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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
67/521

ニャ~・・・67

寄り道は楽しいな、猫のスキップだ。


「ニャ~≪お財布さんの船の骨組みが少し増えている?≫」


学校の帰りに造船所の船がどうなっているのか気になったので見に来た。


どこの骨組みが増えたのか分からないけど、見た感じ増えたと思った。ただ、少し増えただけなので、大きい木が発見出来なくて、材料が足りないようだ。完成には後何年掛かるのかな。


作業している人がいるけど、どんな事をしているのかな。


邪魔にならない様に少し離れて作業員の手元を見ると、何か塗っている様だ。他の人はカンナ掛けをしている様だ、この大きい船を手作業か、材料が見つからなくてもやる事はいっぱいあるのかもしれないな。





「ニャ~≪ハマグリだ、沢山あるよ。去年よりあるかも≫」


「ブクブク」


ブクブクと聞こえて振り向くと大きいカニさんが、去年の夏に見た時よりも大きいカニさんだ。美味しくなんだよな。


相手の出方を見る為に少し距離を空ける様に後ずさる。すると、カニさんがお辞儀する様にしたら甲羅にあの月のマークが付いていた。


「ニャ~≪月のマークのカニさんだね、久しぶり、もう怒っていないよね≫」


1年近く前にあった時よりも大きい、成長期はいつまで続くんだ。


「ブクブク」


襲って来ないようなので、カニさんの大きさを確認する為に1周してみた、横にも縦にも大きくなってる。


「ニャ~≪成長期だね、ここで何しているの?≫」


「ブクブク」


会話は成立していないけど、話し掛けるとブクブクと何か言っているのかも。


何だろう、カニさんが砂の上にべったりと寝た? 腕立て伏せ? その状態で体を揺らしている。僕がカニさんが何をしているのかを考えていると、前進して来た。


「ニャ~≪突進攻撃か≫ニャンパラリン」


その場でジャンプをした後に、落下速度を落とす回転をして突進を避けたつもりの僕の下でカニさんは止まっていた。


カニさんは僕が甲羅の上に着地すると、目をグルグルと回して走り出した。


「ニャ~≪何がしたいの?≫」


「ブクブク」


走り出したカニさんの目が笑っている様に見える、楽しんでいる? まあ、様子見か。


なるほど、落ちない様に乗って遊ぶか、乗っていればいんだな。


「ニャ~≪行け~、カニさん~≫」


「ブクブク」


走り出したカニさんは海に帰って行った、僕はこの前の様に、カニさんが海底を歩いて行くのを眺めた。凄く綺麗な海だな。


「ニャ~≪何がしたかったの?≫」


大きい声で叫んでもカニさんには聞こえないだろうな。


そうだ、ミヤちゃん達にハマグリの事を教えないと。





「アカリ、沢山取れた?」


「バッグに一杯になったよ」


「レイちゃん、楽しそうだね」


「カニの友達が出来たのね」


「ニャ~≪カニさん、負けないぞ≫」


みんなでハマグリを取りに来た。砂浜に着くとカニさんがいたので、挨拶をすると昨日と同じ様にするので、おそるそる甲羅の上に乗った。


それからはカニさんがいろんな努力をして僕を落とそうとしていた、何とか落ちないで頑張っていると、フェイントを入れたりもするカニさん、バランスを崩したりもしたけど、まだ落ちていない。


「ブクブク」


「ニャ~≪さようなら≫」


カニさんがブクブクと言うと海に向かって海底を歩いて行った。落ちない遊びは終わった様だ。


「レイ、お昼を食べようよ」


「はいニャン」


みんなのバッグが一杯になったんだよな、カニさんと遊んでいる時に聞こえていた。


「メグちゃん、カステラだよ」


アカリちゃんが食べ物の入っているバッグからカステラを出して渡している。今日の為にランディさんが作ってくれた、約束を守ってくれている。


「ありがとう」


「ミヤも」


「ありがとう、ランディさんにお礼を言わないとね」


「そうだね、ちゃんとお礼は言うんだ。またよろしくお願いします」


「ミヤ、お昼食べたら、貝が入るね」


「そうだね、食べたらまた探そう」


「探そう」


「ニャ~≪まだ沢山拾えそうだね≫」


砂の上に置かれた布の上にある僕の塩漬けのお肉のみじん切りが少ない様だ。


もしかして、僕は太ってしまったのかな、お腹を触ってみても、今まで気にしていなかったので太ったか分からない。みんなに聞いてもいいけど、『ふ』が言えない。


猫もダイエットをするらしいから、僕もそうなんだな。


「食べ終ったわ、さあ、貝を鞄に一杯にするわよ」


「お母さんが喜ぶな」


「ジャンが喜ぶな」


今日は美味しいハマグリが食べられるな、貝はダイエットにはいいのかな。






「すまん、みんな」


「みんな、ごめんね」


リビングのテーブルで、ハリーさんとシンシアさんは二人に謝っている、お金の事だ。


「もうお金が無いの?」


「少しはあるけど、全然足りないんだ」


「パンのお金はサキが待ってくれると言ってくれたんだけど、支払ったの・・・・・・他の支払いのお金が工面出来ないのよ」


「仕入れて来た夏の洋服に沢山お金を使ってしまったんだ、洋服が売れても儲けが少ない」


あれ・・・・・・僕のご飯少ないのはお金が無いからなのか、良かった・・・・・・良くないよ、改善出来るのかな。


「節約をしないといけない、それに洋服を早く売らないといけない、レイちゃんに教えて貰った事は全てするつもりだ」


夕食が終わった後で良かった、ハマグリを気にしないで食べれた。


パンの支払い以外は・・・・・・全部なの? 凄い金額になるよ、あ・・・・・・春それは、税金を支払う時期だ、この世界も税金がある筈だけど、どうなっているのかな。税金無しはないよな、入国税とかありそうだから、街に税金を納めるシステムがあるよな普通は。


ここで確認してもいいのかな、雰囲気が悪いよな。


「お父さん、何を節約するの?」


ジャンはいなくて良かったな、シンシアさんとハリーさんの沈んだ顔を見なくて済んだ。


「身近なものでは、食べ物とお風呂だな」


「ええ、食べ物を節約するの」


「メグ、ごめんなさい、本当にお金がないのよ」


日々洋服が売れているけど、それでも足りないのか。今は借金があり過ぎてお金が残らない状態だ、支払いを待ってくれればいつか何とかなる可能性があるけど、洋服を売っても返さないといけないと、資金の無い状態が続く。負債の連鎖だ、資金が無ければ仕入れも出来ない、売る洋服が無くなる。


「父さんと母さんが何とかするから、少し我慢してくれ」


「ねえ二人とも頑張るから、少しの我慢よ」


「「は~い」」


「はいニャン」


「さあ、寝よう、明日も仕事だ」


「そうね、頑張るしかないのよ」


「おやすみ~」


「おやすみ~」


「お~す~」


「みんなおやすみ」


沈んでいるハリーさん達を残して、ミヤちゃん達とぞろぞろと歩いて部屋に向かった。






ジャンは楽しそうだ、棒倒しをしなくなったな。


「レイ、高く詰めたよ」


「ジャン、凄いニャン」


「凄いよ」


プレゼントの積み木は成功だった。最初だけしか遊ばないかと心配だったが、気に入ってくれた様だ。


ハリーさん達から経済状況を聞いてから、まだ2日後だ。僕のご飯はお皿に盛られているけど、一日2回にした、それもなるべく少ない量で我慢している。この努力が何の意味もないのは分かっている、それでも努力は大事だ。


「ジャン、お腹空いたニャン」


ソファーで寛いでいる僕は、暖炉の前で高く積み上げられた積み木を倒れない様に低くしているジャンに今の気持ちを伝えた。


「まだだよご飯は」


「はいニャン」


誕生日が来たジャンは2歳と50日位だろう、もう直ぐ夏になるからその位だろう。僕達皆がジャンが話せるように色々と会話をする様にしていたから、こんなに話せる様になったんだろう。


夕食はだいぶ先だろうな、みんながお昼を食べたのが1時間前位だ・・・・・・少し食べようかな、でもな・・・・・・決めた事だ、夕食まで我慢だ。


何かいい方法は無いのかな、宝くじに当たるとか、株で大儲け、FXで爆勝ち。FXは体験版をした事があるんだよな、おじいちゃんに頼んで体験版を登録して貰ったんだ。


最初の資金が500万円からで、面白いように増えたんだよな。2000万円を超えた時にミサイルが飛んできて300万円になった時はビックリしたな。あの国のミサイルの実験に反応した値動きが凄かった。


あれ、お金が減った話だなFXは、お金が増える方法は博打だ、ドラマなら競馬の1点買いで負ける・・・・・・・負ける話だ。


大儲けした話を聞いた事がなかったのか、ネットになら100万円が400万になったとか嘘ぽい広告がよくあったな。


「レイ、眠いよ」


「ジャン、ここに来て」


「は~い」


「ジャン、なでなで」


「レイ、なでなで」


色々と考えないといけないけど、眠いジャンと撫で合っていると僕も眠くなってきた。何かいい方法はないか・・・・・・。





「ミヤ、魔法が使えたよ」


「アカリ、おめでとう」


「アカリちゃん、おめでとう」


「ニャ~≪おめでとう、ニャンパラリン≫」


「ミヤ、メグちゃん、レイちゃん、ありがとう」


アカリちゃんにお祝いの言葉を言ってたので、的に飛んで行った火魔法をよく観察する・・・・・・覚えたては小さくて遅いのが普通なのかな。


「アカリが魔法を使えたぞ~」


「まあ、おめでとう、先生嬉しいわ」


「ほう、アカリちゃんがのう、おめでとう」


「おめでとう、俺も早く使える様になりたいぞ」


「みんな、頑張るのよ、使える人が増えてきたわよ」


「は~い」


「・・・オー」


「・・・フー」


みんなはお祝いの言葉を言って、自分の場所に戻って行った。魔法を使えるようになった人がこれで8人目だ。最初に覚えた人達も効果を強力にする為に頑張っている、魔力を強くする方法が先生方も分からないらしくて、練習するしかないと思われている。今のところ最初から魔力の強いと思われる効果が表れていない・・・・・・・みんな最初は、小さくて遅い。


「アカリ、どんな感じなの?」


「そうだよ、ちゃんと教えてよ、アカリちゃん?」


「そうね、手から何か出た感じよ」


「参考にならないよ」


「そうだよ、参考にならないよ」


「ニャ~≪参考にならないよ≫」


「レイちゃん、ありがとう」


アカリちゃんにお礼とお辞儀をされた、何の事だ。


「ニャ~≪何でお礼?≫」


「ミヤに聞いたよ、冬休みに頑張ってくれたんだってね」


「ニャ~≪皆の為と自分の為だよ≫」


「そこの四人、授業中よ、的に向かって唱えなさい」


「「「は~い」」」


「ニャ~≪は~い、僕も人数に入っているんだね≫」


メイガン先生に注意された、他の人達は的に向かって呪文を唱えている。魔法が使えない人は40人以上だ、その中にミヤちゃんとメグちゃん、それに僕が入っている、アカリちゃんは使える様になった。


「ニャ~≪ニャンパラリン≫・・・オー、ニャ~≪ニャンパラリン≫・・・フー、ニャ~≪ニャンパラリン≫・・・ヴォン」


あれ、ここまで話せる猫学生なら、みんなに秘密にする必要あるのかな。魔法の呪文だけは唱えられる猫学生・・・・・・説明に無理があるよな、みんなはこの矛盾に気が付かないのか? まあ、そのうち気が付くだろうね。


我が家が貧乏なのは分かるけど、みんなが不思議に思わない事が分からない。


魔法が使える猫になれるのかな。







「いただきます、アカリ」


「いただきます、アカリちゃん」


「いただきます、気にしないで」


「ニャ~≪僕はパンを食べません≫」


パンと塩漬けのお肉を持って来てくれたんだ、アカリちゃんの家からのお恵みだ。


「レイ、この位なら食べれるでしょう」


「ごめんね、きざんで来れば良かったね」


「アカリニャン、ありがとうニャン」


お昼の教室は静かだ、生徒さんはみんな帰った筈だ。この教室には僕達しかいない。


「レイ、あんまり喋らないでよ」


「ニャ~≪ハイニャン≫」


「レイちゃんが普通に話す時はもう直ぐだね」


「どうかな、レイちゃんはあんまり話さないんだよ」


「・・・・・レイも大変なのよ、話せない言葉もあるから、それで話さないのよ」


「そうなんだ」


塩漬けのお肉はみんな塩っぱいな、同じお店で買っているんだろうな。


「家は大丈夫なの?」


「大ピンチだよ、お金が無くて節約はしないといけないし、お菓子も食べれないしね」


「そうだよ、お菓子が食べれないんだよ、全然」


「ニャ~≪お腹空いた≫」


「二人は元気だけど、レイちゃんは疲れた顔をしているよ」


そうかな、猫の表情に疲れた顔があるのかな。


お金が無いのにハリーさん達が喧嘩しないのが救いだな。ドラマだと毎晩喧嘩になるんだよね、お酒を飲んだお父さんがみんなに絡むんだ『どうせ俺が悪いんだよ』と言って。


「レイ、そろそろいい案は無いの」


「そうだよ、いつもの様にいい案があると言ってよ、レイちゃん」


「いつもそうなの?」


「そうだよアカリちゃん、レイちゃんはいつもいい案が有るんだから」


「ニャ~≪いい案は有りません≫、無いニャン」


「ごちそうさま、レイ、無いニャンは禁止」


「そうだ、無いニャンは禁止だよ」


「ごちそうさま、レイちゃん、ミヤ達の為に何か考えてね」


「はいニャン、アカリニャン・・・・・・ごちそうさまニャン」


全部言える言葉だった。ごちそうさまか、いい言葉だな、お腹が一杯になったよ。


「おお、ごちそうさま、アカリちゃん」


「レイ、私達のお金は渡しちゃダメなのよね」


「はいニャン」


僕に視線を向けて確認する様に聞いて来た事に返事をした、少しだけ考えがある。


「ミヤ、お金を持っているの?」


「アカリちゃん、私達はお金持ちだよ、お金を節約中なのだ」


「レイが頑張ってくれたお金が沢山有るんだよ、でも、そのお金は使っちゃいけないんだって」


「そうなの、どうしてなの?」


「それはね、この問題を解決するのはお父さん達が頑張らないといけないからだと、レイちゃんが言ってるんだよ」


「レイは、貯めているお金を使えば今は助かるけど同じ事が起きる、もしお金を使うのなら増やす為に使わないと、貯めているお金も無くなるだけだと言うの、だから今は貯めているお金は使えないの」


「ニャ~≪ベッドの下に隠してあるお金はミヤちゃん達のだ、今回の事で分かったのは、失敗が2個有った事、1個はいつも通りのハリーさんの行動パターンで『レイ、トントンじゃないと分からないわよ』・・・・・・独り言を聞かれてしまったか『レイちゃん、トントンだよ』・・・・・・まあいいいか、たまには独り言もいいたくなる『レイちゃん、可愛いけど、何を言っているの?』・・・・・・独り言だから、分からなくていいんだよ≫」


「とりゃ~」


「ニャパラリン、ミヤ、ニャンパラリン、メグ、ニャンパラリン、アカリ、ニャ~≪危ないじゃないか≫」


「レイ、帰ったら、トントンよ」


「そうだ、トントンだ」


「そうなの? トントンだ」


「トントンニャン、ニャ~≪そうだな、今しないと間に合わないかも≫」


「トントンニャン」


「トントンニャン」


「トントンニャン」


みんなに真似されたぞ、トントンは言えたんだな。



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