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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
85/521

ニャ~・・・85

「名前が思い付かない」


「私もよ」


「・・・・・・どうして?」


アカリちゃんは、両親に視線を向けて不思議に思っている表情をして両親に聞いた。確か、前もって考えると言っていた筈だよ。


「ニャ~≪名前か、私の名前はアカリちゃんが考えてくれた・・・・・・いい名前だよね、モモ≫」


アカリちゃんは良い名前を付けたよな、モモも凄く気に入っている。


「女の子が産まれるとは思っていなかった」


アカリちゃんの家の2階のリビングに並べられたベビーベッドの赤ちゃんに視線を向けながら、双子の赤ちゃんの名前で困っているランディさん夫婦。


どうやら男の子だと思ってそれぞれが名前を考えたけど、女の子の名前を考えていなかったらしい。


「私も男の子の名前は考えたのよ、ジョンよ」


「俺はマックスだ」


僕の知り合いの猫の名前だ、ジョンさんとマックスさん・・・・・・元気にしているかな、最後に会ったのはいつかな。


「友達にいるニャン、ジョンさんニャン、マックスさんニャン、同じ名前ニャン」


元気かな、アカリちゃんの家にはパンを買いに来ている様だけど、会わないんだよね。


「ありがとうレイちゃん、マックスは辞めよう」


「そうね、ジョンも辞めるわ、あ・・・・・・常連さんの猫の名前だわ。アカリ、そうよね」


「うん、パンの好きなマックスさんとジョンさん、お店の前で預かる猫だよ」


新規さんから常連さんになったんだな、どれくらい前にアカリちゃんのお店からパンを買う様になったんだけ、思い出せないな。


産まれる前から考えていた名前が使えなくて、ランディさんとサキさんは困ってしまった様だ、まさか、猫と同じ名前を付けるわけにはいかない、自分の子供を呼んでいるのに猫がニャ~と鳴いて寄って来たら困る、それも常連さんの猫だと尚更だ。


「ミャちゃん、メグちゃんは・・・・・・どんな名前がいいかな?」


「え・・・・・・何も考えていません」


「うん・・・・・・我が家の赤ちゃんの名前を考え中です、アカリちゃんの双子の名前はレイちゃんに聞いてみましょう、レイちゃん、どうぞ」


メグちゃんの無茶振りには困ってしまう、そうだ。


「ランディさんニャン、サキさんニャン、ゆっくり考えるニャン、急いじゃ駄目ニャン」


僕が思い付く筈がないよ、日本人の名前ならショウとサクラ、アカリちゃんのアからでアリサ、ランディさんのラからだとライアンとかが知っている名前だな。


「サキ、ゆっくり考えよう、アカリも手伝ってくれ」


ランディさんは自分の言葉に頷きながら二人にお願いしている。二人分の名前だからよく考えないと、僕なら呼びやすい名前がいいけど、赤ちゃんの事を思ったら・・・・・・それなりに考えないといけないな。


キラキラネームが一時期ブームになったらしいけど、成長した大人の名前には・・・・・・面接でどうなんだろう。自己紹介もいい事よりも悪い方になりそうな予感が。


本人は気にしないて言えるようになるには・・・・・・社会人になった後の様な気がするな。


「は~い」


「そうね、子供の名前を急いで決めたら駄目よね」


「うちのお父さんは直ぐに決めたがったよ」


「そうだ、それでレイちゃんが考えた名前を付けたんだよ」


「よし、モモちゃんとレイちゃんも考えてくれ、参考に聞きたいだけだから、気兼ねなく言ってくれ」


「ニャ~≪嬉しいな、カステラとふわふわパンがいいな≫」


ランディさん達に言えないような名前を思い付かれてもな・・・・・・・みんなに伝えるの僕なんだよね、もっとちゃんとしたのを考えて欲しいな。


「ランディさん、お客さんが多くなったのでお願いします」


店番の人だ初めて見るな、茶色の髪の20代前後かな・・・・・・やはり、売りは若い子がいいんだな。デパ地下なのお菓子売り場は40歳位までしかいないな、男性は・・・・・・ほぼいないな。


「おう、今行く・・・・・・サキは休養が必要だ、疲れが取れるまでお店は任せろ、みんな、遠慮くな遊んで行ってくれ、カステラを後で差し入れするからな」


「おじさんは偉い、流石三児の父親だね」


「うん、おじさんは偉い、名前は任せといて、みんなで候補を考えておくから、カステラをよろしくね」


「お父さん、ここは私に任せて、何でもお手伝いするから」


「おう、任せた」


おじさんは、威勢よくお仕事に戻っていたた・・・・・・ハリーさんもあの位、男らしければ頼りがいがあるのにな。


「モモちゃんはここ、レイちゃんはここね。他の人は2階と3階の掃除ね、カステラが焼けるまで家事を手伝ってね」


「「「は~い」」」


カステラは偉大だ、ミヤちゃん達を働かせる力がある。


「ニャ~≪私は赤ちゃんと寝る≫」


「ニャ~≪僕も赤ちゃんと寝る≫」


カステラが食べれると分かった三人は3階に掃除をしに行く様だ。サキさんは、赤ちゃんのおしめを持って出て行った。


僕の横で静かに天井に視線を向けている赤ちゃんの頬を撫でる、ぷにゅぴにゅだ。


「バブー」


「アウー」


隣のベッドでは、赤ちゃんが寝ていないのに、既にモモは寝ていた。


「パパ、ママ、アカリ、モモ、パパ、ママ、アカリ、モモ」


産まれて2日後だけど、言葉を教えてみよう。ジャンの様に早く話すかな。


「ニャ~≪誰かが呼んでる≫」


モモの名前は後にしよう、寝ているモモに悪いよな。






双子の赤ちゃんの名前は男の子がライト、女の子がレイナに決まった。


僕達が考えた名前は参考になったとランディさんは言っていたけど、そうは思えない。


モモ・・・カステラ、ふわふわパン。


ミヤちゃん・・・サトー、ウマミー。


メグちゃん・・・ツイカ、ヨブン。


僕・・・シン、ラン。


みんなはふざけている訳ではない・・・・・・ただ本能に従った名前になっただけだ、好きな物の名前を我が子に付ける人が多くなってきたとネットに書いてあった。覚えている最悪は≪あくま≫、良く付けられているのが≪桜≫だ、従姉のお姉さんはミッキーマウスが好きで、産まれてきた男の子に≪みずき≫、流石にミッキーと付ける訳にはいかなかったので≪みずき≫を付けた。


あれ・・・・・・人間の時の名前は? 佐藤瑞樹・・・・・・僕もみずきだよ、誰も指摘していなかったな。


気付いていたのか聞けないじゃないか、まあ、ミッキーと名付けられなくて『みずき』だから、ミッキーなんだろ、親からすると。


「どうだい、うちのお菓子は?」


「はい、前より美味しくなった」


「まだ、甘みが足りないよ・・・・・・砂糖が足りません」


「もう少しか、頑張ってみるよ」


「ごちそうさま」


焼き菓子屋のおじさんも大変だな、三人に味を聞いたけど、まあまあ位の濁した感想を言ってあげればいいのに自分の好きな味を言っているだけに聞こえるよ。





「どうだ、美味しくなったか?」


「少し硬く焼けている、残念です」


「口の中で・・・・・・もう1枚食べないと上手く伝えられない」


「そうか、ほら」


「・・・・・・お姉ちゃんが言った少し硬いは、口の中で崩れないからです、味はいいのに勿体ないよ」


「ニャ~≪初めて食べるよ≫」


「・・・・・・中まで硬いのか、焼くのを短くして温度を低くしてみるか」


「ごちそうさま、それがいいと思います」


「ごちそうさま」


「また、試食に来てくれ、完璧だと言わせてやる」


「「は~い」」


「ニャ~≪また来るよ、次はいつかな≫」


もしかしたら真面目に試食をしているのか皆は、次の店のご主人も三人の意見をちゃんと聞いている。食べる方の才能が三人には有るのかも。




「少し何かが足りません・・・」


「ニャ~≪あんまり甘くないよ≫」


「砂糖だよ、何でもっと入れないかな」


「メグちゃん、砂糖は高いのよ、何かいい方法はないかしら」


「チェルシーのおばさん、材料の小麦粉で少し甘いのが有れば解決だよ」


「メグちゃん、流石ね・・・・・・ミヤちゃんとチェルシーはどこい行ったのかしら」


「ごちそうさま、チェルシーに帰る様に伝えときます」


「・・・・・・そう、お願いよ」


「ニャ~≪ごちそうさまです≫」




「メグちゃん、これ美味しいよ」


「ありがとう」


「うまく手伝いを抜けれたね」


「お菓子の食べ歩きは大事だよね、三人が来てくれて良かった。冬の休みに入って手伝いばかりだよ」


「分かる、うちで・・・・・・何か手伝っている」


「うん、家に居なくて・・・・・・助かっている筈だよね」


「たまには、外で遊びたいよね」


「「「「うんうん」」」」




「おお~、初めてのお店だ」


「焼き菓子に何か入っているよ」


「珍しいね、4枚下さい」


「はいよ、小銅貨1枚ね」


「・・・・・・高い?」


「新作だからね」


「はい、小銅貨1枚です」


「あそこで食べよう」


暇な僕はミヤちゃん達のお菓子ツアーに参加した。


今まで、ミヤちゃん達と一緒に遊んでこなかった事を反省して連れて来て貰ったのは良かったけど、お店の食べ物の試食と感想、見落としていた露店、新作のお菓子の販売等の甘いお菓子のツアーは疲れる。


僕がいない時もこんなに忙しく食べ歩いているか、でも、皆の様子が分からない。


「レイちゃんは出してあげないの?」


「いいのよ、レイは付いて来ただけだから」


「鞄の中でのんびりしているよ」


「ニャ~≪寝てばかりだと駄目だよ、美味しい物を食べないと≫」


「モモ、どうぞ」


「ニャ~≪ありがとう≫」


ミヤちゃん達の後を追いかけていたら、メグちゃんの鞄に入る様に言われた。最初からその予定の様で、大人の味のチョコの欠片を食べていたミヤちゃんに『静かにしているのよ、みんなに迷惑だから』と言われ静かにしている。


僕ものんびりできる、なおかつ、一緒にいられる鞄の中はとても快適だ。


外の様子は分からないけど、聞こえる会話で何をしているのか判断している。ほとんどは、お菓子の話と食べている音だけど。


「ニャ~≪美味しいよ≫」


モモの会話は誰にも分からないだろう、最初から呟いているのは美味しいだけで、それ以外の感想はないようだ。


「美味しい」


「何やら入っているのは木の実ね・・・・・・ほかの料理では使われていない食材ね」


「お嬢ちゃん、分かるのか?」


「まあね、市場で産まれて12年、全ての食材を見てきました、初めての食材よ」


「ああ、南の島の特産品らしい。分けて貰ったんだ」


「・・・・・・明日買いに来ても無い?」


その事に気が付くとは、流石だミヤちゃん。チョコも販売しているところが無い・・・・・・お財布さんが仕入れているのかな。その木の実を。


「明日には無いな、少ししか分けて貰えなかった、ここにあるだけだ」


「全部買います」


「お姉ちゃん、私にも頂戴」


「同志にもお恵みを」


「ミヤ、私とモモにも」


「ニャ~≪アカリちゃんと私にも≫」


「全部か・・・・・・いいか、次に仕入れられるのはいつか分からない、なら、完売してもいいか」


「・・・・・・それは、どうして?」


「知れ渡らなくてもいいからだ、知って欲しければ少ない数を多くの人に売るだろう、どうせ、定期的に販売できないなら、買い占められても困らないからな」


「鞄に詰めて下さい」


「おう、全部で2000ロージでいいぞ」


「お釣りは要らない、取っておいて下さい」


「おう、ありがとう・・・・・・大銅貨2枚か、お釣りが出たら変だな。どこぞの貴族様しかそんな買い方をしないな」


「おじさん、ありがとう」


「ああ・・・・・・さて、いつものお菓子でも焼くか」


どこぞの貴族様・・・・・・そんな存在の人がいるのか、もしや、領主様は貴族? そうだよね、貴族で決まりだ。


身分の低い貴族様もいるんだよな、この街にもいるのかな領主様以外の貴族は。

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