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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
53/521

ニャ~・・・53

「まだ魔法が使えないんだよね」


「どうしたら使えるのかな」


「ニャ~≪まだそんなに、学校行っていないよね≫」


二人は学校に数える位しか行っていない、僕のあいまいな記憶だと5回だ。砂浜に来た回数の方が全然多い。貝が取れなくなった後も砂浜に遊びに行った。


シンシアさんとサキさんも汚れてもいい洋服で砂風呂をした。


「ミヤとメグちゃんは期待しすぎだよ。先生も時間が掛かると言っていたよ」


「そう、そんな事を言っていたの」


「謎の呪文がいけないんだよ」


「ニャ~≪泳いで来ます≫」


「レイ、溺れたふりは止めてよ」


「はいニャン」


溺れたふり、それは最初に来た日の事だな。別に溺れたふりではなかったけど、被害者メグちゃんを出さない為にその場泳ぎは止めよう、人間だと立ち泳ぎだな。


ミヤちゃん達はいつか魔法が撃てるようになるのかな、才能とかは要らないのかな。


「のんびりでいいのよ、難しいと先生が言っていたでしょう?」


「言っていたかな」


「お姉ちゃんは、小声で呪文を唱えていたよ」


「そうか、聞いていないで練習していたんだ」


学校はどこにあるんだ、それに生徒は何人いるんだろう。少し気になるな。


変な呪文は『オー』だったかな、単語としては短いので直ぐに覚えれるけど、オーと言って魔法が発動されるのなら、その辺に魔法使いがゴロゴロいる事になる。


シンシアさんが、学校が危険な事を教える所・・・・・・ミヤちゃん達に変な事を教える所だと言っていた、魔法を無暗に使う子にしたくないと考えたのだろう。ならば、シンシアさんも学校に行った事がある筈なのに魔法が使えない、ハリーさんも使えない。


使える様になるのは大変なんだな。


ん、澄んだ海の海底を歩く? 生き物がいる、タコかな。大きい生き物には足が沢山あるようだぞ。


「ニャ~《凄いぞ、巨大な生物が砂浜に向かっている》」


あの大きさだとオクトパスだよ、神話に出てくる。海の魔物だ、遂に魔物を見る時が来るのか・・・・・砂浜にはミヤちゃん達がいるよ。


「ミヤ、メグ、アカリ、ニャ~《巨大生物がそちに行くよ、逃げて》、ミヤ、メグ、アカリ」


「レイ、聞こえているわよ、溺れたふりなの?」


「ミヤ、メグ、アカリ、しめ、しめ、しめ、ニャ~《死んじゃうよ》」


「レイちゃんがしめだって、ミヤを挑発しているのよ」


「アカリちゃん、アカリちゃんの名前も呼んでたよ」


「レイ、しめ、しめ、しめ」


「ミヤ、しめ、ミヤ、しめ」


「レイ、しめ、レイ、しめ」


「ミヤ、何か大きい生物の影が見えるよ、海に」


「ああ、本当だ、レイちゃんはあれを知らせてたんだよ」


流石メグちゃん、よく分かったね。


「大きいわね、すぐに出ないと」


「ニャ~《頑張れ、僕も直ぐに行くよ》」


巨大生物が波打ち際に到着した、僕の遅い猫かきだど波に乗らないと凄く遅い。


「キャ~、ミヤ、出れないよ」


「キャ~、アカリちゃん、私も」


「キャ~・・・・・・あ、巨大なカニだ、ああ、良かった」


「ニャ~≪あんなに大きいカニがいるのか、体だけで2m位はあるよ≫」


「安心したら、砂から出れた」


「アカリちゃん、出して」


「はいはい」


何であんなに大きいカニに驚かないんだ、それに襲って来たらただじゃすまないだろう。


「レイ、大丈夫よ、カニは臆病だから襲って来ないのよ」


「ニャ~≪そうなんだ、ビックリしたな≫」


巨大なカニが横に動いている、足の長さを入れると2mの2倍以上はあるのかな。カニの足が多いからタコに見間違えたんだ。ハサミがある手? でいいんだよな、それが凄く太くて大きい、他の足は長くて細いので折れそうに見える。


「ニャ~≪砂浜に着いたよ≫」


本当だ、ミヤちゃん達の方に行かないで、横歩きしているよ。右に行ったと思ったら左に行ったな。


「ミヤ、美味しい? ニャ~≪カニは美味しいのかな≫」


「レイちゃん、カニは美味しくないのよ、臭みがあるのよ」


ミヤちゃんの代わりにアカリちゃんが答えてくれた。


「そうよ、誰も食べないのよ」


僕の美味しいは直ぐに理解してくれた、でも。カニが臭いなんて残念だな。






「ニャ~≪何で追いかけて来るんだよ≫」


「ブクブク」


ブクブクか、カニさんは何が言いたいんだ。流石にカニ語を覚えるつもりはないよ。


「ニャ~≪やめなさい、無駄だよ、追い付けないでしょう≫」


カニさんはなかなか早い、前後の動きは遅いけど、横歩きだと軽快な足どりで付いて来る。


カニは前に歩くんだ。ミヤちゃん達に驚いたのか、上陸したら横に歩いていたよ。


「ブクブク」


何故僕の事を追いかけてくるんだ、小さいから怖くないのかな。


「ニャ~≪僕に何か用なんかな?≫」


「ブクブク」


「ニャンパラリン、ニャ~≪おお、攻撃して来たぞ≫」


ジャンプして避けなかったら、攻撃を受けていたよ。


「ブクブク」


「ニャンパラリン、ニャンパラリン」


両手で攻撃したきたよ、ブクブクと何か話しているようだけど、何も分からないよ。


「ブクブク」


「ニャ~≪ああ、追い詰められたよ。岸壁の隅に来ちゃったよ≫」


どっちに行こうかな、角から右は堤防なのかな、それに沿って行けば海に、左の岸壁に逃げれば海に行くよりも逃げれる距離が長い。フェイントを入れよう、右の海に向かう様に見せかけて岸壁だ。


「ブクブク」


「ニャ~≪読まれていたよ≫、ニャンパラリン・・・・・・ニャ~≪痛いよ、もろに攻撃を受けたよ≫」


飛んで避けようとした僕に攻撃が当たった。起き上がると目の前に巨大なカニの目が有った。


「ブクブク」


カニさんの目が怒っている様に見える。


「ニャ~≪何で僕を攻撃するんだよ、何もしてないのに≫」


「ブクブク」


「ニャンパラリン、ニャ~≪そうか、砂浜で僕の動きが遅く・・・・・・痛いから殴らないで、お願いします≫」


子猫の僕が巨大カニの力に敵う筈がないよ、岸壁の上に逃げれば良かったよ。おお~・・・吹き飛ばされた僕が落ちたのは、巨大カニの上だ。あれ・・・・・・吹き飛ばされたと思ったけど、その場で回転したんだ。


「ブクブク」


「ニャ~≪その目は何処まで見えているんだ、僕が乗っているが見えるのかな、ん?≫」


カニさんの甲羅には見た事のある何かの模様が書かれている、月のマーク?・・・・・・どこかで見たな。


「ああ、カニ、ニャ~≪このカニさんは2年前に僕が上から手で押さえた、あの時のカニさんなの?甲羅の模様が同じだよ≫」


「ブクブク」


何を話しているのかも分からないけど、岸壁で月の模様のカニを・・・・・・食べたかったんだ。ああ、あの時の恨みで追いかけられていたんだ。


こんなに大きくなったの。


「カニ、ニャ~≪ごめんなさい、もうしません、二度と食べるなんて言いません≫」


攻撃が止まっているので、甲羅の上で何回もお辞儀をして謝った。岸壁の上じゃないと僕に勝ち目がない・・・・・・逃げ足の勝ち目がない浜辺の砂のでは。


カニの目をこんなにまじかで見た事がないけど、黒い眼球が僕を見ている様でとても怖い。


「カニ、ニャ~≪何でもします、許して下さい≫」


「ブクブク」


ああ、どうしたらいいんだ、甲羅に乗っている間は攻撃されないけど、ミヤちゃん達はまた砂に埋まっているな、どうす・・・・・・動き出した。


「ニャ~≪落ちゃうよ、今度こそあの大きいハサミの餌食になるよ≫」


カニさんのハサミの力はどうなんだ、僕の首と体を・・・・・・そうだよ、そんなに強くないよね。聞いた事ないよ、カニのハサミの力が強いなんて、でも弱そうに見えないよ。


「ニャ~≪うわ~、もう直ぐ海だよ、どうなるんだな≫」






「ニャ~≪助かったよ、カニさんは海に入ると海底を歩いて行ったよ、それも前進だ≫」


海に入った時は、新たな攻撃でも受けるのかと、ビクビクもんだったけど、甲羅に乗っていた感覚が水に浮かぶ感覚になった時はビックリした。自由になった様だったけど、カニさんの次なる攻撃は、浮いている僕には避けれないと思った、でも、攻撃は来なかった。澄んだ水の海底を歩いて行くのが見えた。


何で許してくれたのか分からにけど、カニさんを食べたいと思うのはやめよう、美味しくないのはいい事だ、二度と変な考えを起こす事がない。


「ニャ~≪カニさんがあんなに強いなんて、海にはもっと凄い生物がいそうだな≫」


あれ、最近嫌な生き物を見たよね、何だったかな。


思い出せないな、今日は泳ぐのやめよう。


海から上がってトボトボとミヤちゃん達が埋まっている場所に向かう。


「レイ、巨大なカニは逃げちゃったの、捕まえられなかったの?」


「はいニャン、ニャ~≪あんな恐ろしい生物を捕まえられないよ≫」


4メートルはあったんじゃないのかな、ミヤちゃん達も怯えていたのにカニさんだと分かった瞬間から安心していたな。僕が人間だったら、あんなに大きいカニさんが目の前に来たら逃げ出したよ。


「レイちゃんの事だからカニを食べるのかと思ったよ」


「そうだね、メグちゃんの様に珍しものを食べるのが好きなんでしょう」


「美味しいお菓子を探す為には珍しくても食べないとダメなんだよ」


「帰ろうか」


「そうだね」


「お母さんが、残念がるね」


「そうだね、余分に持たされたバッグがお母さんの期待の表れだよ」


ミヤちゃんとアカリちゃんは、持たされたバックをそれぞれ2個ぶら下げて見せた。


「アハハハ、こんなにバッグが有るのに1個も取れなかった」


「そうだね、1個位取れてもいいのねに」


「甘い変な生き物は何処にいるのかな」


「ニャ~≪もしかして、来年になれば取れるかもしれないな≫」


砂浜の上にいた貝はどうやって来たのかな・・・・・みんなは、砂を掘り起こしていない、潮干狩りの基本は砂をほって取るんじゃないのかな。皆には教えない方がいいな、本当に全部取っちゃうよ。


潮干狩りを『ひよしがり』とおじいちゃんは言っていたな、確認の為に父さんにも聞いてみたら『ひよしがり』だった。来年もひよしがりが出来ると良いな。






夏の半ば頃だろう、『レイちゃんに教えて貰った通りにするよ、早めの仕入れだ』と言って、ハリーさんは仕入れに向かった。


ダグラスさんが能天気なハリーさんの為に僕の考えをメモにした紙を渡したのだろう、ダグラスさんの経験もメモに書いた筈だ。僕の考えは経験に基づいていない、人聞きや口コミなので、合っているようで少しだけ間違えている部分がある筈だ。


仕入れに早く行ったのは、ダグラスさんに季節前から販売した方が良いと伝えたからだ。


「あ・い・う・え・お」


僕は馴染みのある日本語のあいうえお順に発声練習をする事にした。この世界の発音は少し違う、馴染みのある順番で練習したかった。


それに、この世界の発音は勉強し易いように並んでいないので、チグハグな感じで、僕達の世界のようにリズムカルに発声練習が出来ない。順番に並べればもっと覚えやす筈だ。


「か・き・く・け・こ」


ここまでは完璧に発音が出来るようになった。


「さー・しぃ・すぅ・せー・そぉー」


空気が抜けたり、小さい母音が付いたりしてしまう。


ミヤちゃん達は今日は、学校に行っている。寝る時に、その日の楽しかった事をよく話している。


知らない人の名前が出てくるけど、何人の生徒がいるのかは分からない。同じ人の名前がよく出てくるだけなので。


「ニャ~≪体力作りだ、その後はニャンパラリンだ≫」


岸壁をいつものように走る、カニさんとはここで出会ったんだな・・・・・・2匹目のカニさんも復讐に来るのかな、3匹目の敵が出来る様な事はしないようにしよう、砂浜で遭遇したら危険だ。



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