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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
58/521

ニャ~・・・58

「レイ、私にいい案は無し」


「レイちゃん、私にいい案は無し」


「ミヤ、メグ、ニャ~≪いい案無し≫」


「レイ、そこはあるじゃないと困るのよ」


「そうだよ、学校で忙しいんだから」


学校には、行きと帰りで2時間位掛かってしまう、とても忙しい。


二人は授業の内容にもよるけど、行かなくていいレベルの筈。アカリちゃんもしっかりしているし、文字もちゃんと分かる、常識も1回聞けば分かるだろう、魔法と剣の授業を受けに行っているようなものだ。


同じように学校に行っていたけど、そんなに難しい授業はない。


「仕方ないわね、横になって考えよう」


「それがいい、今日は疲れた」


「ニャ~≪ベッドの上なので、寝ちゃうね≫」


僕は部屋のベッドの上でどうしたら在庫を売れるか考える、今までしてきた事で、何か洋服を売る事につながる事はないのかと、新しく出来る事は無いのかと考える。


今までしてきた事の応用とかは無いのかな、僕が一番しているのがマッサージだ。ミヤちゃん達の誕生日が近いのでそのうちに始める。


なるほど、微々たる事かもしれないけど、始めよう。良いアイデアはないけど、いつもと同じだ。






「いらしゃいませ」


「レイちゃんの家は洋服屋さんだったのね、沢山飾ってあるわね」


「ニャ~≪いらっしゃい、予約ですか?≫」


「ふふ、今日もふかふかね、予約はこちらでいいのかしら?」


「はい、いつもありがとうございます。お昼前、お昼の後の直ぐ、お昼の少し後、夕方、何日か後などご希望を教えて下さい」


「そうね、3日後の朝一番がいいわね、丁度暇なのよ、これでいいかしら?」


「はい、3日後の朝一番ですね、お待ちしています」


「ニャ~≪待っています≫」


「よろしくね」


「ありがとうございます」


マッサージの常連さんは、カウンターの上の予約帳に予約をして帰って行った。


「シンシアさん、レイちゃんのマッサージの予約なんですね?」


「そうなのよ、ミヤ達がお金を稼いでいたけど、こんなにマッサージをしていたなんて知らなかったわ」


「贈り物の代金を稼いでいたのはレイちゃんだったんだ」


「ニャ~≪そうかもしれませんね≫」


「ところで、そのマッサージの予約を何でシンシアさんがしているんですか?」


「さあ? ミヤ達が学校で出来ないからと代わりにして欲しいと言ってきたのよ、簡単だし常連さんが一杯いるから大丈夫だと言っていたけど本当だったのね」


お店の中には午前中の早い時間なので、お客さんはいない。


外の看板は二種類で『マッサージの予約はお店の店内に1階です』は、常連さんが間違わない様にする為、『マッサージの予約受付中、気軽にお入り下さい』は常連さんと新規さんにお店に入って貰う為に置いた。


予約が少し埋まってきたな、今回は期間が長いので、お客さんが多いかもしれないな。


「マッサージの予約はここでいいのかしら、二人分だけどいいのよね」


「はい、どうぞこちらに」






「美味しい」


「よく噛んで食べてね」


「は~い」


「お母さん、少しは売れだしたの?」


「売れているわ、マッサージのお客さんが見て行ってくれるのよ、その中の数人が買ってくれたわね」


「良かった」


「ニャ~≪少しでも売れて良かった≫」


ハリーさんのテーブルで僕が夕食を食べているのは、会話に参加しているのに暖炉の前から聞こえない時に移動するのが面倒だからだ。


「ハリーはどこに仕入れに行ったのかしら、まだ、帰って来るには早すぎるわね」


「もしかしたらいつもより早く帰って来るかもよ」


「あらどうして?」


「だって、去年は遠くまで行ったんでしょう、お父さんが同じ街に行かないのなら近い街に行っているんだよ、去年より遠かったら、今年も冬に帰って来れないよ」


そうか、ミヤちゃんの言う通りだな。去年よりも遠かったら・・・・・・春に帰って来そうだ、怒られた時の街と違う街に行っているなら、早く帰って来る可能性の方が高い。しかし、ハリーさんの行動は予想が付かないからな、どうなんだろう。


「レイちゃん、他に売れるようになる案はないの?」


「はいニャン、ニャ~≪頑張って考えてます≫」


「そうないのね」


「大丈夫だよ、レイは考えてくれている、今はいい案がないだけなのよね」


「はいニャン、ニャ~≪浅知恵をフル回転中です、元の世界の事を思い出して考えています≫」


「レイちゃんが、まだまだ考え中と言っているよ、もう直ぐなんだよ」


「レイ、頑張る」


「ジャン、良い子」


「レイちゃんに褒められたわね、ジャンは良い子よ」


「レイ、私はいい子?」


「ミヤ、良い子」


「レイちゃん私は?」


「メグ、良い子」


「レイちゃん、私はどうかな?」


「シンシア、良い子」


「夕食が終わったらみんなで寝ましょうね、いいでしょう」


「賛成~」


「久しぶりだ、お母さんと寝るのは」


少し元気になったシンシアさん。


夕食を食べ終わったみんなはシンシアさんの部屋に集まった。


「みんな寝たのね、レイちゃんは起きているわよね」


僕も寝ていたけど、揺らされたら起きるよ。


「ニャ~≪おやすみなさい≫」


「マッサージをお願いよ、凄く疲れているおよ」


「ニャ~≪5人のお客さんが来て疲れてます、寝ましょう≫」


「準備出来たわよ」


やる気満々のシンシアさんを止めるのは無理だ、マッサージをしよう、シンシアさんが寝るのが早いか、僕が寝るのが早いかどちらだろう。






学校はお休みする事にした。正規の生徒ではないので誰にも報告しなくていいの。異世界の学校は、少し面白い授業だった、部屋に隠れてランダムに受けるのも面白かった。最後に行った日にはロバート先生に見つかってしまったけど、いつかまた通うつもりだ。


「レイちゃん、毎日ご苦労様、お昼に行って来ます」


「はいニャン」


交代でお昼を食べるナタリーさんは僕を撫でてお昼に向かった。


「レイちゃん、今年も作っているからね。少し変わっているけど、暖かい筈よ」


「どんなのか楽しみね」


「レイ、頭に乗って」


「はいニャン」


この頃のジャンは歩くのは完璧で、頭に乗せて歩くのがお気に入りだ。階段の上り下りは危ない感じだけど、一人でなんとかなっている。


僕が乗ると手を添えて落ちないように僕の場所をずらしてバランスよく乗せる。


「レイ、落ちたらだめだよ」


「はいニャン」


ジャンも大きくなって、悪戯をしないから店内を自由に歩き回っている。


「ハリーさんはどうしたんですかね、遅くはないですけどどこの街に行っていると思います?」


「そうね、去年は王都の隣で凄く遠かったのよね、反省して近場だと海沿いの南東のオラギニア・・・・・・近すぎるわね、オラギニアの更に南東のサーシャルト当たりかしらね」


「サーシャルトも海沿いで、早く帰って来れそうですね」


「そうだと嬉しいわね」


「ママ、パパはお仕事?」


「そう、お仕事よ」


砂浜の南には門があるだろうから、そこから南東で2個目の街に行っている可能性があるのか。


「こんにちは~、レイちゃんいますか?」


「はい、うちの子の頭の上に」


「それでは、シンシアさんですか、私はローラと言います、いつもマッサージをして貰っています」


「ああ、それでは、チョコを下さっているお嬢さんですね、いつも高価なお菓子を頂いて、ありがとうございます」


「いいんですよ、お父様が買って来てくれるんです。お父様のお財布を拾って貰った事があって、届けてくれたんです。お父様はその時のお礼も兼ねてチョコを買って来ているんです」


「そうだったんですか、ミヤ達がお財布を」


「いえ、レイちゃんが拾って届けてくれたんですよ」


「ニャ~《こんにちは、マッサージですか?》」


「ジャンちゃん、こんにちは、レイちゃんもこんにちは」


「お姉ちゃん、こんにちは」


凄いな、ジャンは挨拶を返す事が自然に出来るようになったんだな。


「それで、マッサージは出来ますか?」


「はいニャン、ニャ~《では、4階に来てください》」


ローラさんは、予約を入れていない、でも、今の時間は予約が入っていないので良かった。


「レイ、お仕事」


「レイちゃんは、お仕事よ。ママと遊ぼうね」


「は~い」


ジャンの頭から降りて、倉庫から階段に向かう時にシンシアさんとジャンの話が聞こえた。ジャンの返事は素直でいいな。







「レイちゃん、ここにチョコを置いとくわね」


「はいニャン、ニャ~《ありがとう、二人が喜ぶよ》」


「さあ、一緒にお店に行きましょうね」


4階の部屋の机に料金とチョコを置いてローラさんとお店に向かう。今回は予約の時だけ4階に行かないで済む、当日は今まで通りに4階に来た貰う。どちらもお店に入らないと出来な事だ。


お店の中に入って貰う回数を増やす作戦だ。もしかしたら作戦と名付けよう。


「ニャ~《今日はありがとう、次はお屋敷に訪問マッサージに行きますね》」


「長く話していたわね、なんて言ったのかしら、次のマッサージの事だと嬉しいわ・・・・・・家で待っているわね」


ローラさんが話している時に頷いて揉む仕草をしたので、訪問マッサージの事だと分かってくれたようだ。





「大人の味」


「大人の味」


「大人の味?」


「大人の私にも頂戴よ」


「ニャ~≪大人の味≫」


ローラさんが来てくれた日の夕食後、チョコを楽しむ三人姉弟。僕はいつものように辞退したので、シンシアさん以外の口の中にはチョコが入っている。


「でも、ちょっとしかないんだよ」


「次に貰えるまで、どんな事をしても手に入らないんだよ、だから・・・・」


「頂戴、お母さんも大人の味が・た・べ・た・い・の」


「もう、大人なのに仕方ないな、1個だけだよ」


「頂戴」


シンシアさんの前に置かれたチョコは前回と同じ大きさ位だ、一番小さいのを予め決めているような感じだ。


「メグ、この大きさだと大人の味が分からないのよ。メグも大人の味と言って欲しいでしょう」


「おお、そうか、でも、少ししかないとお姉ちゃんに言えと言われた様な、言われていない様な」


「ミヤからもメグにお願いしてよ、お姉ちゃんでしょう」


よく分からない会話になってきたな、話しているシンシアさんは分かっているのかな。


「メグ、仕方ないからあげたら、次は上げなくてもいいからね」


「そうか、お母さんの食べたい大きさをあげればいいんだ、前貸しになるけど、今食べますか?」


「よく分からないけど、これは返すから大きいのに替えて」


前貸し、前借か、メグからは前もって貸すでいいのか?。


テーブルに置かれた小さい欠片が大きい欠片になった。


「美味しいわね、大きくないと分かり辛いのよね」


「お母さん、味は?」


「はい、大人の味です」


メグちゃんは大人の味が聞けて満足したようだ。


「ジャン、あげる」


「お姉ちゃん、ありがとう」


僕がシンシアさんに視線を向けると、チョコを貰って幸せだった顔が、厳しい表情に変わった。


「まあいいわ、ジャンにあげてくれたんだから」


どうしてか、お母さんのシンシアさんにだけお菓子をあげる事に厳しい姉妹なのである。


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