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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
79/521

ニャ~・・・79

「レイちゃん、余分に仕入れて来てもいいかな?」


「はいニャン、沢山仕入れて来るニャン」


僕は直ぐに返事をした、ハリーさんが心配にならない様に、気が小さいわけではないけれど、あの財政難を苦しんだので、誰かに確認したいんだろうな。


「そう、良かった~、昨日二人で話したのよ、前よりも売れる様になってきたでしょう」


「お客さんの出入りが多くなったし、休みを変えた効果で前よりも売れる様になった、ジェシカ達も喜んでいる・・・・・・暇な時間が減ったと・・・・・・僕もお店にいる時の暇が減ったと思ったよ、最初の頃と全然違うなぁ~と」


暇な時間が減ったと言った時のハリーさんは苦笑いをしたな、少しずつ良くなっている。忙しくなくてもいいから、暇だなあと思う時間が減る事はいい事だ。おじいさんの中華屋さんも決まった時間しか混まない、暇な時間はテレビを見ていたな。


「ハリーは今回の仕入れにサシンベラに行ってくる予定なのよ、いい洋服が安く買えるといいわね」


「前回行った時と違って早く帰って来れる、心配しないでくれ」


リビングのソファーに座る二人、対面で毛づくろいの練習をしている妹、その隣の僕にお店の仕入れの話をするハリーさん達は、僕の許可が無いと駄目だと思っているのかな、両親に怒られている様な感じで座っているけど、ここから移動してもいいのかな? 移動するかな。


「どうなのレイちゃん、サシンベラでいいの?」


僕は困った、だって何日掛かるか知らないし、仕入れの事はさっぱり分からない。それに僕に確認を取らないで・・・・・・確認は要らないけど、行く時は積み木を持っていって欲しいな。


「行くニャン、積み木を持って行くニャン、沢山売って来るニャン、仕入れは任せたニャン」


そうだ、ミヤちゃん達の為に沢山売って来てほしい、それ以外は求めません。あ、お土産だ。


「・・・・・・お土産ニャン、シンシアさんの誕生日ニャン、帰って来るニャン」


しかし、普通に話せるのに『ニャン』を付けないといけないとミヤちゃんに言われているので、考えながら話さないと普通に話してしまいそうだ。


「積み木だね、沢山積んで行くよ、寝る所もない位に」


「ハリー、寝る所が無くてもいいけど、多すぎると帰って来るのが遅くなるわよ」


「そうか、早く帰って来れそう位に積んで行くよ」


「ニャ~≪レイちゃん、こんな感じでいいの?≫」


「ニャ~≪手に付いた汚れはよく落とすんだよ、食べる時に変な匂いが付いたり、汚いばい菌が残っていると病気になるからね≫」


「ニャ~≪病気嫌い、もう痛くなりたくない、もっと、キレイにする≫」


人間は知らないのだろう、人間もキレイ好きだと・・・・・・そう、手に付いた汁をそのままにする人はいない、僕達猫は手を洗えないし、濡れたふきんで拭くことも出来ないんだ。一生懸命に舐めているのは・・・・・・それしかキレイにする方法が無いからだ、猫はキレイにするのに時間が掛かる、それを見てキレイ好きと思っているんだ人間は。


「レイちゃん、難しい顔をしているけどいいんだよね?」


「ニャ~、行ってらっしゃいニャン」


まずいぞ、我が家にいると、猫の鳴き声を忘れてしまいそうだ。たまにニャ~と鳴かないと駄目だな。


「よし、明日出発だ。誕生日までには戻る」


「頑張ってね」


前回の仕入れで、秋の洋服を少し仕入れてあるから、販売する洋服は大丈夫だろう、そろそろ、親方の所に行かないと進み具合が気になるな。


「ニャ~≪レイちゃん、キレイになったよ≫」


「ニャ~≪暇な時は練習するんだよ≫」


「ニャ~≪は~い≫」






「今日は、津波の時の対処法が分かった筈だ、高い所に逃げろだ、授業は終わりだ」


「終わった、帰るか」


「そうだな、母さんが俺を待っている」


「いい母さんだな」


「人手が足りないんだよ」


「俺もだよ、帰れば手伝いだ」


ベントン先生の授業は終わった。日常の災害の話は聞いていて少し疲れる、防災意識は大事だけど、なかなか活用される事がないし、活用されない方がいいから聞いていて疲れる。


「ニャ~≪レイちゃん、津波は何?≫」


「ニャ~≪地震が起きて振動で揺れるんだけど、海だと水が影響を受けて水の高さが大きくなった事を津波というんだよ、だから、大きい揺れがあったら高い所に逃げると津波の被害に合わないですむんだよ≫」


「ニャ~≪怖いね、高い所に逃げれるかな≫」


「ニャ~≪揺れた時に逃げればほとんどの人達は助かるんだよ、でも、津波は海から来るから津波が来た事が分からないんだよ≫」


「ニャ~≪大変だね≫」


「いた・・・・・・レイちゃん、先に帰るからね」


「レイ、妹ちゃんを守るのよ」


「レイちゃん、絶対に守ってよ、約束だよ」


「ニャ~≪守ります、さようなら≫」






「ねえ、どうして白い子猫が増えたの?」


「ニャ~≪それにはお答えできません≫」


「ニャ~≪村から街に来たからだよ≫」


「ねえ、姉妹なの?」


「ニャ~≪そんな様なものです≫」


「ニャ~≪そうだよ、お姉ちゃんだよ・・・・・・レイちゃん、ごめんなさい≫」


「ニャ~≪いいよ≫」


「頷いているだけだと、分かる事が少ない。何かいい方法は」


学校の廊下の奥の部屋からおいでおいでと手が振られていた、僕は危険だと思ったけど、妹ちゃんは喜んで走って行った。


部屋の中に招き猫・・・・・・招かれた僕達に次ぎから次えと質問が飛んできた。


「君たちはどこに住んでいるのかな? 家族構成を教えてくれると探しやすいんだけど、どうかな?」


「ニャ~≪個人情報はお教え出来ません≫」


「ニャ~≪洋服を売っている家だよ、人間は五人でレイちゃんと私を入れると七人だよ≫」


「ちゃんと答えてくれているようね。次の質問です、ここの領主様を知っていますか?」


「ニャ~≪知らないな≫」


「ニャ~≪知りません≫」


僕達はそろって知らないと頭を振った。見てみたいな、2匹の猫が頭を揃えて振っているところを。


「そう知らないのね、残念だわ・・・・・・私以外にもこの部屋を使っている人がいるけど知ってますか?」


他にもいるのか、でも、この子にしかあった事がないな。


「ドアを閉めますよグランカ様、よろしいですか?」


「そんな時間なんだ、カエルが鳴くから帰ろ、またね~」


女の子は僕達に手を振ると廊下を歩いて行った。


「レイちゃん達も出ないと閉じ込められちゃうよ」


「ニャ~≪二度とごめんだよ、妹ちゃん帰るよ≫」


「ニャ~≪うん、変な女の子だったね≫」


先を歩くマイヤ先生を抜いて校舎を出た、あの女の子が門を出て行くのが見えた、足が速いんだな。質問少女はどこぞのお嬢さんなんだな、個人授業をしているんだろう。


「ニャ~≪どこかに寄って行きたい?≫」


「ニャ~≪アカリちゃんの家のパンが食べたい、ふわふわの柔らかいのが≫」


「ニャ~≪よし、行こう、二人は喜ぶよ≫」


ミヤちゃん達はチェルシーさんの家にお菓子を食べに行った、お昼もご馳走になるそうだ、僕達はサキさん達にご馳走になろう。






「大人の味だよ、分かるかな」


「ニャ~≪大人の味だ、少し苦い≫」


「大人の味だニャン、少し苦いニャン、言っているニャン」


メグちゃんは笑顔だ、通訳による大人の味の事を聞けたからだ。


猫学生は、通訳猫になっている、妹ちゃんは人間の言葉をだいぶ分かる様になって来た、学校の授業も座学の話の多い授業を受ける様にしている。


メグちゃん達の間に入って通訳をすれば、妹ちゃんの言った事を相手に伝える事も出来る。映画にあったな、動物と話せるドクターの話が。


「メグ、ジャンとお母さんにも大人の味を頂戴」


大人の味の管理者にシンシアさんはいつもの様にお願いしている、一欠けらの大きさで大きいサイズを貰える確率が低いシンシアさんは両手を前に突き出している。


「ええ、いつもあげてるよ、ジャンなんか口の周りに大人の味が付いているよ」


「もう食べたよ、お母さん」


「・・・・・・お母さんだけ貰っていないのね。いいでしょう、お腹の子が欲しいと言っているのよ」


ジャンの口の周りを確認したシンシアさん。ジャンは口の周りに付けて遊んでいるんじゃないのかと思う位に大人の味が付けている、果たして口の中に大人の味は入ったのだろうか。


「そうか、私の妹が欲しいと、はい、大人の味」


「・・・もう少し大きくならないかな、大人の味は分かりづらいでしょう、食べたらお腹の中で、大人の味だと言うかもしれないわよ」


二人のやり取りを面白そうに聞いているミヤちゃんと僕、妹ちゃんは毛づくろいで忙しい様だ。


テーブルの上に置かれたチョコは、いつもの薬の粒の大きさから指の爪位の大きさになった。妹の為にチョコを奮発したようだ。


シンシアさんが口に入れるとメグちゃんはシンシアさんのお腹に耳を当ててうんうんと頷いていた。


「大人の味は嫌いだ、いつか好きになるまで食べなくてもいいと・・・・・・妹が言っているよ」


「そんなことないわよ、食べたい、もっと食べたいと言っているわよ」


この瞬間にシンシアさんがチョコが食べる機会が減ったような気がした。


「ニャ~≪レイちゃん、カステラが食べたい≫」


我が妹は、食べ盛りだ。それも我が家にない物ばかり食べたがる。


「ニャ~≪アカリちゃんに頼もう、最近はカステラをよくくれるのだよな≫」


「ミヤちゃん、お客さんよ」


「は~い、ありがとう」


お昼の時間はもう少しある、親方が来たんだな、時間通りだ。






「聞いてメグちゃん、新しいお菓子の店が出来たんだよ」


「それは甘くて美味しい店かな」


「それはどこかしら、西側それとも東側かしら?」


ライラ先生が場所を聞いている、行きたくなったようだ。


「ミヤちゃんが知っているよ、一番前に並んでいたから」


「ああ、あのお店の事ね、甘味が足りない、これが全てよ」


「そうか、甘味が足りないのか残念だね」


二人の姉妹に駄目の烙印を押されてしまったお店は、お菓子同盟の人には買って貰えない事がここで決まってしまった。


「そうかしら、時には甘味が少ない方が美味しい時もあると私は思いますよ」


「ニャ~≪甘い方が美味しよ≫」


「ミヤ、それでどこに出来たの?」


「あの子の家の近く」


ここにいるみんなの視線が太り気味の男子学生さんに向けられた、あれは夏から来た男の子だ、名前は知らないけど、おどおどしていて友達と僕の事を撫でて喜んでいた子だな。


「何だ、僕に何かあるのか、僕はレイちゃん達を虐めてないぞ」


「君、誰?」


「僕かい、ルーカス・・・・・・12歳、パン屋の息子だ」


「パン屋さんか、行っていいよ」


「何だよ」


メグちゃんの質問に答えた男の子はパン屋のルーカス君、パンを食べ過ぎの様だ。お菓子に関係なかったので扱いが雑だ。


「どうするのメグちゃん、お菓子を買いに行くの?」


「お姉ちゃんの意見を参考に・・・・・・行かなくてもいいお店と判断しました、先生は行くの?」


「そうねえ、甘味が無くても美味しい物は有るけど、ミヤちゃんがそう言うのですから、残念ですけど行かなくてもいいお店でしょう」


もう帰ろう、マッサージのお客さんが待っている。


「ニャ~≪妹ちゃんは、ミヤちゃん達と帰って来るんだよ≫」


「ニャ~≪は~い、カステラが食べれるよ≫」


ミヤちゃんに任せて帰ろう、急げ、お昼を食べてからおじいさんの家に向かうぞ。




「みなさん、色々な種類の魔法を唱えましょう」


オー(水魔法)、フー(火魔法)、ヴォン(風魔法)、ソル(土魔法)、グラソン(氷魔法)、ルミエール(光)、 ピエ・タール(足を遅く)、ピエ・ラピッド(足を速く)、ヴオレ(飛ぶ)、フロテ(浮く)、このどれかを覚えたいと頑張ってきたけどいまだに駄目だ。他にも沢山あるけれど・・・・・・他の生徒さんは知らない魔法、猫学生の僕しか知らないのだ。


教えて貰っていない魔法を聞き出すのに苦労したんだ、それに、忘れない様にするのも大変だった。 


魔法の種類は沢山あって、危ないと思われる魔法は教えてくれない。それはヴオレ・・・・・・飛ぶ魔法、飛んだ後を教えるのも経験するのも難しい、先生方も使いこなすのが大変だと言っていた。フロテ・・・・・・浮く魔法もいつ落ちるのか、いつまで浮いていられるのか分からないと先生方は言っていた。それに使えない先生方が教えるのも難しいだろう。


「ニャ~≪・・・フー・・・オー・・・ヴォン、魔法が使えないよ≫」


「ニャ~≪魔法は難しいんだよ、人間の言葉じゃないと使えないかもしれないんだよ≫」


「ニャ~≪使えなくてもいいんだね、良かった≫」


「ニャ~≪僕は使える様になりたいけど、大変な努力が必要なのかもしれない、妹ちゃんは魔法が使えなくてもいいかも≫」


「ニャ~≪使えなくてもいい、美味しいパンが食べれる方がいいよ≫」


どうも妹はジョンさん達と同じでパンが好きみたいだ、それもアカリちゃんの家の柔らかいパンが大好きだ。


「レイちゃん、練習して下さい。レイちゃんの頑張りが皆を支えていますよ」


「ニャ~≪それは誰だ? ・・・・・・ミヤちゃん達かな≫」


「とりゃ~、・・・オー、・・・フー、・・・ヴォン、・・・ソル」


「えい、・・・オー、・・・フー、・・・ヴォン、・・・ソル」


魔法の的に向かって真剣に練習をしているミヤちゃん達が見える。


夏の始めから授業を受ける様になった学生さんで、魔法が使える様になった人はいない。そのうち使える様になるかもしれないけど、1年前から練習していて使えないのは辛いだろう・・・・・・? 一番練習しているのは僕の様な、そうだ、キャシーさんだって・・・・・・6年位掛かっているのか、テンションが下がって来たよ。それでも一生懸命に練習していたな、使える様になっても頑張っている、一番頑張っているのはキャシーさんだな。


頑張るけど、もう少し練習を減らすのもいいかも、やり過ぎも良くないのかも。


「ニャパラリン、・・・オー、ニャンパラリン、・・・フー、ニャンパラリン、・・・ヴォン」


「アカリ、魔法が大きくなったよ」


「アカリちゃんの魔法が速くなっているよ」


「チェルシーの魔法も変化したぞ」


「凄い、あれが魔法か」


「僕ももっと練習するぞ」


「やりました、魔法があんなに速く」


ミヤちゃん達がアカリちゃんとチェルシーさんの魔法に喜んでいると新入生の二人の男子学生さんが魔法に驚いていた。その時にキャシーさんの魔法が手を広げた位の火が凄い速さで的に向かって飛んで行った。


「キャシーの魔法はもうどちらの魔法か分かるまで成長したようです、ライラ先生と私が確認しますのでもう一度的に向かって唱えて下さい」


遂に判別の時が来たのか、どちらの魔法なのかな。僕なら攻撃魔法がいいな、身を守るのにも攻撃がいいよな、生活魔法だと・・・・・・自分の為に使えるのが微妙だ。


「はい、お願いします」


「キャシーの魔法がそこまで進化したのか」


「ニャ~≪お肉のお姉さん、頑張れ~≫」


ライラ先生は的の近くに立つている、そこにメイガン先生が向かって行くようだ。


「キャシー、魔法を唱えて下さい、準備は出来ました」


「は~い、・・・・・・フー」


気合が入っている、集中している時間が長かった。


「さっきよりも速くなっていないか、それに大きくなっているぞ」


大きくなっているか分からないけど、速くなっているのは本当だ。


手のひらから出た魔法は的に見事にぶつかった。


「メイガン先生、見えましたか?」


「ええ、生活魔法の火魔法です・・・・・・生活魔法がこんなに使える者が現れるなんてどうなっているの」


「キャシーの魔法は生活魔法でした、それも火魔法です」


「やった~、念願の生活魔法だ」


「キャシー、おめでとう」


「おめでとう」


「やったな」


「みんなありがとう」


凄い喜びようだ、手はグルグル回っているしジャンプもしている。


「ニャ~≪おめでとう≫」


「ニャ~≪お姉さん、おめでとう≫」


キャシーさんの周りにお祝いの言葉を掛けに皆が集まって来た、合同授業だから凄い人の数だな。


「うんうん、あっぱれだ、よく努力したなキャシー、わしも嬉しいぞ」


「ロイ先生、ありがとう~」


こないだと同じだ、効果の上がった魔法を見て皆がやる気になっている。


「俺も真剣に練習するぞ」


「レイちゃん、ありがとう、わしは嬉しい」


「ニャ~≪ロイ先生どうしたの涙が出いるよ≫」


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