖の効果だね」
リロイ君の手から滝の様に水が大樽に溜まっていく、大樽の上の部分まで水が溜まって、手から出た水が見えなくなった。
「使った時に光る事が確認出来たわね」
「青色が水の属性の色なら、火は赤色かな?」
「アカリの言う通りかも赤は火魔法よね」
「光ったニャン、良かったニャン」
あの囁きはちゃんと聞いた事だったんだ、良かった。何も起こらなかったら・・・・・・ミヤちゃんが怒るか、余計に悲しませた・・・・・・まだ二人の結果が出ていないけど、リロイ君とアカリちゃんが持った状態で光らないと駄目だったんだ、これで、杖が光る事が立証された、後はミヤちゃん達が試すだけだ。




