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ニャンだふるワン  作者: 自由人書
49/521

ニャ~・・・49

「レイちゃん、これがマッサージか、撫でられると気持ちいいんだな」


「はいニャン、ニャ~≪ご苦労様です≫」


お祭り初日は終わった。


忙しかったランディさんにマッサージで疲れを取って貰う。


「サキが喜ぶ筈だな、日頃の疲れが取れて行くよ。おお~、明日も頑張るぞとなるんだな。ああ、気持ちいい」


「ニャ~≪元気が良すぎて、疲れている様に見えませんね≫」


だいぶマッサージをしてあげたど、ランディさんは元気、疲れた人に見えない。


「あ、そこを強く押して、何かとても気持ちいい」


「はいニャン、ニャ~≪立っての作業は大変ですね≫」


いつものように、丁寧でリズムカルに撫でる、押す、揉むを強弱を付けて身体全体に施した。疲れている筈のランディさんは眠る事がなかった。


「いいな、この触り心地は、はあ~、癒される」


「ニャ~≪マッサージよりも僕を撫でる方が効くのかな≫」


ランディさんの顔はとても幸せそうだ、嬉々とした笑顔で僕を撫でる。


「どうだ、毎日遊びに来てくれないか、柔らかいパンがあるぞ」


「ニャ~≪考えておきます≫」


パンは美味しけど、毎日だと・・・・・・サキさんに捕まってしまう可能性が高まる。どうしても食べ物に困った時に来よう、それがいい。


「どうだ?」


「ニャ~≪僕は子猫なので、パンはあんまり食べれません。それなら、お店の前なら撫で放題でいいですよ≫」


「そうか、来てくれるのか」


はいニャンと返事をしていない事に気が付いていない、ミヤちゃん達だと返事をしていないから拒否されたと気が付くんだけどね。






「ジャン、良い子ですね。今日もおじいさん達と遊んでいてね」


「はい、じいじ、ばあば、楽しい」


シンシアさんに抱かれていたジャンはダグラスさんに渡された。


「まあ、ばあばは私の事なのね」


「すると、じいじは俺の事なんだな。いい呼び方だ、優しいおじいさんが、優しい孫に呼ばれているようだ」


「そうね、ばあば・・・・・・親しみを感じるいい呼び方ね」


「レイちゃんが、教えてくれたの?」


「はいニャン、シンシア、ニャ~≪シンシアさんが寝ている時に沢山呟きました≫」


朝食の終わった僕は、布団で二度を寝をしていた。


ジャンに毎日のようにじいじ、ばあばを呟いていたけど、真似をするジャンが二人の前でいつか言ってくれると期待していた。後は『ばあばよ、何かしら』『じいじだぞ、美味しいか』とか話し掛けてくれれば、二人の呼び方が定着する筈だ。


「お義父さん、お義母さん、よろしくお願いします」


「ああ、ジャンの事は任してくれ」


「そうね、私達もお祭りを見に行くけど、迷子にならないように注意しますよ」


「ありがとうございます、行って来ます」


「行ってらしゃい」


「ママ、行ってらし~い」


「ジャン、行って来ます」


皆行ってしまった、ミヤちゃん達も早起きをして、西側のクロエさんの家に行っている。お祭りの間はマルコ君も一緒に行動するので・・・・・・一緒にお菓子を食べるので忙しいそうだ。


僕は、出来る事が少ないののんびりしている。お祭りの人出が増える前に露店に行ってみるつもりだ。





「ニャ~≪道を間違えた≫」


人通りの少ない港の方から、西側の広場を目指した。広場から食材などの市場の通りに向かっていたけど、間違えていたようだ。


広場から続く食材市場に続く道は何ヵ所もあるだろうけど、目の前の道には沢山の人が広場から流れ込んだように広場と反対の方向を向いている。


「ニャ~≪この人達、なんで立ち止まっているんだ、非常に邪魔だよ≫」


広場から南の方に行ける道は4か所で、1か所に沢山の人達がいる。昨日のまばらな感じの道はあそこだな。


あれ、ここから見える所にクロエさんの露店が在りそうもないな、販売しているシンシアさん達もいなければ、カステラを売っている露店が在るように見えない。




クロエさんの露店が在りそうもなかったけど、人通りの少ない道を僕は全て確認して来た。


「ニャ~≪この人が多い通りが、クロエさんの露店が在る通りなんだ≫」


この中を通るのは危険だ、露店の後ろを通ろう。しかし、この人達は何しているんだ。


「はい、お釣りです」


「ありがとう」


「1個下さい」


「私も1個」


「早く買えないかな」


「どうぞ」


「これに入れて」


声からしカステラを売っている皆の声、買いたい人の注文の声だ。露店の裏、販売する人がいる筈の場所に誰もいない。山積のカステラは見えるけど・・・・・・視線の低い僕からだと他は何も見えないな。


「次の人、数を教えて下さい」


「4個」「1個」「3個」「1個」


声が違うから、同時に注文を言っているんだな。


「はい、お釣りです」


「凄く楽しい」


「ナタリー、手を動かして」


「は~い」


ナタリーさん? それにジェシカさんの声だ。


声の方に向かうと、クロエさんの露店と隣の露店の間にみんなはいた。


隣の露店の台を利用してカステラを詰めているのが、クロエさんとジェシカさん達だ。お客さんの対応をしているのがシンシアさんとサキさん。


何でここにいるんだ、バッグに詰めている台を大きく回って通りに出てみるとシンシアさん達の前の人を先頭にして人の行列が。


「ニャ~≪この人達は、カステラを買う為に並んでいるんだ、凄い行列だよ≫」


露店と露店の間で詰め込み作業をする、通りでお客さんの対応、これは効率化?。


「慌てないで下さい、まだまだありますよ」


「前の人がいなくなってから動いて下さい」


「はい、どうぞ」


「お待たせ」


「その後ろの人、このバッグですね」


「はい、私のです」


凄いな、並んでいる人達にも驚きだけど、忙しいのに対応できている。


「レイちゃん、来てくれたのね。ミヤ達を呼ん出来て、もう無理」


「ニャ~≪行って来ます、限界だったんですね≫」


「直ぐによ、レイちゃん」


シンシアさんとサキさんに頼まれたので探しに行くけど、見付けられるかな。






「レイちゃん、僕にマッサージをしてくれよ」


「嫌ニャン、ニャ~≪疲れているのは、手だけだよね≫」


「嫌ニャンて、そんな返事も出来るのか、どうだ、串焼きを奢るぞ」


「はいニャン、ニャンニャンニャン、ニャ~≪後払いでいいよ、直ぐに部屋に行こう≫」


「おお、ミヤちゃん達がレイちゃんの好きな食べ物の話をしてくれたのに感謝しないと、僕の部屋は四階だぞ」


「はいニャン」


お祭りの二日目の夜、食後に暖炉前で毛づくろいをしていると、家族団らんから僕のところに来た、ランドンさんにマッサージをお願いされた。


「ニャ~≪場所は分かっているよ≫」


急ごう、あまり時間を掛けると眠る時間が減る。


「いいな、僕も串焼きでおお願いしよう」


リビングにいる、ハリーさんの呟きが聞こえた。僕に借りが多いんだから、普通に食べさして欲しいな。記念日以外で食卓に並んだ事がないんだよね。







「何じゃこれは」


「おお~、行列だ」


「凄いな、俺も並ぼうかな」


「ハリーさん、これは俺達が作ったお菓子の行列なんだぞ」


「ええ~、この行列が」


「兄さん、あほだろ」


「お前があほだ」


「おい、お店に行こう」


「ああ、そうでした」


お祭りの最終日のカステラ作りは終わった。


「ニャ~≪凄いよね、初めて作ったお菓子がこんなに売れるんだな≫」


ランディさん達はお昼まで作り続けた、今日販売するカステラは前日に作った物で、お客さんが来ないだろう早朝に、ランディさんが運んでくれた。


お昼まで作ったのは、習慣でつい作業をしてしまったようだ。


僕はその作業をのんびりと眺めていた、知らなかったのだ、もう作らなくていいと。


「シンシアさん達が見えるよ」


「サキも見えるな」


「ニャ~≪僕からは・・・・・・・足が沢山、見えるよ≫」


「シンシア、売れているかい」


「手伝って、お菓子をつめて~」


「おお、そうか、忙しいのか」


「はあ、兄さんは・・・・・・」


「ランドンさん、手伝おう」


お祭りの最終日は隣の露店にもカステラが置かれていた。


「ニャ~、≪どれだけ、頑張ればこんなに焼けるんだ、凄い≫」


「お客さん、前にいる店員に買いたい数とバッグを渡して下さい」


「3個でこのバッグに」「2個です、お願いします」「1個、お願いします」


「美味しいですか?」


「凄く美味しいですよ、ここだけのお菓子です」


「5個、お土産にしよう、このバッグに」


「ナタリー、詰めれた」


「はい、3個のお客さんのです」


「はい、お待たせ」


「2個の準備出来ました」


「了解、2個です」


「ありがとう」


「ハリーさん、ここにお菓子を出して」


「おお、分かった」


「そうか、そこに運ぶと詰めやすいのか、ランディさん、兄さん、お菓子を皆の前に出そう」


「よし、分かった」


「ああ、その方が入れやすいのか」


「ミヤ、お代を間違えないでよ」


「は~い」


「メグ、悲しい顔しない」


「は~い」


「ニャンニャンニャン、ニャンニャンニャン」


頑張れ~、完売すれば終わりだよ。


「レイちゃん、邪魔」


「ニャ~≪すいません≫」


邪魔な様なので向こうに行こう。


行列の反対には人が少ないんだな、ここで応援しよう。


「ニャンパラリン、パン、ニャンパラリン、パン」


「レイちゃん~、宣伝しないで、ミヤ達だけでいいのよ」


ん、何の事だ。ミヤちゃん達が宣伝したのかな、でも、お祭りを楽しんでいただけの筈なのに。


「レイちゃん、ミヤは『うちのお菓子の方が美味しい』と比べていたのよ、それが聞こえていたのかも」


「ニャ~≪二日目からやけに多いお客さんはミヤちゃん達の呟きのせいなのか≫」


それでこんなに凄い事に。


「メグちゃんは『ふわふわなお菓子はうちだけなんだ』と自信満々で、店員に話していたよ」


凄いぞメグちゃん、よくケンカにならなかったな。


「見つけた、美味しくてふわふわのお菓子だ、この行列に並ぶのか、店員さん並んだら買えますか?」


「大丈夫です、台の下にも在庫があるので、並んだら買えますよ」


「やった~、ふわふわだ」


「ニャ~≪どんどん売れろ、その為に沢山作ったんだから≫」


応援は止められたので、忙しところ悪いけど、のんびりとカステラが売れるのを見ていよう。


「アカリ、お釣りの用意」


「は~い」


「ふかふかで気持ちいいな」


「ニャ~≪マルコ君か≫」


おお、気持ちいぞ、撫でるのが上手いな、気持ちいいよ。






「アカリ、ブツブツが出来たね」


「ミヤとメグちゃんもブツブツがあるよ」


「お揃いだね」


「ニャ~≪お菓子の食いすぎだよ≫」


お祭りの最終日に打ち上げをした。クロエさん達も誘わられたようだけど、ここから家が遠いいのとお祭りの疲れでのんびりしたいと辞退した。


ランディさんとサキさんは家に帰って、アカリちゃんはお泊りだ。


「沢山売れたね」


「凄いよね、行列だよ」


「お菓子が売れていくと残らないか心配になるよね」


「完売したね」


「うん、完売した」


「ランディさんが作って置いてくれて良かったよ」


「ニャ~≪一人の少女はカステラを食べる事しか考えていないんだな≫」


「メグちゃん、お店にはまだ有るから、明日取りに来なよ」


「いいのアカリちゃん、嬉しいな」


「そうだよ、皆で食べよう、3日間食べていないよ」


「そうだね・・・・・・食べていないね」


「ニャ~≪みんな頑張ったね、お疲れ≫」


「レイ、マッサージをして、一番何もしていなかったんだから、疲れてないでしょう」


「そうだよ、レイちゃんは・・・・・・踊っていただけだよ」


「その、私もトントンして欲しいな」


「はいニャン、ニャ~≪疲れてないよ、のんびりしていただけだからね≫」


「私一番がいい」


「アカリは2番でいい?」


「ミヤは最後でいいの?」


「いいよ。レイ、最初はメグよ、いつもより丁寧にしてよね、みんな疲れているんだから」


「はいニャン」


お祭りでは何もしていなかったな、初日に串焼きを食べただけだな。


「ニャ~≪お客さん、ここですか、トントン、トントン≫」


「気持ちいいよ、トントン、トントン」


「トントン、トントン」


「トントン、トントン」


みんなノリノリだね、トントン、トントン。





ダグラスさん一家は、お祭りが終わった3日後に帰って行った。仕入れに向かったハリーさんも西に向かったった。



『父さん、仕入れに行くので、僕の馬車に乗って行きませんか?』


『そうだな、途中まで送って貰うだけで助かるな』


『まあ、一緒なのね、嬉しいわ』


『兄さん、みんな乗れるのかい?』


『ああ、リードさんの馬車は大きいからね』


『そうか、リードと一緒に行けるのか、久しぶりだな』




出発の際に『その、変な事を言うけど、私の家族をよろしく』『シンシアさんの助けになってね』『兄さんは抜けているので、苦労を掛けます』と猫の僕に話していった。


総合すると、家族と仲良くでいいんだろう。


久しぶりに静かな時間だ、暖炉の前では寝たばかりのジャンが僕の横にいる。


この静けさが、お祭りの後の寂しさなのかな、4年後にはまた来るらしいので、少し楽しみだ。


ジャンの横で寝ようかな、隣で寝ていれば、起きたら僕を起こしてくれる筈だ。


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