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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
63/521

ニャ~・・・63

「授業を始めます」


「ニャ~≪お願いします≫」


「魔法は誰でも使えるのか、特定の何かがある人が使えるのか、その辺の事は分かっていません、それはこの国の常識です。どうして使えるのかは永遠に分からないままかも、ここまでは分かりましたか?」


「ニャ~≪分かりました≫」


ミヤちゃんには、話すのを禁止されているので、ニャ~と頷く事で授業を受ける様に言われている。


「頷いてくれるんだ」


猫学生は、全ての次元の世界で初の躾以外の家庭教師による個人授業を受けている。


ライラ先生が来た日の数日後に、初めての授業を受けている。最初の授業はメイガン先生だ、先生はオレンジ色の髪の女性で攻撃魔法を生徒に教えている。


先ずは魔法がどの様に認識されているか、魔法の使い手の話、魔法の種類を話してくれた。


「次は魔法の練習です。先ずは先生がお手本を見せます・・・オー、どうですか、よく見えましたか?」


「ニャ~≪はい、手から水が出ました≫」


家の屋上でメイガン先生に抱かれて魔法の授業を受けている、僕を抱いた状態で魔法を使って見せてくれた。家の中で魔法を使って万一の事が起きると困るので屋上で練習する事になった。


寒いので抱いて貰えて少しは暖かい。


「レイちゃん、魔法の練習をしてみて下さい」


「ニャ~≪頑張ります・・・手から水が出るイメージで≫、・・・オー」


「凄い、魔法を唱えた」


手から魔法が出なかった。勉強して魔法を唱えられる設定にしてあるから、先生に魔法を唱える様に言われたら、従う事になっている。


「もう一度・・・オー、・・・レイちゃんの番です」


先生の手から水が出た、簡単に出来るんだな。よし僕も。


「・・・オー、ニャ~≪またダメだった≫」


「ダメね、難しいのかしら」


この後も水魔法の練習をしたけど、一度も魔法を使う事が出来なかった。






「釣りは面白いぞ、見えている獲物はまず釣れない・・・・・・・・」


「ニャ~≪釣りの話は禁止でしたよ≫」


「ダメなのか、少し位はよいではないか・・・釣りは分かるか・・・そうか分かってくれているのだな」


「ニャ~≪ロイ先生は、何の担当ですか?≫」


「仕方ないのう、何の授業にするか、計算と国語は教えなくていいと、剣は持てない、体力はロバート先生に任せて、街の外の危険については外に出なければいいので必要なしじゃ、残っているのは魔法か、基本はメイガン先生が話した筈だな、そうか、魔法の練習にしよう、どうじゃ、それでいいか?」


「ニャ~≪それがいい・・・それが目的だったよ≫」


ロイ先生のペースでつい、目的の魔法を使える様になる事を忘れそうになるよ。


「そうか、頷いてくたのなら、確か屋上ですればよいのだな、では、屋上に」


我が家の4階の臨時教室から屋上に行く事になった、外は寒いんだよな。


外に犬の洋服で出るのは初めてだな、ジェシカさんが作ってくれてた洋服が外で寒くないと良いな。






全然寒くない、生地を厚くしてくれたんだ。そうか、お揃いのジャンも暖かいんだな。


「レイちゃん、見ておれ・・・ルミエール」


おお、手から出た光が空に吸い込まれるように消えた。


「ニャ~≪もしや、光の魔法、どんな効果があるのかな≫」


「どうだ、光が飛んで行った、物にぶつかると消えてしまうのじゃ、効果を見るのには空に向けた方がいい、さあ、やってみよう」


ロイ先生がした様に、手を空に向ける、行くぞ、光の魔法。


「ニャ~≪行きます≫・・・ルミエール」


空に飛んで行く光が無い、僕の手から何も出ていなかったな。


「駄目じゃ、唱えた後に手を自分に向けては、魔法の発動が遅い時がある、気を付けるように」


危険な行為として最初に教えて欲しいよ・・・・・・花火のあれだ、どうしたんだ、火が付いていないのか、上から覗き込んで・・・・・・ドラゴンが後から火を噴いたのと同じなんだな。いや、あれよりもはるかに危険だ。


「ニャ~≪ごめんなさい、以後気を付けます≫」


「うん、反省も大事だ、もう一度魔法を唱えてみよう」


「ニャ~≪は~い≫・・・ルミエール」


「駄目な様じゃな、さあ、続けるのだ、レイちゃん」


「ニャ~≪はい≫・・・ルミエール」


僕は頑張った、でも、魔法を使う事が出来なかった。





ライラ先生の授業は速く走る魔法だった。木の上で受けた授業の時に見た、生徒さんと同じ様に足に向けて唱えて、家の屋上を走り回った。


「レイちゃん、足が速いんですね、羨ましいです。どうしたら早く走れるのかしら」


僕は思った、ライラ先生なら魔法で何とかなるんじゃないのかと、それとも素で速くなりたいのか、いい先生を紹介出来るけど、ライラ先生はそのままでいいよな気がする。


「ニャ~≪諦めましょう、それよりも魔法の練習です≫・・・ピエ・ラピッド」


「手から魔法が出ていませんね」


「ニャ~≪先生に判断して貰えば、走らなくてもいんだ≫」


走らなくてもいいと気が付いたけど、ライラ先生に伝えるすべがない、そうだよ、体力作りも出来るからこのまま魔法の練習をしよう。


頑張った僕は疲れたので、お昼を食べに行く事にした。どうやら、魔法を使える様になるのは大変みたいだ。







「腰を強くじゃ・・・何と、痛みが少し和らいだ」


「ニャ~≪お年寄りなんだから、少し控えた方がいいよ≫」


猫学生が真面目に魔法の練習をしていると『こうして、手を振ると遠くまで届くんじゃ』と投げ釣りのコツを横で見せてくれていた。


隣の釣り好きのおじいちゃんは腰を痛めたようで『むむむ』と苦しんだので、マッサージを屋上でしている。寒くないのかな。


「悪いのう、そろそろ授業に戻ってくれ、もう大丈夫だ」


「ニャ~≪もう、釣りはいいからね≫」


あげていた洋服を降ろすのを見届けて、魔法の練習に戻る。


「・・・ルミエール」


早く使える様にならないかな、もう何日授業を受けているか分からないよ。





「作りたてのお菓子は美味しいな」


「そうだろ・・・はいお釣り」


「この甘さがいいよ」


「良く分かるな・・・毎度どうも」


おじさんは接客をしながらミヤちゃん達と会話している。


「ニャ~≪作り立てが、冷えた串焼きも美味しいよ≫」


久しぶりの休日だ。先生達は2週間位・・・14日位毎日授業をしてくれた。朝からお昼までが授業の時間で、お昼には帰っていた。


ロイ先生にマッサージをしたのがきっかけになって、ライラ先生達は授業が終わるとマッサージを受けて帰った、一日ひとり限定だ。マッサージを受ける人が最後の授業する事になった。


「先生達がマッサージを受けてくれたからお菓子が食べれるね」


「そうよね、先生達のお陰よね」


「ニャ~≪プレゼントのお菓子は食べ終わったんだね≫」


串焼きニャン、冷めて美味しいニャン。


「レイは、明日からまた魔法の授業ね」


「ハイニャン、ニャ~≪また、魔法の授業だ≫」


毎日来ていた先生方から2日休んで様子を見ようと言われた。


「レイ、頑張ってね、私達も覚えたいから」


「そうだよ、先生の為、私達の為に頑張ってね、レイちゃん」


「ハイニャン」


そうだ・・・先生達の為にも頑張ろう。





「レイ、ゴロゴロ避けて」


「ハイニャン」


「ゴロゴロ」


ジャンは動く物に当てる楽しみを覚えてしまった。


「痛いぞ、棒に当たんなかったのか?」


「ハイニャン」


棒に当たらなかった、当てるつもりがジャンにない。ハリーさんは台所に向かう途中で幸せに当たった。


「レイ、ゴロゴロ返して」


「ゴロゴロ」


ゴロゴロをジャンに返す。


「ゴロゴロ」


ひょいと避ければ、痛くない。


「痛いぞ、また、棒に当たらなかったのか」


「ジャン、ゴロゴロ」


ハリーさんの近くに落ちている石球をジャンに返した。


「レイちゃん、ジャンの誕生日が近いけどプレゼントを用意するの?」


難しい事を聞いてきたな、猫学生は忙しくて、ジャンの誕生日の事を忘れていた。最近は誰にも品物で・・・最初からあげていない。何かしてあげたいけど、今から間に合う何かをあげる事が出来るのかな。


「考えて・ニャン」


「そう、考えてるニャンなのね」


「ハイニャン」


「無理しなくていいからね、でも、楽しみよね」


シンシアさんはどこかに行ってしまった。


「レイ、お菓子貰って来たよ」


「レイちゃんのお陰だよ」


「ハイニャン」


ランディさんが作ってくれたんだな、頼めば食べれるなんて幸せだな。


「そうだ、レイにお菓子の名前を付けてと言っていたわよ」


「そうだね、どんな名前になるのかな」


色々と忙しいので、カステラでいいかな。本家に無断で名前をお借りしよう。





「グスン、レイちゃん、魔法を使える様にならなかったのね」


「ニャ~≪すいません、最後までダメな猫学生で≫」


ジャンをおんぶしたシンシアさんが、お昼の時間だと教えてくれた。


僕も残念だ、猫学生から魔法猫・・・猫魔法・・・魔法の使える猫になれると思っていたのに最後の授業が終わっても覚える事が出来なかった。


「休みが終わってしまうのね、どうすればいいのか分からないままなのね」


「ニャ~≪ごめんなさい、最初から問題点は分かっていたんだけど言えませんでした≫」


そう、猫学生は、この機会に魔法をマスターしようと目論んでいた、だって初日に気が付いたのを教えたら家庭教師をして貰えないので、魔法が使える様になったら教えようと思っていた。


受験生なら誰でも気が付く事でも、この世界の先生は気が付かなかったのかも。それに学校に通っていい期間が長いので、先生も学生さんも本気だけどまだまだ時間があると思って、次こそ生徒さんが魔法が使える様に教えよう、次の授業こそ使える様になるんだと、先生も生徒さんも毎回思ったは筈だ。それはとてもいい事だ、ただ先生達の教え方に問題があった。


気が付いた僕は授業の無い時も港で練習をした、寒いのを我慢して毎日先生の教えてくれた魔法を唱えた。


猫学生は、全てを出し切って・・・魔法が使えないのが分かった。


「どうすればいいの、誰も使える様にならないの、皆の努力が報われません」


こんな時は肩を叩いて慰めたらいいんだろうけど、ライラ先生の手の上で気持ち良さそうしていた僕はお辞儀して謝るしかない。そして、問題点を。


「ニャ~≪お教えします、先生方の悪かったところを≫」



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