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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
86/521

ニャ~・・・86

薄目を開けると、前の席に座っている親子が見えた、マイヤ先生とイヤン君だ。


「ニャ~≪快適だな≫」


乗合馬車は揺れが少ない、リードさんの馬車は振動が凄かった。


今はどの辺かな、前にこの道を通った時には馬車から落ちてイノシシに追われたんだよな、僕とイノシシの体力の戦いだった、何とか食べられないで済んだんだよな。そうだ、返り討ちに出来なかったけどアイシャさん達が倒してくれて・・・・・・美味しい焼き肉を食べたんだよな。


ミヤちゃん達を含めた皆は寝ている様だ、出発した時にイヤン君と自己紹介をしたんだ。その後もミヤちゃん達は何か話していたな、僕は眠くなって寝てしまった。


馬車の走る音と、僕達の前の客室のお客さんの話し声が聞こえる。この馬車は箱馬車と言うらしい、客室が区切られていて、前後の客室に大人が4人ずつ乗れる、合計8人を次の街まで運んで行ってくれる。


「イノシシがいるな」


「あれはなんだ・・・・・・ホワイトベアか」


「この時期に起きているなんて、食べ物が足りなかったんだな」


「イノシシは逃げているのか、どちらも同じ位の速さだ、体力勝負だな・・・・・・先頭を走っているのは猫か?」


「あはは、イノシシは猫を追いかけているのか、追い付ける筈がないのに、同じ速さのホワイトベアに気を付けた方がいいのにな」


「ああ、違いないな」


前の客室の人が窓から外を見て話しているんだな、猫が速いか・・・・・・大きい猫なんだろうな、馬車は襲われないんだな、気にしたそぶりがない。


お昼は済んだので、街に着くまで停まる事はない。外も見れないし寝よう。




「マイヤ、この猫頂戴」


「あげれないわよ、教え子の猫なのよ、それにレイちゃんを飼うのは大変よ、賢いから愛想をつかされたら地獄かも」


「何に言っているのよ」


「レイちゃん、連続パンチをお願いします」


マイヤ先生のお姉さんを殴るのか、猫パンチは空振りや、かする位に相手に攻撃する技、本気での殴り合いはほぼ無い。動画でよく見た。


僕を近くで見る為にテーブルの上に位置するカイヤさんの顔を殴っていいのだろうか・・・・・・鍛えているのでそれなりに少し強いかも、それも連続パンチは危険だ、凄く速いのだ。ボクサーのシャドウボクシングの数倍は早い筈だ・・・・・・手が短いからね。


本気で殴ってみたいけど、顔を殴るのは・・・・・・女性に対しては駄目だよね。


「ニャ~≪そこの旦那さん、ランクさん・・・・・・こちに来なさい≫」


「俺に来いと呼んでいる様だけど、どうして?」


テーブルから離れて事の成り行きを見ていた、ランクさんが近づいて来た、手の届くところまで来て欲しいので、僕の得意の招き猫を・・・・・・おいでおいでここに、顔をもっと近くに・・・・・・そう、もう少しで射程距離に入るよ。


「レイちゃん?」


「ニャ~≪連続パンチ、猫猫パンチ~≫」


「痛い・・・痛い・・・おお~、攻撃して来たぞ、誘き出して顔を殴ったぞ」


どうだ、連続猫パンチは・・・・・・ついでなので、強さをアピールしよう。猫シャドウボクシングだ。


「凄いぞ・・・・・・俺のパンチを受けて見ろ」


「ニャンパラリン、・・・フー」


「レイちゃん、魔法は駄目よ」


マイヤ先生に怒られてしまった。


「ニャ~≪どうせ使えません≫」


パンチを避けると同時に魔法を唱えてやったぞ、空中で片手を出したポーズはお気に入りだ。使えた時の為に何万回も練習しているから・・・・・・もっとか、いつか使えたらいいな。


「隙あり」


「ニャンパラリン、・・・オー」


「マイヤ、この猫変だよ、何で話せるのよ。フーとオーは魔法の呪文よね・・・・・・話せる猫」


話せる奴の話は昔した。話せる猫はその通り、思いやりのある猫である・・・・・・なので、隙があっても攻撃しない、話せる猫だから、会話中は攻撃をしないのだ。


「ニャ~≪僕に隙はなし、何処からでも掛かって来い≫」


「最初に言ったでしょう、猫学生なのよ、ちゃんと授業を聞いてくれるし、ちゃんと質問にも答えてくれるのよ、それに今回は私のお願いを聞いてくれて、一緒に来てくれたのよ」


「・・・・・・???」


カイヤさんは困ってしまった様だ、僕も人間だったらマイヤ先生の話を信じないし・・・・・この人大丈夫と思うだろう。ランクさんは殴られたから驚きの連発で、最初から痛くもかゆくもない顔に手を当てて呆けている。


完璧に話せるのに話さないのも難しいものだな、まだ変な話し方だけどニャンを付けて話せるだけミヤちゃん達と話している方が気楽だな。


「またまた、猫学生て何よ、私達の言葉が分かるの、そんな事あるはずないでしょう」


「姉さん、連続パンチをしてと頼んだのは私よ、レイちゃんはその通り実行したでしょう、ランクさんに」


「ああ・・・・・・それで俺を誘い込んだのか、うん、利口な猫だ・・・・・・???」


「姉さん、驚いてないで本題に入るわよ」






「なるほど、授業の進め方は統一した方がいいのね、それと組合を作って授業で教える順序と遅れている生徒さんの対処法ね」


「生徒さんがどこまで分かっているか、復習を取り入れる」


「凄いな、これが授業で使う教材か、分かりやすいな、初めての子供用と少し分かりだした子供用・・・・・・これは、覚えやすい単語だけが書いてある。こんな事を考えた先生はいないぞ」


僕も考えていません、情報社会の良さは、今までの経験を活かす事が出来る事、僕は活かす前に死んじゃったけど、死ぬまでに覚えた事がこの世界で役に立っている・・・・・・マッサージだけど、猫の生活に役に立つのは、のんびりする事で実行出来てないけど元人間の僕なら仕方ない。


「ねえ、レイちゃんは賢いんじゃなくて・・・・・・何でも知っている猫じゃないの、猫がこんな事考えないわよ」


「そうかもしれないけど、他の先生に頼まれて考えてくれたのよ、それに言葉の勉強をレイちゃんはしたと聞いていのよ、自分の体験談から・・・・・・そうよ、魔法を効率よく使える様になる事も考えてくれたのよ」


「それは本当かい、俺の魔法の授業で・・・・・1年以上も魔法が使える様になった生徒がいないんだ、その授業の仕方を教えてくれ、俺にマイヤさん」


「それは・・・・・・聞いていていたんだけど、説明が長かったのと驚いていて、よく覚えていないのよ」


そうか、長かったよね。僕がした事を検証、僕がしなかった事が効率を良くする可能性があった事を長く話したな。どうせ質問されるなら、僕の考えた事とその報告をちゃんとしたいので、魔法の先生達以外は驚いていたので、よく分かってなかったんだな。


僕があの時の長かった説明を思い出しているとランクさん達の視線が僕に注がれていた。


「ニャ~≪また説明するんですか、検証の部分は省きますね≫」


我が家からわざわざ持って来たトントン板をカイヤの家のテーブルの上で叩く・・・・・・リズムは辞めよう、やり直しで何回も叩くのが面倒だ。




短い説明が終わった。


職員室で説明した事を更に簡単に説明した。それは適性の有る魔法を見付ける事で、沢山唱えれば何かにヒットするかもしれないと、僕なりの考えを伝えた終わった・・・・・・だから僕は今忙しい。


「ニャ~≪串焼き美味しいな≫」


説明が終わればお礼の時間だ。マイヤ先生の用意してくれた串焼きを味わって食べる、新鮮なイノシシの肉なのか中は柔らかくて外がカリッと焦げていて、とても美味しい、顔が自然と微笑んでしまう。


僕の前? で、同じ様に串焼きを食べているのはイヤン君とナナミちゃんだ、ナナミちゃんはカイヤさんの娘さんだ、両親から色々と似ているところを受け継いでいる、顔立ちはカイヤさんで、髪の色はランクさん似だ。


ソファーのテーブルの上に乗っている僕は、ダイニングテーブルで勉強の進め方を話し合っているマイヤさんに視線を向ける。


頑張っているな。ロイ先生の提案で色々な事をして来たけど、元の世界で経験した事と猫になってから勉強した事を元高校受験を受ける筈だった僕なりの勉強法を少しだけ取り入れた。


勉強の方法は人それぞれ違う。でも、基本が出来れいれば、そんなに難しくないのが勉強だと東大生の従兄は簡単に言っていたな。あの人は勉強の虫だったので何でも簡単だと言っていたな。


「美味しいね、レイちゃん」


「ニャ~≪うんうん≫」


「頷いている、美味しいんだな」


「ニャ~≪美味しいよ、人間・・・・・・猫も美味しい物を食べるのは幸せだ≫」


「今日は泊まっていくの?」


ナナミちゃんは僕に質問している様だ、首を振って、泊らないと伝えて、串焼きを食べるのを再開した、沢山食べれないけど、イヤン君の食べっぷりだと僕のお腹が一杯になる前に無くなる、ナナミちゃんも話しながら口に運ぶ串焼きのペースが早い。


そうか・・・・・・僕の口は小さいうえに手に持てるのは1個のみ、串を持てる人の食べるスピードに勝てる筈もない。


僕が一所懸命串焼きを食べていると玄関のドアを叩く音が聞こえてきた。


「こんにちは、マイヤ先生、急いで開けて」


「こんにちは、早く出て来て下さい、マイヤ先生」


声の主はミヤちゃん達だ。カイヤさんの家まで一緒に来て、街のお菓子を探索に行くと別行動になったんだよな。


ダイニングテーブルのある部屋から廊下に向かうマイヤ先生、ミヤちゃん達のいる玄関に向かったのだろう。


急いでいる様だけど何かあったのか、串焼きの最後の肉を口に入れてよく噛む、噛めば噛むほどに旨味が出てくる。イノシシの肉汁がとても甘い。


「レイちゃんなら食事中よ」


廊下を歩いて来る足音に会話が聞こえてくる・・・・・・僕を迎えに来たのか? やけに早く迎えに来たな。


「レイ、見た事のないお菓子が3種類も売っていたのよ」


「そんなんだよ、お姉ちゃんと相談して、お金を稼ごうとなったんだよ」


「それでレイも何か手伝ってよ」


お菓子の代金が欲しいんだな・・・・・・なるほどなるほど。


「ランクさんニャン、大銅貨3枚ニャン、持って来るニャン、急ぐニャン」


「まだ、何かあるのか、ちょっと待ってくれ・・・・・・大銅貨3枚だ」


ランクさんはソファーのテーブルの上にお金を置いてくれた、後は貰うだけだ。


「ミヤちゃんニャン、お金が出来たニャン、お菓子ニャン、買うニャン」


「・・・・・・レイちゃんが・・・・・・話しているわよ」


「レイ、流石ね、お菓子を買いに行くわよ」


「わぁ~・・・す・ご~い、直ぐに食べれる」


久しぶりに聞いたんな、最近は凄い事がなくなったんだよね、メグちゃんも大人になってきたからな。


「話せるのニャン、あたり前ニャン、魔法の呪文だけニャン、そんなのおかしいニャン、考えれば分かるニャン、最後に教えたあげるニャン、そのトントン板ニャン、発音するニャン・・・・・・文字見るニャン・・・・・・発音するニャン、文字見るニャン、その繰り返しニャン、それで簡単に覚えニャン」


「板の文字を発音・・・・・・声お出して読んで文字を見る、その繰り返し・・・・・・ああ~、簡単に覚えられるかも、それも覚える順番に並んでいたのね」


もう説明は要らないな、あの板があれば三人で何とかなる筈だ。


「ランクさん、ありがとう、お菓子を食べに行きます」


「ありがとう、レイちゃん行くよ」


「情報料ニャン、報酬は大事ニャン、さようならニャン」


「ありがとう、いい話を聞けたよ」


「もう帰っちゃうんだ、遊びたかったのに」


「みんな驚こうよ、猫が・・・・・・レイちゃんが話したのよ、何で普通ののよ」


「・・・・・・最初から驚くばかりだよ、今更かな」


ナナミちゃんは残念そうだ、元々、カイヤさんの家には長くいる予定はなかった、話が終わったら直ぐに帰るつもりだった。


残念そうなナナミちゃんに手を振って、先に玄関に向かっているミヤちゃんをメグちゃんが追いかける。僕はメグちゃんに抱かれて、お菓子か、どんなのを見付けたのかなと考える。


「ミヤちゃん、明日の朝、乗合所の前に集合よ~」


「は~い、また明日~」


ブランシールに到着したのが昨日、今日は授業の事をカイヤさんの家で話す予定だった、それも終わった、明日の朝には乗合馬車に乗って家に帰る。





≪まあ、美味しそうね≫


空耳かな。ライナーさん達は暖炉前のソファーでミヤちゃん達が買って来た薄いクッキーに白い物を挟んだお菓子、輪になっている中に白い物が入っているお菓子、いつもの焼き菓子のクッキー? を楽しんで食べている。


「これ美味しい」


「当たりだ」


僕は食べないので暖炉の前で燃えている薪を眺めて幸せの気分に浸っている、冬はいいな、外に出なければ暖かいし、暖炉には幸せの炎が・・・・・揺らめいている? 室内に風は無いのにどうしてだろう。


煙突の逆流で薪の火が火れる事は・・・・・・ほぼないよね。


つい、頭を上げて煙突の先きの方を見る感じで想像した、やはり、外の風の影響で暖炉の中の火が揺れるなんてありえそうもないな。


≪いいわよね、お菓子が沢山売っていて、私の子供の頃はお菓子は贅沢品でした、食べたいわね≫


「サクサクして、食感がいいわね」


「うむ、焼き菓子と違う食感だ、俺はこれがいいな」


何処から聞こえてきているかは分からないけど、お菓子の事なら後ろで皆が食べているから、振り返って見れば・・・・・・イブリンさんがイレーヌさんの肩のところからテーブルを覗き込んでいた。


確か、心残りの事が解決すると成仏すると、霊媒師の人は言いましたよね、でも、心残りが無くても居てもいい様な気がして来た。今までに現れた幽霊は・・・・・・そんなにこの世界に執着する様な感じがしなかった。おばあさんの旦那さんは、マッサージの度に現れて≪もっと疲れを取ってあげてくれ≫と言うんだよね。


≪まあ、伝説のブラックドラゴンの子供がいるわね、悪さはしてないでしょうね≫


伝説のブラックドラゴンの子供がここに・・・・・・今着ているドラゴンの着ぐるみを見て、子供のドラゴンだと思ったのか、ジェシカさんは凄いな。


≪まあ、顔はあの時のモグラね≫


ええと、確か伝えたいと思った事を考えればいいんだったよな。


≪猫だと前に行ったと思います。どうしてこちら・・・・・・何か御用ですか?≫


ここはイブリンさんの家だったな、来たんじゃなくて、ずっと住んで居る? なんて言うんだけかな。


≪そうですね、杖は渡してくれたのだからお願いする事はもうありません、大好きだったイレーヌを見るのが好きなのです≫


そんなものなのかな、でも、今のイレーヌさんは一応おばあさん・・・・・・どう見てもおばさん位の年齢にしか見えないけど、見ているのが好きなのか? 見ているのが好きなら、成仏はしないんだろうな。


まあいいや、イブリンさんはイレーヌさんを見ているのが好き、僕は暖炉の前で寝るのが好き・・・・・・眠くなって来た。


≪そうそう、話すのを忘れていました・・・・・・・≫


イブリンさんの話す声が聞こえた、誰に話しているんだろう・・・・・・。

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