表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ニャンだふるワン  作者: 自由人書
73/521

ニャ~・・・73

「レイちゃん、串焼きだぞ」


目の前に串焼きが、美味しそうだな。


「はいニャン」


勘違いしている様だけど、そのままでいいや。忙しく頭を使うのに疲れた、のんびりと過ごすのがいいな。


夏になってから数日だけど、問題がすべて解決したな、現金は少ないけど借金は無くなった。


「美味しい、レイちゃん」


「串焼き美味しいニャン」


リビングのテーブルの上で串焼きを僕に出してくれたのがハリーさんだった、シンシアさんは串焼きの味を聞いてきた。どうしてテーブルの上なのか分からないけど、今は串焼きに専念したい。


美味しいな串焼き・・・・・・後2本分はあるな、僕が手を出したらお皿が引かれた? 串焼きを追いかけると、お皿が移動した。


「教えて欲しい事があるんだけどいいかな?」


「そうなのよ、ほら、あの説明よ、詳しく書かれていないでしょう」


「はいニャン、ニャ~≪ミヤちゃん達がメモするのが大変だから、説明は無しでした≫」


「そうだ、トントンの板を持って来るわね」


またトントンなのか、ふみふみの方が可愛い仕草なのにな。


「これで全てが分かるのか、今度こそ上手く商売をするぞ」


反省していたんだ、ミヤちゃん達に全てを話さなくて良かったよ、ダメなところはあるけれど頑張ればいい経営者になれる。


「トントントン、トントントン、トントン」


僕はリズムに乗って文字を叩く、ほぼ解決したんだから楽しまないとね。






積み木が倉庫に運ばれてくる。蓋のない木箱が次から次と。


「ここに置きますね」


「ハァ~、お願いします」


「終わりました、またよろしく」


「ご苦労さまです」


「こちも、納品終わりました、ありがとうございます」


「こちらこそ、どうも」


「こちらに運んでいいんですか?」


「あそこの空いている所に」


ミヤちゃんとメグちゃんはここにはいない、工房の納品に立ち合ってくれているのはハリーさんだ。


僕でも良いのだけど、親方と運んでくれている人が困るだろう。


「分かりました、運んでくれ」


頼んでいた積み木が出来て来た、納品が重なったけど、何も問題はなかった。


「ご苦労さま~」


積み木が運ばれて来て、倉庫が積み木で一杯になった。凄い量だけど、工房の親方のご厚意で運んで貰えるので助かっている。


「レイちゃん、後でトントンね」


「はいニャン」


午前中に届けられた積み木の木箱が倉庫に沢山あるが、洋服の在庫の木箱は少ない。


ハリーさんが何か知りたい様なので、お昼にでも質問に答えよう。


「すいません、積み木を1個下さい」


「はい、このままでいいですか?」






「トントントン、トントントン」


「レイ、ふみふみして」


「はいニャン」


積み木の注文の事をハリーさんに質問されたのでトントンで応えた。それを見たジャンがふみふみして欲しいと言うので、テーブルの上に出された手をふみふみしてあげる。


「なるほど、積み木の形の違うのは違う工房で作る様にしているのか」


「レイちゃんは天才ね」


「お母さん、僕は?」


「ジャンも天才よ」


「端材を使う事で材料費を抑えて、違う工房に頼めば何を作っているのか分からないな・・・・・・変な物を作らせる子供達だと思うのか」


「ええ、各工房に頼んだ積み木を木箱に詰める、この時初めて色々な形が揃うのね」


「はいニャン、ニャンニャンニャン」


「気持ちいい」


返事と共にジャンの手をふみふみ。そうだよ、積み木は簡単に作れる、真似をされる前に沢山売りたいんだよ。端材があんなに有れば、沢山作れると思ったんだよ、親方も端材を燃やして処分していたから、その手間が減ってお金になるんだから喜んでいるんだ。


「これが、僕達の危機を救ったのか」


「そうね、レイちゃんとミヤ達のお陰ね」


「ニャ~≪そんなに利益は出ていないよ≫」


利益率はいいけど、単価が安いからハリーさんの失敗の穴埋めにはならない位の筈だ。ナタリーさん達の給料位にはなったかも。


積み木やお店が利益を出してくれないと、ミヤちゃん達の出したお金を返してあげる事が出来ない。


密かな約束は、元通りになる事だ。時間は掛かるけど、努力は大事だ、ハリーさんがお店の経営を上手くするよりも簡単に出来る筈だ。






「レイちゃん、もっと強く押してくれ」


「ニャ~≪はい、この位ですか?》」


東の市場で働くおじいさんの家にマッサージをしに来ている、腰が痛いのと足の疲れを取るマッサージをお願いされた。


「自分でするのとは違うんだな、気持ちいいよ」


「ニャ~≪プロですから≫」


そんなに難しくはないけど、知識が無いと何処をどのような仕方で施術すればいいの分からない、マッサージを特別勧めたりはしないけど、体の不調を少しだけよくしてくれたり、疲れが取れたりする。


夏に入ってから順調だ、お店も上手くいっている・・・・・・ハリーさんが仕入れに行く時期が来そうだけど、手引書なる物をハリーさんとシンシアさんは作った、その中に計画的に仕入れる事が盛り込まれているのが喜ばしい。


僕が口出ししなくても、二人はもう大丈夫だ。


「次は15日後か、待ち遠しいな」


「ニャ~≪嬉しいです≫」


丁寧に疲れが取れる様に、ポンポンと叩く、トントンは少し弱めだ。


マッサージが終わっていないのに次の訪問マッサージの事を考えるなんて・・・・・・もっと疲れが取れる様に頑張るぞ。





「ほお、お主がマッサージ猫か、マッサージが珍しいのに猫がマッサージをするのか、まあいいか、日頃の疲れを取りたい、体全体だ」


「ニャ~≪そんなに凄い体つきならストレッチの方が良さそうだけど≫」


頼まれたマッサージを施術しよう、丁寧にするのは当たり前だけど、僕の体力が持つかな。


凄い筋肉だな、武人? 話し方も僕の知っている人の中にいないな。


「むむむ、何やら気持ち良くなって来たぞ、これがマッサージか、すまん、続けてくれ」


まずいぞ、続けているのに感じないのか、こちょこちょ。


「おお、くすぐったいぞ、面白いぞ」


くすぐる方が感じるのか、もっと力を入れて施術をしないと効かないかも。


ここの血流が悪くなっているのかな、ここは弱く優しくだな。


筋肉が凄いけど、やる事は同じだな。





「レイちゃん、どう、お腹が膨れて来たのよ」


「赤ちゃんがいるニャン、元気な赤ちゃんニャン」


「流石だレイちゃん、よく分かるな」


「う・ん・・レイは分かっているのよ、アカリの兄弟が出来るのが」


ミヤちゃん、カステラ美味しいですか。


「レ・イ・・ちゃんは、どちらがいい?」


サキさん達の赤ちゃんの性別だよね、僕に聞かれても困るんだけどね。


「分からないニャン、どちらでもいいニャン」


「レイちゃんは・・・・・・どちらでもいいんだね」


「俺は息子がいいな、可愛いだろうな」


久しぶりに来たアカリちゃんの家、カステラを食べながら生まれてくる赤ちゃんの話で盛り上がっている。


「私は弟がいいな、ジャンを見ていると弟も悪くないと思ったの」


ジャンか、いい子に育ちすぎているな、聞き分けがいいのはハリーさんの息子だからかかもね。


「サキ~、大変よ」


「シンシア、お店は」


「それどころじゃないのよ、赤ちゃんが産まれたのよ」


「え?」


「え?」


「え?」


「ああ、違った、私にも赤ちゃんが出来たのよ」


シンシアさん慌て過ぎだよ・・・・・・赤ちゃんが出来た、おめでただ。


「シンシア、おめでとう」


「シンシアさん、おめでとう」


「ええ~、赤ちゃんがまた出来たの?」


「お姉ちゃん、どっちがいい?」


珍しく、三人のカステラを食べる手が止まっているぞ。それぞれが2本目をかぶり付いていたのに。


サキさんとランディさんは切ったカステラをお皿から取って食べていた。僕は、その皿をシンシアさんの前に押し出した。


「レイちゃん、ありがとう」


「シンシアさん、おめでとう」


「ありがとう、アカリちゃん」


右手にはカステラを持っているので、左手でアカリちゃんの頭を撫でるシンシアさんは、ミヤちゃん達に視線を向けた。


「難しい問題だわ、妹も弟もいるからお菓子好きな妹、お菓子好きな弟・・・・・・もう間に合っている」


「そうだね、お菓子好きは困るかな、取り分が減る・・・・・・お姉ちゃん野菜好きがいいよね」


「そうね、メグの嫌いな野菜、私の嫌いな野菜を食べてくれる・・・・・・弟妹なら嬉しい」


「うん、嬉しい」


シンシアさんの視線に生まれて来る兄妹はどちらが良いか答えた二人。とても素晴らしい考えだな。


「えっと、シンシアの赤ちゃんはいつ産まれるのよ?」


そうだな、いつ生まれるんだ。


「春頃ね、もしかしたら、冬の終わり頃かな」


「すると、シンシアさんはジャンの誕生日近くで赤ちゃんを産む事になるんだな」


「そうか、ジャンの産まれた日に近いのね」


「いい事が続くわね、例の支払いは事は片付いたんでしょう?」


「そうなのよ、みんなに心配かけたわね」


大人の話が多くなって来たので、ミヤちゃん達はアカリちゃんの部屋に遊びに向かった、僕もその後を追いかける。シンシアさんの微笑みは、ああ幸せなんだと思わせる表情をしていた。





「レイ、なでなで」


「ジャン、なでなで」


朝食が終わって、テーブルの上に乗っている僕と頭を乗せているジャンはなでなでして楽しんでいる。


「仕入れには、全部の資金を持って行かない?」


「仕入れる枚数を決めるのよね?」


ハリーさんとシンシアさんは、夏の洋服と秋の洋服を仕入れに行く話をしている、秋の洋服はついでに仕入れてくるだけで、本命は夏の洋服だ。夏は120日位あると僕は思っていたけど、その通りなのか、夏の洋服が完売しそうだ。


二人は仕入れの話をしている様だが、合っているのか僕に確認する様に視線を向けて返事を待っている、僕には詳しい事は分からないと伝えたのだけど、聞いてくるんだよな。


「どうなのよ、レイちゃん?」


ついに、じかに聞いてきたシンシアさん、僕とジャンの近くまで顔を寄せて来た。


「失敗していいニャン、がんばニャン、間違えていいニャン」


「シンシア、頑張るよ」


「そうね、再スタートよ、レイちゃんが見守ってくれているわよ」


「ニャ~≪頑張って下さい≫」


「レイ、下に積み木をしに行こう」


「はいニャン」


「ママも一緒に下りるわね」


「は~い」


歩くのが上手になったけど、まだ心配なので、ジャンが階段を使う時には誰かが一緒にいる様にしている、勿論僕以外の誰かだ。






「レイちゃん、行って来るよ。ハリーさんの事は任せてくれ無事に帰って来るよ」


お店の前で屈んで僕を撫でるリードさん、いつもハリーさんと一緒に仕入れに行ってくれる、安全に気を遣う馬車での仕入れは大変だろうな、魔物と大きい動物に遭遇したと話してくれるけど、襲われた話が無い事に安心する。


「はいニャン、頑張ってニャン」


「シンシア、直ぐに帰って来るよ、売る服が無くなると困る」


「こっちは任せて、気を付けてね」


「ハリーさん、行先はコロスでいいですか?」


「はい、予定通りにコロスでお願いします」


「パパ、いってらしゃい」


「ああ、お土産を買って来るよ」


「パパ~、頑張ってね」


お店の前に止めてあった馬車が、緩やかな坂を下りて行く、カーブの所には石の加工工房が在る。


僕の為に、大きい穴を開けて貰う依頼をしに行く事はない様だ、僕は、大きくならない? 様だ。


「ああ、お父さんは出発したんだ」


「レイちゃん、作戦は遂行されるかな?」


「はいニャン、お菓子美味しいニャン」


「良かった、積み木は積んだんだ」


「はいニャン」


「さあ、お店の準備だ・・・・・・ジャンは積み木ね」


「積み木する」


「二人は朝食を食べて片してよ」


「「は~い」」


リードさんにお願いして、家まで向かいに来て貰った、積み木の木箱を積み込んでもらう為だ。荷台に木箱を載せて行けば、他の街で売る事が出来るからだ。


何処かに行くのにトラックは空で移動する事がほぼ無いと聞いた事がある、その真似をしてハリーさんに販売を任せたのだ。難しいかもしれないけど、この作戦は我が家が危機になった時には考えていたけど、前回の仕入れの時には品物が無かった。売れた積み木の代金はミヤちゃん達の物になる。ハリーさんの借りたお金は・・・・・・返せないだろうから、ミヤちゃん達は自分でお金を貯める事にした。


それなのに、寝坊したらしい。





「ニャンパラリン、・・・オー、ニャンパラリン、・・・フー、ニャンパラリン・・・ヴォン」


夏はいいな、海で泳げるからな、魔法はまだ使えない。


港の岸壁で魔法の練習を再開した。色々とあった冬の終わりから夏の初め頃までお店にいる事が多かった、魔法の練習も体力作りも全然していなかった。学校に行かない日はここに来る事にした。


いつもより早くマッサージを開始したので、午後をマッサージの時間にした。


「ニャ~≪気持ちいな・・・・・・ロイ先生が遠くで釣りをしている≫」


泳いでいる僕からロイ先生は見えるけど、向こうからは見えていない様だ。釣りをしている場所は海の角の部分だ。




「レイちゃん、こののんびりとした感じがいいのだ。ちぃ・・・・・・えい、今日はやけに小魚が来るな、もっとのんびりとした釣りがしたいのに、レイちゃんは泳げるんじゃな、どうかな、飛び込んで小魚を散らして来るのは?」


いいのかな、小魚以外もいなくなっちゃわないかな、そうか、ロイ先生は釣れなくても楽しい人だから協力しよう。


「ニャ~≪行って来ます≫、ニャンパラリン、ニャンパラリン、ニャンパラリン」


「海面まで、3回転か、流石じゃ」


「ニャ~≪小魚が逃げたよ≫」


ここからだと、上がる所まで凄く遠いいな、ニャンニャンニャン、のんびりと目的の所までスイスイスイ。


泳ぐの上達したな、猫スイマーと名のていいな、猫のオリンピックなら金メダルだな。


「レイちゃん、頑張れ」


「ニャ~≪のんびり釣りをしていたロイ先生、僕ものんびり泳ぐよ≫」






のんびりと泳いでロイ先生の所に戻るとお魚が釣れていた。


5色の色に見える魚は僕の3倍位ある、四角い木箱の中でパクパクと口を動かしている。


「どうじゃ立派なのが釣れた、今夜の酒の肴だ」


僕は思った、ロイ先生は釣らない釣りをしていたんじゃないんだと、いつもの言動からすると、のんびり釣りがしたいだけで、魚を釣らないのかと勘違いしていた。


「ニャ~≪見た目には美味しそうに見えないけど、食べれるの?≫」


「ん、もしや、美味しいのかと聞いとるのか、美味しいぞ、それも毒を治療する効果があると言われているんじゃ、まあ、本当か分からんがな」


「ニャ~≪毒を治す≫」


もし本当なら便利なお魚だな、でも、毒が身近に無いから必要ないな。


「どうじゃ、食べに来るか?」


「ニャ~≪食べに行きます≫」


僕は初めて食べれると喜んで頷いた。


「よし、釣りは終わりじゃ、家に帰って馳走しよう。明日も釣りに来るのだ、よかったら、レイちゃんも来てくれ」


僕は頷いてロイ先生の後に続く、何処に在るのかな家は。ロイ先生は毎日来ているのか、それとも暇な日だけ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ