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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
75/521

ニャ~・・・75

「姉さんに赤ちゃんか、また可愛い子が産まれるのか」


「アイシャさんニャン、産まないニャン?」


「私か・・・・・・相手がいないのよ、近所の農家はお年寄りばかりなのよ、若い人は街に住みたがるし、あの壁の中よ、狭く感じで嫌なのよね。レイちゃんはどうなのよ、いい男はいないの?」


嫌な話題になってしまったな、こんな時の言葉を思い出しだぞ。


「独身貴族ニャン、独身は最高ニャン」


「独身貴族か、カッコいいな・・・・・・練習の続きをするかな」


岸壁に座っていたアイシャさんは木刀を片手に練習に向かった。


僕も練習をしよう。


「・・・ひ・・・ひ・・・ひ」


「レイちゃん、変な笑い方止めて、気が散る」


海に向かって発声練習をしていたら、怒られたぞ。『ひ』は言いにくいな、後半の音が上がる感じだ、上がらない様にするには、息をあまり出さない? 吸わない?  で、いいのかな。


「アイシャ殿、一太刀お願いします」


「うむ、よかろうどこからでも掛かってきなさい」


「うりゃ~」


「隙あり」


「痛~い・・・・・・メグちゃん、後ろからは反則だよ」


「敵はどこから来るの分からないと・・・・・・昨日教えて貰ったよ」


ミヤちゃん達が練習に来た、アイシャさんがいるからいい練習になりそうだ。


「よし、二対一ね、今度こそ負けないから」


「ニャンパラリン、・・・フー、ニャンパラリン、・・・オー、ニャンパラリン、・・・グラソン」


僕も魔法が使える様になるのかな、努力は大事だけど報われない時があるんだ・・・・・・猫の育て方をネットで覚えたけど、飼えなかった。でも、絶対使えないと分かるまでは頑張ろう、使えたらカッコいいからね。


「みんな、剣の練習か、頑張っているな」


今度はハリーさんか、僕とミヤちゃん達のいそうな場所は決まっているから、港近くの道を通れば岸壁辺りを知り合いは確認するだろうな。


「お父さん」


「ハリーさん」


「ニャ~≪おかえりなさい≫」


「お土産は?」


「買って来たよ、アイシャさんだったのか、シンシアが剣を振っているのかと思ったよ・・・・・・何でここに?」


「みんなで遊びに来たんです、家の方にみんないますよ」


「急いで帰ろう、皆、気を付けて練習をするんだぞ」


「「は~い」」


「続きをする?」


「お土産の方が大事です」


「お姉ちゃん、新しいのあるかな」


「この街の近くだともうないかもね、メグ、急ぐよ」


「は~い」


二人は走って行った、馬車よりも早く着くな。


「レイちゃん、避ける練習をしてみない?」


よく挑戦者が現れるな、全て避けよう痛いのは嫌いだ。


「はいニャン、アイシャ、・・・・死ねニャン、アイシャ、死ねニャン、死ねニャン」


『ね』が言えた・・・『の』も言えるのか。さっきの発声練習が『ひ』だ、その前なので言える様になっていたな。


「ニルスがやられた技ね、私には効かないから、とりゃ~」


まずい、挑発が利かない、大振りをしてくれないと・・・・・・そんなに速くもないか。


「ニャンパラリン、・・・オー、ニャンパラリン・・・フー、ニャンパラリン、・・・グラソン」


避けながら魔法の練習だ、効率よく練習だ。


「魔法ね、全て避けてあげるわ・・・・・・飛んで来ない、揺動なのね」


「バレたニャン、流石ニャン、ニャンパラリン、ニャンパラリン」


アイシャさんが狙いやすい様に2本足で立って、剣の攻撃を避ける。いつもの猫立ちをして移動すれば少しは地面から高くなっているだろう。地面にいる僕に攻撃を当てれるのは動物や魔物とかだな。

この戦いは、僕に有利だ。


当て難い攻撃を一生懸命にしてくるアイシャさんとの間合いを空けると次の作戦を実行する。


「ニャ~《飽きたニャン、避けるだけはつまらないニャン、もう帰るニャン》、逃げるニャン」


アイシャさんの攻撃を避けるのに飽きたので、家に帰ろう。


「負けを認めてから逃げなさいよ~」


剣を振って追いかけてくるぞ、危ないよ・・・・・・他の人が。


「負けたニャン、アイシャ遅いニャン」


「待てこら~、許さないぞ」


「遅いニャン、鈍足ニャン」


「とりゃ~」


おお、剣を振るのをやめたら凄い速で走っているな、このままだと、家までの坂道で追いつかれるかも。


「待って~、もうだめ、走れない」


「ニャ~≪頑張れ~≫」


僕も疲れたけど、アイシャさんも疲れるよな。忘れていた、長距離は苦手なんだ、人間も。






「Sランクの冒険者がバッグの中にいるのね」


「信じられないよ、伝説だと思っていたよ」


誰のバッグにいるんだ、凄い後ろ盾だ。


「割と近くに居るのが普通でしたよ」


「そうだね、寝る時はいつも一緒だよ」


東の門から歩いてきた僕達は、遊びに来ているアイシャさんと暇なので何かしようとなった。


昨日は、ハマグリを皆で取りに行った、その時、アカリちゃんも一緒に来たけど大人は来なかった。ハマグリを初めて食べたライナーさん達は美味しいのに驚いていた、『この変なのが美味しい』と。


街で出来る暇つぶしはないので、ギルドで依頼を受ける事にした、ミヤちゃんとメグちゃん初の街の外の依頼だ。


「畑が見えて来た」


「そんなに遠くないのね」






「みんな、盛り上がっている土を踏むのよ」


「簡単だ」


農家の柵の近くにモグラの通る道が有るとアイシャさんに教え貰ったミヤちゃん達は、指示に従って土の上から道を潰していく作戦だ。穴が所々に開いているので何処から出てくるかは、分からない。


前にモグラを捕まえた時はモグラ叩きの様に穴から出てくる様に仕向けて、出て来たところを僕の頭突きで捕まえた・・・・・・とても痛い、捕獲方法だった。


「ニルス、捕まえて」


「了解」


「簡単だったニャン、痛くないニャン」


「レイちゃんの頭突きは必要ないね」


ニルスさんは穴の出入り口で待っていて、そこに続くモグラの道を三人が潰してモグラを追い立てた。


「作戦成功ね、盛り上がっている土と穴を探すのよ」


「「お~」」「お~ニャン」


「僕は、樽に入れて来るよ」


簡単だったけど畑は広い、全てのモグラの道を見つけて捕獲するのは大変だ。


「入れて来たぞ~」


「早~い」


ニルスさんは逃げ足が速かったな、戻るのが早い筈だ。






「流石ね、冒険者は何でも出来るのね」


街を朝早く出て来た僕達は、休憩も兼ねて昼食にする事にした。


畑の近くの地面で昼食を食べていると、依頼主のおばさんが、捕まえたモグラの入っている樽を覗き込んで、僕達の事を褒めてくれている。


「冒険者じゃありませんよ、うちも農家なんです、たまたま、依頼を受けただけなんです」


「そうかい、どこに畑を?」


「ブランシールです」


おばさんとの対話をアイシャさんに任せて、僕達は食べるのに専念している。


「ああ、気候が良くて美味しい野菜が育つ、あのブランシールね。モグラの捕まえ方は真似をしてもいいのかしら?」


「はい、知っている人は同じようにしてます。どうですか、少し一緒にしてみませんか?」


「嬉しいわ、旦那も連れて来るわね、汚れてもいい洋服に着替えないと。ごめんね、食事中に、少ししたら来るからお願いよ」


「はい、お待ちしてます」


一緒にする事になったな・・・・・・僕は何もしてないけどね。






「ミヤ、メグ、母さんに会いに行ってくるニャン」


僕はキリト村が在る方向を見ながら二人に伝えた。


「レイのお母さんは、キリト村だよね」


「はいニャン」


「旅に出ようお姉ちゃん」


「そうね、いい響きだよね、旅は」


「ちょっと待て、それは駄目よ、姉さんに怒られるわ」


「ああ、子供達だけで行くのはまずいよ、姉さんに僕が怒られるよ」


「みんなで行っても怒られるわよ」


「行って来るニャン」


モグラ獲りも終わって、街に帰ろうとなった時に、キャロット母さんに会いたくなった。この道を行けばキリト村に行ける。


「ああ、レイが行っちゃう」


「アイシャさん、レイちゃんが行っちゃうよ」


「仕方ないな、レイちゃん、必ず帰って来るのよ~、キりト村までは一本道よ」


走り出した僕にみんなの声が聞こえきていたが、どうしても会いたい。遠くからアイシャさんの『一本道よ』と叫んだ声が聞こえた。


「行って来るニャン」


良かった、一本道だ、飛び出したのはいいけど迷子になったら意味ないな。


キャロット母さんに会って、のんびり寛いだら、シーラスに戻ろう。





キャロット母さんに無性に会いたくなった僕は後悔している。


「お腹すいたニャン、食べ物無いニャン」


走り出した僕が疲れた時には、夜中? になっていた。夢中で走って来た。疲れた時に食べ物を持っていない事に気が付いた・・・・・・もともと持ってくる事も、持って来ても食べれないのは同じだけど、考えてから行動すればよかったよ。


シーラスの近くの畑の場所から、どの位の距離を走って来たのか分からないけど、キリト村に近づいた気がしない。ミヤちゃん達の住んで居る街に向かった時には、馬車は何日も移動していた。


「僕の足で、キリト村までたどり着けるのかな」


不安になった僕は振り返って、今来た道の遥か彼方を見た。ここからは見えないけどミヤちゃん達の居るシーラスは凄く近いんだなと思う。


でも、会いたい気持ちに間違いはない、行こうキリト村に。





「三日経ニャン、キリト村が見えないニャン」


猫の冒険者は急ぎ足で、発声練習をしていると・・・・・・全ての発音が出来る様になったのだ。


疲れて寝る時は木の枝に乗って寝た。自然の中で寝るのがこんなに怖いと思わなかった。鳴き声だけなら大丈夫だったが、喧嘩に戦闘・・・・・・・負けた方が食べられている音、恐ろしい音が聞こえてくる。耳を塞いで寝たいと思う位だった、でも、安全の為に塞ぐ事は出来なかった。


山間の道を抜けて荒れた荒野の様な風景を過ぎたら、大草原だった。雪の多い日に馬車で通った時にも見たかもしれないけど、こんなに花が咲いていたら、違い過ぎて分からないや。


「ニャンパラリン、キリト村ニャン、見えないニャン」


一本道だけど、遠くを確認する時は回転を加えたジャンプがしたくなる。


朝起きてからだいぶ経つけど、お昼頃かな。


川の水、美味しかったな、川が在るとは思わなかった。


そう言えば、他の動物に会わないな、気配を感じても遠かったり、空を飛んでいる鳥も近くには来ない。


「沢山ある木は森かニャン、、空に向か行くのは煙かニャン、煙ニャン」


立ち上って行く煙を見付けたけど、凄く遠いいニャン。急いで行かないニャン。疲れない努力をしないとダメニャン。





「ほらお腹が空いているんだろ」


「ニャ~≪ありがとう、ペコペコです≫」


「モグラかと思ったけど子猫だとはな」


「撫でても逃げないから、誰かに飼われているのね」


「可愛いい、毛もふかふかよ」


遠くから見えた煙の正体は焚火の煙だった。疲れていた僕がたどり着いた時には太陽は沈んでいて、焚火を囲む様に四人の冒険者が食事をしていた。


キリト村かと期待したけど、煙は森の中で道の先には建築物は見えなかった。


「ニャ~≪干し肉は、塩が少なめで美味しいな≫」


「この猫ちゃん、良い匂いがする、高級な石鹸を使っているんだ、いいな」


「本当だ、良い匂いがする。飼い猫決定だな、しかし、ここからだと近いのはキリト村だな」


キリト村は近いのか、食べたら急いで向かおう。


「私達の足で一日位かしら」


「そうだな、その位か」


冒険者の一日はどの位歩くのかな、でも、一日の距離か、朝起きたら急いで村に向かうぞ。


出会った人達が親切な人で良かったな、男性二人に女性二人の冒険者は凄く強そうだ。20代半ばぐらいかな、ハリーさんよりは若そうだけど・・・・・・しっかりしてそうだ。


「みんな食べ終わったら寝てね、最初の見張りは私がするからね」


「は~い」


「おう、頼む」


「この辺には魔物がいないらしいけど気を付けろよ」


茶色のお姉さんが見張りか・・・・・・冒険小説のような展開だな、見張りか僕の得意分野だな。寝ているけど気配が分かる。


焚火があるから、動物も近づいて来ないだろうから安心だ、僕もここで眠らして貰おう。


三人の冒険者は寝た、最初の見張りのお姉さんに抱かれて撫でられている、気持ちいいな・・・・・・夏だから汗の匂いがするな、朝シャンした方がいいよ、皆に嫌われるよ。





見張りの交代に合わせて抱く人が代わっていった、僕からすると僕を抱く人の交代だった。リーダーの男性が・・・・・・凄く、汗臭かった。


日が昇って来たら、最後の見張りのお姉さんにお礼を言って出発した。


早歩きで来た僕は、遂に村が見える所まで来れた。森から出ると大草原で、村が見えなくて残念な思いをしたけど、直ぐに大草原に建築物・・・・・・畑の柵が見えて来た。畑の間の道を進んで来たら、やっと村が見えたんだ。


「キリト村ニャン、大きいニャン、村だニャン?」


キリト村に着けた感動よりも、村の大きさに驚いている。


柵がある畑の面積が広いと思ったけど、村の広さは街の様だ。村を守る柵は人の高さより高そうで、この道に続いている村の入口には見張りの人が2人いる。


あの家の窓から見た景色だと自給自足をしている村とだと思ったけど、どうやら違う様だ。


「ニャ~≪村入れてくれるかな?≫」


見張りの人達に見つからない様に草むらから覗いていたるけど、入れてくれるかの判断がつかないな。


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