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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
9/521

ニャ~・・・9

「ゴロニャ~、ゴロニャ~」


これでいのかな、お店に来た女性のお客さんにカウンターで喉を撫でられている。気持ちが良いのだが、甘えた声を出した事が無いので、これでいいのか分からないや、猫を飼った事がない猫好きの僕は、甘えた声が思い付かない。


ゴロニャ~は変なような気がしてきたぞ、いつものようなニャ~に近い方がいいかな。


「ニャ~ン、ニャ~ン」


難しいぞ、最初のゴロニャ~よりはいいような気がするけど、甘えたような鳴き声はどんな感じだ。


「ニャ~ン《撫でられると気持ちいいです、この鳴き方でいいでしょうか?」


「小さくて可愛い猫ですけど、色々な鳴き方をするんですね」


「そうなのよ、ちょっと変わっていてね。色々な事ができるのよ」


どうやら、女性のお客さんは常連さんか友達のようだ、変な鳴き声だと言われてしまった。


日課の運動が終わった後にお昼を食べた。する事が無くなった僕は、暖かい太陽の日差しの下でのんびりと、屋上で毛づくろいをしていたら、シンシアさんが向かいに来た。


ミヤちゃんは達は遊びに出かけている。パン屋さんのアカリちゃんの家が新作のパンを出したらしいので、ミヤちゃん達はその新作のパンを食べに行った。


「どんな事が出来るのかしらか?」


「そうね、言葉が分かるみたいで、お願いすると何でもしてくれるのよねぇ。特に凄いのが足し算が出来る事とマッサージが出来る事かしら」


「ええ~、足し算が出来て、マッサージも出来るの、嘘よね。からかっているんですか?」


「これが本当なのよ、試しに足し算の問題を出して見るといいわよ。答えが一桁の方が合っているか分かり易いわよ」


女性が僕の事をジーッと見ている。あれ、よく見ると誰かに似ているな、金髪の・・・アカリちゃん、アカリちゃが大人になったらこんな感じか。近づいて匂いを嗅いでみるとパン屋さんのパンの焼いた匂いがする。アカリちゃんのお母さんに決定だな、シンシアさんと同じ位の年齢に見える。


そう言えば、お店は洋服屋さんだったんだな、結構広いのに陳列の棚と陳列台を少なくして店内をゆとりのある空間にしている、僕達の居るカウンターから離れた所で洋服を整えているのは店員さんかな。店員さんと思われる女性が2人いる、1人は黒髪の丸顔で可愛い顔、もう1人は濃いブラウンの髪で面長の美人さんかな。あれ、この世界の住人は美形揃いだな、体形の良さは分からないけど、顔の見た目は男女とも整っている顔の人しか会っていないぞ。ここの店員らしき人が手を振っているぞ、よし僕も手を振ろう。


「ほらね、手を振られて、振り返しているのよ」


「ほんとだ、凄いわね。手を振っている意味が分かっているのかしら」


「それよりも、足し算の問題を出さないと」


「そうか、忘れてた。レイちゃん3+4=いくつですか?」


「レイちゃん、いつもの様に答えるのよ」


いつもの様に答えるのか、シンシアさんはリズムに乗って答えたのを見るのが好きだからな。


「ニャ~≪いつもの様に答えます≫バン、バン、バン、バン、バン、バン、バン」


体を揺らして7回叩けば正解だ。


「あら、バンバンを数えていないといけないのね。それにしても可愛いわね、アカリが遊びに行きたがるのがよく分かるわ。レイちゃん、もう一度答えを教えてくれないかしら」


「ニャ~≪では、もう一度答えます≫、バン、バン、バン、バン、バン、バン、バン」


今日は調子に乗って間違えたりしないんだ。それに答えが10以上じゃないと調子に乗る事がないんだ。


やっぱり、アカリちゃんのお母さんだった。


「正解よ、シンシア、利口すぎないかしら?」


「そうかもしれないけど、そのお陰で手が掛からなくて助かるって、ハリーが言っているのよ」


「手が掛からない猫ちゃんか、ハリーさんは仕入れに行っているのよね?」


最近見かけないと思ったら、仕入れに行っているのか、暖かくなって来たので急いで仕入れに行っているんだろうな。どう見ても、ファクスや電話で注文、ネットもないから手紙で・・・無理か、自分で見ないと仕入れられそうもないな。毎年同じデザインを仕入れるんだと常連さんは他の店に商品を見に行っちゃうな、気に入ったデザインを毎回買っている人もいるだろうけど。


中学の歴史の先生の私服が毎日同じなのを汚いと女子が言ったら『先生は綺麗好きなんだ、同じ服を7着持っていて、週末にクリーニングに出している』と言っていた。


しかし、何で同じ服を7着なんだ。違う色を買おうとは思わなかったのだろうか、漫画の話のようだけど現実にいたんだよな。


「西のダルトベルにね。早く仕入れて来てくれないとお客さん達が困るのよね」


「大繁盛ね」


「そうでもないのよ、冬の洋服が去年よりも売れなかったのよ。だから春先の洋服には期待しているのよ。サキのパン屋だって、新作のパンが出来たんでしょう。どんなパンなの?」


新作のパンか、手軽に食べれるサンドイッチがいいな、菓子パンは甘いから苦手だな。


「硬いパンをもっと柔らくしたのよ。その代わり、日持ちしないのよ。でも、その分美味しいのよ」


そうか、この家の皆がパンばかり食べているのには理由があったんだな。


「ニャ~≪悪くなる前に食べる、そして大量に買うパン、そのパンを売るパン屋さんは忙しそうだな≫」


2人は会話をしながら、僕をゴロゴロ転がしているんだけど、カウンターが抜け毛で汚れちゃうんだけどいいのかな。


「その美味しいパンをミヤ達は食べに行ったのね」


僕を転がしているサキさんの手がぱたりと止まった。


「上得意様の2人が来てくれているのね・・・・・・それじゃ、パンを買いに来てくれている? ミヤちゃんは在庫を全部買いたがるのよ、急いで返って仕込まないといけないわ、また来ます」


「悪いうわね。ミヤのお陰で買いに行かなくて済んでるのよ」


「そうね、偶にはお店に顔を出してね」


「は~い」


アカリちゃんのお母さんは仕込みの為に急いで、お店に戻って行ったようだ。


「シンシアさん、抱かせて~」


「話が終わるのを待っていたんです」


この店の店員さん2人が笑顔で寄って来た。猫って幸せなんだ、抱かれると安心する感じになる。女性に抱かれるとキャロット母さんを思い出す。


中学生の女子は苦手だった。会話する話題がない、テレビのアイドルは分からない、ファションの話はチンプンカンプンだし・・・・・・早口で話すので理解するのが大変だ。


この世界は良いな、抱っこに撫でて貰えて、飽きたらお昼寝をすればいいんだからね・・・猫だけに。


「いいわよ」


「珍しいですよね、小さい仔猫なんて」


「猫を抱っこ出来るなんて不思議ですね」


「まあね、私もレイちゃんを見た時に小さい猫がいるんだと思ったもの」


可愛い店員さんに抱かれて撫でられていると眠くなってきた。


眠る前に僕が思った事は、本当のお客さんは店内に居なかったんだだった。





「レイ、はぐれないようにしてね」


「ニャ~≪そうだね、僕1人だと家に帰れないよ≫」


あれ、1人じゃなくて・・・僕1猫だと家に帰れないよが正解なのかな。可愛くい言えば、僕ニャン、帰れなくなるニャンだな。


「お姉ちゃん、その状態だとレイちゃんは迷子にならないよ」


この頃しっかりしてきたメグちゃん、もうお姉さんだな。


「そうだけど、注意はしといた方がいいのよ」


暖かくなったので、外に散歩に来ている。ミヤちゃんの首に巻かれて身動きできないけど、色々と見る事が出来て楽しい。


斜面を海に向かって歩いて下りるているけど、馬車は降りられない位の傾斜だ。日光のいろは坂の

様な馬車用の道もあるけど、そこを歩いたら凄い時間を掛けて、海の方に向かう事になるだろう。


首にタオルの様に掛けられた状態の僕から見た海は、綺麗な薄いブールで海上には小船が何隻か浮いている。


お魚をまだ食べてないけど、漁をしているのなら、何処かで販売しているんだろうな。


「綺麗な海でしょう」


「お船はお魚を獲ってんだよ」


やっぱりお魚を獲っているんだ、ミヤちゃん達は食べないのかな。


「レイ、猫はお魚を食べないのよ、私も食べないけどね」


「うちはみんな、お肉が好きだよね」


まあ、皆が魚と野菜を食べないのは、毎日見ているので分かるけどね。


しかし、こんなに沢山の家が石で建てられていると外国て感じだな、一軒一軒が違う建物に見えるのがいいな。使っている石の大きさ、縦に積んである石は真っ直ぐじゃなかったり、同じに見える建物がない。


「ニャ~《そろそろ、歩いてみたいよ》」


道行く人は似たようなデザインの服だけど色が濃かったり薄かったりと違いがある。


「レイ、ほら他の猫がいるよ」


「レイちゃんと違うでしょう」


2人の視線の先にはリード紐が付いた猫? がいた。顔は猫に見えるけど凄く凛々しい、顔の形が丸顔ではなくキツネに近いのでとても強そう。でも一番目を引くのが体の大きさだ、犬の大型犬と同じ位ありそうだ。  


まあ、大型犬の大きさを知らないけどね。僕の思う大きい犬と同じ大きさの猫だね、大型猫だ。


「ニャ~《とても強そうだ、関わらないようにしよう》」


「ニャ~《何見ているんだ、小娘》」


ミヤちゃん達が直ぐ近くを通ってしまったので、話し掛けられてしまった。喋り方がツッパリさんだな、無難に挨拶だけはしとこう。


「ニャ~《初めまして、少し前に田舎から出てきました。僕と違う猫を見たのが初めてで驚いていました》」


「ニャ~《そうか、初めてか。お前みたいな小さい猫はいない、気を付けろよ》」


「ニャ~《ありがとう、気を付けます》」


すれ違う際に会話したけど、ツッパリさんは悪い猫ではないようだ、気を付けろと言ってくれた。それにしても、あんなに大きいと犬と猫で喧嘩しそうだな。ん、一番小さい僕はツッパリさんの言う様に気を付けないといけないな。





「ニャ~≪何年ぶりだろう、こんなに近くで海を見たのは≫」


猫になってからは初めて見る海だ、まじかで見る海は、澄んだ綺麗な海だ。アワビとか獲れるのかな、食べた事ないけど高級食材なんだよな。獲れる量が少ないのがら高級食材か美味しいからなのかどちらなんだ、そう言えば、松茸なんか美味しくないのに何であんなに喜んで食べている人がいるんだ。


「レイ、地面に降ろしてあげるけど、何処にも行かない、海に飛び込んで泳いでみようとしない、守れる」


「海に落ちると上がるのが大変なんだよ、お姉ちゃんはこないだ落ちたんだよ」


「あのね、あれは飛び込んだのよ、落ちてないの」


「でも、落ちたってお母さんに言ってたよ」


「それは、自分から海に飛び込んだと言うと、お母さんに叱られるからよ」


「そうだったんだ」


そうか、こないだ濡れて帰って来たのは海に飛び込んだからなんだ。僕には海に飛び込む勇気はありません、だって冷たそうで凍えちゃうよ。


「いいわね、ふざけたりしないでよ」


「ニャ~≪やっと自分の足で歩けるよ、早く降ろして~≫」


降ろして貰った僕は、2人に付いて漁港を歩いていると階段が在った、階段を下りて行くと海面に近い所まで行ける様になっている。その海面に近い場所の先にも階段があるので、両方から降りれる様になっている。


海の向こうに見える防波堤のお陰で海は穏やかだ。海を見ていると泳ぎたくなってきた、でも寒いから我慢だ。


港で忙しく働く人達、小さい木箱を次々に船から降ろして、接舷横の地面に並べている、並べられた木箱の近くには何処かに運ぶために用意された馬車が待っているようだ。


こうやって見ると全てが違うな、木箱が鉄のコンテナだったり、大きさもだいぶ小さい、降ろすのに機械がないので人力で降ろさないといけない。


「レイとメグはここに居て、私は向こうの場所に移動するから、私が呼んだらレイは私の所に来るのよ」


「じゃ、私が呼んだらレイちゃんは私の所に来るのお姉ちゃん?」


「そうよ、呼ばれたら全力で走る。分かったレイ」


「ニャ~《僕が行ったり来たりすればいいんだね、岸壁を走るのは初めてだけど頑張るよ》」


「それじゃ、あそこまで行くわね」


港で働く人達が居る場所からどんどん離れて行くミヤちゃん、僕をそんなに走らせたいのかな。だいぶ遠くに行ったミヤちゃんが手を降っている、僕とメグちゃんも手を振り返した。


「レ~イ、さ~あ、ここに来て~」


呼びながらぴょんぴょんと飛んで手を降っているミヤちゃん、よし、あそこまで全力で走るぞ。


「ニャ~《行くよ。太陽に向かって走れ~》」


「レイちゃん、頑張れ~」


走り出した僕に後ろから応援してくれる声が聞こえてきた。頑張るニャン、猫らしく速く走るよ。


海を見ながら走るなんて、元東京の僕からしたらなんて贅沢なんだ。キラキラ光る海、その横を全力で走る僕、なんて絵になるんだろう。ツッパリさんが走るともっと速いんだろうな、あの体格だもん。


「レイ、最後まで全力よ」


ミヤちゃんの応援はもういいです、もう疲れました、距離が長いんじゃないのかな。ミヤちゃんに近づいた時には速度が落ちていた。


「ニャ~《何とかミヤちゃんの所に来れたよ》」


「もうだらしがなわね、毎日してている階段の上り下りが少ないんじゃないの」


そうなのかな、飽きるまで何往復もしているけど、飽きるのが早いのかな。


「ニャ~《疲れたよ》」


「メグ~、もう少し近づいて~、レイがもう疲れているのよ~」


「は~い、レイちゃん頑張ってね」


大きな返事とともにメグちゃんが近付いて来る、そんなに遠くに見えないけど、まだ僕には遠い距離だったんだな。頑張ろう、猫が走って疲れると聞いた事がないからね。


「この辺でいいの、お姉ちゃん」


「そうね~、さっきの半分ね。最後まで全力で走れそうよ」


「ニャ~《疲れていたけど、最後まで全力で走ったよ》」


「メグ~、いいわよ」


「は~い、レイちゃんおいで~」


ぴょんぴょん跳ねているメグちゃんから、合図が聞こえてきた。今度は距離が短いんだ、最後まで同じ速さで到着するぞ。


「レイ、行け」


ミヤちゃんの声に合わせて走り出した僕は今度こ速度を落とさないで到着することが出来た。


「良く出来たね、レイちゃん」


僕を褒めて撫でてくれるメグちゃん、天使に見えるぞ。


「レイ、さあこっちに来なさい~」


休憩はないんだな、頑張ろう、運動不足はいけないニャン。


それからも何回も走らされた僕は疲れたけど頑張った。






「レイ、だいぶ疲れたようだけど、次で最後よ」


休憩を挟んでくれたのは嬉しいけど、ミヤちゃん達も走ろうよ。可愛い僕と一緒に走るのが飼い主の義務だよね。最初から決めた場所から動かない2人、僕だけが運動していたのもこれで最後だ。


「レイちゃん、最後だよ。頑張て」


何度聞いたか分からない頑張ってを聞いて、最後なんだから全てを出し切るぞ。


「さあ来るのよ、レイ~」


走り出した僕、どの位の時間こうしていたか分からないけど、これで最後だ。


横の海のキラキラは最初から変わらない、僕が疲れても静かな海は今も変わらない。ミヤちゃんの所に近付いて来た、もうすぐ終わりだ。


「ニャ~《あそこに、カニが横歩きしている》」


ミヤちゃんの手前の岸壁の端の地面に赤と黒の二色の小さいカニが1匹いた、全力でカニに近づいて上から抑え込む。


「レイ、危ないよ」


このカニが危ない? ・・・・・・異世界のカニは毒があるのか、抑え込んだカニから手を放そう。これで安全だ。


「ドボ~ン」


僕の近くで水音がしたぞ、それも大きい何かが海に落ちた音のようだ。


「お姉ちゃん~」


メグちゃんがミヤちゃんを呼んでいる。


「ゴホゴホ、何でそこで止まったのよ」


ミヤちゃんの声がする方に視線を向けるとそこは海。ドボ~ンの音の正体はミヤちゃんがふざけて海に飛び込んだ音だったんな。


「お姉ちゃん、また怒られるよ」


「私はレイが端の方に走るから落ちないようにする為に落ちたのよ」


カニの毒ではなく、僕が端の方に向かったから落ちてしまったのか。


「ニャ~《ありがとう、でも、落ちなくても良かったんじゃないのかな》」


「レイ、笑っていたでしょう」


「ニャ~《面白い事は笑うのが普通だよ》」


風呂で泳ぐようにして遊んでいたから、海でも泳げるんだな。海面近くまで階段で下りる場所に向かってミヤちゃんは泳いでいる。泳げて良かったな、溺れている人を助けるのは難しいからね。


それよりもカニさんは何処に行ったんだ、あのカニは食べれるのかな、誰か茹でてくれないかな。


「とりゃ~」


可愛い声のとりゃ~と共に僕は空を飛んでいるんだな、海の方に投げられたとも言うけど。


「ニャ~《寒かったらどうするんだよ、気温と海の水の温度は違うんだぞ》」


「お姉ちゃん、濡れちゃったね、どうするの?」


「レイが解決してくれるわよ」


何の事だ~。


「ドボ~ン」


ああ~、とても冷たいよ。でも、飛んでる時は気持ちよかったな。波がなくて良かった、これなら泳げるよ。


「レイちゃん、頑張れ~」


「ニャ~《いつも、応援ありがとう》」


あの海面に近い場所までそんなに遠くなくて良かった、どの位泳げるか分からなかったけどあそこまでなら泳げるぞ。


調子に乗って泳いでいるとミヤちゃんにすくい上げられて地面に置かれた。


「濡れたから帰るわよ、メグ、レイを持つ?」


「うん、持つ」


そうか、洋服が濡れると困るな、ブルブルをしてみよう。風呂上がりは2人のどちらかが拭いてくれるけど、ここには拭くためのタオルがない、ブルブルの練習だ。


「ニャ~≪初ブルブルだ、あそれブルブル、ブルブル≫」


「ちょっと、近くでブルブルしないでよ」


「面白い、ブルブルしてる」


少し離れた所でメグちゃんが喜んでいる。


少しは水が切れたけど、まだ全然水分があるな、僕はブルブルが下手なのかな。


そんな僕を両手を前にして抱いてくれるメグちゃん、いい子だ。


家に向かう坂道で、『ほら、あそこがアカリのパン屋さんだよ』と教えて貰った。


日本のパン屋さんみたいにガラス張りではないので、建物からパン屋さんだと思えないけど、煙の出ている煙突が3個ある。


教えて貰った建物と同じように煙突が沢山有って煙が出ているとパン屋さんかなと思った。


「ミヤ~、また海に飛び込んだのね」


シンシアさんが建物の外で掃除をしている、落ち葉とかが飛んでくるんだろう。


ミヤちゃんが濡れているのに気が付いて、注意モードに入ったシンシアさん、顔が少し起こり気味だ。可愛いと怒った顔も可愛いんだな。


「違うよ、レイが落ちたから助けたんだよ」


なるほど、その為に海に放り投げられたんだな。謎が解けたよ、ミヤちゃんが濡れている理由に投げられたんだな。


「まあ、レイちゃんが海に落ちたの、直ぐに拭いてあげなさい」


「「は~い」」


「よく拭くのよ、ミヤも直ぐに着替えてね」


海で泳げて楽しかった。暖かくなったら、また今度海で泳ぎたいな。



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