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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
65/521

ニャ~・・・65

「レイ、会議なのね」


「おお、レイちゃんからの会議か」


「ニャ~≪お金貸して、ジャンのプレゼントを作るんだ≫」


「レイ、話しなさいよ」


「そうだよ、会話したいよ」


僕も会話がしたいのだが、まだ半分位の言葉しか発音が出来ない、魔法の練習で言える言葉は増えたけど、30日も言える他の言葉が増えなかった。


「ミヤちゃん大好き、メグちゃん大好き、ニャ~≪トントンでお願いします≫」


「はいはい、大好きよ」


「私も大好き」


「トントンがいいのね」


「はいニャン」


「板とペンだ」


ベッドの上でメグちゃんが板とペンを持って来てくれるのを待つ。


ジョンの誕生日は数日後だ、急がないと。


「レイちゃんいいよ」






「これは、何なのかな」


「何なのかな」


「ニャ~≪積み木だよ≫」


「出来たぞ、よく分からないが、頼まれた通りの形の筈だ」


木材を加工してくれる木材加工の工場に積み木の制作の依頼をした。


人間だった僕なら自分で作れたけど、今は猫なので、色々な形と大きさを作って貰った。子供が遊ぶのに丁度いい大きさに出来ているのが嬉しい、説明も出来ないし、作っている時に横で騒ぐのも悪いので、ミヤちゃん達に説明は任せた。四角・三角・円柱・木のボールの図面だ、大きさは子供が手に持てるサイズにして貰った。


「おじさん、ありがとう」


「おう、同じ物ならいつでも作れるからな」


「じゃあね」


「ニャ~≪ありがとう≫」


ジャンのプレゼントが出来た。





「お姉ちゃん、ありがとう、レイ、ありがとう」


暖炉の前に転がっている積み木を並べたり倒したりしてジャンは遊んでいる。


重ねられた積み木は家に見える、ただ高く崩れないように積んでいくもの楽しいのだろう、大人になると分からなくなるけど、子供には凄く楽しい筈だ。


新しいおもちゃを貰ってジャンは大はしゃぎだ。


「お姉ちゃん、どいて」


「お姉ちゃんも遊びたいよ」


「そうだよ、一緒に遊ばしてよ」


「何だ、あげたプレゼントの取り合いか、面白いのか」


「面白い」


「面白いんだよ」


「パパ、高くなったよ」


喜んで貰えて良かった、おもちゃも気に入らない場合があるからな、お人形がいい例だな男の子でも喜ぶ子がいる。


「ニャ~≪楽しいのかな、僕も昔はしたのかな≫」





「レイ、学校に行く時間よ」


「起きろ、レイちゃん」


「ニャ~≪バッグに入れて行って下さい≫」


猫学生は前日の夜にジャンと遊んでいてあんまり寝ていなんだ。


二人は僕を起こすと朝食を食べに行った。


今日は学校のある日か、急ごう学生は遅刻してはいけない。





「レイちゃん、リュックに干し肉が入れてあるわよ、誰かに出して貰うのよ」


「はいニャン」


猫学生は、授業を受ける事を許されたのだ。邪魔しなければ。


ライラ先生の問題を僕なりに解決したら『頑張ってくれたのね、魔法の授業に出ていいわ』とメイガン先生から授業に出る許可が貰えた。まだ、解決したわけではないけどご褒美だ。


他の先生方も、魔法の練習を210回分も頑張ったので、許可を出してくれた様だ。


猫学生は、正式な学生になった。


お昼持参なのは、食べた後にのんびりと家に帰れるからだ、ミヤちゃん達もお昼を持参する事がある。


「レイ、学校、頑張る」


「ジャン、ありがとう」


ジャンは仕事と学校はしないといけない事だとシンシアさんに教えられて、寂しくても納得しているようだ。ハリーさんはジャンの誕生日が終わると早めに仕入れに向かった。





「レイちゃんに負けないように頑張るんだ」


「は~い」


今日の最初の授業は体育と剣術だ。


短い脚を一生懸命に動かして先頭を走っている僕に、負けまいとロバート先生が追いかけて来る、その後に同級生のみんながぞろぞろと付いてくる。


ミヤちゃん達はベントン先生の天気予報の授業を受けている。


「ニャ~≪疲れたら休んだ方がいいよ≫」


疲れた人から校庭の真ん中に向かい休む、その近くでは剣術の授業が行われている。体育と剣術の授業が合同になったのだ。


僕は何も言っていないので、先生方が『走るだけだと、大変なのか』『剣の練習の番が来ない人が暇だな』と考えたのかもしれない。


「レイちゃん、剣術の避ける練習をしないか~?」


「ニャ~≪何で僕?≫」


何で僕としたいんだ? 剣の避ける練習? どんな事をするつもりなんだ。


「ミヤちゃんに聞いたんだ、本気で攻撃しても当たらないと」


校庭を走っている僕は考える、ミヤちゃんは本気で攻撃していたのかと、まあ、当たらければ痛くないのでいいか。


「ニャ~≪大人の剣を避けるぞ≫」


「やる気になってくれたか、こい全力攻撃だ」


まだ到着してないのにな、その攻撃を避けてやる、負けないぞ。





「疲れた、猫の動きは速いんだな」


「何をしたんですか?」


「レイちゃんが剣を避ける役で、俺が本気で攻撃したんです」


猫学生の僕は、職員室で休憩中だ。


「可哀そうじゃないですか」


「それが、パール先生の攻撃が当たらないんだよ、クルクルと回転して避けたり、飛んで避けるんだ」


「そうなんですよ、今度こそ当たると思っても、そこにレイちゃんはいないんですよ。小さいから攻撃しにくいけど、当たりやすい様にしてくれているのに全然ダメでした」


「ニャ~≪地面に居るだけだと先生が大変でしょう、だからジャンプしたり立って逃げたりしたんだよ≫」


「レイちゃん、聞いて下さい、遂に魔法を使える様になったんですよ、生徒さんは大喜びでした、他の生徒さんも頑張ると言っていました」


ライラ先生が嬉しそうだ、職員室の入り口で僕に報告をしてくれた。


「そうなんじゃ、いや~、嬉しい」


「ええ、私も学生の時の事を思い出しました、何人も魔法を使える様になっているのに自分が駄目だった時の事を」


魔法の授業も合同でする様になったんだな。


「レイちゃんが、今までの授業の事は秘密にしろと言ったのが分かりましたよ。休み明けに正直に謝ったら、私達の気持ちは楽になったかもしれませんけど、魔法の授業を真剣に取り組めなくなる生徒さんが沢山いたかもしれません」


「確か、今は沈んで後ではねる、沈んでいたのが冬の前の授業、春ははねる授業、その結果が早く出たんじゃ」


「ニャ~≪すいません、それは鳥さんの羽ばたく時の事ですね≫」


誰かの受け入りだ。やる気がなくなる真実なら、今は伝えない方がいいと思った。そして、謝る時は全力で謝る、それしかないと僕は思う。中には事実を知った方がいい人もいるだろうけど、ごめんなさい、後で先生方が謝ります。


苦しむのは猫学生一人でいいんだ、210回分の時間は凄い時間になる、学生の中にミヤちゃん達がいるんだから頑張れた。出来れば全ての魔法を唱えてみたかったけど、ライラ先生の頼みを優先させた。


いいのだ、猫学生はもう隠れて授業を受けなくていいのだ、好きな授業に出れるんだ。


「先生、レイちゃんいますか?」


「ここにいるよ」


「ニャ~≪メグちゃんだ、どうしたんだ≫」






「お手」


「ニャ~≪犬にしなよ≫」


まあ、1回位はいいか。


「座り~」


「ニャ~≪もう座っているよ≫」


「お代わり」


「ニャ~≪お代わりて何だろう≫」


この少年はリロイ、金髪の長身の11歳らしい。


「いいよな、俺も動物を飼いたいよ。どうなんだ、一緒に寝たり出来るのか?」


「う・・・・・・ん、毎日寝てるよ、ふかふかで暖かいよ」


「いいな、このフカフカがたまらん、気持ちいいな」


「そうでしょう、気持ちいいんだ。首に巻くと更に気持ちいいんだよ」


メグちゃんは甘いトマトを食べ終わったようだ。呼び出されたのは、触りたい人がいたからだ。お礼は甘いトマト。


ここにミヤちゃんがいないのはお礼が野菜だからだ。


「また触らせくれよ、トマトを持って来るから」


「うん、甘くないとダメだよ」


「分かったよ、メグちゃんも授業だぞ」


「そうだ、レイちゃん行くよ」


「ニャ~≪授業だ≫」





「さあ、色々な種類を唱えて下さい」


メイガン先生は大声で授業をしている。


春の中頃だろうか、校庭にある魔法の的が増築された。


魔法が使える生徒はまだ一人だけ、的に向かって全員が並んで練習が出来る様になった。


「ニャ~、・・・フー、ニャ~・・・オー、ニャ~・・・グラソン、ニャ~、・・・ルミエール」


僕は連続で違う攻撃魔法を唱えた、魔法と魔法の間には精神集中をしている。


「ミヤ、レイちゃんは何で回転して魔法の練習を?」


「ああ、レイは回転するのが好きなのよ」


「アカリちゃん、普通に魔法を使えるのと、回転して魔法を使えるのだと、どちらがいい?」


「その、先ずは使える様になってからの方がいい様な、その後でも回転はいいんじゃないの」


「そうだね、頑張らないと・・・フー・・・オー・・・オー」


メグちゃんも頑張っているな、僕も頑張るぞ。


「やった~、魔法が使えた」


「凄い、リロイが使えたぞ」


凄いぞ、生徒さんが魔法を使える様になった。


「いいな」


「まあ、魔法が使えたのね、おめでとう」


「やれば出来るのね、私も」


「おめでとう、先生も嬉しいわ」


長身のリロイ君の所にみんなが集まって行く、背中を叩く友達、胸を叩く友達、皆嬉しそうだ。ミヤちゃん達もお祝いの言葉を言っている。勿論、背中をバンバンと叩いている。


「リロイ、魔法を見せてくれよ」


「おお、見ていろ・・・オー」


危ないと思って的の方向にいた人が横に移動すると直ぐに水魔法が唱えられた。その水魔法の大きさは握り拳位だ、のんびりと的に向かって進んでいる・・・飛んでいるようには見えない、浮いていて動いている感じだ、シンシアさんのお父さんのライナーさんの水魔法より大きいな。


「いいな、俺も早く使える様になりたいな」


リロイ君の水魔法をみんなで追いかけている・・・一緒に移動して魔法を観察している。


練習を重ねないと速くならないのかな。


「的に当たるぞ」


「やっと当たるのか」


ここからだと当たるところが見えないな。いいのだ、見本は沢山見た、練習あるのみ。


「・・・フー・・・使えた、小さいけど飛んでる、やった~」


おお、皆が集まっている所に行かないで、練習していた女の子が火魔法が使えた。


「まあ、シモーネ、おめでとう、遂にやったわね」


「はい、皆どいて危ないよ」


「当たらないよ」


「遅すぎだよ」


火魔法が使えた女の子は・・・年長さんだな、もう大人の女性の様に背も高いし大人びて見える。もしかして一番年上かも。


「みんな頑張りましょう、色々な種類を唱えましょう」


ランラ先生の号令で的の近くまで行っていた人達が戻ってくる。みんな楽しそうだ、ライラ先生も楽しそうだ。





「レイちゃん、やるぞ」


「ニャ~《お願いします》」


今日の授業は終わった、今日も魔法が使えなかったけど、使える様になるかは微妙だと思っている。みんなよりは練習をしているけど、猫が魔法を使えるかが、誰にも分からないし、ジョンさん達が魔法の練習をして使える様になっているとは思えない。


「干し肉のみじん切りか、いつも同じだな」


「ニャ~《先生達も同じメニューでしょう》」


最近はリュックを外して貰うよりも逆さにされて、お昼の食べ物を出してもらっている。食べ終わった時に近くに誰もいないと背負えないからだ。猫学生はリュックを外さないで授業を受けて、お昼の時も外さないのだ。


「レイちゃん、俺は帰るよ。家でお昼だ」


職員室でお昼を食べる様になってだいぶ経つ、今は誰もいないけど、先生の誰かが残っている。


「ニャ~≪あれ、何か匂うな?≫」


何の匂いかな、僕の干し肉の匂いは乾燥して肉の風味・・・・・・臭みが少し減った肉の匂い。この匂いは何かな。


気になって職員室の机の上から降りて廊下に出る、人影のない廊下はシーンとしている感じだ。職員室の入口の前からは校庭が見えない。匂いは職員室の前から奥の方と校舎の出口の方にあるようだ。


校庭よりも廊下の奥の方が気になって、奥に行く事にした。


「ニャ~≪匂いが強くなってきた≫」


久しぶりに猫らしく匂いを嗅いで、匂いの元の方に向かって行く。


この学校で唯一ドアのある部屋の前に来た、どうやら、この中が怪しい。


顔をだけを出して中を覗く、狭い部屋には誰もいないな。


僕の視界には誰もいない部屋、机と椅子、奥に棚が置いて有るけだけの部屋。初めて来た時と何も変わらないな。


匂いに誘われて机に近ずく、どうやら机の上で何かの食べ物の匂いがする。


ギィ~バタンと音が聞こえて振り返ると。


「ニャ~≪ドアが閉まっているよ、何で閉まったんだ≫」


この部屋には窓が無い、風で閉まったわけではない様だ。暗くなった部屋はとても怖い。





「ニャ~≪誰もいない学校、誰が閉めたか分からないドア、お腹が空いたけどここには無い、何で食べてからここに来なかったんだ僕は≫」


歌う様に今の状況を猫語で言ってみた。


真っ暗だよ、猫の目も真っ暗だと何も見えないよ。





「ニャ~≪起きても状況は変わってなかったよ≫」


どのくらい寝たかな、お腹が空いても寝れるんだな。


ああ、学校は次の日休みだよ。今は次の日かな。




「ニャ~≪お腹が空いたよ≫」


お腹が空きすぎて寝れないよ、それともね過ぎで寝れないのかな。





「ニャ~≪あの匂いはスープの匂いだったよ、香辛料が多く使われていたんだな≫」


ああ、初めて嗅ぐ匂いに釣られたのがいけなかったな。





「ニャ~≪何日経ちましたか?寝るだけしか出来ないのは辛いな≫」


ドアに耳を付けて何か音がしないか確認するのも飽きた。学校はいつになったら登校日になるんだ。






「あれ、貴方誰?、ここは私の部屋よ」


僕を見る様に屈んだ女の子はミヤちゃん達位かな、金色の髪で目が青い・・・・・・この世界だと何処にでもいる髪の色と目の色だな。美少女だな、アカリちゃんも美少女だけど、目の前の女の子はお嬢様かも、洋服の生地の色が何種類も使われている。単色だと一般的な洋服でミヤちゃん達が着ているのが少し高価な洋服だと思う。この女の子の洋服はとても高そうだ。


「ニャ~≪レイです、猫ですよ≫」


「小さい猫だ、可愛いな・・・・・・どうしたの家に帰らないの?」


「ニャ~≪そうだった、家に帰らないと≫」


「じゃあね、猫ちゃん」


あれ、ドアを開けてくれたのかな、それとも追い出された。


ああ、自分で部屋から出たから、外に出れただけだな。


そうだ、僕のお昼はどおなったかな。


急いで職員室の机に飛び乗る、あれ、僕のお昼が無くなっている・・・・・・・一欠けらがポツンと、食い残しみたいだな。


「ニャ~≪急がないと、今度は校舎のドアが閉められちうかも≫」





「レイちゃん、朝帰り?」


「はいニャン?」


家に向かっている時に見た街は朝の風景だった。


暖炉の横でお腹を満たしているとシンシアさんが朝食の用意にリビングに降りて来たようだ。


テーブルにお皿と料理を並べるシンシアさんは普通だ、僕が何日もいなかったような感じに見えない。僕がいなかったのは丸一日だけ? 朝学校に行って、朝学校から帰って来ただけ? あの部屋にいたのは、昨日のお昼から今日の朝なのかな。


「ニャ~≪ごちそうさま≫」


次の日なら今日は授業の無い日だな、部屋でのんびりしよう。


「レイ、何処に行っていたのよ、心配したのよ」


「そうだよ、横で寝てくれないと寂しいよ」


珍しく早起きな二人にビックリしたけど、心配してくてたんだ。


「レイ、ここに来て」


「そうだよ、一緒に寝よう」


ミヤちゃん達にベッドに来る様に言われたので、二人の間に入る。


「ニャ~≪ただいま≫」


「すべすべね」


「ふかふかだね」


二人が撫でてくれるので気持ちいい。


「スー」


「スー」


あれ、二人が寝たぞ、起きていてくれたのかな。


「ニャ~≪おやすみ≫」


僕は眠くないけど、ここにいるよ。ミヤちゃん、メグちゃん、おやすみ。



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