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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
8/521

ニャ~・・・8

可愛い孫に会いに来たのかと思ったが、お風呂が大好きなおじいさんだった。二日連続でお風呂に入ったおじいさんは、次の日の朝には『また風呂に入りに来るから』と言って帰って行った。


気温が上がって来たので、ミャちゃんとメグちゃんが外に遊びに行った、僕は体力作り兼運動不足の解消の為に日課の階段の上り下りをしている。


「ニャ~《2人がいないと静かだな》」


そうか、2人がいないなら勉強の時間もないんだよな、のんびり出来るぞ。運動は体のためで、のんびりは猫の習慣、マーキングは飽きたのでしてない。僕の縄張りを主張する相手がいないので、家の中でスリスリするのは止めた。


「ニャ~《日課の運動が終わった、お昼を食べに行こう》」


3階の階段からリビングの暖炉の横の僕の食事用の皿の前に来たけど、僕の食事が用意されてなかった。


朝食べた時に、お皿のお肉を全部食べた。その後にお肉の補充がされなかったんだな。


「ニャ~《どうすればいいんだ、夕食まで待てばいいのかな、それとも、シンシアさんを探してお昼をねだった方がいいのかな。今は仕事中だろうから、探しに行くとしたら倉庫からお店に入るドアだよな、倉庫のドアは開いてないんだったな、お店に入るドアも開いてない筈だ。


「ニャ~《お昼抜きの昼寝に決定だ、爆睡してやる》」


寝る為に急いでベットに向かおう、暖炉前よりはぬくぬくだ。


「ごめんレイちゃん、ご飯用意するね」


「ニャ~《寝に行く途中だったのに・・・そうか、食べてから寝ればいいんだ》」


3階に上がる階段の途中で、話し掛けてきたシンシアさんが慌ててこちらに来る。僕を追い抜いてリビングのドアを開けて中に入って行った。僕が入った事のない部屋だ。


そうだ、この機会に中に入ってみるか。


「ニャ~《やっぱり、台所だ。凄い、大きい釜戸が2台もあるよ。奥にの壁際に大樽が3個も置いてある》」


皆の食事の材料がここには置いてあるんだな、おじいさんのお土産の野菜がテーブルの上に載っている。野菜が無くなるまでは、毎日野菜スープらしい、冷蔵庫がないから早めに食べないといけないんだろう。


主食のパンもテーブルの上に載っている、まだ僕は食べた事がないけど、美味しいのかな、猫はパンを食べるのかな? どうだろうな・・・・・・パサパサして食べにくそうだから食べないかもね。


「あら、レイちゃんも来たんだ、悪戯はしないでよ、ここには食材が沢山有るんだから」


「ニャ~《大丈夫です、食べ物は大事にしないと中華屋のおじいちゃんに怒られます》」


まあ、おじいちゃんに怒られる事はないけど、僕が働いて稼ぐ事がないんだから食べ物は大事にしよう。


猫生の僕のルールその壱、食べ物は大事にする、後、食べすぎない。


僕のルールを作っていこう、僕の猫生には大事な事だよね。


「さあ出来たわよ、暖炉の所に行こうね」


暖炉の横に置かれた皿には、野菜の大盛りだった。


「ニャ~《野菜の大盛りだよ、お肉が見えないよ》」


「ごめんなさいね、ミヤが野菜はレイちゃんに食べさせてと言うのよ。だから野菜が無くなるまでは協力してね」


「ニャ~《そんな~、野菜は嫌いじゃないけどお肉が食べたいよ》」


シンシアさんの視線を感じて、野菜を食べる事にした。そう、ルールその壱だ仕方ない、ミヤちゃんと違って僕は野菜が嫌いではないのだ。


「レイちゃん、食べ終わったら勉強の時間よ」


「ニャ~《勉強?・・・僕が勉強するのかな、ミヤちゃん達がいないのに》」


「その~ミヤがレイちゃんは勉強が好きだから、算数を教えておいてと言ったのよ、まさかと思ったけど、レイちゃんは私達の言葉が分かっていそうだから、その~頑張ってみようね」


シンシアさんはミヤちゃんの話を信じすぎだよ、まあ、その通りなんだけどね。しかし算数か、暗算が得意だった僕からすると計算は簡単すぎるんだよね。言われた数字を頭のノートに書いて計算すれば桁の多い数字でも計算出来るんだよね。


シンシアさんと勉強か・・・・他の人に内緒だな、シンシアさんのしている事が変だと思われてしまう。


「ニャ~《勉強はするけど、猫に勉強を教えていると他の人に言ったらだめだよ》」


「分かってくれたのね、良かった」


これでいいのだろうか? 逆に協力しない方がいいような気がしてきたぞ。でも、素晴らしい笑顔のシンシアさんに従おう、これも家猫の務めだ。





「レイちゃん、1+1=いくつですか?」


「バンバン、ニャ~≪2回音を鳴らせば、2だよね≫」


僕は素直に勉強をしている、シンシアさんの出した算数の答えを机をバンバン叩いて答えている。


少ない数字だけにして欲しいな、手が痛くなちゃうからね。


「凄いわね、ぞれじゃ1+1=いくつですか?」


「バンバン、ニャ~≪同じ問題は嫌なのだ、少ない数字で違う問題を要求します≫」


「凄いわね、今のは引っかけ問題よ。違う計算も出来るかな、2+2=いくつかな?」


今のが引っかけ問題なのか、どうしてだろう? 考えても分からないぞ。


「バンバン、バンバン、ニャ~≪どうですか、両手で2回ずつ叩けば4回叩いた事になるよね」


「なるほど、正解です。リズムを付けてくるとは流石ね。次の問題は難しいわよ、3×3=いくつかな?」


シンシアさん、まだ続けるんですか、それに掛け算は習っていませんよ。


「バン、バン、バン、バン、バン、バン、バン、バン、バン、バン、ニャ~≪いいリズムだな≫」


今度は交互に叩けば、もっと楽しさをアピール出来る。


「残念、とってもリズムカルで可愛いのだけど、1回多かったわよ」


「ニャ~≪調子に乗り過ぎました、答えが長いと沢山叩いちゃうんだな≫」


既に体が小刻みにリズムに乗っているんだな、さあ次の問題よ出して下さい。


「さあて、仕事に戻ろう、レイちゃんは寝ててもいいわよ」


もう終わりなのか、4問しか勉強をしなかったぞ、でも寝れるからいいか。


シンシアさんが部屋から出て行ったので、机から降りてベットに向かう、その時にシンシアさんの独り言が聞こえた。


「掛け算は教えてないけど、わざと間違えたのかしら、それとも調子に乗って机をバンバン叩と叩いていただけなのかしら」


わざと間違えてはいないけど、調子に乗って机をバンバンと叩いていたのは正解です。






この頃は部屋の中が暖かくなってきたので、定位置だった暖炉の前を卒業してからだいぶ経つ。今僕がのんびりしている場所は屋上だ。


「ニャ~≪久しぶりの外だ、ミヤちゃん達とゴロゴロした時ぶりだ≫」


屋上の縁に登れば色々と見えるだろうけど、やはり、ジャンプして上手く乗れる自信がない。落ちたら危ないから挑戦はしないのだ。


陽気が良くなって屋上のドアをシンシアさんが開けてくれいる、ミヤちゃん達は外に遊びに行く事が多くなって、のんびりとした日を過ごしている。


僕がリビングでごろ寝していると『どうかしら、外も温かいのよ、屋上でのんびりと昼寝でもしたら』と言って僕を抱き上げて屋上に連れて来てくれたのは何日も前の事。


初日だけシンシアさんと一緒に屋上来たけど、それ以降はドアを開けといてくれる。それで、僕だけで屋上に出れるようになった。


「ニャ~≪海に近いからか、潮風が感じられるな≫」


太陽の日差しを浴びて、のんびりと過ごせば最高の猫生なんだろう。


日課の運動が終わって、お昼は肉のみじん切りを食べた。おじいさんの持って来た野菜は全て食べ終わった。


低い床の上で食事をしている僕からテーブルの上に視線を向けても野菜が見えた事がない。


なので、みんなは野菜をあんまり食べないようだ、メグちゃんもトマト以外は食べないようだった。


母さんと兄弟達の居る村も暖かくなったのかな、のんびりと過ごしているのかな。田舎の村だとネズミとかは一杯いて追いかけて楽しんでいるのかも。


こないだ家でネズミと遭遇した時は、お願いして出ていって貰った、今度来たら捕まえちゃうかもしれないよと言ったけど、言葉は通じているのかな。その後、ネズミに遭っていないので言葉が通じたのか、僕が居るから来ないかのどちらかだろう。


「何処に居るのかな~」


「そうね、家具の下とかが好きなんだけど、居なかったのよね」


「レイちゃんは小さいから、何処にでも入れるんだよ」


ミヤちゃん達姉妹の声に知らない女の子の声が混ざった会話が聞こえてくる、子供は外で遊びなさい。


「2階と3階には居なかったよね」


「どんな所に隠れていることが多いの?」


「隠れては居ないのよ、暖かい所ならどこでもいいのよ」


そうそう、暖かい所なら何処でもいいんだ、暖かくて風が少しあると最高だ、ここも少し風があるので幸せです。


「お姉ちゃん、屋上のドアが開いているよ」


見つかるのは時間の問題になってきた、隠れる所のない屋上だからもう直ぐ見つかる。


「ほら居た、それも屋上の真ん中で寝てる」


「凄い、本当に小さいんだね」


「そうだよ、レイちゃんは小さいのお利口さんなの」


寝たふりをしていても仕方ないので、ミヤちゃんが来た事を喜んでみるかな。


「ニャ~《何処行っていなの、遊んでよ》」


こちらに来るみんなに向かって僕も急ぎ足で近づく。


「小さくて可愛い、街にいる他の猫と違うね」


「そうなのよ、可愛いでしょう」


「後ね、一緒に遊んでくれるんだよ」


「いいな、うちはパン屋だから動物は飼えないんだよね」


健康そうで可愛らしい子だな、アイドルをあまり知らないけど、子役のドラマがあれば明るくて元気な子で出ていそうな感じの子だな。髪が金色だよ、ミヤちゃん達が銀色だからどちらも映えるな。


「レイちゃん、初めまして、アカリです、よろしく」


「ニャ~《僕はレイです、よろしく》」


アカリちゃんが手を出したので、舐めてみる。パンの味がしない・・・当たりまえか。


「わぁ~、手を舐めてる」


アカリちゃんは嬉しかったのか、僕の前にまた手を出す。仕方ないな、サービスだよ。


「ニャ~《もう舐めたよ、もういいでしょ》」


「レイ、私も」


「レイちゃん、はい」


どうやら、ミヤちゃん達も舐めて欲しいらしいので、出された手の順に舐めていく。


この遊びがしばらく続いて、僕の舌の水分がなくなってきた。


「何して遊ぶ?」


僕はメグちゃんによりゴロゴロとさせられている、アカリちゃんもそれに参加してきたので、僕は目が回るような感じで転している。


「隠れんぼは、どうかな?」


「それがいい」


「私も隠れんぼがいいわ」


「よし決まり、鬼はレイだからね。100までか終えたら探しに来てね」


「ミヤ、レイちゃんは100まで数えられるの?」


「大丈夫よ、前にも隠れんぼの鬼をしたことがあるから」


「そうなんだ、どこに隠れても大丈夫なの?」


「レイちゃんは見つけるのが得意なんだよ」


「みんな隠れよう、負けた人が次の鬼だからね」


「ニャ~《始めますよ、100数えたら探しに行くからね》」


僕の言葉が分からないだろうけど、隠れるためにみんなは屋上から居なくなった。


よし、猫らしい仕草を入れて数えよう。


「ニャ~《1ニャン、2ニャン、3ニャン・・・・・・》」


両手で頬を撫でて数を数える、こうすれば皆が隠れる時間に猶予が出来る。


「何処に隠れようかな」


「駄目よ、レイは私達の会話が分かるのよ、隠れる場所を話したら直ぐに現れるんだから」


「分かった、もう口に出さないわ」


聞こえてきた声だと4階には隠れないんだな、ドアが開いてないと入れたいけど。そういえば、おじいさんが4階の何処かの部屋に泊まったんだよな。


「ニャ~《今度は顔をゴシゴシして、60ニャン、61ニャン・・・・》」


みんな隠れられたかな、もう300は数えたんだけど。隠れる所を苦労しそうなアカリちゃんの為にサービスしたけどもういいかな。






「もう、アカリはどこに隠れているのよ」


「ニャ~《匂いを嗅げば分かるけど、鬼のミヤちゃんに教えるわけにはいかないな》」


鬼が何回か交代して、今はミヤちゃんが鬼になっている。僕を抱いたメグちゃんがミヤちゃんの後ろを付いて行く。


2階を探した後に3階に上がって来て、右の手前の部屋を探している。


「ここに居るんでしょう」


ミヤちゃんはクローゼットの扉を開けたけど、アカリちゃんは居ない。隠れるだけのスペースは合ったけどいなかった。


小さいタンス、荷物の後ろと色々な場所を探すけど居ない。


探した部屋を後にして前の部屋にミヤちゃんに後から僕も続く。


「スー、スー」


微かに聞こえるアカリちゃんの寝息、ミヤちゃん達に聞こえないようだ。


「そうか、お母さん達の部屋に隠れているんだ、大き家具が沢山あるからね」


「お母さんの部屋に隠れたんだ」


メグちゃんはリビングの壁とソファーの間に隠れていた、足が丸見えだったけど。


鬼だけが隠れている人を探すので、僕とメグちゃんは暇だ。


「ここだ」


勢いよく開かれたクローゼットは、洋服で一杯だった。沢山の洋服をお持ちのようだ。次に開けたクローゼットはハリーさんの物だろう洋服が何着か並んでいて、その洋服を左右に開いたけどアカリちゃんは居ない。


「そうか、レイのようにベッドの下ね」


僕の場合は、見つけられない所に隠れるとミヤちゃんが怒るので、ベッドの下が僕の隠れんぼの隠れ場所。


ミヤちゃんは両親のベッドの下を覗き込んだけどアカリちゃんは居ない。


「あれ、これで全部の部屋を探したよね」


「私は知らないよ」


3階から探しだしたミヤちゃんは、ベットの下の僕を見つた後に、何故か2階のリビングに行ったんだよな。何か当てがあったのだろう。


見つけたメグちゃんを伴って3階に戻りアカリちゃんを探すミヤちゃん、見付ける順番を決めているかのようだったのだが。


「レイ、アカリは何処に居るの?」


「ニャ~《ミヤちゃんの部屋だよ》」


「私の部屋が怪しいわね、レイが居たから他の部屋に二人がいると思ったんだよね。そうよ、私の部屋にアカリはいるのよ」


答えが見つかって、向かった自分の部屋のベッドに寝ているアカリちゃんを見つけた。布団の上からアカリちゃんの横に飛ぶ込ミヤちゃん。


「私も~」


僕を下ろしてメグちゃんはミヤちゃんの反対側に飛んだ。


「あれ~、どうなっているの」


アカリちゃんは頭まで布団をかぶっていたので、状況が確認できない。それに2人がどかないと出れない。


「アカリ、見つけたよ」


「ずるいよ、隠れてないで寝てるなんて」


「ええ~と、布団に入ったら、レイちゃんにトントンされて気持ち良くなったんだよね。それで寝ちゃったんだ、誰が最初に見つかったの?」


そういえばそんな事があったな。


「レイよ、少しは違う所に隠れて欲しいわね、レイ、分かった?」


「ニャ~《今度隠れる番になったら見つけられない所に隠れるよ》」


ミヤちゃん達が布団から降りるとアカリちゃんが出てきて。


「そろそろ、帰るね、遅くなると父さんが心配するから」


「面白かった、また来てね」


「うん、また来るね。うちにも遊びに来てよ・・・・レイちゃんは駄目だけど」


玄関でアカリちゃんとお別れをした時に見た外の風景の感想は、家の明かり以外は真っ暗でお化けがそこら辺にいそうな気がする感じだった。

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