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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
7/521

ニャ~・・・7

「ニャ~≪日課の運動だ、この家の階段を利用した体力作りは良い運動になるな≫」


朝起きて? ご飯を食べると、2階と3階の階段で運動をする事にした。


「よく頑張るわね」


僕が右側を上り下りしているとシンシアさんとハリーさんが階段を下りて来た。いつもの様に綺麗な服を着たシンシアさんは綺麗だ、ハリーさんもイケメンだ。お似合いの夫婦。


「毎日よく飽きないな、僕なら直ぐに飽きるのにな」


「レイちゃんは頑張りやさんなのよ、勉強もミヤ達と一緒にしているんだから」


「ニャ~≪それは違います、ミヤちゃんが一緒じゃないと嫌がるんです≫」


「レイちゃんの表情が仕方ないて顔をしているぞ」


「そうかしら、まだまだ頑張るぞって、顔をしているわよ」


ハリーさんの方が僕の表情を読むのが上手いんだな。


2人は僕の事を話しながら、2階のリビングに向かった。


どの位行ったり来たりしたか分からないけど、だいぶ運動をしたな。疲れていないけど、暖炉の前でお昼寝をしに行こう。


暖炉のぽかぽかは凄く幸せな気分にしてくれる、その暖炉を目指して走る僕が目にしたのは。


「ニャ~≪暖炉に火が付いていないよ、僕が朝ごはんを食べた時には薪は暖かそうに燃えていたのに≫」


僕が残念そうに暖炉を見つめていると後ろから楽しそうな家族の会話が聞こえてきた。


「だいぶ暖かくなったわね」


「そうだな、そろそろ商品の展示を代えないといけないな」


仕事の話か、ところで何を売っているのかな?倉庫には雑貨と洋服が置いてあるから、洋服屋さんかもしれないな。


「でも、在庫があまり過ぎているのよね」


「今年は売れなかったな、来年に持ち越しか」


やっぱり洋服屋さんだな、在庫が多く残るのは困るだろうけど、在庫がなくても困るから仕入れは難しいだろうな。


事故で亡くなる前の僕のおじいちゃんは中華屋さん・・・ラーメン以外にもカレー、カツライス、野菜の炒め物等のメニューがあったけど、在庫で難しいのがラーメンのメンと餃子だと言っていたな。


餃子が美味しくて混んでいるイメージだったけど、余ったラーメンのメンで、かた焼きそばをよく食べた。餃子はその日に無くなるようにするんだとか、注文が多いと、お客さんが少ない時に作らないといけないと言っていた。


そうか、死んだら、おじいちゃんの美味しいかた焼きそばが食べれないんだ、あの美味しい餃子も食べれないのか。


しかし、今は暖炉の火が付いていない方が問題だ、ならば、猫の定番の寝方をするしかない。


「ニャ~≪丸くなれば少しは暖かい筈だ≫」


食事をしながら楽しそうに話しているみんなには悪いけどお昼寝の時間だ。


「レイちゃん、遊ぼうね」


食べる量の少ないメグちゃんが遊ぼうとやって来たぞ。


「ニャ~≪僕のように丸くなるんだ、そして一緒に寝よう≫」


「レイ、丸くなってないで遊ぼうよ」


ミヤちゃんもお昼ご飯を食べ終わったようだ、もう、のんびりとしたお昼寝の時間がなくなった。


「ニャ~≪遊んであげるから付いて来て≫」


暖炉の前の僕の場所から3階に向かう為に立ち上がって歩き出す、日々鍛えている僕の足に付いて来れるかな。


「ジタバタしたら危ないよ、レイちゃん」


走り出そうと息巻いていた僕はメグちゃんに捕獲された。先に行けばベットの下で昼寝が出来かもしれないのに残念だ。






「ニャ~≪取って来るのだ≫」


「ずる~い、お姉ちゃんは後から来て」


「分かった、少し遅れればいいのね」


「うん」


僕が手で布ボールを飛ばすと、3階の廊下の床を転がって行く布ボールを拾いに行く姉妹。ミヤちゃんの方が速いのは当たり前で、毎回負けるメグちゃんは悔しいので、遅れてスタートしてとミヤちゃんに言っている。


この遊びは犬が喜んでする奴だよね、それをミヤちゃん達が取りに行く役で遊んでいる。


メグちゃんが取りやすいように廊下の左側に手で打ち出す。


「やった、取れた~」


「よかったね、メグ」


「うん、レイちゃん、もう一回」


僕の前に置かれた布ボールを今度も左側に打ち出す。


「やった~、続けて取れた」


「ニャ~≪連続、おめでとう≫」


「レイ、右側に蹴ってみて」


メグちゃんの手から布ボールが落とされた、僕の前に落ちた布ボールをミヤちゃんのご要望通りに右側に打ち出す。


「ニャ~≪これでいいんだよね≫」


右側に飛んだ布ボールを拾うとミヤちゃんはこちらに視線を向けた。


「この遊びは今日で終わりね」


「ええ~、何で」


「レイは好きな方に飛ばせるのよ、だから、レイが取る方を決めているのよ」


「そうなの、レイちゃん」


よくぞ見破ったなミヤちゃん、でもここは誤魔化そう。


「ニャ~≪よく分からないんだニャン、僕は毛づくろいで忙しいんだな≫」


会話が分からないふりの為にのんびりと毛づくろいを始める僕。完璧な筈だ、猫は飽き性で、かまって欲しい時に擦り寄っていくんだな。


「ミヤちゃん、メグちゃん・・・おじいちゃんだぞ」


大きい声が聞こえてきた、どうやら。ミヤちゃん達のおじいさんが来たようだぞ。






「どうだ、美味しそうな野菜だろ。採れたてなんだぞ」


皆がいつも食事しているテーブルに載せられた沢山の野菜は、どれも見た事がある。異世界なのに野菜が同じだ。ジャガイモ、トマト、大根、ニンジン、玉ねぎ、どれも少しだけ土だ付いている、本当に採れたてなんだな。


「おじいちゃん、お肉はないの?」


「お肉はこの街で買えるから、おじいちゃんの育てた野菜を持って来たんだ」


「お父さん、ありがとう。新鮮な野菜は山の反対の街に行かないと買えないから助かるわ」


お父さん? このおじいちゃんはシンシアさんのお父さんか、髪の色は銀色かな、それとも白髪かな。銀色も白髪になるのかな。


「メグの好きなトマトだぞ、今食べるか?」


おじいさんはテーブルの上からトマトを取って、手で拭き拭きして綺麗にしてメグちゃんの目の前に出した。


「食べていいのお母さん?」


どうやら、メグちゃんはトマトが好きらしいな、ミヤちゃんは野菜に視線を向けていない、野菜嫌いなのかな。そうだ、この家の食事は、大量のパンとお肉等で野菜はあまり食べていないな。


山の反対にも街が在るのか、あれ、僕は家の外に出た事がないぞ。この街に来た時以外は街の中を見ていないな。屋上から見たのは、山の傾斜に建てられているご近所さんだけで遠くは、僕の身長では立っても20㎝位しか視界が上がらないので、遠くは見えない。


いつか自由に外を歩いてみたいな・・・・外が暖かい時に。


「いいわよ」


お母さんから食べていいわよと言われると、おじいさんの手からトマトを取って直ぐに食べ始めるメグちゃん、そんなに美味しいのか、日本のトマトは熟れる前に採ってしまうから味が悪いのが多いんだよな。


おじいさんのトマトは完熟トマトのようだ、メグちゃんが美味しそうに食べている口からトマトの汁が床に落ちて行く。


「ニャ~≪床も綺麗になるから舐めてみます≫」


木の床に垂れたトマトの汁はとても甘い、メグちゃんが喜んで食べるのは甘いからだな。


「美味しい、おじいちゃんありがとう」


「そうか、美味しいか・・・この小さい生き物は何だ?」


僕の事だと思って視線を上げると、おじいさんが見下ろしていた。その表情は、とても驚いている様だ。


「お義父さん、猫ですよ」


急いで来たのか、少し息の荒いハリーさんがドアの所でおじいさんに話し掛けた。


「猫?・・・猫はもっと大きくて足も長いぞ。何でこんなに小さくて足が短いんだ」


僕の足は短い、マンチカンの短い足は特に可愛いく見えるんだよね。


あれ、僕以外の猫は母さん達家族しか知らない、他の猫を見た事がないぞ。


おじいさんの言う、足の長い猫は沢山いるのかな、短い足の猫をおじいさんは見た事がないんだな。


「この猫は珍しい猫で、気立ても穏やかでのんびりしているのか特徴なのよ、見た目はとても可愛くて、もうメロメロなのよ」


「メロメロ?・・・・まあ小さくて可愛いのは間違いないな」


「おじいちゃん、レイは頭がいいんだよ」


「そうだよ、一緒に遊んでくれるよ」


ミヤちゃんは偉い、そう僕は猫の中では頭が良い筈だ。


メグちゃんはトマトを食べ終わったんだな。そう、寝るのが大好きなのに僕はいつも遊びに付き合ってあげているんだ。


「ニャ~《勉強も一緒だし遊ぶのも一緒だよ、のんびりしたいのに》」


自己紹介らしいのは終わったので暖炉の前に・・・そうかポカポカは無いのか、どうするかな、部屋に戻ってベットで寝るか、ポカポカなしの暖炉の前で丸くなって寝るか・・・・よし、ベットに行こう。


「シンシア、お風呂に入りたいな、用意してくれないか?」


「お父さんは、お風呂に入りに来ているみたいね」


「お風呂があるのは珍しいからな。ここに来る楽しみにも、なっているんだ」


「今直ぐだと、みんなも入れないので夜でいい?」


「勿論、夜でいいさ。楽しみだ」


「おじいちゃん、タライ風呂じゃ駄目なの?」


「まあその、お湯の量が少ないからな、洗うだけのようでお風呂に入っている感じがしないんだよ」


まあ、タライ風呂だと汚れを落とすだけあろうな、それにお湯を沢山沸かすのが大変だよ。


ニャンニャンニャン、それよりもお昼寝だ。


「レイ、どこいくの?」


「ニャ~《お昼寝だ》」


ミヤちゃんに話しかけられたけど、もう振り返らない、お昼寝の時間だ。


「レイちゃんに続け~」


まずいぞ、メグちゃんが追いかけて来る。危なっかしいメグちゃんが追いかけて来るなら、のんびりと歩くしかないじゃないか。






「ニャ~《お風呂のお湯は、ここで沸かしてたんだな》」


広いリビングには暖炉の前で寛げるようにリビング用の応接セット、食事用のダイニングテーブル、壁際の色々な家具。そして、僕が入ったことのないドアが2つ、一つは料理が運ばれてくるのでキッチンとか料理関係の部屋だと思う。そして、もう一部屋に僕は始めて入った。


この部屋には釜戸があった、その釜戸は大きくて、鉄製の大きい寸胴鍋が2個置かれている。ここでお湯を沸かしているんだ。


釜戸の後ろがお湯を注ぐ所のようで、壁と釜戸の間にお湯を注ぐ石の流し台がある。風呂場の柱とここの柱は同じ柱で、お湯を流す為に柱が他よりも太いんだな。


「レイちゃん、穴に入らないでよ、下の穴は小さいから落ちたら出れないわよ」


初めて見るお風呂の謎? を知るために流し台の中で色々と確認していたら、シンシアさんに注意された。流し台の横の穴は僕が入れるけど、下のお風呂場の柱の穴は小さいので僕でも通れそうもない。


「ニャ~《は~い、落ちたらこの家のお風呂の柱を壊す事になるので気を付けます、助けてくれるよね?》」


「もう、お湯を注ぐぞ、レイちゃん、火傷するからどいててくれ」


「ニャ~《分りました、今だとお湯の温度が高いんだな》」


ハリーさんの注意を受けて床に飛び降りる。


ロープを引くと鉄製の寸胴鍋が傾いていき、お湯が流しに注がれた、そのお湯が柱の入り口に吸い込まれた行く。湯気が沢山出ている、僕達が入る時には少し冷めていたんだな。


安全にお湯を注ぐ仕掛けをよく考えたな、寸胴鍋が重たいし熱いだろうから、この方法でしか安全を確保できないな、誰が考えたのかな。有名な建築家、お風呂屋さん、仕掛けの事なら任せて下さい屋さん、それのどれかだろう。仕掛け屋さんとかあったら面白いな、どんなアイデアがあるか聞いてみたいな。


僕は物作りのアイデアを考えるのが好きだ、でも、手先が器用でないので、アイデアが実現された事がない。


「お母さん~、レイを知らない、何処にもいない」


穴から声が聞こえてきた、ミヤちゃんだ。


「あら~、レイちゃんならここにいるわよ」


「直ぐに迎えに行くからそこに居るように言ってね」


「分かったわ~・・・・レイちゃん、ミヤが迎えに来るわよ、一緒にお風呂ね」


そうか、戦う時間が来たんだな。今日も水没しないで泳いでやるぞ。まだ負けた事がないのだ、メグちゃんも参戦して苦戦しているけど、僕の猫かき泳ぎはまだまだ進化するのだ。


「レイ、お風呂の時間だよ」


ミヤちゃんの走る速さが進化している、もう2階に着いたのか。



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